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○ 僕ときょうだい
◆ 44
しおりを挟む「やっばっ! そしてトドメにぷにふわっ……! いやマジなに天国……っ!
え、俺、死ぬ? いや、すでに死んでる? やっぱりここは天国かっ!?」
「う?」
やっぱり僕の全力だと、カショウに何かしらのダメージを与えていたみたいです?
なんかおかしな事言ってます。
「カチョ、くりゅしでしゅ?
僕、ギュッ! やめるでしゅよ?」
「いやいやいやいやいや!
全然全く何の問題もないです! それより、もっとギュッとしてくださって大丈夫ですよ!」
うーん……。
やっぱりカショウはどこかにダメージを受けたみたいです。
あきらかにおかしい感じがします。
凄く良い笑顔を浮かべているところが特に怪しい感じがプンプンします。
そこまでして、僕に心配をかけないように気をつかってくれて……。
なんだか、申し訳ないです……。
ううっ……。
あとでマティアスに、ごめんなさいしないといけないです……。
そして体を痛めたカショウにお休みをあげてもらうように、お願いしなくてはいけません。
僕が全力でカショウに抱きついたばかりに、みんなに迷惑をかけてしまいます……。
「あれ? なんか今すっごい悪寒がした……。
さっきの天国から、一気に地獄に落ちたかと思うぐらいの寒気がした……。
って!? 気付いたら坊っちゃまが何故か落ち込んでおられるし!?
一体、一瞬で何が!?」
「カチョ、いたいいたいでしゅか?」
「えっ? いや、俺はどこも痛くないですよ?
それどころか、坊っちゃまを抱っこしてるおかげで、元気がもりもりですよ!」
「本当でしゅか?」
「本当ですよっ!」
うー……。
やっぱりなんか、やせがまん?っていうのをしている気がします。
「信じていらっしゃいませんね?
でしたら、俺が元気だという事を証明して見せましょう!」
う?
証明ってどうやるんです?
僕に誤魔化しなんかききませんよ?
「まぁ、至極簡単な事ですよ。
坊っちゃま、俺にしっかりと掴まっていて下さいね。
念の為、俺も坊っちゃまをギュッと抱きしめますね」
「……分かったでしゅ」
またカショウに痛みを与えてしまう事に申し訳ないと思いながら、ギュッとします。
「やっべぇ、マジ幸せ……」
「カチョ、ギュッ! 終わったでしゅ」
「了解ですっ! 行きますよっ!
『空牙っ!』」
カショウは叫ぶと、大きく一歩を踏み出しました。
続けて、スピードを上げて二歩三歩……?
「ふえっ!?」
目に入る景色に変化が出たので何でだろと思ったら、カショウが空中を走ってます!
下を見てみると明らかにカショウの足は地面についてません!
ふおぉーっ!!
「カチョ、おしょら、おしょらでしゅよっ!!」
「最後にっ……と!」
ブオォーンッ!
そんな感じでクルクルと回り出しました!
なんです!なんですっ!!
凄いですっ!!
「到着っと……。
如何でしたか?」
最後、スタッて感じで着地しました!
なんか、軽くシュッ!みたいな感じでしたっ!
「カチョッ! しゅごいでしゅっ!
カコイイでしゅっ! 僕もやりたいでしゅっ!」
「喜んでいただいたなら、何よりです。
これで、俺が元気だって証明できましたよね?」
「あいっ! できまちたー!
カチョはすごいでしゅっ! パチパチパチッ!」
僕は溢れんばかりの想いの丈を拍手にこめました!
こめすぎて、お口でもパチパチパチって言っちゃいましたが……。
応援ありがとうございます!
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