19 / 185
第九話 「ジュンブライトのデート大作戦!」
しおりを挟む
喫茶店に着いた私達は、お茶をすることにした。
で、ネルさんはというと・・・・・・まだ、泣いています。
「イ・・・・・・イケメンこわいよぉ~!ゆ・・・・・・ゆうかいされるよぉ~!」
泣いているネルさんを、お客さんがめいわくそうに見ている。
「ネル!静かにしなさい!目立ってるわよ!」
姉であるリリアさんが、恥ずかしそうな顔で、ネルさんを怒った。
「俺はゆうかいなんかしねぇって、言ってんだろ!俺を信じろ!」
「ゔ・・・・・・。」
ネルさんが泣きやんだとたん、男の人が現れた。
「ご注文、お決まりになりましたら、こちらのベルを鳴らしてください。」
うわぁ~。すっごく、顔が美形のイケメンさんだぁ~♡
「あたしの好みのタイプだねぇ。」
テレサさんが、顔をニヤニヤさせながら言った。
「つきあえばいいじゃん。」
道華がそう言うと、テレサさんは、首を振った。
「歳、離れてそー。」
そっちですかっ!
「ん?」
イケメンのウエントレスさんが、泣きそうな顔をしている、ネルさんの顔をのぞきこんだ。
「どうなされましたか?お客様。」
「ギャャャャャャア!」
ネルさんは、また泣きさけんだ。
う・・・・・・うるさい・・・・・・。
怒りにたえきれなくなったジュンブライトは、テーブルをバン!とたたいて、立ち上がった。
「静かにしろ!」
「いやぁぁぁぁぁ!イケメンが、二人いるぅ~!」
チーン。
リリアさんが、ベルを鳴らすと、イケメンのウエントレスさんは、私達のテーブルの前に、ささっと、移動した。
リリアさん、イケメンさんを呼んでくれて、ありがとうございますっ。
ネルさんはすっかり、泣きやんでるよ。
「ご注文を、どうぞ。」
「いちごパフェ1つと、ショートケーキを1つと、メロンパフェを1つと、アップルパイを1つと、チーズケーキを1つと、コーヒーを2つ。真莉亜、なににするの?」
私は、オレンジジュースと、ガトーショコラで。
「・・・・・・で。」
「かしこまりました。では、少々お待ちください。」
イケメンのウエントレスさんが、ネルさん達の前を通ろうとすると、ベルが鳴った。
ルクトさんのテーブルだった。
「は、はーい。ただいまぁ。」
イケメンさんは、大急ぎで、ルクトさんのテーブルの前に立った。
「ご注文を、どうぞ。」
「え―っと、コーヒーを1つと、ショートケーキを2つ、お願いします。」
「あ、はい。少々おまちくださ・・・・・・。」
「あ―と、それから・・・・・・。」
「なんでしょうか。」
「通る時、遠回りして、通ってください。」
ルクトさん、気づかい、いい~!
「・・・・・・変なお客さんだなぁ。」
イケメンさんは、ぶつぶつ言いながら、遠回りして、行っちゃった。
すると、ネルさんが、すくLと立ち上がって、イケメンさんの方を向いた。
「二度と来るなよな!絶っっっっっ対、来るなよな!」
「はいはい。」
よくない返事をしたってことは、二度と来ないってことだよ!
これで、ネルさんもひと安心だねっ。
「・・・・・・。」
ネルさんは、いすにすわった。
「なぁ、なににするんだ?」
「え・・・・・・?」
「食べもんだよ、食ーべーもーの1ほら、好きなもの、選びな。」
ジュンブライトが、ネルさんにメニューを渡すと、ネルさんは、メニューを少しずつ開いた。
メニューを開くと、ネルさんは、ん?という顔になった。
「どうしたんだ?」
「カステラって、なんだ?」
ネ、ネルさん、まさか・・・・・・。
「人間界の料理を知らねぇのかよ!」
ジュンブライト、声、大きい。
お客さんが見てるよ。
「・・・・・・すまん。」
ジュンブライトの顔は、まっかっかになってる。
「別にいいよ。ところで、カステラって、なんだ?」
「カステラっていうのはな、長崎で有名なお菓子なんだ。お前、人間界の料理を知らないなんて、びっくりしたなぁ。」
「あぁ。あたし、トカゲとカエルをつかまえて、塩焼きにしたり、ねずみをつかまえて、丸焼きにして、食べたんだ。」
グ・・・・・・グロい・・・・・・。
「それ、うまそーだな。」
「だろ?」
いいなぁ。二人で仲良く話して。
ぷくぷくぷくぷく。
私は、オレンジジュースを、ぷくぷくし始めた。
「真莉亜、ぷくぷくするのはやめなさい。」
「そうだよ。行儀悪いよ。」
ぷくぷくぷくぷく。
「もしかして、お父さんにやきもちやいてるの?」
ちがーう!
「顔、赤くなってますよ?」
マドレーヌちゃん、だまってて!
「じゃあ、カステラとコーヒーと、プリンパフェで、いいんだな。」
「あ、はい。」
ネルさんの様子が、さっきよりちがう。
チーン。
ジュンブライトが、ベルを鳴らすと、ネルさんは、両手をにぎって、目を閉じてから、ぶつぶつ言い始めた。
「お願い!神様!どうか、さっきのイケメンじゃ、ありませんよーにっ!」
「ご注文を、どうぞ。」
今度はものすごく野太い声。
見ると、体型がものすごく太ってて、中年で、マリオにそっくりな男の人。
「・・・・・・なぁ。お前、みんなからなんて呼ばれてるんだ?」
「マリオですけど・・・・・・それが?」
そのとたん、ジュンブライトとネルさんが、ぷっと笑い出した。
「ぷはははは!聞いたか!」
「マリオだって!」
「し・・・・・・失礼なお客さんだなっ!」
いいなぁ。仲良く笑っちゃって。
ぷくぷくぷくぷく。
「だからやめろって!」
☆
ネルさんの初デートが、あっという間に終わっちゃった。
「今日、楽しかったか?」
ネルさんは、返事をしないで、うんっとうなずいた。
「ネル、ジュンブライトに、お礼、言いなさい。」
すると、ネルさんが、ぎゅっと、ジュンブライトの両手をにぎって、ジュンブライトの顔を、目をキラキラさせながら見た。
「お前のおかげで、イケメン恐怖症がなくなった!ありがとう!このご恩は、決して忘れんぞ!」
そう言われると、ジュンブライトは、二カッと笑った。
「そうか。それはよかったな。」
「では、さらば。」
ネルさんは、夕日とともに、歩いて帰っちゃった。
☆
「『そうか。それはよかったな。』」
「・・・・・・なんか、さっきから、あの男のことばっかり、考えている気がするが・・・・・・気のせいか?」
「『よっ、桜吹雪のネル。また会ったな。』」
「あ―!なんで頭ん中に出てくるんだ、ちくしょー!」
「『ネル。』」
「だから、出て来るなって言ってんだろ!こんちくしょーが!」
(ん!?まてよ。もしかして、あたし、あの男に、恋に落ちた!?んなわけない。まさか、このあたしが、あの男に恋に落ちるなんて・・・・・・。)
「ある。」
(うわぁぁぁぁぁ!恋、しちまったぁぁぁぁぁぁ!)
「『ネル、愛してるよ。』」
「『あたしも。愛してますよ、ジュンブライト様♡』」
「デヒヒヒヒ・・・・・・♡あ、でも・・・・・・。」
(ジュンブライト様には、恋人がいるんだった!その名は、春間真莉亜!まずは、あいつとジュンブライト様の赤い糸をきるしかねぇなぁ。)
☆
なーんか、胸がモヤモヤするなぁ。
こんな気持ち、初めてだよ。
「お母さん、どうしたの?」
なんでもない。さ、早くねよっ。
「お父さんに、やきもちやいたんだねっ。」
「・・・・・・みたいだね。」
「ん?」
道華が、首をかしげた、その時。
トントントントン。
誰だろ。こんなおそくに。
「あたし、出る!」
道華が、カーテンを開けた。
「あ!ネルだぁ!」
ネルさん?ほんとだ。ネルさんだ。
「今、窓を開けるねっ。」
道華が窓を開けると、ネルさんは、なにも言わずに、だまって入った。
「・・・・・・春間真莉亜。」
ネルさんは、ヴァンパイアの姿になって、刀を手に取った。
もももももしかして、私をきるの!?
ネルさんは、私の方に向かって、ニッと笑って、刀を出して、私の方に向かって走った。
「でや―っ!」
いやぁぁぁぁ!
春間真莉亜、上手によけました。
「ちっ。」
ネルさんは、くやしそうに、舌打ちした。
「なかなか切れねぇ赤い糸だなぁ。」
赤い糸?
「なに言ってんの!あんた、なんで、お母さんをきろうとするの!」
ネルさんは、刀を、私の前に立ちはだかる道華の前に出した。
「ガキはだまってろ。春間真莉亜。お前は、しあわせもんだなぁ。未来でジュンブライト様と結婚して、おまけに、ガキをつくりやがって!」
ジュンブライトのこと、今、ジュンブライト様って・・・・・。
「そう。あたしは、あの方を、好きになったんだ。お前がジュンブライト様とつきあっていることを思い出し、お前とジュンブライト様の赤い糸をきりたくなったんだ。今、ここで赤い糸を、きらしてもらうわ―っ!」
いやぁぁぁぁぁ!こっちに向かってくるぅ~!
誰か助けてぇ~!
「なにしてるの!」
女の人の声が聞こえて、ネルさんは、ぴたっと止まった。
後ろを振り向くと、ネルさんは、びっくりした顔になった。
「リリア!」
リリアさん!助けてくれて、ありがとうございますっ!
「いやなにおいがしたとおもったら、まさか、こーなってるとは、思わなかったわ。一体、なにがあったの?」
ネルさんが、赤い糸があーだこーだって言って、わけを聞くと、ネルさん、ジュンブライトのことが、好きになったんですって!
「なんですって!?」
リリアさんは、ネルさんの顔を見た。
「ちっ、バレっちまったか。」
ネルさんは、くやしそうな顔をして、ヴァンパイアキャットになった。
「ジュンブライトにはね、真莉亜っていうすてきな彼女がいるの。人の恋をじゃまするなんて、最低だわ!」
「恋をじゃましてねぇ!本気で好きになったんだ!お前こそ、人の恋をじゃますんなぁ!」
ネルさんが反発すると、リリアさんはため息をついた。
「あなたにはわからないのよ。恋っていう意味がどういう意味か。」
かっこいい~。
「ちっ、覚えてろ!春間真莉亜!リリア!」
ネルさんは、ヴァンパイアになって、ベランダから飛び降りて、ささっと走って行っちゃった。
ど、どうしましょ~。リリアさん。恋のライバルが、また増えたよぉ~。
「大丈夫よ。恋のライバルが増えたってことは、また、やっかいなことになるんじゃない?」
リリアさんは、私に向かって、にこっと笑った。
もう、リリアさん、笑わないでよぉ~。
私の人生、これからどうなるんだろ。
で、ネルさんはというと・・・・・・まだ、泣いています。
「イ・・・・・・イケメンこわいよぉ~!ゆ・・・・・・ゆうかいされるよぉ~!」
泣いているネルさんを、お客さんがめいわくそうに見ている。
「ネル!静かにしなさい!目立ってるわよ!」
姉であるリリアさんが、恥ずかしそうな顔で、ネルさんを怒った。
「俺はゆうかいなんかしねぇって、言ってんだろ!俺を信じろ!」
「ゔ・・・・・・。」
ネルさんが泣きやんだとたん、男の人が現れた。
「ご注文、お決まりになりましたら、こちらのベルを鳴らしてください。」
うわぁ~。すっごく、顔が美形のイケメンさんだぁ~♡
「あたしの好みのタイプだねぇ。」
テレサさんが、顔をニヤニヤさせながら言った。
「つきあえばいいじゃん。」
道華がそう言うと、テレサさんは、首を振った。
「歳、離れてそー。」
そっちですかっ!
「ん?」
イケメンのウエントレスさんが、泣きそうな顔をしている、ネルさんの顔をのぞきこんだ。
「どうなされましたか?お客様。」
「ギャャャャャャア!」
ネルさんは、また泣きさけんだ。
う・・・・・・うるさい・・・・・・。
怒りにたえきれなくなったジュンブライトは、テーブルをバン!とたたいて、立ち上がった。
「静かにしろ!」
「いやぁぁぁぁぁ!イケメンが、二人いるぅ~!」
チーン。
リリアさんが、ベルを鳴らすと、イケメンのウエントレスさんは、私達のテーブルの前に、ささっと、移動した。
リリアさん、イケメンさんを呼んでくれて、ありがとうございますっ。
ネルさんはすっかり、泣きやんでるよ。
「ご注文を、どうぞ。」
「いちごパフェ1つと、ショートケーキを1つと、メロンパフェを1つと、アップルパイを1つと、チーズケーキを1つと、コーヒーを2つ。真莉亜、なににするの?」
私は、オレンジジュースと、ガトーショコラで。
「・・・・・・で。」
「かしこまりました。では、少々お待ちください。」
イケメンのウエントレスさんが、ネルさん達の前を通ろうとすると、ベルが鳴った。
ルクトさんのテーブルだった。
「は、はーい。ただいまぁ。」
イケメンさんは、大急ぎで、ルクトさんのテーブルの前に立った。
「ご注文を、どうぞ。」
「え―っと、コーヒーを1つと、ショートケーキを2つ、お願いします。」
「あ、はい。少々おまちくださ・・・・・・。」
「あ―と、それから・・・・・・。」
「なんでしょうか。」
「通る時、遠回りして、通ってください。」
ルクトさん、気づかい、いい~!
「・・・・・・変なお客さんだなぁ。」
イケメンさんは、ぶつぶつ言いながら、遠回りして、行っちゃった。
すると、ネルさんが、すくLと立ち上がって、イケメンさんの方を向いた。
「二度と来るなよな!絶っっっっっ対、来るなよな!」
「はいはい。」
よくない返事をしたってことは、二度と来ないってことだよ!
これで、ネルさんもひと安心だねっ。
「・・・・・・。」
ネルさんは、いすにすわった。
「なぁ、なににするんだ?」
「え・・・・・・?」
「食べもんだよ、食ーべーもーの1ほら、好きなもの、選びな。」
ジュンブライトが、ネルさんにメニューを渡すと、ネルさんは、メニューを少しずつ開いた。
メニューを開くと、ネルさんは、ん?という顔になった。
「どうしたんだ?」
「カステラって、なんだ?」
ネ、ネルさん、まさか・・・・・・。
「人間界の料理を知らねぇのかよ!」
ジュンブライト、声、大きい。
お客さんが見てるよ。
「・・・・・・すまん。」
ジュンブライトの顔は、まっかっかになってる。
「別にいいよ。ところで、カステラって、なんだ?」
「カステラっていうのはな、長崎で有名なお菓子なんだ。お前、人間界の料理を知らないなんて、びっくりしたなぁ。」
「あぁ。あたし、トカゲとカエルをつかまえて、塩焼きにしたり、ねずみをつかまえて、丸焼きにして、食べたんだ。」
グ・・・・・・グロい・・・・・・。
「それ、うまそーだな。」
「だろ?」
いいなぁ。二人で仲良く話して。
ぷくぷくぷくぷく。
私は、オレンジジュースを、ぷくぷくし始めた。
「真莉亜、ぷくぷくするのはやめなさい。」
「そうだよ。行儀悪いよ。」
ぷくぷくぷくぷく。
「もしかして、お父さんにやきもちやいてるの?」
ちがーう!
「顔、赤くなってますよ?」
マドレーヌちゃん、だまってて!
「じゃあ、カステラとコーヒーと、プリンパフェで、いいんだな。」
「あ、はい。」
ネルさんの様子が、さっきよりちがう。
チーン。
ジュンブライトが、ベルを鳴らすと、ネルさんは、両手をにぎって、目を閉じてから、ぶつぶつ言い始めた。
「お願い!神様!どうか、さっきのイケメンじゃ、ありませんよーにっ!」
「ご注文を、どうぞ。」
今度はものすごく野太い声。
見ると、体型がものすごく太ってて、中年で、マリオにそっくりな男の人。
「・・・・・・なぁ。お前、みんなからなんて呼ばれてるんだ?」
「マリオですけど・・・・・・それが?」
そのとたん、ジュンブライトとネルさんが、ぷっと笑い出した。
「ぷはははは!聞いたか!」
「マリオだって!」
「し・・・・・・失礼なお客さんだなっ!」
いいなぁ。仲良く笑っちゃって。
ぷくぷくぷくぷく。
「だからやめろって!」
☆
ネルさんの初デートが、あっという間に終わっちゃった。
「今日、楽しかったか?」
ネルさんは、返事をしないで、うんっとうなずいた。
「ネル、ジュンブライトに、お礼、言いなさい。」
すると、ネルさんが、ぎゅっと、ジュンブライトの両手をにぎって、ジュンブライトの顔を、目をキラキラさせながら見た。
「お前のおかげで、イケメン恐怖症がなくなった!ありがとう!このご恩は、決して忘れんぞ!」
そう言われると、ジュンブライトは、二カッと笑った。
「そうか。それはよかったな。」
「では、さらば。」
ネルさんは、夕日とともに、歩いて帰っちゃった。
☆
「『そうか。それはよかったな。』」
「・・・・・・なんか、さっきから、あの男のことばっかり、考えている気がするが・・・・・・気のせいか?」
「『よっ、桜吹雪のネル。また会ったな。』」
「あ―!なんで頭ん中に出てくるんだ、ちくしょー!」
「『ネル。』」
「だから、出て来るなって言ってんだろ!こんちくしょーが!」
(ん!?まてよ。もしかして、あたし、あの男に、恋に落ちた!?んなわけない。まさか、このあたしが、あの男に恋に落ちるなんて・・・・・・。)
「ある。」
(うわぁぁぁぁぁ!恋、しちまったぁぁぁぁぁぁ!)
「『ネル、愛してるよ。』」
「『あたしも。愛してますよ、ジュンブライト様♡』」
「デヒヒヒヒ・・・・・・♡あ、でも・・・・・・。」
(ジュンブライト様には、恋人がいるんだった!その名は、春間真莉亜!まずは、あいつとジュンブライト様の赤い糸をきるしかねぇなぁ。)
☆
なーんか、胸がモヤモヤするなぁ。
こんな気持ち、初めてだよ。
「お母さん、どうしたの?」
なんでもない。さ、早くねよっ。
「お父さんに、やきもちやいたんだねっ。」
「・・・・・・みたいだね。」
「ん?」
道華が、首をかしげた、その時。
トントントントン。
誰だろ。こんなおそくに。
「あたし、出る!」
道華が、カーテンを開けた。
「あ!ネルだぁ!」
ネルさん?ほんとだ。ネルさんだ。
「今、窓を開けるねっ。」
道華が窓を開けると、ネルさんは、なにも言わずに、だまって入った。
「・・・・・・春間真莉亜。」
ネルさんは、ヴァンパイアの姿になって、刀を手に取った。
もももももしかして、私をきるの!?
ネルさんは、私の方に向かって、ニッと笑って、刀を出して、私の方に向かって走った。
「でや―っ!」
いやぁぁぁぁ!
春間真莉亜、上手によけました。
「ちっ。」
ネルさんは、くやしそうに、舌打ちした。
「なかなか切れねぇ赤い糸だなぁ。」
赤い糸?
「なに言ってんの!あんた、なんで、お母さんをきろうとするの!」
ネルさんは、刀を、私の前に立ちはだかる道華の前に出した。
「ガキはだまってろ。春間真莉亜。お前は、しあわせもんだなぁ。未来でジュンブライト様と結婚して、おまけに、ガキをつくりやがって!」
ジュンブライトのこと、今、ジュンブライト様って・・・・・。
「そう。あたしは、あの方を、好きになったんだ。お前がジュンブライト様とつきあっていることを思い出し、お前とジュンブライト様の赤い糸をきりたくなったんだ。今、ここで赤い糸を、きらしてもらうわ―っ!」
いやぁぁぁぁぁ!こっちに向かってくるぅ~!
誰か助けてぇ~!
「なにしてるの!」
女の人の声が聞こえて、ネルさんは、ぴたっと止まった。
後ろを振り向くと、ネルさんは、びっくりした顔になった。
「リリア!」
リリアさん!助けてくれて、ありがとうございますっ!
「いやなにおいがしたとおもったら、まさか、こーなってるとは、思わなかったわ。一体、なにがあったの?」
ネルさんが、赤い糸があーだこーだって言って、わけを聞くと、ネルさん、ジュンブライトのことが、好きになったんですって!
「なんですって!?」
リリアさんは、ネルさんの顔を見た。
「ちっ、バレっちまったか。」
ネルさんは、くやしそうな顔をして、ヴァンパイアキャットになった。
「ジュンブライトにはね、真莉亜っていうすてきな彼女がいるの。人の恋をじゃまするなんて、最低だわ!」
「恋をじゃましてねぇ!本気で好きになったんだ!お前こそ、人の恋をじゃますんなぁ!」
ネルさんが反発すると、リリアさんはため息をついた。
「あなたにはわからないのよ。恋っていう意味がどういう意味か。」
かっこいい~。
「ちっ、覚えてろ!春間真莉亜!リリア!」
ネルさんは、ヴァンパイアになって、ベランダから飛び降りて、ささっと走って行っちゃった。
ど、どうしましょ~。リリアさん。恋のライバルが、また増えたよぉ~。
「大丈夫よ。恋のライバルが増えたってことは、また、やっかいなことになるんじゃない?」
リリアさんは、私に向かって、にこっと笑った。
もう、リリアさん、笑わないでよぉ~。
私の人生、これからどうなるんだろ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
社長に拾われた貧困女子、契約なのに溺愛されてます―現代シンデレラの逆転劇―
砂原紗藍
恋愛
――これは、CEOに愛された貧困女子、現代版シンデレラのラブストーリー。
両親を亡くし、継母と義姉の冷遇から逃れて家を出た深月カヤは、メイドカフェとお弁当屋のダブルワークで必死に生きる二十一歳。
日々を支えるのは、愛するペットのシマリス・シンちゃんだけだった。
ある深夜、酔客に絡まれたカヤを救ったのは、名前も知らないのに不思議と安心できる男性。
数日後、偶然バイト先のお弁当屋で再会したその男性は、若くして大企業を率いる社長・桐島柊也だった。
生活も心もぎりぎりまで追い詰められたカヤに、柊也からの突然の提案は――
「期間限定で、俺の恋人にならないか」
逃げ場を求めるカヤと、何かを抱える柊也。思惑の違う二人は、契約という形で同じ屋根の下で暮らし始める。
過保護な優しさ、困ったときに現れる温もりに、カヤの胸には小さな灯がともりはじめる。
だが、契約の先にある“本当の理由”はまだ霧の中。
落とした小さなガラスのヘアピンが導くのは——灰かぶり姫だった彼女の、新しい運命。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる