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私は朔夜さんと共に臼田さんに運転してもらって倉庫へとやって来た
まったく…自分は免許書を持ってないからと、病み上がりの臼田さんをこき使うなんて……
(それよりあの車は一体誰のものだったんだろうか…)
車を降りてみると、辺りはコンテナのような倉庫が沢山連なった敷地に到着した
どれも同じような見た目で、どこまでも遠くに置かれ続いている
「凄い…規模ですね」
「ハルカさん家、すごいお金持ちだからね。これくらいは余裕なんだろうね。」
「昔の春さんの事、知ってたんですか?」
「あんまり知らないかなー、聞いても答えてくれないし。会ってまだ2年だしね。」
「2年前から春さんは変わりませんか?」
その質問に臼田さんは笑って答えた
全く変わらないスタンスだよと、強いて言うなら日に日に女性みたいに綺麗になっていくと
「…それで?」
「倉庫の番号は3141592だ。探せ。」
「円周率…、それに"探せ"ってもっと他に言い方ないんですか?…」
「無駄話はいい。早く探せ。」
それが人お願いする態度なんですかね…
私は臼田さんと顔を見合わせて、心なしか「仕方ないね」と言っているような表情をして、目当ての倉庫を探し始める
どのくらいあるのかも検討もつかない膨大な数のコンテナ倉庫
その中からひとつを探し出すのは、果てしないだろうな…
(3141589…3141590……3141591……)「3141592番。見つけた…、ここまで長かった…。ありましたよ、目当ての倉庫!」
「女、でかしたぞ。」
「中に何があるんですか?」
「資料が沢山あるんだ。前にここに置いてあると聞いた。」
「それって…勝手に持ち出したら駄目なんじゃ…」
そんなことには触れず、朔夜さんは躊躇なくダイアルキーを回して鍵を開けている
ガラガラッと扉を開けると、しばらく出入りしていないかのようにホコリまみれの空気が一気に外に逃げて行く
ケホケホと向けかえる私を置いて、中へと進む朔夜さんは「明かり」とだけ言ってくる
それに促されてスマホのライト機能を使って倉庫内を照らす臼田さんに、感謝していただきたい
中にはいっぱ箱が積み重なっていて、どうやら朔夜さんの言うとおり資料なるものが大量に保管されているようだった
こんな重要そうな物に関わっていいものなのか…
「おい犬顔、しっかり照らせ。」
(どれだけ臼田さんをこき使えば気が済むんだ…。)「もぉ…、ん?」
呆れる私の視界に、"沢口"の2文字が目に入る
それに引き寄せられるように近づき、箱の蓋を開けた
中には古びた書物や書類何かが入っていた
アルバムのような物を手に取り、そっと砂ホコリを払って開いてみる
それは現代とは全く違った背景の写真が沢山あって、時代を感じた
黒い髪の長い女性が写った写真
私とは違う真っ直ぐで艶のある髪の毛で、どこか悲しげな表情だった
次のページをめくると、その女性とは真逆に見える男性が一緒に写っている
嬉しそうな顔をする男性とは比例して、女性は感情というものを捨ててしまったかのような雰囲気で男性の隣に座っている
(何だかジャンさんに少し似ている気もする…。)
次をめくろうとして、アルバムから写真が1枚落ちてしまった
慌てて拾い上げると、写真裏にメッセージが書かれていた
少し崩れたような字で"最愛の人"と綴っていた
「この字の感じ…確か」
以前見た物に筆跡が似ている
あの古い手紙の文字に似ている
(もしかして、この写真に写る2人があの手紙をやり取りしていた2人ってこと…?)
手に持っていたアルバムから視線を離し、箱の中を見た
そして、おそらく何かが入っていたであろう麻の袋がくたびれた様子で入っていた
まったく…自分は免許書を持ってないからと、病み上がりの臼田さんをこき使うなんて……
(それよりあの車は一体誰のものだったんだろうか…)
車を降りてみると、辺りはコンテナのような倉庫が沢山連なった敷地に到着した
どれも同じような見た目で、どこまでも遠くに置かれ続いている
「凄い…規模ですね」
「ハルカさん家、すごいお金持ちだからね。これくらいは余裕なんだろうね。」
「昔の春さんの事、知ってたんですか?」
「あんまり知らないかなー、聞いても答えてくれないし。会ってまだ2年だしね。」
「2年前から春さんは変わりませんか?」
その質問に臼田さんは笑って答えた
全く変わらないスタンスだよと、強いて言うなら日に日に女性みたいに綺麗になっていくと
「…それで?」
「倉庫の番号は3141592だ。探せ。」
「円周率…、それに"探せ"ってもっと他に言い方ないんですか?…」
「無駄話はいい。早く探せ。」
それが人お願いする態度なんですかね…
私は臼田さんと顔を見合わせて、心なしか「仕方ないね」と言っているような表情をして、目当ての倉庫を探し始める
どのくらいあるのかも検討もつかない膨大な数のコンテナ倉庫
その中からひとつを探し出すのは、果てしないだろうな…
(3141589…3141590……3141591……)「3141592番。見つけた…、ここまで長かった…。ありましたよ、目当ての倉庫!」
「女、でかしたぞ。」
「中に何があるんですか?」
「資料が沢山あるんだ。前にここに置いてあると聞いた。」
「それって…勝手に持ち出したら駄目なんじゃ…」
そんなことには触れず、朔夜さんは躊躇なくダイアルキーを回して鍵を開けている
ガラガラッと扉を開けると、しばらく出入りしていないかのようにホコリまみれの空気が一気に外に逃げて行く
ケホケホと向けかえる私を置いて、中へと進む朔夜さんは「明かり」とだけ言ってくる
それに促されてスマホのライト機能を使って倉庫内を照らす臼田さんに、感謝していただきたい
中にはいっぱ箱が積み重なっていて、どうやら朔夜さんの言うとおり資料なるものが大量に保管されているようだった
こんな重要そうな物に関わっていいものなのか…
「おい犬顔、しっかり照らせ。」
(どれだけ臼田さんをこき使えば気が済むんだ…。)「もぉ…、ん?」
呆れる私の視界に、"沢口"の2文字が目に入る
それに引き寄せられるように近づき、箱の蓋を開けた
中には古びた書物や書類何かが入っていた
アルバムのような物を手に取り、そっと砂ホコリを払って開いてみる
それは現代とは全く違った背景の写真が沢山あって、時代を感じた
黒い髪の長い女性が写った写真
私とは違う真っ直ぐで艶のある髪の毛で、どこか悲しげな表情だった
次のページをめくると、その女性とは真逆に見える男性が一緒に写っている
嬉しそうな顔をする男性とは比例して、女性は感情というものを捨ててしまったかのような雰囲気で男性の隣に座っている
(何だかジャンさんに少し似ている気もする…。)
次をめくろうとして、アルバムから写真が1枚落ちてしまった
慌てて拾い上げると、写真裏にメッセージが書かれていた
少し崩れたような字で"最愛の人"と綴っていた
「この字の感じ…確か」
以前見た物に筆跡が似ている
あの古い手紙の文字に似ている
(もしかして、この写真に写る2人があの手紙をやり取りしていた2人ってこと…?)
手に持っていたアルバムから視線を離し、箱の中を見た
そして、おそらく何かが入っていたであろう麻の袋がくたびれた様子で入っていた
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