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図書委員って楽そうに見えるけど、地味に肉体労働とか仕事が多いんだよね。
今回のもそうだし。だから本好きじゃないと苦痛に感じると思うんだ。
まぁ、本好きでも苦痛に感じる事はあるけれどね。
──っと、話が逸れてしまったけれど、お昼休みの愛瑠ちゃんとのあのやり取りがなければみんなへの通達が早くなって、もう少し人員は確保出来た筈なのよね。
だから、非があるとしたら私達──というより、愛瑠ちゃんなんだけど愛瑠ちゃんは図書委員ではないので私が頑張ってやるしかないのです。
「そんな事ないよ。もう少し僕に人望があれば、他にも手伝ってくれる人はいたと思うんだ」
なんなんですかね、そのマイナス思考は。
思いっきりため息を吐きたい。勿論、吐くわけにはいかないので我慢しますけど。
先輩はこの学園のプリンスと言われている人ですよ? 女子の人気は言うまでもなく、男子からも概ね好意的に見られている人なんですよ?
そんな人が人望ないとか言っても説得力は皆無だと思います。それどころか逆に反感買うかもしれません。
第一、自分の都合を優先してくれるのにわざわざ嘘をついてまで休む意味はないですから、ずる休みというか用事もなく断っている人はいないと思います。
それ程委員全員の人となりを知っているわけではないけれど、少なくともそんな姑息な嘘をつく人はいませんよ。
なんて先輩に言ったって納得はしてくれないと分かってます。だから……。
「久我先輩。今ここには私達しかいないんですから、気にせずにお仕事しましょう! ねっ!」
「そうよ、久我君。春宮さんの言う通り。出来るところまででいいから、やりましょう」
「そう、ですね。今は仕事を片付けるのが先ですね」
成邑先生のフォローもあってか、久我先輩はゆるゆると笑った。
──あれから四時間。帰宅を促す校内放送が鳴り始めた頃、私達は作業を止めた。
「うー……」
肩と背中がバキバキ言っている感じがする。先輩をこれ以上落ち込ませないようにと、ちょっと頑張りすぎたかも。
今日が金曜日で助かった!
明日は一日何の予定も入っていないし、部屋でゴロゴロと寝て過ごすとしよう。身体の休養の為に!
宿題は……。
さすがにこれ以上の目の酷使は避けたいから日曜日に纏めてすればいいや。
「久我君も春宮さんも遅くまでありがとうね。まさか半分以上終わるとは思わなかったわ。
ここまで進んだのも二人のお蔭ね。本当にありがとう」
いえいえ、私は只管タイピングしていただけですから。一番貢献していたのは久我先輩だと思いますよ。と、続けようと思ったけれどそれは出来なかった。
「いえ、これも図書委員の務めですから。それに春宮さんのタイピングが早かったから僕の仕事もはかどりましたし。
さぁ、そろそろ帰る準備をしましょう。もうすぐ学校が閉まってしまいますよ?」
「そうだったわね! こんなに遅くまで頑張ってもらって本当にごめんなさいね。
そうだわ! ちょっと待っててね」
成邑先生は良い事を思いついたと言わんばかりの表情で司書室へと行くと、すぐに何かを持って出て来て「はい」と笑顔で私達に差し出してきた。
その手の中にあったのは白い洋風の封筒ひとつだけ。
何だろう。中身が何かは分からないけれど、受け取らない方がいい気がする。
「あの、成邑先生」
「あっ! 別に変なものじゃないのよ?
遅くまで手伝ってくれた私の感謝の気持ちなの。受け取って貰えないかしら?」
成邑先生は私の態度に何かを感じたのか、強引にその封筒を久我先輩へと渡すとそのまま私達を図書室から追い出した。
今回のもそうだし。だから本好きじゃないと苦痛に感じると思うんだ。
まぁ、本好きでも苦痛に感じる事はあるけれどね。
──っと、話が逸れてしまったけれど、お昼休みの愛瑠ちゃんとのあのやり取りがなければみんなへの通達が早くなって、もう少し人員は確保出来た筈なのよね。
だから、非があるとしたら私達──というより、愛瑠ちゃんなんだけど愛瑠ちゃんは図書委員ではないので私が頑張ってやるしかないのです。
「そんな事ないよ。もう少し僕に人望があれば、他にも手伝ってくれる人はいたと思うんだ」
なんなんですかね、そのマイナス思考は。
思いっきりため息を吐きたい。勿論、吐くわけにはいかないので我慢しますけど。
先輩はこの学園のプリンスと言われている人ですよ? 女子の人気は言うまでもなく、男子からも概ね好意的に見られている人なんですよ?
そんな人が人望ないとか言っても説得力は皆無だと思います。それどころか逆に反感買うかもしれません。
第一、自分の都合を優先してくれるのにわざわざ嘘をついてまで休む意味はないですから、ずる休みというか用事もなく断っている人はいないと思います。
それ程委員全員の人となりを知っているわけではないけれど、少なくともそんな姑息な嘘をつく人はいませんよ。
なんて先輩に言ったって納得はしてくれないと分かってます。だから……。
「久我先輩。今ここには私達しかいないんですから、気にせずにお仕事しましょう! ねっ!」
「そうよ、久我君。春宮さんの言う通り。出来るところまででいいから、やりましょう」
「そう、ですね。今は仕事を片付けるのが先ですね」
成邑先生のフォローもあってか、久我先輩はゆるゆると笑った。
──あれから四時間。帰宅を促す校内放送が鳴り始めた頃、私達は作業を止めた。
「うー……」
肩と背中がバキバキ言っている感じがする。先輩をこれ以上落ち込ませないようにと、ちょっと頑張りすぎたかも。
今日が金曜日で助かった!
明日は一日何の予定も入っていないし、部屋でゴロゴロと寝て過ごすとしよう。身体の休養の為に!
宿題は……。
さすがにこれ以上の目の酷使は避けたいから日曜日に纏めてすればいいや。
「久我君も春宮さんも遅くまでありがとうね。まさか半分以上終わるとは思わなかったわ。
ここまで進んだのも二人のお蔭ね。本当にありがとう」
いえいえ、私は只管タイピングしていただけですから。一番貢献していたのは久我先輩だと思いますよ。と、続けようと思ったけれどそれは出来なかった。
「いえ、これも図書委員の務めですから。それに春宮さんのタイピングが早かったから僕の仕事もはかどりましたし。
さぁ、そろそろ帰る準備をしましょう。もうすぐ学校が閉まってしまいますよ?」
「そうだったわね! こんなに遅くまで頑張ってもらって本当にごめんなさいね。
そうだわ! ちょっと待っててね」
成邑先生は良い事を思いついたと言わんばかりの表情で司書室へと行くと、すぐに何かを持って出て来て「はい」と笑顔で私達に差し出してきた。
その手の中にあったのは白い洋風の封筒ひとつだけ。
何だろう。中身が何かは分からないけれど、受け取らない方がいい気がする。
「あの、成邑先生」
「あっ! 別に変なものじゃないのよ?
遅くまで手伝ってくれた私の感謝の気持ちなの。受け取って貰えないかしら?」
成邑先生は私の態度に何かを感じたのか、強引にその封筒を久我先輩へと渡すとそのまま私達を図書室から追い出した。
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