ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第三十七話 「ジュンブライトのクリスマスの思い出」

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俺達は、部屋でぐっすり寝ていた。
俺とアルマとソアン、ジャンは109号室。その隣は、テレサ、アクア、リナン、ジェシカがいる。
ガタンゴトン、ガタンゴトン。
寝台列車が夜の線路を走っている。

「なぁ、ジュンブライトぉ。」

なんだよアルマ。人が寝ているのに声を出して。

「・・・・・・トイレについてきて。」

はぁ!?そんなもん、一人で行けっつーの!

「だって、姉ちゃんがこう言ったんだ。「夜になると、3番目のトイレに花子さんがいる。」って!」

バッカだなぁ。花子さんは女子トイレにいるの。男子トイレにはたけしくんっていう男がいるんだよ!んなもん、信じこんでどうする!サンタクロースを信じなかったくせに!

「うるさい!なぁ、ついてきてよぉ。」

ったく、しょうがねぇなぁ。
俺は起き上がって、懐中電灯を持った。そしてアルマはベッドのはしごからおりて、「行こう。」っと、俺に言って、俺達は部屋を出た。

「なぁ、3番目のトイレに入れないでくれよ。」

わかってるって!そのくらい、心配すんな!
てか、俺の後ろに隠れるなっつーの!
タッタッタッタッタ。

「ひぃ!」

アルマが声を上げた。

「なんだよ!」

「さささささっき、だだだだ誰かが、はははは走ってたぜ!」

アルマがふるえながら、廊下の方を指さした。

「どれどれ?」

アルマが指をさしている方に懐中電灯を向けると、そこには誰もいなかった。

「誰もいねぇじゃねぇか。」

「本当に誰が走ってたってばぁ!」

どんどん、アルマの声が大きくなっていたことに、俺は気付いた。
もう!アルマったら、こわがりなんだから・・・・・・わ!
俺はあるとびらにぶつかって、こしをぬかしてしまった。

「ジュンブライト!」

アルマが、走って俺のところに駆けつけて来た。

「大丈夫か?」

「いててて・・・・・・。もう、俺のカッチョイイ顔が、台無しじゃねぇか・・・・・・お!」

懐中電灯の光を当てた先には、青い人間マークがあった扉があった。

「うお、トイレじゃねぇか!」

今までおびえていたアルマの声が、急に変わって、喜びながら、トイレの扉を開き、電気を付けた。
二ヒ二ヒ。いいこと考えちゃったぁ!

「おいアルマ、目を閉じろ。」

「こうか?」

俺の言う通りに、アルマは目を閉じた。
そして俺は、アルマの背中に、両手をおいた。

「そんまんま、前に進んでぇ。」

「こうか?」

俺の言う通りに、アルマは前に進んだ。
アルマは俺が背中に両手をおいているのに気付いていない。
なぜなら、目を閉じているから!(あたり前だろ!)

「一、二、三・・・・・・。よし、三歩歩いてぇ。」

「こうか?」

俺の言う通りに、アルマは三歩歩いた。

「そうそう。そこでとまってぇ。」

「こうか?」

俺の言う通りに、アルマはとまった。
アルマがとまった目の前には、あの、うわさのたけしくんがいる、3番目のトイレが!

「前を向いてぇ。」

「こうか?」

俺の言う通りに、アルマは前を向いた。
よし、今だ!
俺はアルマの背中を、3番目のトイレに向かって・・・・・・ドーン!

「うわぁ!ったく、なにするんだよ!」

「ごめんごめーん。さぁ、しょんべんしたまえ。」

俺の声と同時に、3番目のトイレの鍵がカチンと閉まった。
アルマはまーだ、自分が3番目のトイレに入れられたこと、気付いていないぜ、二ヒ二ヒ。

「まてよ。ジュンブライトが、三歩歩いてぇって言ったのは・・・・・・。あー!」

やっと、気付いたようだなぁ。

「おい、ジュンブライト!きさまぁ、なにする気だ!」

二ヒ二ヒ。お前をきょうふのズンドコ・・・・・・いやいや、きょうふのどんぞこに落としてやるぜ!

「ゾ〇リを読みすぎだろ!」

ナイスツッコミ~!

「それでは、スペシャルゲストをお呼びしまーす!」

「おい、やめろぉ!」

俺は、アルマの声を無視して、深呼吸して、ニカッと笑って、大きな声でさけんだ。

「たーけーしーくーん!」

おれのさけび声が、トイレの中に響き渡った。
アルマの声も聞こえない。
アルマのやつ、たけしくんに連れて行かれてしまったのか?
やったぁ!作戦大成功!
と、俺が一人でよろこんだ、その時。
ガチャガチャ。
ん?鍵を開ける音が聞こえるぞぉ。
ガチャ・・・・・・バタン!

「ひぃぃぃぃぃ!」

急に、アルマが飛び出して来て、俺にだきついてきた。

「苦しい!離れろ!」

「うるせぇ!でででで出たんだよ!」

まあた、アルマの声がふるえている。

「何が出たんだよ。」

「たたたたたたけしくんだよ!」

やっぱり!俺の声で、たけしくんが現れたんだな。
・・・・・・でも、「はあい。」って言う声が、聞こえてなかったなぁ。

「ほほほほほ本当に、いたんだよぉ!」

すると、アルマの声と同時に、ドアがギィィィィと、勝手に開いた。
そして、女のおばけが、俺達の前にやって来た。

「ジュンブライトくん、アルマくん、まだ起きてたの?」

「ギャャャャャア!」

俺達は、声を上げて、こしをぬかしてしまった。

「てててててててか、たけしくんって、オカマだったっけ?」

「ししししし知らねぇよ!」

「しく、しく。」

ん?その小さい泣き声は・・・・・・。

「ジェシカ!」

なんで、おめぇが男子トイレにいるんだよ!女子トイレは隣だぞ、隣!

「知っていたけど、暗くてよくわからなかったから、トイレに入りこもうと思って、入ってみたら、男子トイレだったの。3番目のトイレに入ったら、そしたら、暗闇の中、一人でいるのがこわくなって・・・・・・。」

なーに意味わかんねぇこと言ってんだよ!

「しく、しく・・・・・・。」

はぁ。おめぇは本当に、泣き虫だなぁ。

「おい、泣いてんじゃねぇか!」

なーに、アルマはジェシカをかばってんだよ。まさかお前、ジェシカのことが・・・・・・。

「ち、ち、ちげーよ!俺はジェシカがかわいそうと思って、かばったんだよ!」

急にアルマの顔が、赤くなった。
タッタッタッタ。
ん?向こうから、足音が、聞こえるぞぉ。

「ジュンブライト~!」

ソアン、ジャン!お前ら、起きてたのか!

「だって、急にジュンブライトとアルマがいなくなっていたんだもん。」

「ジェシカ~!」

テレサ、アクア、リナン!

「もう、どこに行ってたんだい。あたし達、寝台列車の中をずーっと、探してたんだよ。」

「しく、しく・・・・・・。」

ジェシカが泣いているのを見て、テレサはジェシカの目の前にしゃがみこんだ。

「どうしたんだい?もしかして、またジュンブライトにお化けって、言われたのかい?」

テレサがこわーい目で、俺をにらんだ。

「いや、ちげーよ!俺はなにもしてねぇ!」

おれがあわててうそをついた、その時。

「・・・・・・言ったよ。たけしくんって・・・・・・。」

「はぁ!?」

怒りながら、テレサは立ち上がった。

「ジュンブライト!ジェシカにひどいことを言わないって、あれほど言ったろ!」

「ひぃぃぃぃぃ!」

俺がすぐにパッと逃げだすと、テレサが「まてー!」っと、俺を追いかけ始めた。
すると突然、俺はツルっと、すべってころんでしまった。

「いってぇ~。」

そのとたん、テレサがぎゅっと、俺の両うでをつかんだ。
いたたたた・・・・・・。は、離せ!

「やだよ!離して欲しいのなら、ジェシカに謝りなっ!」

ジェシカぁ、ごめん!

「・・・・・・いいよ。」

ジェシカが返事をしたとたん、テレサが俺の両うでをパッと離して、立ち上がって、ジェシカのところまで歩き、ジェシカの黒い髪をさわった。

「あんた、髪は切ったことはないのかい?」

「う、うん。」

すると、テレサがジェシカの黒い髪をさわるのをやめて、にこっと笑った。

「あたしがあんたの髪を切ってやろう。ジュンブライトや人にお化けって言われないように、切ってやるから!」

「あ・・・・・・ありがとう!」

ジェシカの顔に、笑顔があふれた。





ふぁー。ねむーい・・・・・・。
テレサが突然、ジェシカんお髪を切ってやるって言ったから、俺達はずーっと、ドアの前で待っているんだぜ。
理由は・・・・・・。

「ねぇリナン、僕、お手伝いしたいよぉ。」

ジャンがそう言うと、リナンが首を左右に振った。

「だーめ。テレサちゃんが、「男は必要ない。」って言っていたから、あんたは早くジュンブライトくん達と一緒に寝なさい。明日は早いんだから。」

「えー!?いやだいやだぁ!僕、リナンと一緒じゃなきゃ、いやだぁ!」

ジャンがわがままを言いながら、リナンにだきついた。

「だめったらだめ!部屋で私だと思って、『桃太郎』を読みなさいっ!」

リナンが『桃太郎』の本を、ジャンの胸に押しつけた。
するとだんだん、ジャンの目から涙が出てきて。

「うわーん!リナンのバカバカバカァ!リナンは僕より、ジェシカの方がいいんだぁ!」

泣きながら、ジャンはリナンの背中をたたいた。

「いたい、いたーい!やめてよぉ、ジャン!」

はぁ。ジャンは相変わらず、甘えんぼうで、リナンのことが大好きだなぁ。

「うるさいねぇ。どうしたんだい。」

テレサがドアを開けながら、言った。

「ジャンが急に、私と一緒にいたいって言い出して・・・・・・。」

「じゃあ、髪が切り終わるまで、ドアの前でジュンブライトとソアンとアルマと一緒に待てばいい。」

・・・・・・はぁ!?

「やったぁ!」

・・・・・・と言う訳なんだ。
ったく、テレサはジャンに甘いんだよっ!
おいお前ら!なにも思わないのかっ!

「あたり前だろ。」

なんでそう、きっぱりハモって言うんだよ!

「ジェシカの髪型、見たいから。」

ははーん。お前、本当にジェシカのことが・・・・・・。

「だーかーらー、ちがうって言ってんだろ!何回言えば気がすむんだよ!」

またアルマの顔が、急に赤くなった。

「えぇ!?アルマ、ジェシカのことが、好きなのか!?」

「うそ!恋に興味なかったアルマが、ジェシカにほれたの!?」

次々と、ソアンとジャンがびっくりしながら、アルマの方を向く。

「お前らも、いちいち反応するんじゃねぇよ!」

だんだん、顔が赤くなってる!

「うるさーい!」

「あんた達がうるさいんだよっ!」

うわぁ!テレサ、あんまりでっかい声、出すなよぉ。人が寝ているんだぞ、人が。急に起き出したらどうするんだよ!今、何時だと思ってる!夜中の2時半だぞ、2時半!

「それは知っているよ!」

てか、もう終わったのか?

「あたり前じゃない。」

あ、リナン。

「ジェシカちゃんをぉ、とってもぉ、かわいくしたよぉ♡ジェシカちゃーん、おいでぇ!」

アクアが部屋の方にさけんだ時、部屋の方からコツコツと足音が聞こえた。
そして、黒い影が見えてきて、だんだんその黒い影が女の子に見えてきた。
ん?黒いショートヘアで、ピンクのパジャマを着ている女の子って、まさか・・・・・・。

「ジェシカ!?」

俺とアルマとソアンとジャンが声をそろえて、驚いた。
お前、ずいぶんかわいくなってきたな!

「そう言われると、ちょっと・・・・・・。」

ジェシカが笑いながら、照れた。

「前髪は、私が切ったのよ。」

「ハサミを持ってきたりぃ、シャンプーを持ってきたりしたのはぁ、私だよぉ♡」

リナンとアクアが、自まんして話した。

「後ろ髪はあたしが切って、髪を洗ったりしたよ。」

よ!さっすが、ヴァンパイア界で№1の床屋の娘!

「もー、そんなにほめないでよ~。恥ずかしいじゃないかぁ。」

こんどはテレサが、体をもじもじしながら、照れた。
すると、ジェシカがアルマのところへ行って。

「どうアルマくん。私、イメチェンしたんだよ。かわいいでしょ?」

「あ・・・・・・あぁ。か、かわいいぞ。」

おや?顔が赤くなってんぞぉ。

「ちげーよ!俺はジェシカをほめただけだ!ほ・め・た・だ・け!」

まあた、うそついてっしぃ。
パコン!
いたっ!
俺は誰かから、頭をおもちゃのハンマーで強くたたかれた。
もしかして、じじーじいやがここに来ているのか!?
俺はおそるおそる後ろの方を振り向くと、そこにはおもちゃのハンマーを持ったまま、鬼みたいに角を出して怒っている、テレサがいた!

「あーた、人をからかうんじゃないよ!」

ひー、おゆるしを~~~!
俺は、テレサの前でおそるおそる、土下座した。

「土下座してもむだだよ!」

ひぃぃぃぃぃ!鬼が追いかけてくるぅ!

「鬼ってあーた、失礼なこと言うね!かん弁しなっ!」

パコン!

「ぎゃゃゃゃゃあ!」

俺のさけび声が、寝台列車の中に響いた。





うゔ、たんこぶ、いてぇ。ひりひりする~。
テレサ、おそるべし。
あの妖怪人間に出てくるベラみたいなこわさ、ハンパねぇ!
だってあいつ、怒ったらヴァンパイアから妖怪人間に変わるんだもん。
てか、しゃべり方、ベラみたいだもん。

「おーい、ジュンブライトぉ、起きて、もうつくぞぉ。」

ゔぅ、誰だよぉ。こんな夜中に起こすの。

「夜中じゃないよ、朝の七時だよ。ねぼけてるの、ジュンブライト。」

はぁ?ねぼけてなんかねぇよ!
・ ・
「てか、クマがついてるし。」

はぁ?俺の顔にクマがガオー!って、飛びついてないじゃん。飛びつかれたら、はい、さよおなら~だぜ。
・ ・
「いやいや、そのクマじゃないんだけど。」

「え?」

俺は起き上がって、自分のバックから小さな鏡を取り出して、自分の顔を見た。
・・・・・・うわぁ!なんじゃこりゃ!
俺のカッチョイイ顔に、まっくろくろすけが付いてるぞぉ!
・ ・
「まっくろくろすけちゃーう!そ・れ・が、クマなんだよ、クーマ!」

アルマ、なんで途中で大阪人になってんの。
って、そんなにつっこんでいる場合ちゃうし!
あれ?なんで途中で、大阪人になってんだ、俺。

「そんなにボーとしている場合じゃねぇ!ったく、昨日はゾロリの本を夜遅くまで読んでたからだ!」

「僕達、あれほど言ったよ。「明日は早いから、早く寝よう。」って。」

「そしたらお前が、「やだ!男は夜遅くまで本を読むのが、大切なの!」って、意味わかんねぇこと言っていたから、ほっといたんだ。」

「先生が言ってたろ?「早寝早起き朝ごはん。」って。お前、人の言うことが聞けねぇやつだなぁ。」

うるせー!だってあん時は、居ねむりしてたもん!

「言い訳無用!さぁ早く、コートを着て、そのカッチョ悪い顔を洗って、帽子をかぶれ!」

てめぇ、よくも人のもん、投げつけたな!てか、よく人に向かって、「カッチョ悪い顔」って、言ってくれたな!

「あぁ、言ったさ!お前は将来、大王になれない、ちびっこ王子だよ!」

「なんだとぉ!お前だって、ス〇夫みてぇにママ~って甘えて、母ちゃんはお前だけに優しくて、姉ちゃんだけにはなーぜーか、厳しすぎる、教育の方針が全くどこまで行ってっかわかんねぇ母親の元でランランラーンって育ったバカガキだよ!」

「うるせー!お前だって、大王様の大好物のかたつむりのステーキに、カラカラソースをかけたり、歴代の大王様の肖像画にらくがきしたり、いろーんないたずらをして、結局、大王様に毎日しかられるくせによぉ!」

「なんだとぉ!?お前だって、母ちゃんの知り合いにやるケーキを、つまみ食いして、食べたくせにぃ!」

「なんだとぉ!?」

「だって俺、お前の秘密、ぜ~んぶ知ってっからな!」

「ふん!俺だって、お前の秘密、ぜ~んぶ知ってるもんねーだ!」

「なんだとぉ!?」

「なんだとぉ!?」

俺とアルマはにらみ合って、しばらくしてなぐり合いになった。

「このこの~!」

「ガキ王子め!」

「けんかはやめて、さっさと準備しろ~~!」

ソアンの声が寝台列車の中に響いたとたん、俺とアルマはなぐり合いをするのをやめた。





ゔぅ、さむい、さむい!
ったく、サンタランドはいっつも冬になると、雪がつもるっての!
まるで、北海道みてぇだぜ!

「おい!ボーとしないで、さっさと行くよ!」

そっか!サンタランドの有名な場所、サンタ工場は、あのサンタの形をした大きいテントが、目印だったっけ!
てか、真っすぐ行けば、サンタランドにつくじゃん!
これはラッキー、クッキー、もんじゃ焼きじゃん!

「大事件、大事件だよぉ!」

新聞を配っている、俺達と歳が二つ離れている少年が、大きな声を上げながら、次々と町の人に新聞を配っている。
大事件って、一体、何があったんだ?

「ヴァンパイア界の王子が、行方不明だぞぉ!」

え~!?そりゃあ、大変だぁ!

「あと、王子の友達6人も、行方不明だぞぉ!」

えぇ!?王子様の友達まで、行方不明かよ!

「この顔に見覚えがある人は、〇‪✕‬□△〇◎※〇と、ヴァンパイア警察署まで連絡してくれぇ!あ、ヴァンパイア警察署の電話番号は、110番だよぉ!」

そう言いながら、少年は俺に新聞を配って、また大きな声で言いながら、走った。
一体、王子様って、誰だろ。
俺は新聞を広げてみて、思いもよらない記事を目にして・・・・・・。

「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!」

大きな声を出してしまった。

「どうしたんだ?」

アルマ達が集まって、俺が持っている新聞をのぞきこみながら、ジェシカ以外のみんなは、「うわぁ!」と、驚いた。

「母ちゃんと父ちゃん、俺が出ていったこと、気付いたのか!」

「ママ、すっごく悲しんでるよぉ。」

「こんなことが起こるなんて・・・・・・。」

「知らなかった!」

「はぁ・・・・・・。」

「あぁ、家でちゃーんと、宿題しとけばよかったぁ!」

ジェシカ以外のみんなは、あわてた。

「みんな、落ち着け!」

おれのさけび声で、ジェシカ以外のみんなはあわてるのをやめた。

「いいか?俺がこの記事を読むから、ちゃーんと、聞いとけよ。」

うなずきながら、ジェシカ以外のみんなはつばをごくりと飲んだ。

『ヴァンパイア界の王子と王子の友達が行方不明!
昨夜、ヴァンパイア界の大王、ヒアン様(45)が、ジュンブライト様(8)がいないことに気付き、家来に探してもらったが、全然見当たらなかった。その後、ジュンブライト様の友達、アルマくん(8)とテレサちゃん(8)とソアンくん(8)とアクアちゃん(8)とリナンちゃん(8)とジャンくん(8)が、行方不明になったことが、明らかになった。アクアちゃんのお母さんは、「きっと、クリスマスプレゼントはなしって言ったから、家出をしたんだわ。あんなにかわいい娘がいなくなるなんて、あたし、さびしいし、娘と二人暮らしだから、あたし、生きていけないわ。一から教育を、やり直したいわ・・・・・・。」と、泣きながら話した。一方、ヒアン様は、「私は悪くない。悪いのはあのいたずらぼうずだ!家出したことは、私には関係ない!」と、怒りながら話した。』

・・・・・・と。

「そうとう、大王様とお母さんは心配してるよぉ。もう、帰ろう。」

帰ろうとしているジャンのうでを、俺はぎゅっとにぎって。

「ジャン!まだまだ目的にたどりついていないのに、親を心配してどうする!帰りたいのなら勝手に帰れ!おいみんな、行くぞ!」

俺はジャンのうでを離して、アルマ達と一緒に、サンタ工場へと向かった。

「あぁ、まってよ~!」

ジャンが後を追いかけて走って行った。





「お嬢様はここにもいねぇなぁ。」

「一体、どこに行ったんだろ・・・・・・。」

「なぁジェシカ、お前、動物が大好きなのか?」

「うん、とっても。」

「今、お嬢様の声が聞こえた!?」

「あぁ!名前も!」

「ジェシカぁ、そろそろ行くぞぉ。」

「あぁ、まって!ジュンブライトくん!」

「・・・・・・やっぱり。お嬢様に間違いない。」

「でも、写真の顔と違うんじゃ・・・・・・。」

「いいから!さぁ、作戦、考えるぞ!」

「は、はい~。」




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