ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

文字の大きさ
74 / 138

第三十八話 「笑里奈さんの夢!」

しおりを挟む
みなさん、明けまして、おめでとうございます。今年も、『ヴァンパイア♡ラブ』を、よろしくお願いします。
さーて、私はなにをやっているのかというと、初もうでが終わって、今、帰っているところです。
で、いっしょに帰っているのはもちろん・・・・・・。

「なぁ、真莉亜は今年の目標は、なんにするんだ?」

「今年の目標?私は、勉強をがんばるっかな。ジュンブライトは?」

すると、ジュンブライトは大きく体を張って、それから、ニッと笑って。

「俺の今年の目標は、真莉亜にいっぱいプロポーズをして、真莉亜と結婚することだ!」

やっぱり・・・・・・。そう言うと思った。
すると、ジュンブライトは急に、私の両手をぎゅっとにぎって。

「真莉亜、結婚しよう!」

はぁ?もう今年の目標、達成しようとするの?

「あたり前だろ。今年の目標を一発で達成するのが、男だぜ!」

い、意味わからん。こいつが言っていること。
とにかく私は、あんたと結婚するのはひゃっか。結婚するのは、私が16歳になってからねぇ。

「いや!ヴァンパイア界は年齢関係なく、結婚する国民が多いんだ!お前が16歳になるまではまてん!」

ヴァンパイア界と人間界の法律は違うの!この、わがまま王子め!

「なんだとぉ?」

ひぃ、ジュンブライトのまゆが4倍、つり上がってるぅ!
しかも、顔は怒っていて、目は私の方ににらんでいるし!
もしかして、もしかすると!

「お前、母ちゃんは何歳で、結婚したと言ったんだ?」

えっと・・・・・・、20歳って、言ってなかったっけ?

「は、そんなの遅すぎる。真莉亜、共にヴァンパイア界を平和にしよう。」

ひぃぃぃぃ!ジュンブライトが、とんがった歯を出して、私の首のまわりをかもうとしているぅ!
だれか、お助けを~。

「王子!」

パコーン!

「いたっ!」

だれかが、ジュンブライトの頭を、おもちゃのハンマーでたたいた。
しばらくして、ジュンブライトはばたりとたおれた。

「もう、正月そうそう、真莉亜様にめいわくかけたら、だめですよ。」

ルクトさん!

「真莉亜お姉様。明けまして、おめでとうございます。」

マドレーヌちゃん!今年もよろしくね。

「真莉亜、今年もよろしくね。」

リリアさん!今年もよろしくお願いします。

「ところで、ルクトさん達は、何しに来たんですか?」

「何しにって、見ての通り、初もうでじゃないですか。」

えっ!?ルクトさん達、初もうでに行ったんですか!?

「あたり前でしょう。」

出た。流行語ノミネート大賞予定の言葉。

「マドレーヌが急に、「初もうでに行きたい!」って、言い出して、火野王大神社に行ったの。」

火野王大神社!?そこ、私達も、行きました!声、かければよかったのに・・・・・・。

「その帰る途中、王子が真莉亜様におそいかかっているのを見て、すぐにこらしめてやりました。」

ありがとうございます、ルクトさん。

「いてててて・・・・・・。あ、じいや、マドレーヌ、リリア!」

あ。もうお目覚め?ジュンブライト。

「王子、もう二度と、真莉亜様をあんな目にあわないでくださいねっ。」

「へーい、へい。」

返事ぐらい、ちゃんとしろ!
あ、ところでジュンブライトとマドレーヌちゃんとルクトさんとリリアさん、ヴァンパイア界のお正月は、どんなのが、あるんですか?

「知りたいか?」

知りたいです。

「ヴァンパイア界のお正月は、超~すげぇぞ!まず、ごちそうは、ヘビのおぞうにに、てんとう虫のかまぼこに、まむしのさしみに、ちょうちょの羽と、かえるのお煮しめ!さらに、俺のイチオシは、青虫の液体でつくった青虫ジャムと、ハカタの塩でまぜた、青虫のようかんが、一番、おいしいぜ!」

ゔぅ、聞いただけで、気持悪くなってきました・・・・・・。

「それだけじゃありません。ハルルさんのお正月ライブは、ヴァンパイア界にとって、盛り上がる行事ですよ。」

ハルルさん?誰それ?

「とってもかわいくて、小顔で、なんと、ギラ様の妹なんですよ。」

えぇ!?ギラ様の妹なんですか!?

「あぁ。いつも二人で一緒にいて、アクアの恋のライバルらしいぜ。」

あ。アクアさん、ギラ様のことが大好きなんだったっけ。
それより私、ハルルさんのお顔が見たいです。

「これよ。」

リリアさん、スマホを持っているんだぁ。

「『夏、秋、冬、ハルルちゃーん♡』」

うわぁ。すっごいおじさん達の声。てか、ふつー『春、夏、秋、冬』でしょ。

「『みんなぁ、明けましておめでとーう!』」

あ、この人が、ハルルさん?かっわいい~♡

「『ハルルちゃーん!会いたかったよぉ♡』」

おそるべし、ハルルさんファンのおじさん達の声。

「『ハルルも会いたかったよぉ♡さぁ、最初の歌を歌うよぉ♡聞いてね。『ハルルの夏休み』!』」

うわぁ。歌、うまーい♡
・ ・ ・
「トイレに行っトイレ!」

ん?トイレはもう、朝起きてからしたよぉ。
・ ・・
「オオカミがトイレに入って、オー紙がない!」

オオカミがトイレに入って、「オー紙がない!」って、言わないでしょう。
ねー、ジュンブライト・・・・・・。
わわわわ!ジュンブライトが、カッチンコッチンの氷の中で氷ってるぅ!
ジュンブライトだけじゃない。マドレーヌちゃん、リリアさん、ルクトさんもみーんな、氷!
なんでなんでぇ!?
・ ・ ・・
「太陽に行ってみたいよう!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。」

ん?その笑い声、なーんか、聞き覚えがあるんだよねぇ。

「アハハハハハ!」

しかも、大きな笑い声が聞こえる。
・ ・ ・ ・
「そうだ!ソーダーを飲もう!」

「アハハハハ!」

つ、つまらん。こんな時期におやじギャグを言って、おやじギャグで笑う人なんて。
一体、どこでおやじギャグショーをやってるんだ?
私が辺りを見回すと、また。
・ ・・・ ・ ・・
「教科書、かしてください。よし、きょうかしよう。なんちってぇ、二ヒ二ヒ。」

「アハハハハ!」

ん?菜の花広場で声が聞こえるぞ。
よし、行ってみよう!
私は、菜の花広場まで、ダッシュした。
ん?人がたくさん、ステージの前に集まってるぞぉ。
なんか、お笑いステージでも、あるのかなぁ?
でも今日は、菜の花広場に芸能人がこないんじゃなかったっけ。
・ ・
「あなたのファンです!不安だなぁ。なんちってぇ、二ヒ二ヒ。」

むむ!あの赤毛のみつあみをしていて、いつもニカニカ笑っているのは・・・・・・。

「笑里奈さん!?」

なんで、なんでぇ!?菜の花広場のステージは一般人の路上ライブ、禁止なんじゃなかったの!?

「あ。真莉亜ちゃん、明けましておめでとう。」

あ、おまわりあさん。こちらこそ、明けましておめでとうございます。
・・ ・・
「アサリがあっさりとれる。なんちってぇ、二ヒ二ヒ。」

「ガハハハハ!」

おまわりさん、自転車に乗りながら、笑っています。

「ところでおまわりさん、菜の花広場のステージは、一般人のライブ、禁止じゃ・・・・・・。」

「笑里奈ちゃんは特別だよ。」

特別?

「そう。笑里奈ちゃんはこう見えて、お笑い芸人を目指しているからねぇ。大阪でも、けっこう路上ライブをしていて、大好評だったらしいよ。」

へぇ。笑里奈さん、人気者だったんだぁ。

「あと、笑里奈さんのお姉さん、まだデビューしたばかりの、お笑い芸人なんだよ。」


えぇ~!?そんなの、知らなかった!

「真莉亜ちゃん、笑里奈ちゃんとは、どういう関係なの?」

「同級生で、クラスメイトなんです。」

そのとたん、おまわりさんの目が点になった。
・・・・・・どうしたんですか?

「すごいねぇ、真莉亜ちゃん!おじさん、知らなかったよぉ!」

ちょっとおまわりさん、手をそんなに強く、にぎらないでください!

「あ、そうだ!真莉亜ちゃんに、これをやろう!」

おまわりさんが私の前に差し出したのは、ようかんが入ったパック。
それを、私は手に取った。

「そのようかんを、家族みんなで仲良く食べてね。」

あ、ありがとうございます。
・・ ・・
「じゃあまたね。洋館でようかんを食べる。ハハハハハハ!」

おまわりさんは、最後におやじギャグを言い残して、笑いながら帰っちゃった。

「真莉亜!」

あ、ジュンブライト。元に戻ったんだ。

「それより、なにがあったんですか?」

あのね、私のクラスメイトの川辺笑里奈さんっていう人の路上ライブが、菜の花広場のステージであったんだよ。

「川辺・・・・・・。」

「笑里奈?」

「誰ですか?それ。」

あ。ルクトさん達は知らないか。

「あ、春間さん。」

あ、笑里奈さん!もう、路上ライブ、終わったんですか!?

「うん、そうだけど。なんで春間さんがそれを知っとるん?」

「初もうでの帰りに、たまたま、菜の花広場から笑里奈さんの声が聞こえたから、私が菜の花広場まで行くと、笑里奈さんがお笑いショーみたいなのをやっていて・・・・・・。おまわりさんに聞いてみたら、笑里奈さんはよく路上ライブをやっているって聞いたんです。」

そのとたん、笑里奈さんが二カッと笑った。

「春間さん、ツッコミ、大得意やろ?」

え?なんで知ってるんですか?

「だって、黒月さんが言うてたんやもん。」

はぁ!?

「二ヒ二ヒ。」

こらぁ!笑うなぁ!

「はい、これ。」

笑里奈さんが私の前に紙を差し出した。
なんだろ?
私が不思議そうにその紙を取ると・・・・・・。

『第29回 中高生お笑いコンテスト 参加者募集! 対象年齢は、13歳~16歳まで!優勝者には1万円をプレゼント!未来のお笑いスターは誰の手に!』

えぇ~!?私、お笑い芸人を目指してないから、ひゃっかしまーす!

「お笑い芸人目指してなくても、いい思い出になるんやで。」

いや、私は人前でツッコミたくありませんので、ごめんなさい。
そのとたん、笑里奈さんはポケットから何かを取り出した。
そして、その何かを私の前に出した。

「千円あげるよ。」

えぇ!?千円だったのぉ!?そんなの、いりませんえん!あ、ギャグ言っちゃった・・・・・・。
その瞬間、笑里奈さんが顔をにやにやさせながら。

「ギャグのセンス100点満点っと、言うことで、合格やで~!」

えぇ!?これ、テストだったんですかぁ!?
・ ・・
「今日、テストですと!?なんちってぇ、二ヒ二ヒ。これが春間さんの心の中で思っていることやでぇ。」

す、すごいです。人の心をおやじギャグで読めるとは。
でも、私、ギャグを言った瞬間、なんだかお笑いコンテストに出場したくなった気がしたよ。笑里奈さんと。

「笑里奈さん、私と一緒に、お笑いコンテストに出場しましょう!」

土下座しながら、私が言うと、笑里奈さんは二カッと笑った。
・ ・・ ・ ・
「よろしい。では、今日コンビ名とネタ合わせをするで!あたいんちでなっ。」

え?今、なんて・・・・・・。
・ ・ ・ ・・
「だから、あたいんちで、コンビ名とネタ合わせをするで!」

えっ、えぇ~!?そんなの、早すぎますぅ!

「早すぎちゃうで!ええか?今日の夕方5時に、電話するから、電話するから、泊まる準備をしなっ。」

てか、笑里奈さんちにも泊まるんですかぁ!?

「あぁ。あと、春間さんのアドレスを教えてくれんか?」

えぇ!?私の!?

「そう。」

そう言いながら、笑里奈さんが私の前にメモ帳と鉛筆を差し出した。
私はそれを取ると、さっそく、自分のアドレスを書いた。そして、私が書き終わって、笑里奈さんに返すと、笑里奈さんはまた、二カッと笑った。
・ ・・ ・ ・・ ・
「これが私のアドレスです。あ、どれっすか?なんちってぇ、二ヒ二ヒ。」

最後におやじギャグを言って、帰りました。





歯みがきよし、パジャマよし、おふろセットよし、冬休みの宿題も、着がえもトランプも全部、よし!
はぁ、お母さん似ちゃーんとおとまりと、お笑いコンクールのことを言って、よかったよぉ。
お母さん、だめって言うかと思ったよぉ。

「真莉亜が初めて友達の家にとまる!あぁ、今年はなんて、すばらしいお正月なの~。」って、泣いてたんだけどね。

「じゃあ、おとまりに必要なものを、自分で準備して自分でチェックしなさい。」って、言われたんだ。
お母さん、こう見えて心配性なんだ。
ええっと、今、何時だろ。
私が、すぐ近くにある目覚まし時計を見ると・・・・・・。
わ!4時55分!笑里奈さんから電話、かかってくるの、もうすぐじゃん!
仕方ない。5時になるまで、目覚まし時計をじっと、見つめよう。
カチ、カチ。
時計のはりが、少しずつ、12の方へ進んでいく。
カチ、カチ。
あと一分。
カチ、カチ。
頭の中で、時計のはりが動く音が鳴り響く。
カチ、カチ。
キーンコーンカーンコーン。キーンコーンカーコーン。
え?今、外で菜の花広場のチャイムが鳴った?
私が、あわてて目覚まし時計を見ると・・・・・・。
うわぁ!もう、5時になってるし!
トゥゥゥゥル。
下から、電話の音が鳴り響く。

「あー!私が出るぅ!」

私は、あわてて階段をおりて、電話のところまでダッシュして、受話器を取った。

「もしもし、春間ですが・・・・・・。」
・ ・・
「『電話にでんわ!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」

もう、出てますけど。

「『春間さん、菜の花広場に行っとって。あたい、迎えに来るから。』」

あ、はい。わかりました。
・・ ・・ ・
「『じゃあ、さよおなら~。なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」

プープー。
最後におやじギャグを言って、電話を切るなんて、すごすぎます。
さっすが、大阪人です。
トゥゥゥゥル。
また、電話が鳴り始めた。
笑里奈さん、何か言い忘れたことでもあったのかなぁ。
そう思いながら、私は受話器を取った。

「もしもし、春間ですが・・・・・・。」
・・ ・
「『電話にでんわ!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」

もう、出てますけど。てか、笑里奈さん、何か言い忘れたことでもありましたか?

「『俺は、笑里奈じゃねぇぞ!』」

確かに。声は男の人で、しゃべり方は関西弁じゃなくて、自分のこと、『俺』って言ってるし。
まさか、この人・・・・・・。

「ジュンライト!」

「『あったりぃ。よーく、気付いたな。』」

ゾロリみたいな声で、気付きました。
ところで、何か用なの?
・・ ・
「『ぶたのまぶた。なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」

おやじギャグじゃなーい!何か用なのって、言ってんの!てか、笑里奈さんのまね、するんじゃない!
・・
「『サンジ、今何時?今、3時!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」

国民的アニメのキャラを、ギャグにするとは・・・・・・。すごいヴァンパイアです。
・・ ・
「『ゾロリ達がせいゾロリ!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」

いたずらの天才をギャグにするとは・・・・・・・。

「『缶が感動した!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」

今回は、おやじギャグが多いです。

「もう!なんにもなかったら、電話、しないで!」

怒りながら、私は電話を切った。
はぁ、はぁ。一体、なにをしたかったんだろ。





菜の花広場の前で、私は笑里奈さんをまっていた。
それにしても、もうすっかり、夜になりそうだよぉ。
ヒューって、冷たい風が吹くし、電灯に、明かりが付いてるし。
早く、笑里奈さんの家の中であったまりたーい。

「遅くなってごめんな、春間さんっ。」

笑里奈さん!もうずっと、まってましたぁ。

「えへへへへ。だって、店番に冬休みの宿題にとか、いそがしかったんやもん。」

やっぱ、両親が店をもっている子って、いそがしいんですね。いろいろと。
・ ・
「あぁ。さぁ、バスに乗って行こうか。」
・ ・
え?バスに乗って行くんですか?

「うん。あたいの店、ちょこっと遠いからなぁ。」

えぇ~!?そんなの、早く言ってくださいっ。

「ごめんな。電話を切った後、急に、あー!って、思い出したんやで。」

あぁ。お金、もってないよぉ。どうしよ。

「あたいがおごってやるから、安心しとき。」

え?おごってくれるんですか?

「うん。」

うわぁ、ありがとうございます!笑里奈さん!
はぁ。こーんな優しい大阪人がおごってくれるなんて、真莉亜、感激です。
そんな私達の前に、1台のバスがとまった。

「春間さん、行こう!」

えぇ!?あのバスに乗って行くんですか?

「あたり前やろ!さぁ、行くで!」

笑里奈さんは、私のうでをがっしりにぎって、バスの中に入った。
私達が入ったと同時に、バスのドアが閉まって、バスが動き始めた。

「間に合って、よかったなぁ。」

ですねぇ。さ、座りましょ。
私達がいすにすわろうとした、その時。

「あーら、こんなところでぐうぜんですわね、真莉亜様、笑里奈様。」

あれ?前でおじょう様語でしゃべっている、私達と同じ歳の子が、一人、いーや、三人、仲良くすわってるぞぉ。

「真莉亜様、笑里奈様、お忘れになったのですか?わたくしですわよ、わたくし。」

あー!

「比奈多さん、なぎささん、雪さん!」

しまった!でっかい声で言っちゃった!

「とりあえず、落ち着いて、話しましょう。あ、その前に、お二人とも、お座りになって。お話しましょう。」

あれ?いつもの比奈多さんとは違うような・・・・・・。
そう思いながら、私達はいすに座った。

「・・・・・・はぁ。」

比奈多さん、ため息をついている。どうしたんだろ。

「それは・・・・・・。」

「私達が説明します。」

なぎささんと雪さんは、私達の方を真剣な目で振り向いた。

「実は・・・・・・比奈多様、運動会が終わった後、潤様に好きだと、告白したんです。」

「そうしたら、潤様、好きな人がいるからっと、ことわったんです。」

知っています。それ、盗み聞き、しましたから。とは言わず。

「で、その後、どうしたんや?」

「その後、比奈多様は・・・・・・。」

「『潤様の好きな人は誰か聞き隊!』という、グループを作りました。」

『潤の好きな人は誰か聞き隊!』?なんですか?それ。

「潤様に関係ある人に、潤様の好きな人を聞くという、グループです。」

ルクトさんとリリアさんとマドレーヌちゃんに聞いても、無理だと思いますけど。とは言わず。

「で、そのグループのリーダーと、副リーダーは、誰ですか?」

「リーダーは、比奈多様で、副リーダーは、小春様です。」

えぇ!?副リーダーは、小春さんですか!?なんで、なんでぇ!?

「実は、グループを作る前、比奈多様、泣いていたんです。そこに、小春様がやって来て、わけを話したら、小春様、すっごく怒ってしまって。そこで、小春様が、「かわいそうな先輩を、見離すわけにはいきません!比奈多先輩、一緒に『潤様の好きな人を聞き隊!』という、グループをつくりましょう!先輩がリーダーで、あたしが副リーダーですねっ。」って、おっしゃったんです。」

あらら。じゃあ、比奈多さんと小春さんは、それで仲良くなったっていうわけですね。

「そうです。」

なぎささんは、こくりとうなずいた。

「そんで、もし黒月さんの好きな人が見つかったら、どうするん?」

笑里奈さんが聞くと、雪さんの顔が、急にこわーい顔になっちゃって。

「二度と、潤様の前に現れないよう、転校させるのです。」

えぇ!?それ、ひどすぎるんじゃ・・・・・・。

「ひどすぎじゃあ、ありませんわ!」

比奈多さん、立ち上がったら、ダメですよ・・・・・・。

「わたくしはまだ、潤様のことが大大大大大好きですわ!それなのに、潤様、わたくしのお気持ちをわかってくれずに、好きな人ができましたのよ!潤様の好きな人は、どこのどいつですか!」

ちょっ、比奈多さん、急にいつもの比奈多さんに戻っちゃって。
てか、私の服のそでをつかむの、やめてくださいっ。くるしいです!

「あ。もしかして、潤様の好きな人は、真莉亜様・・・・・・なんですか?」

え?違いますぅ!

「うそつきはどろぼうの始まりですわ!」

「そうよ、そうよ!」

うわぁ。いつもの三人組に戻ってるぅ。
おそるべし、女子のうらみ。

「『火野王大神社前~。火野王大神社前~。お降りの方は、お早めに降りてくださーい。』」

バスが急にとまって、比奈多さんは私の服をつかむのをやめた。

「まずいですわ!なぎさ様、雪様、早くいそがないと、恋結びが、売れてしまいますわ!」

「比奈多様、急ぎましょう!」

「そうですわね!じゃあお二人とも、よいお年を~。」

「よいお年を~。」

そう言いながら、比奈多さんとなぎささんと雪さんは、大急ぎで運転手さんにお金を出して、バスを降りて、行っちゃった。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

処理中です...