ヴァンパイア♡ラブどっきゅ〜ん!

田口夏乃子

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第七話 「クリスさんの双子の姉妹登場!」

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こんにちは。春間真莉亜です。
今日は、テレサさんとクリスさんは、学校の用事で、帰りが遅くなるって、言ってたので、私と道華と紅葉の三人で、クレープを食べながら、帰ってます。

「ん~。このクレープ、おいしー♡」

ここのクレープ屋さん、おいしいって評判なんだ。
プルプルプルプル。
紅葉、ケータイ、鳴ってるよ。

「どれどれ?」

紅葉がケータイをバッグから取り出して、ケータイを見て、笑顔になった。

「討馬くんからだ。」

討馬くんから!?

「え―っと、なになに?え―っ!?」

紅葉が突然、大きな声を出した。

「なになに?」

「デ・・・・・・デ・・・・・・デ・・・・・・!」

紅葉、「デ」じゃわからないよ。

「デートの申しこみ、キタ―っ!」

「あだ―っ!」

私と道華は、まんざいみたいにコケた。
よかったね、紅葉。

「ありがとう。」

紅葉、うれしそう。

「ねぇ、討馬って、誰?」

あっ、道華は知らないか。
私達の同級生で、紅葉の彼氏なの。

「え―っ!?紅葉って、彼氏がいたのぉ~!?」

声、でかすぎ。

「てか、驚きすぎ。」

「あ―したり、こ―したりするの?」

「しないわっ。」

と、紅葉がつっこんだ、その時。

「ニャ―、ニャ―。」

「ん?」

突然、道華が走り出した。
道華!どこに行くの?
もう、急に走り出すもんだから、どっか行っちゃった。

「お母さん、紅葉!ちょっと来て!」

道華が、向こうの路地裏から、顔を出して、手招きをした。
私達は、向こうの路地裏まで走った。

「ほら、見て。」

道華が、指をさした方を見ると、ダンボールがあって、その中には、子猫が2匹いた。
かわいい~♡
1匹は、耳の先がピンクで、しっぽの先もピンク。
もう1匹は、耳さ気が水色で、しっぽの先も水色。
2匹とも、体の色は白。

「ニャ―、ニャ―。」

「かっわいい~♡」

「この子猫達、なんていう種類かしら。」

ん?ダンボールに、なんかはってある。
どれどれ?

『すてねこです。ひろってください。 かいぬしより』

捨て猫だって。

「かわいそう・・・・・・。」

「ねぇ、お母さん!この子達、うちで飼おうよ!」

え~?うちのお母さん、「だめ!」って言うかもしれないし、うちのお父さんが、猫アレルギーだし。

「別にいーじゃん。」

よくありません。
性格、ほんっとに、誰かさんとそっくりです。

「満月荘で飼えば、い―んじゃない?」

紅葉、満月荘って、ペット禁止の方じゃないの?

「うん。私達のとなりに、犬を飼っている人がいるから、大丈夫よ。それに、うちの管理人、動物、大好きだから。」

ふぅ、よかったぁ。
ペット禁止だったら、この子達が、危ない目にあうと思ったよぉ。





私達は、子猫達が入っているダンボールを持って、満月荘に向かった。
そして、402号室に着いて、紅葉が402号室のドアを開けた。

「ただいまぁ。」

「おじゃましまーす。」

「お帰り、紅葉。ん?真莉亜と道華じゃねぇか。」

ジュンブライト。おじゃましています。

「お父さん!」

道華が、ジュンブライトに飛びついた。

「ん?道華、そのダンボールは、なんだ?」

ジュンブライトが、道華の横にある、ダンボールの方を指さすと、ひょこっと、2匹の子猫が、顔を出した。

「かっわいい~♡この子猫、どうしたんだ?」

「捨て猫で、かわいそうだったから拾ったの。」

「えらいじゃねぇ―か。さっすが、俺の子供だぜ!」

ジュンブライトが、道華の頭をなでた。

「真莉亜、向こうで子猫と遊ばないか?」

うん!
私は大きくうなずいた。
すると、ジュンブライトが、立ち上がって、ダンボールを持ち上げて、向こうまで歩いて行った。

「お―い。マドレーヌ、じいや、リリア~。真莉亜達が、捨て猫を拾ったんだって!」

「え!?本当ですか!?」

「わたくしにも見せてください。」

「私も見たいわ。」

マドレーヌちゃんと、ルクトさんと、リリアさんが、かけよると、2匹の子猫が、ダンボールから顔を出した。

「ニャー。」

「かっわいいですぅ~♡だっこして、いいですか?」

「いいぜ。」

ジュンブライトが、ダンボールを置いて、ピンクの方の子猫をだっこして、マドレーヌちゃんに渡した。

「かっわいいですぅ~♡」

「捨て猫を拾うなんて、えらいですねぇ。」

「えへへへへ。」

あ。水色の方の子猫、すっごくおびえてる。
人間とふれあうの、こわいのかな?
おいで。こわくないよ。
私が優しく言うと、水色の方の子猫は、ぴょ―んと、ダンボールの中から出てきて、私に飛びついた。
かわいい~♡
あそこ、ついてないから、二匹とも、女の子だね。
私が、水色の方の子猫を、胸におしつけると、ジュンブライトが、ニヤケながら、私の方を見た。

「はぁ~。俺も子猫になって、真莉亜のやらわかーい胸におしつけられてぇ~♡なぜなら、真莉亜は俺の彼女だから~♡」

変態、だまれ。

「ニャ―。」

ピンクの方の子猫、道華にすっかり、なついてるよ。

「これで遊ぶかしら。」

紅葉が取り出したのは、みなさんごそんじ、ネコじゃらし。
紅葉がそれを、子猫達の前に出すと、子猫達は、すぐに夢中になっちゃった。

「ニャー、ニャー。」

「かわいいなぁ。」

ジュンブライトが、子猫達の体をさわった、その時。

「ただいまぁ。」

クリスさんと、テレサさんが、帰ってきた。

「お帰りなさい。」

「ジュンブライト様ぁ~♡・・・・・・ニャニャ?」

クリスさんが、猫の顔になって、ネコじゃらしに夢中になった。
クリスさん、猫娘だもんねぇ。

「なんであなたが遊ぶの?」

「クリス。こっちにかわいい子猫がいるぞ!」

「あら、かわいいねぇ~。」

「あたしにも見せてよ・・・・・・ん!?」

子猫達を見たクリスさんが、急にかたまった。
どうしたんですか?

「お前、猫が大好きなんだろ?」

「もしかして、猫が嫌いじゃあ・・・・・・。」

「ちがーう!この子猫達に、見覚えがあるのよっ!」

クリスさんが、びしっと、子猫達の方を指さした、その時!
ボン!
!?
けむりが舞い上がったとたん、二人の女の子が現れた。
二人の顔は、すっごく似ていて、髪型も同じ。
一人は、髪の色はピンクで、猫のキャラクターがついている、水色の服を着ていて、もう一人は、髪の色が水色で、左の女の子と同じ、猫のキャラクターがついている、むらさきの服を着ている。
に・・・・・・人間に変身したってことは・・・・・・。

「猫娘!?」

「うん!」

二人は声を合わせて、一緒に大きくうなずいた。
そして、クリスさんの方を見た。

「お姉ちゃん。久しぶりだねっ。」

「元気にしてた?」

「お・・・・・・お姉ちゃん!?」

私達は驚きながら、クリスさんの方を振り向いた。

「・・・・・・アキ!ソラ!なんであんた達が、ここにいるのよぉ!」

この子達、アキちゃんとソラちゃんっていうんだぁ。

「で、どっちがアキで、どっちがソラか、わかんねぇ。」

「説明します。ピンク色の方が、アキで、水色の方が、ソラです。」

なにがですか?

「髪の色よ。」

すると、道華が、アキちゃんとソラちゃんのところにやって来た。

「あんた達、双子なんだぁ。」

「うん。あたしがお姉ちゃんで、ソラが妹。」

「あなたは誰?」

「あたしは黒月道華。よろしくねっ。」

道華が、二人の前に両手を出すと、二人は道華の手をぎゅっとにぎった。

「この子達、何者なんだい。」

テレサさんが、クリスさんの方を振り向いた。

「あたしの妹。」

「妹ぉ~!?」

私達は、アキちゃんとソラちゃんを見て、驚いた。
クリスさん、妹がいたんだぁ。

「なんで人間界に来たのよ!」

「お姉ちゃんと一緒にいたいから。」

「私は、アキちゃんと一緒。」

さびしかったんだね。クリスさんがいなくなって。

「それより、この人達、誰?」

自己紹介、まだだったね。
私は春間真莉亜。13歳で、中学二年生。よろしくねっ。

「私は久瀬紅葉。おたがい、仲良くやりましょう。」

「あたしはテレサ。ヴァンパイアだよ。」

「私はマドレーヌ。ヴァンパイア界の王女です。」

「私はリりア。ヴァンパイアキャットで、マドレーヌのしつじよ。」

「わたくしはルクトでございます。ヴァンパイア界の大王、ヒアン様の息子で、ヴァンパイア界の王子の、ジュンブライト様のしつじでございます。」

「そして、俺は、ヴァンパイア界の王子、ジュンブライトだ!よ―く、覚えておけっ!」

アキちゃんとソラちゃん、だいぶわかってきたみたい。

「そろそろ、お茶の時間にしましょうか。」

ルクトさんが笑顔でコーヒーと、スッポンの生き血ジュースと、オレンジジュースと、ケーキを11個のせたお盆を持って来た。

「うわぁ~!ケーキだ、ケーキだぁ!」

「私の大好きないちごのショートケーキもあるぅ!」

アキちゃんとソラちゃんが、キラキラしたかわいい目をして、とても喜んでいる。

「ルクト、ありがとね。ほら、アキ、ソラ!お礼は?」

クリスさんに言われて、アキちゃんとソラちゃんは、同時に立ち上がって、ルクトさんの方を向いた。

「ありがとうございます。」

いい子だねぇ~。ちゃ―んとおしぎをして、敬語を使うなんて。

「クリス。お前、しっかりしてるなぁ。さっすが、お姉ちゃんだぜ!」

ジュンブライトが、クリスさんの方に向かって、二カッと笑うと、クリスさんの目がハートになった。

「キャ―ッ♡どうしよ~、紅葉♡愛しのジュンブライト様にほめられちゃったぁ♡」

「・・・・・・。」

紅葉は今、ケーキを食べようと、必死です。

「ニヒニヒニヒニヒ。」

アキちゃん、どうしたの?

「い、いや!なんでもないっ!」

・・・・・・あやしい。
私が、ケーキをぱくっと食べた、その時。

「・・・・・・うゔ・・・・・・。」

「どうしたんだ?真莉亜。」

このケーキ、このケーキ・・・・・・。

「かっらぁ~い!」

私は、口から火を出し、そのままばたりとたおれた。

「お母さん!」

みんなが、私のところにかけよった。

「大丈夫ですか!?」

う・・・・・・うん。それより、このケーキ、なにか入ってない?

「なにか入ってる?そんなわけないだろ。」

って、言いながら食べてるし!

「・・・・・・ゔ!」

「どうしたんだい!?」

「・・・・・・からっ!」

ジュンブライトが、あわてて口をおさえた。

「水・・・・・・水!水をくれぇ~!」

ルクトさんがあわてて、水が入ったコップを持って来て、ジュンブライトは、それをぱっと取り、ゴクゴクと、口の中に運んだ。

「はぁ~。死ぬかと思ったぜぇ~。」

「アハハハハ~。おじさん、ひっかかったね~!」

アキちゃんがお腹をおさえながら、高笑いしている。

「おじさん言うな!お兄さんだっ!」

「アキ!真莉亜とジュンブライト様に、なにしたの!」

クリスさんが、私とジュンブライトの前に立ちはだかった。

「ケーキの中に、マスタードを入れたのよっ!」

アキちゃんが、ニヤニヤしながら、マスタードを取り出した。

「アキはこ―見えて、いたずらが大好きなのよっ。」

「あたしも、いたずら大好きぃ~!」

「仲間だねっ。」

「うん!」

こうら!なーに、青春ドラマぶってんのよぉ!

「俺もそーゆー時代があったなぁ。親父の顔にらくがきしたり。」

被害者がなんで、思い出を語ってんのよぉ!

「真莉亜と、ジュンブライト様に、謝りなさいっ!」

クリスさんが怒ると、アキちゃんがべーっと、舌を出した。

「やだよーだ!ソラ、行くよっ。」

「アキちゃん!ちゃんと謝らなくちゃ!」

ソラちゃんが、家を出て行こうとする、アキちゃんを止めた。

「謝る気、ないもん。行くよっ。」

アキちゃんは、ソラちゃんの手をひっぱって、外に出た。

「ごめんなさい。真莉亜、ジュンブライト様。あとでちゃんと、しかるから。」

クリスさんが、しゅんとなった。

「気にしなくてもいいぜ、クリス。それより、二人を追いかけないと。」

「かっこいい~♡あたしのおむこさんになってぇ~♡」

「誰がなるか、ぶあか。」






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