68 / 185
第三十話 「ジュンブライトが、記憶喪失になった!?(後編)」
しおりを挟む
私は、本を読んでいるジュンブライトの後ろに、やって来た。
「ねぇ。ジュンブライト。今から、菜の花広場に、一緒に行かない?」
ジュンブライトが、首をかしげた。
「なんで?」
「菜の花広場に行ったら、記憶がよみがえるかもしれないってさ。」
「ねぇお父さん、行こ―!」
「一緒に遊びましょう!」
道華とマドレーヌちゃんが、ジュンブライトの手をひっぱった。
「わかりました。」
やったぁ!
☆
私達は、菜の花広場に着いた。
ウルフ一郎さんを見た子供達は。
「あっ、ワンワンだ!」
「俺様は犬じゃねぇ!」
「ワンワンがしゃべった!」
「だから俺様は、犬じゃねぇ!」
「オオカミと犬、どっちも同じだと思うけど?」
「ウルフ一郎、鬼ごっこやろ―。」
「ウルフ一郎が、鬼ねー。」
「ギロも遊ぼー。」
マドレーヌちゃん達は大はしゃぎ。
「いーぜ。」
「みんな、にげろ―っ!」
「キャ―ッ!」
ギロさん達は、逃げ出した。
「まて―っ!」
バラバラに逃げたギロさん達を、ウルフ一郎さんが追いかける。
うふふふふ。
けど・・・・・・。
「はぁ、はぁ。」
ウルフ一郎さんが息を切らして、私達のところにやって来て、ベンチにすわった。
汗はだくだく。
「あいつら、追いかけて来ないのかい。」
「あたり前だろ。俺様、歳だから、もう走れねぇ。」
ウルフ一郎さん、何歳ですか?
「36だ。」
36~!?
「あたし達と、4つ年上じゃないか!」
「ルクト、お前、俺様の代わりに、走ってくれ。」
「いやです。」
「僕がやりましょう!」
はりきってるよ、この人。
「あとはまかせたぞ、バカ王子。」
「ウルフ一郎さんのために、頑張りますっ!」
ジュンブライトは、風のように、走って行った。
「『ゴーオンジャー』なみだねぇ。」
「ワンワーン、水、いるぅ?」
あらら。さっきの子供達。
「俺様は犬じゃねぇって、言ってるだろっ!」
「ガキども。ワンワンの顔に、水をぶっかけて、いいぞ。」
「お前!なにをたくらんでいる!」
ジャー。
子供達はウルフ一郎さんの顔に、水をぶっかけた。
「うわ!や、やめろ!おめぇら、チキンにするぞ!」
「こわいこと、言うなや。」
「大変ですぅ~!」
マドレーヌちゃんと道華が、あわててやって来た。
「どうしたんですか?」
「お父さんが・・・・・・お父さんが!」
ジュンブライトが、どうしたの?
「ん―もう、いいからこっちに来て!」
道華ぁ。そんなに手を引っ張らないでよぉ。
来られた場所に着くと・・・・・・。
ジュンブライトが、すべり台の前で、頭を抱えて、しゃがみこんでる。
その横には、アキちゃんと、ソラちゃんと、ギロさんがいた。
「どうしたの、ジュンブライト。」
「う、う~ん。」
ジュンブライトは、うなったまま。
「先輩!」
「ジュンブライト様!」
「う、う~ん。」
「『これだよ。真莉亜、目をつぶれ。』」
「『え?』」
「『早く!』」
「『う、うん!』」
「『いいか?』」
「『はい。準備満タンですっ!』」
「『よし、いくぞ。』」
チュ。
「『キャ―ッ♡王子―っ♡』」
「『こっち向いてぇ~♡』」
「『なんか、ジャニーズのコンサートみたいになったな。』」
「『仕方ない。俺がなんとかすっか。二ヒッ。』」
「『萌え~♡』」
「『って、おい!」』」
「『国民を、ドミノみたいにたおすなっ。』」
「『あれ―?やりすぎちゃったかな~?』」
(僕は、僕は!)
(俺は、俺は!)
「ジュンブライトだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
ジュンブライトの声が、地球まで広がった。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
ジュンブライト、質問、していいかな?
「なんだ。」
ジュンブライトが、私の方を振り向いた。
「誕生日は?」
「11月11日。」
「血液型は?」
「A型。」
「好きな食べものは?」
「ナポリタンと、干しトカゲ。」
「好きなマンガは?」
「『ОNEPICE』。」
「じゃあ、一番大好きな人は?」
「そりゃあ、もちろん・・・・・・。」
ジュンブライトが、私をぎゅっとだきしめた。
「春間真莉亜!お前だ!」
ジュンブライト!
私達は、だきあった。
うれしいよ。記憶が戻って!
「おめぇら、またいろいろと、めいわくかけっちまったな。」
「いいんですよ。」
「ったく、世話がやけるやつだぜ。」
「なんか、言ったか?」
「いや、別に。」
「ジュンブライトお兄様!満月荘に戻りましょう!」
マドレーヌちゃんが、ジュンブライトの手をひっぱった。
「今日はめいいっぱい、ごちそうしますよ。」
「うお!やったぁ!」
うふふふふ。
ジュンブライト。記憶を失ったあなたも、いつものあなたも、大好きだよ。
「ねぇ。ジュンブライト。今から、菜の花広場に、一緒に行かない?」
ジュンブライトが、首をかしげた。
「なんで?」
「菜の花広場に行ったら、記憶がよみがえるかもしれないってさ。」
「ねぇお父さん、行こ―!」
「一緒に遊びましょう!」
道華とマドレーヌちゃんが、ジュンブライトの手をひっぱった。
「わかりました。」
やったぁ!
☆
私達は、菜の花広場に着いた。
ウルフ一郎さんを見た子供達は。
「あっ、ワンワンだ!」
「俺様は犬じゃねぇ!」
「ワンワンがしゃべった!」
「だから俺様は、犬じゃねぇ!」
「オオカミと犬、どっちも同じだと思うけど?」
「ウルフ一郎、鬼ごっこやろ―。」
「ウルフ一郎が、鬼ねー。」
「ギロも遊ぼー。」
マドレーヌちゃん達は大はしゃぎ。
「いーぜ。」
「みんな、にげろ―っ!」
「キャ―ッ!」
ギロさん達は、逃げ出した。
「まて―っ!」
バラバラに逃げたギロさん達を、ウルフ一郎さんが追いかける。
うふふふふ。
けど・・・・・・。
「はぁ、はぁ。」
ウルフ一郎さんが息を切らして、私達のところにやって来て、ベンチにすわった。
汗はだくだく。
「あいつら、追いかけて来ないのかい。」
「あたり前だろ。俺様、歳だから、もう走れねぇ。」
ウルフ一郎さん、何歳ですか?
「36だ。」
36~!?
「あたし達と、4つ年上じゃないか!」
「ルクト、お前、俺様の代わりに、走ってくれ。」
「いやです。」
「僕がやりましょう!」
はりきってるよ、この人。
「あとはまかせたぞ、バカ王子。」
「ウルフ一郎さんのために、頑張りますっ!」
ジュンブライトは、風のように、走って行った。
「『ゴーオンジャー』なみだねぇ。」
「ワンワーン、水、いるぅ?」
あらら。さっきの子供達。
「俺様は犬じゃねぇって、言ってるだろっ!」
「ガキども。ワンワンの顔に、水をぶっかけて、いいぞ。」
「お前!なにをたくらんでいる!」
ジャー。
子供達はウルフ一郎さんの顔に、水をぶっかけた。
「うわ!や、やめろ!おめぇら、チキンにするぞ!」
「こわいこと、言うなや。」
「大変ですぅ~!」
マドレーヌちゃんと道華が、あわててやって来た。
「どうしたんですか?」
「お父さんが・・・・・・お父さんが!」
ジュンブライトが、どうしたの?
「ん―もう、いいからこっちに来て!」
道華ぁ。そんなに手を引っ張らないでよぉ。
来られた場所に着くと・・・・・・。
ジュンブライトが、すべり台の前で、頭を抱えて、しゃがみこんでる。
その横には、アキちゃんと、ソラちゃんと、ギロさんがいた。
「どうしたの、ジュンブライト。」
「う、う~ん。」
ジュンブライトは、うなったまま。
「先輩!」
「ジュンブライト様!」
「う、う~ん。」
「『これだよ。真莉亜、目をつぶれ。』」
「『え?』」
「『早く!』」
「『う、うん!』」
「『いいか?』」
「『はい。準備満タンですっ!』」
「『よし、いくぞ。』」
チュ。
「『キャ―ッ♡王子―っ♡』」
「『こっち向いてぇ~♡』」
「『なんか、ジャニーズのコンサートみたいになったな。』」
「『仕方ない。俺がなんとかすっか。二ヒッ。』」
「『萌え~♡』」
「『って、おい!」』」
「『国民を、ドミノみたいにたおすなっ。』」
「『あれ―?やりすぎちゃったかな~?』」
(僕は、僕は!)
(俺は、俺は!)
「ジュンブライトだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
ジュンブライトの声が、地球まで広がった。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
ジュンブライト、質問、していいかな?
「なんだ。」
ジュンブライトが、私の方を振り向いた。
「誕生日は?」
「11月11日。」
「血液型は?」
「A型。」
「好きな食べものは?」
「ナポリタンと、干しトカゲ。」
「好きなマンガは?」
「『ОNEPICE』。」
「じゃあ、一番大好きな人は?」
「そりゃあ、もちろん・・・・・・。」
ジュンブライトが、私をぎゅっとだきしめた。
「春間真莉亜!お前だ!」
ジュンブライト!
私達は、だきあった。
うれしいよ。記憶が戻って!
「おめぇら、またいろいろと、めいわくかけっちまったな。」
「いいんですよ。」
「ったく、世話がやけるやつだぜ。」
「なんか、言ったか?」
「いや、別に。」
「ジュンブライトお兄様!満月荘に戻りましょう!」
マドレーヌちゃんが、ジュンブライトの手をひっぱった。
「今日はめいいっぱい、ごちそうしますよ。」
「うお!やったぁ!」
うふふふふ。
ジュンブライト。記憶を失ったあなたも、いつものあなたも、大好きだよ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる