ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第三十八話 「笑里奈さんの夢!」

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そんなことが起こって一分後、ようやく、私達は笑里奈さんちにつきましたぁ。
それより、笑里奈さんちって、すっごく大きいね。
看板にでっかく、『なにわ屋』って、書いてあるし、二階建てだし、引き戸だし、ちょっと失礼だけど、古そうなお店だね。

「笑里奈さん、笑里奈さんの店って、何年に始まったんですか?」

「一九〇三年。」

えぇ!?明治時代から、笑里奈さんのお店が始まったって、ことですか?

「そう。うちのひいじいちゃんが、お好み焼きの修行から帰って、早速つくったお店だって。」

ひいおじいさんが元祖、この店の主人だったなんて、すごすきます。

「で、ひいおじいさんは?」

「死んだに決まっとるやろ。」

ですよね。

「さ、中に入ろう。」

はいっ。
笑里奈さんが、引き戸に手をのばそうとした、その時。
ガラッ!
とつぜん、引き戸が開いた。

「笑里奈、遅かったねぇ。」

「えへへへへ。おかん、この人が、うちの同級生の、春間真莉亜さんや。」

あ、どうも。春間真莉亜です。よろしくお願いします。

「こちらこそ。いつも娘がお世話になっています。」

笑里奈さんのお母さん、優しそう。
かおにちょこっと、しわが生えていて、年齢は、48歳ぐらいで、ちょっと失礼だけど、顔が太っていて、大きい。

「笑里奈が友達がとまりに来るって言い出して、もし、不良だったらどうしようって、思うたけど、優しい子でよかったぁ。はぁ、今日はなんて、いい日やろ・・・・・・。」

「あぁ。おかん、泣くなら中に入って、泣いて。」

「あぁ、ごめんごめん。真莉亜さん、荷物、笑里奈の部屋にもっといてやろうか。」

えぇ?いいんですか?

「あたり前やろ。」

あ、ありがとうございます。
私は笑里奈さんのお母さんに荷物を渡して、笑里奈さんと笑里奈さんのお母さんと一緒に、中に入った。
ん~。お好み焼きのにおいが、ただようぞぉ。

「いらっしゃい、真莉亜ちゃん。」

ん?年齢は51歳ぐらいで、今、お好み焼きを焼いているのは、誰?
ガラッ!
また、引き戸が開いた。

「おかん、おとん、ただいま。」

「お帰り。」

えぇ!?笑里奈さんの、お父さんだったの!?
ていうか、この女の人、誰?
背が170cmあるし、美人さんだし、髪の色は茶色だし、茶色のコートを着ていて、大きい青色のバックを持っている女の人。
一体、誰!?

「姉ちゃん、お帰り。」

姉ちゃん?

「ただいま、笑里奈。」

えぇ!?この人、まさかまさか!

「うちの自まんの姉ちゃんや。」

えー!?この人が、笑里奈さんのお姉ちゃん!

「もう、自まんだなんて、照れるんやないか。」

今日は驚くことが、多いです。

「姉ちゃん、あたいが東京でできた友達、春間真莉亜さんや。」

「あっ、どうも。春間真莉亜です。」

私は、笑里奈さんのお姉ちゃんの方を向いて、おしぎをした。

「初めまして。お笑いコンビの、チェリーのツッコミ役を担当しています。川辺由唯です。いつも妹がお世話になっています。」

あ・・・・・・。手を出しているってことは、あくしゅ・・・・・・ですか?

「そう。」

うわぁ。いいんですか?

「いいに決まっとるやろ。」

ありがとうございますっ。じゃあ、お言葉に甘えて・・・・・・。
私と由唯さんは、あく手した。
うわぁ。芸能人とあく手するなんて、生まれて初めてです。
もう、このあく手した手は、洗えません。

「さぁ。今日はお好み焼きパーティーで、盛り上がろうか。」

いいですね!私、お好み焼き、大好きですっ!

「ホンマかいな!それはありがとう。真莉亜ちゃん、好きなやつ、選んでええよ。」

えぇ!?いいんですか!?じゃあ、お言葉に甘えて、豚玉を。

「はいよっ。」

「春間さん、コーラー、飲む?」

あ、はい。飲みます。

「そうだ!」

な・・・・・・何ですか!?急に大きな声、出しちゃって。
 ・ ・ ・・
「ソーダーをのもう!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。」

がくー!おやじギャグですかっ。

「ぷはははは!」

笑里奈さんのお母さん、笑里奈さんのお父さん、由唯さんは、大爆笑です。

「え、笑里奈、もっかい。」
・・ ・・
「そうだ!ソーダーをのもう!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。」

「ぷはははは!さっすが、うちの娘やなぁ。」

ご家族も、おやじギャグが大好きだなんて、さすがは大阪人。

「はい、春間さん。」

あ、ありがとうございます。
私はコーラーが入ったコップを取った。

「はいっ、豚玉ねっ。」

あ、あの・・・・・・。私がたのんだのは、豚玉だけなんですけど・・・・・・。なんで、イカ玉と、キムチ玉と、チーズ玉と、もんじゃ焼きと、トッピングのキムチとチーズがあるんですか?、あと、私は13歳だから、ビール3本は、飲めません。

「なーに言っとんねん。このビールは、わしと頼子と由唯が飲んで、このトッピングとイカ玉とキムチ玉とチーズ玉ともんじゃ焼きは、うちら5人で食べるんやぞ。」

えぇ!?いいんですか!?

「あたり前田のクラッカー!」

それ、やや昔のギャグじゃありませんか?

「ぷはははは!」

みなさん、大爆笑しています。

「さぁ、みんなでカンパイしようか。」

「はいっ。」

「じゃあ、笑里奈、真莉亜さんのお笑いコンテスト出場をいわって、カンパーイ!」

「カンパーイ!」

カンパイした後、みんなはゴクゴクと、飲みものを飲み始めた。

「なぁ。最初、なにから焼く?」

えっと、チーズ玉から、お願いします。

「はいよっ。」

うわぁ。すっごくチーズがこんがり、とろけてるぅ。

「まだネタ、考えてないやろ?」

あ、はい。

「なかなか決まってなくて・・・・・・。姉ちゃん、なんかいいネタ、考えてくれへんか?」

「私からも、お願いしますっ。」

私達が土下座をすると、由唯さんは首を振った。

「ダメ。」

「な・・・・・・なんでなん!?」

「ネタとは、自分達で決めて、客を笑わせることや。人にネタを考えさせるのが、お笑いじゃないで。」





「えぇ!?春間さんのおばあちゃん、大阪に住んでるの!?」

『ハート』を読みながら、笑里奈さんは驚いている。

「はい。富田林で、桃山ベーカリーっていう、パン屋さんを開いているんです。」

「あー。あそこ、大阪におったころ、行ったことあるで。」

え!?そうなんですか!?

「あぁ。あたいが5歳のころ、あんぱんがとってもおいしいと評ばんがあるから、おかんと姉ちゃんと行ってみたら、もう、あんこがおいしくておいしくて、たまらんやったで。」

そのあんこ、おばあちゃんの手作りなんです。

「えぇ!?」

また、笑里奈さんは驚いた。

「なぁ。春間さん。」

ん?なんですか?

「明日、一緒にテレビ局に行こう。」

えぇ!?テレビ局って、関係者以外、立ち入り禁止ですよ!?

「それは知っとる。だってあたい。姉ちゃんのマネージャーと、仲がええからなぁ。姉ちゃんをわぁ!って、ビックリさせたいんや。」

笑里奈さんらしいですね。けれど、なんでテレビ局なんかに?

「姉ちゃんのお笑いを見に行くんやで。」

なるほど。

「さぁ、早速コンビ名とネタを考えるで!」

えぇ!?今、夜の10時ですよ!?もう寝なきゃいけない時間ですよ!?

「大丈夫。小さな声でしゃべれば、誰にも気付かれへん。」

確かに。そうですね。じゃあ、思いっ切り、しゃべりましょう。

「せやな。まず、ここにすわって、コンビ名を考えようや。」

あ、そうですね。じゃあ、すわりましょう。
私達は床にすわった。
あれ?笑里奈さん、何を書いてるんですか?

「これ?これはなぁ、あたいが考えた、コンビ名や。」

え!?見せてください!

「はいっ。」

私の前に、笑里奈さんは白い紙を出した。それを、私は手に取った。
うわぁ。いっぱい書いてあるなぁ。
さっすが笑里奈さん、たよりになります。
でも、ちょっと気になるコンビ名があります。
それは・・・・・・。

『プリン&大プリン』

一体、なんなんですか、これ。かいけつプリンは知ってるけど……大プリンって誰?

「春間さん、大プリン知らんの!?かいけつプリンに出てくる!」

はい・・・・・・。てか、笑里奈さん、そんなに大きな声、出さなくても、いいんじゃないですか?

「大プリンってのはな、プリンワールドの大王で、かいけつプリンのおとんや。」

えぇ!?かいけつプリンのお父さん!?

「ほら、かいけつプリンがピンチになった時、カラメルソースビームが向こうから的に向かって飛んでくるやろ?あれ出してんの、かいけつプリンのおとんや。」

へぇー。死んだかと思ったぁ。

「勝手に死なせるなっ。」

おぉ!大阪人につっこまれたの、生まれた初めてです。

「笑里奈さん、なんで『プリン&大プリン』ですか?」

「あたい、小さいころむっちゃくっちゃアニメ、観とったもん。」

私も。もう、すっごくおもしろかったぁ。あと、プ〇キュアも観ていました。

「特に、『かいけつプリンのうた』が、おもしろかったなぁ。」

『かいけつプリンのうた』?なんですか、それ。

「え!?知らんの!?『かいけつプリンのうた』」

まあた、笑里奈さんったら、さっきより2倍、大きな声を出しちゃって。本当に、誰かに気づかれますよ~。

「『かいけつプリンのうた』って、かいけつプリンのオープニングテーマで、プリンが歌っていた歌やで!?春間さん、知っとるやろ!?」

いや。もう、7年前のことなので、忘れました。

「じゃあ、笑里奈さん、歌ってください。」

「よっしゃ!じゃあ春間さんのかわいい少女時代を思い出させるため、歌いまーす!聞いてください、『かいけつプリンのうた』!」

そのあと、笑里奈さんは、『かいけつプリンのうた』を元気な声で歌ってました。

「どうやった?思い出したやろ。」

はい。なんとなーく。

「よかったわぁ!春間さん、かいけつプリンのうたを思い出してくれてぇ!」


「とりあえず、『プリン&大プリン』は、ダメです。」

「え~、やだぁ。『プリン&大プリン』がいい~。絶対ウケると思うも~ん。」

アニメのキャラでコンビ名作んないでくださいっ。

「じゃあ、『ふたりはプ〇キュア』。」

ダメです。

「笑里奈さん、もしかして、アニメが大好きなんですか?」

「あぁ。もう、超~大好き・・・・・・って、そんな話、している場合ちゃう!」

そうですね。

「あぁ、なんでうち、コンビ名を考えている時に、アニメのキャラの名前を、入れるんやろ~。もう!アニメオタクのあたいの、バカバカバカバカ~!」

あぁ!そんなに自分の頭を、自分でポコポコたたかないでくださいっ。私、いいコンビ名を思いつきましたから。

「いいコンビ名?なんやそれ。早く教えて!」

笑里奈さんは、自分の頭をポコポコたたくのをやめて、真剣な顔で、私をじーっと、見つめています。

「『お笑いガールズ』。」

そう言うと、笑里奈さんの表情が、急に明るくなった。

「それええなぁ!じゃあ、『お笑いガールズ』に、決定~!」

そのポーズとセリフ、毎週日曜日の朝の8時半にやってた魔法戦士アニメに出てきた、私と同じ歳の子が言うセリフとそっくり。
トタトタ。
しかも、こっちに向かってくるぅ!
トタトタ。

「春間さん、早く急いでぇ!」

笑里奈さん、そんなにあわてなくても、いいんじゃないですか?

「いいから早くぅ!」

あ、は~い。
ガチャ。
ひぃ!ドアが開いたぁ!

「笑里奈!」

うわぁ!声が100倍、大きいよぉ!
前に立っているのは、髪が長くて、服装は笑里奈さんと同じシャツを着ている女の人が、怒った顔をして、仁王立ちになって、私達の前に現れた。
この女の人、どっかで見たことあるんだよね・・・・・・。

「姉ちゃん!」

あ。笑里奈さんのお姉さん、由唯さんだった。
でも、髪が少し、ボサボサになっていて、目をねむそうにしているけど、どうしたんだろ。

「笑里奈、今何時と思ってるん。10時39分やぞ、39分!もう寝る時間やぞ!変な歌歌ったり、大きな声出さんといて!あたい、明日朝早いから、寝かせて!ごめんね、真莉亜ちゃん。」

いや、いいですよ、別に。

「全く笑里奈ったら、小さいころから声が大きいから、めいわくかけないで欲しいで。」

そうぶつぶつ言いながら、由唯さんは部屋を出た。






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