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コピーし終え、パソコンを元の状態に戻した
USBメモリーはギュウ君のポケットに突っ込んで、私は慌てて痕跡を隠した
5分だけ休んでも良いと言うことになった
そして、もうすぐ5分経つ
なるべく不自然に見られないように、ただ具合が悪い女性を演じなければならない
パートナー役のギュウ君も、慣れない事にタジタジだった
「"具合がだいぶ良くなりました"って言えば、多分大丈夫」
「なんか嘘付くみたいで気が引けるな…。」
「ここまでそんなこと言わないでよ…。なんか…やりづらいじゃんか……」
確かに、良い気分にはならない
だって、体調は悪くないのにこうやって休まさせてもらってる
本来入ってはいけない場所だ
しかも、見ず知らずの人のパソコンを開いて、勝手にコピーしている…
_____そりゃ気が引けるよね…
「だいたい、こんなものがなんの役に立つんだ?こんな…コソコソして、俺たちがやってるのは間違いなく犯罪だ。」
「そうかもだけど、きっと情報を持ってた人も犯罪してるよ」
「春さんがそうだと言えば信じるのか?」
「もちろん信じるわよ!春さんもジャンさんも、ギュウ君も信じてる!!だって信じたいからっ!…」
ギュウ君は怒ったようなビックリしたような、そんな顔をしている
言いたいことは分かるけど、私にはお願いされた事しか出来ない
もし、春さんがこのパーティーの主催者が人殺しだと言えば、私は信じる
もしギュウ君がこの国の総理の息子だと言えば信じるし、ジャンさんが本当は心優しい人と言うのなら信じたい
疑いなんて、最初から持ちたくない
信じたいから、大切な人の言葉だから、だから信じる
例えそれがおかしいと言われても、私は曲げないと思う
「俺は…ちさみたいには、なれないみたいだな。誰も彼も、受け入れたいだなんて…思えないよ。」
「ギュウ君……。ギュウ君は、私の大切な人だよ。だから信じるし、心から信じたいと思う。私の場合はそう思える人が少し多いいだけだよ」
私は、ギュウ君の腕を掴んだ
真っ直ぐ彼の瞳を見て、震える声ではなく芯の通った声でちゃんと言った
彼と楽しい時間を過ごした分、似た境遇がある分私は彼に共鳴したいとも思ってしまう
もはや家族だ
大切な大切な、兄弟みたいなもの
そんな人の辛い姿など見たいとは思わない
何で信じれるんだ?って疑問に思ってる
所詮赤の他人だろって言いたいんでしょう
「ギュウ君が辛いって言うならもうこんな事はさせないし、静かに暮らしたいって言うなら春さんやジャンさんに頼むよ」
「ちさ……。」
「もし、何かしたい事があるなら私は止めないし、応援するよ」
「……ごめんな。」
小さく、消えそうな声でギュウ君は言った
そして、私を覆うように抱き締めた
苦しくなかった
でも、何だか寂しそうで孤独的だった
消えてしまいそうな存在に、私は抵抗ではなく受け入れるように彼の背中を撫でた
大人だと思っていたギュウ君は、ひとりでは背負えきれない何かを抱えているみたいに辛そうで
私と同じくらい幼くて
今にも爆発してしまうみたいにいっぱいいっぱいに見えた
きっと聞いても答えてくれないと分かっているから、私も辛い
何もできない自分が、何も変えられない自分が堪らなく憎かった
USBメモリーはギュウ君のポケットに突っ込んで、私は慌てて痕跡を隠した
5分だけ休んでも良いと言うことになった
そして、もうすぐ5分経つ
なるべく不自然に見られないように、ただ具合が悪い女性を演じなければならない
パートナー役のギュウ君も、慣れない事にタジタジだった
「"具合がだいぶ良くなりました"って言えば、多分大丈夫」
「なんか嘘付くみたいで気が引けるな…。」
「ここまでそんなこと言わないでよ…。なんか…やりづらいじゃんか……」
確かに、良い気分にはならない
だって、体調は悪くないのにこうやって休まさせてもらってる
本来入ってはいけない場所だ
しかも、見ず知らずの人のパソコンを開いて、勝手にコピーしている…
_____そりゃ気が引けるよね…
「だいたい、こんなものがなんの役に立つんだ?こんな…コソコソして、俺たちがやってるのは間違いなく犯罪だ。」
「そうかもだけど、きっと情報を持ってた人も犯罪してるよ」
「春さんがそうだと言えば信じるのか?」
「もちろん信じるわよ!春さんもジャンさんも、ギュウ君も信じてる!!だって信じたいからっ!…」
ギュウ君は怒ったようなビックリしたような、そんな顔をしている
言いたいことは分かるけど、私にはお願いされた事しか出来ない
もし、春さんがこのパーティーの主催者が人殺しだと言えば、私は信じる
もしギュウ君がこの国の総理の息子だと言えば信じるし、ジャンさんが本当は心優しい人と言うのなら信じたい
疑いなんて、最初から持ちたくない
信じたいから、大切な人の言葉だから、だから信じる
例えそれがおかしいと言われても、私は曲げないと思う
「俺は…ちさみたいには、なれないみたいだな。誰も彼も、受け入れたいだなんて…思えないよ。」
「ギュウ君……。ギュウ君は、私の大切な人だよ。だから信じるし、心から信じたいと思う。私の場合はそう思える人が少し多いいだけだよ」
私は、ギュウ君の腕を掴んだ
真っ直ぐ彼の瞳を見て、震える声ではなく芯の通った声でちゃんと言った
彼と楽しい時間を過ごした分、似た境遇がある分私は彼に共鳴したいとも思ってしまう
もはや家族だ
大切な大切な、兄弟みたいなもの
そんな人の辛い姿など見たいとは思わない
何で信じれるんだ?って疑問に思ってる
所詮赤の他人だろって言いたいんでしょう
「ギュウ君が辛いって言うならもうこんな事はさせないし、静かに暮らしたいって言うなら春さんやジャンさんに頼むよ」
「ちさ……。」
「もし、何かしたい事があるなら私は止めないし、応援するよ」
「……ごめんな。」
小さく、消えそうな声でギュウ君は言った
そして、私を覆うように抱き締めた
苦しくなかった
でも、何だか寂しそうで孤独的だった
消えてしまいそうな存在に、私は抵抗ではなく受け入れるように彼の背中を撫でた
大人だと思っていたギュウ君は、ひとりでは背負えきれない何かを抱えているみたいに辛そうで
私と同じくらい幼くて
今にも爆発してしまうみたいにいっぱいいっぱいに見えた
きっと聞いても答えてくれないと分かっているから、私も辛い
何もできない自分が、何も変えられない自分が堪らなく憎かった
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