逍遙の殺人鬼

こあら

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「っは、はぁ!?」

ギュウ君は瞳をむき出しにして、驚きと疑問の混ざった叫び声なるものをあげた

「だから、私の肩を、」

「いや…それは聴こえてたよ。なんで、俺が触らないといけないんだよ…。」

「だから、私とギュウ君と肩の違いを、」

「そんなの知らなくていいよ!誰彼構わず触られたりしちゃ、駄目だろ!」

大きな彼の声に、脳内エコーがかかって"駄目だろ!"がこだましてる
顔を真っ赤にして怒ってる

「俺っ、もうっ…戻るから。」とベッドから離れ、脱いだジャケットを持ち後退る
もう帰っちゃうの?と聞くと、疲れている私を心配していると顔をそらし言った









「鍵はちゃんと閉めてな。」

「分かってるよ」

「夜中に誰か来ても、開けちゃ駄目だぞ。」

「はいはい」

「念のため窓の施錠も、」

「ギュウ君!私は大丈夫だから!!」

帰るのか帰らないのかハッキリしていただきたい
部屋の敷居を間に、何かにつけて心配してくる…、母か……

(母親の事など何ひとつ覚えていないが…。)

そんなに心配される程、私はアホなのか?
ギュウ君が若干過保護になりかけているのは、解せない

「っあ!そうだ、これを渡そうと思ってたんだ。」

「あー、ギュウ君に持たせたままだったね。ありがとう」

「この、USB…?は俺から春さんに渡しておくから。ちゃんと戸締まりしてから寝るんだよ。」

有り難いことだが、最後のは余計だろう
おやすみと手を振って、ギュウ君も居なくなった事だしとドアを閉じた

言われなくともやりますともと、ドアに鍵をかけて少し空気の入れ換えをと窓を開けた
夜中の冷えた風は真冬と言うこともあり、寒すぎた
でもその冷たさが逆に、私を冷静にさせようと頑張ってくれているように感じた

出窓に座って、何も見えない窓の外を覗き込んだ
邸はきらびやかに輝いているのに、外は街灯すらなく窓から溢れた灯りがうっすらと伸びているだけで、明瞭に照らしてはくれない
窓ガラスに写る自分は、まるで闇の中にひとり置いてきぼりにされたみたいだ

ギュウ君が返してくれたスマホを見ると、2人で頑張った成果物があった
少し気になって、春さんから貰ったUSBメモリーには入れずに私のスマホにコピーしたモノ

「ファイル名がアスタリスクになってて、気になったんだよね」

確認しようとファイルを開いた
中身は色々なデーターが入っていて、ほとんどが殴り書きしたような文章だったり清書する前段階のメモのようなものが多かった

仮説だったり、新たな試みのアイデア新薬、人類の更なる進化など専門的なものばかりだった
試しにひとつ読んでみると、不老不死への道だなんて夢みたいなタイトルがついていて、思わず笑ってしまった

人は生まれ、そして死ぬ
それが自然の摂理で、犯してはいけない領域だ
死なない世界、それは憧れでもあり逆に恐ろしいものでもある
人口増加、自然的でなくなった人間、老化と言う概念がない世界、食糧難や地球への負担は計り知れない

(まぁ、そんなに重く考えるのは私くらいなものか…。)
死なない、そして老いないなら誰も彼もが喜ぶ話だ

「"細胞分裂の回数は決まっていて、数を重ねるごとに人は老化を進める。"ほぇー、細胞分裂か」

細胞分裂なんて、微生物とかしか頭に浮かばないなと記憶を巡らせた
例えば、細胞分裂は100だと定められていて、私は100の内18の細胞分裂を終えている…みたいな感じかな?と続きに目を通した

「"細胞分裂を狂わせる鍵は母体内にいる胎児の成分ではないか?"…って、何それ…」
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