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第五十三話 「ウルフ一郎さんの里帰り」

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はぁ~。お風呂、気持ちよかったぁ~。
今日の夜ご飯は、焼きししゃもと、ご飯と、みそしると、たくあん・・・・・・か。
けど、一つ質問があります。
なぜ、私のご飯だけ、ないんでしょうか。
ちょっと、気になります。
 
「まぁりぃあちゅわ~ん♡おまたせ~♡」
 
な、なにこれ!私だけ、鯛の造り物!?
 
「えへへへへ。驚いたでしょー。」
 
驚くもなにも、これだけの量、食べ切れませんっ。
 
「遠慮しないで―。」
 
いやです。
 
「ガーン。」
 
ウルフ一郎さんは、両手を床について、腰をぬかして、がくっと落ちこんだ。
ごめんなさい。本当に、ごめんなさい。
 
「あ!オオカミヤロー!そんなの、差別だぞ!」
 
「さ、さ、差別だとぉ~!?し、失礼なっ!」
 
「ご飯、おかわり!持って来い!」
 
「くぅ~、わがままなやつだなぁ。」
 
ウルフ一郎さんは、ぷんぷん怒りながら、ご飯をついだ。
 
「ほらよ。」
 
「サンキュー。差別ヤロー。」
 
「!?」
 
ウルフ一郎さん、怒りをおさえて。
 
「ニャー!ししゃも、おいしいニャ―!」
 
「ウルフ一郎!おかわり!また焼いて!」
 
「ひぃぃぃぃぃ!自分達で焼けっ!」
 
ったく、ろくにご飯も食べれません。
 
「あ―、おいしかった。ふぁ~、飯を食うたび、なんだかねむくなってきたぜぇ~。」
 
本当だね。
 
「お母さん、一緒にねよう!」
 
うん、いいよ。
 
「やったぁ~!」
 
「真莉亜、俺もいいか?」
 
うん。もちろん。
 
「では、おやすみなさーい。」
 
「おやすみー。」
 
私とジュンブライトと道華は、キッチンを去った。
 
「さて、俺もねないと・・・・・・。」
 
「おい、ギロ。」
 
「なんだ、ウルフ一郎。」
 
「寝る部屋のことだが・・・・・・ごにょごにょごにょ。」
 
「うんうん、わかった。」
 
「本当に?」
 
「あぁ。」
 
 

 
 
って、なんであたしはこいつと、一つ屋根の下なんだよぉ。
できれば、ジュンブライト様と一緒に寝たかったぁ~。
つーか、こいつと一緒に寝るの、これで2回目・・・・・・。
 
「ガーゴー、ガーゴー。」
 
・・・・・・いびきうっさい。てか、寝相わる。
 
「う~ん、真莉亜ちゅわ~ん♡」
 
こ、こら!いきなりだきつくなっ!
 
「大好きだよ~♡俺様の嫁さんになってぇ~♡」
 
は、離せ!この!
ふぅ、やっと離れたぁ~。
これでゆっくり、寝られる・・・・・・。
 
「ん~、お肉うまそ~。」
 
またかっ!
てか、よだれ、よだれが出てるし!
ピチャッ。
い!
うぇ、ついちゃったじゃねぇか、あたしの美しい肌に!
やっぱこいつと、寝たくなかった・・・・・・。
あたしはよだれを、ティッシュでふいた。
・・・・・・寝顔、かわいい・・・・・・。
ドキッ、ドキッ、ドキッ。
うわ!久しぶりにきたな、このドキドキ感!
こいつと一緒にいると、激しく鳴り響くんだなぁ。
なぜなんだろう。
 
「ん~、かっわいいなぁ、真莉亜ちゅわん♡」
 
またかよっ!この、この!
あたしが離そうとしても、こいつは離れようとしない。
なぜだ?なぜだ?
と、そのとたん、あたしはぎゅーと、だきしめられた。
ぐ、ぐるじ~い。
 
「ん~、愛してるよぉ~。」
 
はいはい。お前が抱きしめているのは、春間真莉亜じゃないから。
この、桜吹雪のネル様だから。
ぎゅ~。
あ・・・・・・。
 
「う~ん。」
 
モニュ・・・・・・。
!?
こ、こいつ、さっきなにかやらわかいもの、さわってなかったか!?
モニュ・・・・・・。
・・・・・・まただ!
一体、なにをさわってるんだ?
あたしが、下を見ると・・・・・・。
!?こ、こ、こ、こ、こいつ、あ、あ、あ、あ、あたしのおっぱいをさわってる!
しかも右のを右手で!
 
「あ、あれ?なにかマシュマロみたいなものに当たったような・・・・・・。!?」
 
やっと、お目覚めかぁ。
って、そう言っている場合じゃな―い!
 
「イ―ヤ―!」
 
 

 
 
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