ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第三十七話 「ジュンブライトのクリスマスの思い出」

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それにしても、街は『ジングルベル』の音楽につられて、にぎやかだなぁ。ヴァンパイア界とは違うぜ!

「そこの子供達、まちなさい。」

ん?なんだなんだ?
俺達が後ろを振り向くと、そこにはくまの着ぐるみと、うさぎの着ぐるみがいた。
俺達は不思議そうにくまとうさぎに近づくと、くまがにゅっと、大きな顔を出して。

「一緒に写真、とらないか?」

え!?本当かよ!

「でも、お金は・・・・・・。」

すると今度はうさぎがにゅっと、大きな顔をジェシカの方に出して。

「タダだよ~。」
・ ・
「えぇ!?タダ!?」

俺達はいっせいに声を上げると、くま達は2回、うなずいた。

「うんうん。まず、そこの女の子から順番ずつ、一緒に写真をとるよ。」

くまが指をさした方は、ジェシカ。
ジェシカは緊張ぎみで、一歩一歩、ふるえながら歩いてゆく。
そして、くまとうさぎの前に踏み出した、その時!
くまがジェシカのうでをギュっとつかみ始めた!

「きゃあ!離してぇ!」

ジェシカがうでを離そうとしても、くまはジェシカのうでを離そうとしない。

「むだですよ、お嬢様。さぁ、私達と一緒に帰りましょう!」

お嬢様だとぉ!?そんなふざけたこと、言うな!

「ふざけたこと?ふっ、俺達は一切も、言ってないぞ!」

くまとうさぎが、着ぐるみを脱ぎ捨てて、くまとうさぎが背が高くて、スーツを着ている男に変わって、二人で同時にサングラスをかけて、俺達の方を見て。

「お嬢様を返してやろうか!」

「離して、離してぇ!」

ジェシカって、一体、何者なんだ!?

「ジュンブライトくん、どうするの!?」

どうするって言われても、わかんねぇよ!

「さぁお嬢様、帰りますよ!」

「やーだ、帰らない!」

あわわわわ!もう、早く考えねぇと、ジェシカが、ジェシカがぁ!
すると、アルマがなぞの男二人の前に一歩ずつ踏み出して、そして、やっとなぞの男二人の前に立って、
深呼吸をして。

「あ!あそこにUFОが!」

「えっ!?どこどこ?」

そのとたん、なぞの男一人が、ジェシカのうでを離した。
離したとたん、アルマはジェシカの手をぎゅっとにぎった。

「ほら、あそこ!」

アルマが空を指さすと、なぞの男二人は、空を同時に見上げた。

「雲しか見えないなぁ。」

「あー!」

アルマが突然、声を上げた。

「なんだよ!」

「びっくりさせんなよぉ、このクソガキィ。」

アルマはびしっと、向こうを指さした。

「今度は小泉今日子がいるぅ!」

「なんだとぉ!?」

「あの、キョンキョンがぁ!?」

「早く行かないと、帰っちゃうよ!」

「やべ!早く行かねぇと!」

「サイン、もーらおっと!」

なぞの男二人が、急いで向こうへと走って行った。
二人が行ったあと、アルマはジェシカの右手をひっぱって、真っすぐに走った。
そして、俺達も後をついて走った。





「はぁ、はぁ。」

「もう走るの、づかれたぁ!」

みんなは路地裏のかべに背中をもたらしている。

「大丈夫だったか?」

「・・・・・・うん。」

よーし!ジェシカ救出大作戦、成功!

「大成功じゃないよ!そんな作戦、いつ考えたんだい!あと、ジェシカ、あんたは何者なんだい。あのサングラスのおっさんが、あんたのこと、お嬢様って言っていたけど。ジェシカ、正直に答えな。あたし達、あんたの友達だから。」

確かに。なぁジェシカ、教えてくれよぉ。俺達、ジェシカを守ってやっから。
すると、ジェシカが下を向いて。

「実は私・・・・・・貴族の子なの。」

「えぇ~!?」

そんなの、なぜ最初っから言わなかったんだよぉ!

「じゃあ、なぜサンタランドに行こうとしたんだ?」

「・・・・・・私、みんなみたいに、プレゼントが欲しくて頼みに来たんじゃないんだ。」

はぁ?それ、どういう意味だ?

「・・・・・・私、お父様とお母様がもう一度、仲が良い夫婦になって欲しいと思って、サンタランドに行こうとしたんだ。」

はぁ?どういう意味だ、それ。

「私のお父様とお母様は仲がよくて、有名だったの。けれど、私が8歳になって、二人はいつもけんかを始めたんだ。私、にこにこしていて、にぎやかな家庭をすごしていた二人に戻って欲しいって、サンタさんに頼もうと、サンタランドに行こうとしたんだ。」

うゔ、その話、泣けるぜ!

「なんていい子なの、ジェシカちゃんは!」

「そこまで来るなんて、すごいなぁ!」

みんなはジェシカの話を聞いて、感動している。

「って、感動している場合じゃねぇ!早くサンタ工場に行かねぇと、夜になって、サンタクロースが出て行ってしまう!」

「そうだね。早くしないと・・・・・・。」

「いたぞぉ!」

あ!おっさん、キョンキョンいなくて、残念だったね。

「うんうん。残念だったよぉ・・・・・・って、ちがーう!お前ら、お嬢様を返せー!」

うわぁ!真っ先に追いかけてくるぅ!
しかも、行き止まりだし!

「ここはぁ、飛ぶしかないねぇ。」

「あたり前だろ!さぁ、1、2の3で、飛ぶぞ!」

「おう!」 「うん!」

俺達はいっせいに声を上げて、しばらく深呼吸して。

「1!」

「2の。」

「3!」

『3』と同時に、俺達の背中に黒い翼がバサッと生えて、高く空へと上がった。
それと同時に、なぞの男二人は、かべにドーンとぶつかった。
二ヒ二ヒ。ひっかかったぁ!

「このクソガキ~、よくもなめやがってぇ!」

二ヒ二ヒ。くやしがっているぅ!

「あ!あそこに見えるのは・・・・・・。」

ジャンが指さした方は、サンタクロースの形をした、テント。
もしかして・・・・・・。

「サンタ工場!」

いっせいに俺達は声を上げた。

「ここまでたどり着くなんて、私、感動しちゃう~!」

「でも、サンタ工場って、関係者以外、立ち入り禁止だよ。」

え~!?そんなの、最初っから言えよぉ!

「だって、ネットで調べたら、『サンタ工場はサンタクロース、小人しか入れない。』って、のっていたんだ。あんた達、それを知らないで、行こうとするなんて、バカだねぇ。」

むか!お前にバカって言われる資格、ないし!

「本当にサンタって、いたんだ。」

なーにボソボソとつぶやいてんだよ、アルマ。

「ほら、あれを見ろ。」

アルマが指さした方にはなんと、サンタがトナカイの小屋の掃除をしていたのだ!

「キャー♡トナカイさん、かわいい♡」

そうだなぁ・・・・・・って、そう言う場合じゃねぇよ!下を見ろ、下を!

「下?」

みんなが下を向いた先には、サンタ工場があった。

「やったぁ!なぁ、降りようぜ!」

あぁ、そうだなぁ!
俺達はサンタ工場の前に着陸。
それにしても、サンタ工場の建物、でっけぇなぁ。

「ねぇ、どうやって入る?」

それは・・・・・・。

「それは?」

・・・・・・わからん!

「がくー!」

みんなはお笑い劇のように、ずっこけた。

「はぁ。なんで早く考えなかったんだよ!」

「だって、関係者以外、立ち入り禁止ってこと、知らなかったんだもん。」

「あ!あの人に化けて入るのはどう?」

どこを指さしてんだよ、ジャン。

「どこってほら、小人だよ、こ・び・と!」

はぁ?白雪姫の小人が、なんでサンタランドにいるんだ?

「ちがう!白雪姫の小人じゃなくて、サンタさんの、こ・び・とだよ!」

あ、本当だ!耳がとんがっていて、サンタのぼうしによく似たぼうしをかぶっていて、服装はサンタと同じかっこうをしている小人が、白い袋に入れてないプレゼントの中身をチェックしている!

「チカちゃん人形OK、かっこいいロボットOK・・・・・・。」

なーるーほどぉ。あの小人に化けて、サンタ工場へ突入!ってわけなんだな、ジャン。

「うん!」

「さっすが、私の弟!」

よーし!みんな、行くぞ!

「おう!」 「うん!」

俺達は近くにあった木のところに走って行った。
そして、強い風がピューと吹いて、吹きおわった後、俺達は小人になった。
と言っても、身長、低いなぁ。まるで2歳児に戻ったみてぇだなぁ。

「ブツブツ言うな!」

あ、バカ!アルマ、でっけぇ声、出すな!
すると、木のかげからひょこっと、小さな顔が出てきて。

「君達、なにしてるんだ。」

あ!さっきの小人!チェックするの、はえーなぁ。

「は、話をしてたんですよ、話を!」

「話?なんの?」

「クリスマスですよ、クリスマス!明日の朝、子供達はプレゼントを見て、どう思うんだろうなぁっと。そしたらこの人が、なにやらブツブツ言ってまして・・・・・・。」

アルマ、演技、うめぇなぁ。

「そう。僕もそう思うよ。さぁ、外は寒いから、中に入って、暖まろう。」

「よっしゃー!」

するとみんなが、俺の口をふさいで、「アハハ。」っと、小人に向かって、苦笑いをした。
あ!俺、大きな声で「よっしゃー!」って、言ってしまったぁ!

「アハハハ。そんなに中に入りたがってたんだね。相当、寒かったんだろうね。」

にこにこ笑って言いながら、小人は大きな門へ向かった。
もちろん、俺達も小人の後について、門へと向かった。
ん?小人がポケットの中から取り出したカードは、なんだろ。

「すごいものを見せるからね。」

すごいもの?
そうしたら、小人がきかいの中にカードをはさんで、しばらくして、きかいがピーと鳴り始め、黒いカードをきかいから離すと、ガガガーと、大きな門が自動に開いた。
黒いカードは、キーカードだったのかぁ。 


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