121 / 333
121
しおりを挟む
シスター見習いとなってすぐ、私は仕事を任された
仕事と言っても雑用で、シスターらし事では無かった
「次は洗濯をして頂戴。」
「分かりました、シスターエリ。」
彼女はエリさんと言って、私より4つ上の誓願期間生だ
私が来るまでは彼女が一番若い存在で、新しく来た私をあからさまに嫌っている
次から次へと仕事と称しては、雑用ばかり押し付けてくる
だけど、逆に良かったのかも知れない
だって、忙しくしていたら忘れられるかもしれないから
思い出す暇もないくらい、動いていれば…
そう思って、私は一生懸命働いた
(洗濯・洗濯…右も左も洗濯の山だわ……。)
裏庭に運んだ洗濯の山々を見ては、ドッと疲れが出る
流石に疲れた…
教会の窓という窓を拭いて、蝋燭を取り替えては暖炉の灰の掃除
ここに来てすぐというのに、休み無く動いている
「っひっひ…ひくっ…」
「?どうしたの?こんな木陰に隠れて、どうして泣いてるの?」
「シスター…っ、私っみんなにバカにされるの。”お前は親なしだ”って…」
「…、ねぇ、良かったら私と洗濯してみない?きっと楽しいよ」
少しキョトンとした真丸目で私を見る女の子を起き上がらせて、私は手を引いた
私は知ってる
その悲しさも、辛さも、心が張り裂けそうなくらい悲鳴をあげているのに誰にも分かってもらえないことを
こんな時は楽しいことをするに限る
洗濯は楽しくないって、思ってる?
大丈夫、すごく楽しいよ
大きな桶にシーツを入れて、大量の水を流し入れる
洗い粉を入れて、裸足になって桶の中で足踏みしてごらん
ほら、凄いでしょ
「わあぁ!!シャボン玉!!」
「綺麗でしょ!たくさん踏むと、シャボン玉の数も増えるよ。」
「ほんとだ!すごいすごい!!」
(良かった、笑ってくれた)
これが通じるのは、これぐらいの幼い子ぐらいだ
そんな幼い子供に誰が酷いことを言ったのか?…
はしゃぐこの偽りのない笑顔を守りたいと思った
私のように悲しい想い、して欲しくない
そんなの、私だけで充分だ
「お姉ちゃんシスターなのに、シスターらしくないね」
「っえ?…あ、それはね…」
「お姉ちゃんみたいなシスター好き。また会える?」
「もちろん!いつでも会いにおいで。」
確かに、子供と一緒になってはしゃぐシスターなど聞いたことない
いや、私はシスター見習いだから許される、はず…
元気になったのか、女の子は手を大きく振りながら走って行ってしまった
そんな姿が可愛くって、私も手を振り返した
こんなやりとりさえ、大切に感じる
「ふぅ、まだこんなに残ってる。…よし!」
気合を入れ直して、次の洗濯に取り掛かった
汚れを落として、洗い粉を洗い流して干す
これの繰り返しと、お昼を食べていないせいか若干目が霞む
それどころか、幻覚まで見え始めた
風に揺られて動くシーツの合間にチラつく人の姿
ハッキリしないその姿に、目を擦って見直せばその姿は居なくなっている
そりゃそうか、だって幻覚だもん
(幻覚だ…)
そこにいるはずない、いる訳がない
こんな所まで来るはずない
そんな人じゃないって分かってる
なのに…後ろから私の手首を掴む感覚があるのはどうしてですか?…
仕事と言っても雑用で、シスターらし事では無かった
「次は洗濯をして頂戴。」
「分かりました、シスターエリ。」
彼女はエリさんと言って、私より4つ上の誓願期間生だ
私が来るまでは彼女が一番若い存在で、新しく来た私をあからさまに嫌っている
次から次へと仕事と称しては、雑用ばかり押し付けてくる
だけど、逆に良かったのかも知れない
だって、忙しくしていたら忘れられるかもしれないから
思い出す暇もないくらい、動いていれば…
そう思って、私は一生懸命働いた
(洗濯・洗濯…右も左も洗濯の山だわ……。)
裏庭に運んだ洗濯の山々を見ては、ドッと疲れが出る
流石に疲れた…
教会の窓という窓を拭いて、蝋燭を取り替えては暖炉の灰の掃除
ここに来てすぐというのに、休み無く動いている
「っひっひ…ひくっ…」
「?どうしたの?こんな木陰に隠れて、どうして泣いてるの?」
「シスター…っ、私っみんなにバカにされるの。”お前は親なしだ”って…」
「…、ねぇ、良かったら私と洗濯してみない?きっと楽しいよ」
少しキョトンとした真丸目で私を見る女の子を起き上がらせて、私は手を引いた
私は知ってる
その悲しさも、辛さも、心が張り裂けそうなくらい悲鳴をあげているのに誰にも分かってもらえないことを
こんな時は楽しいことをするに限る
洗濯は楽しくないって、思ってる?
大丈夫、すごく楽しいよ
大きな桶にシーツを入れて、大量の水を流し入れる
洗い粉を入れて、裸足になって桶の中で足踏みしてごらん
ほら、凄いでしょ
「わあぁ!!シャボン玉!!」
「綺麗でしょ!たくさん踏むと、シャボン玉の数も増えるよ。」
「ほんとだ!すごいすごい!!」
(良かった、笑ってくれた)
これが通じるのは、これぐらいの幼い子ぐらいだ
そんな幼い子供に誰が酷いことを言ったのか?…
はしゃぐこの偽りのない笑顔を守りたいと思った
私のように悲しい想い、して欲しくない
そんなの、私だけで充分だ
「お姉ちゃんシスターなのに、シスターらしくないね」
「っえ?…あ、それはね…」
「お姉ちゃんみたいなシスター好き。また会える?」
「もちろん!いつでも会いにおいで。」
確かに、子供と一緒になってはしゃぐシスターなど聞いたことない
いや、私はシスター見習いだから許される、はず…
元気になったのか、女の子は手を大きく振りながら走って行ってしまった
そんな姿が可愛くって、私も手を振り返した
こんなやりとりさえ、大切に感じる
「ふぅ、まだこんなに残ってる。…よし!」
気合を入れ直して、次の洗濯に取り掛かった
汚れを落として、洗い粉を洗い流して干す
これの繰り返しと、お昼を食べていないせいか若干目が霞む
それどころか、幻覚まで見え始めた
風に揺られて動くシーツの合間にチラつく人の姿
ハッキリしないその姿に、目を擦って見直せばその姿は居なくなっている
そりゃそうか、だって幻覚だもん
(幻覚だ…)
そこにいるはずない、いる訳がない
こんな所まで来るはずない
そんな人じゃないって分かってる
なのに…後ろから私の手首を掴む感覚があるのはどうしてですか?…
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
