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恋の嵐 その8
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「い、一体、なんだったのよ、あれは!」
茉理が急に泣き出し、要の口調に憤りを察した3人は、呆然と事の顛末の余韻に浸っていた。
周りが自分たちを好奇な目で見つめている。
中には自分の会社の女性社員までいる。
課が違うが見た事のある顔に3人は顔を歪める。
明日、自分たちの奇行が会社中に知れ渡るのは時間の問題だ。
あの女が泣いた所為で、自分たちは完全に悪者になっている。
タイミングよく泣きやがって……と心の中で3人が舌打ちする。
全てあの女の計算ずくの行いかと思い、3人は茉理に対して憎しみの感情を強めていく。
「本当に忌々しい。
あんな平凡な女が北澤課長に溺愛されて。
あの課長の冷ややかな口調、初めて聞いたわ。
本当に恐かった……」
「ひ、一ツ橋さんの所為よ。
協定を結んで彼女を追い詰める予定を狂わしたのは!
き、北澤課長に嫌われたら、私、私はこれからどうしたら……」
オロオロしだす二神に三田がせせら笑う。
「あら、そんな事でうろたえるどうするの?二神さんは。
そんなに簡単に課長の事を諦める訳?」
「そうよ、二神さん!
今回はあの女の姑息な行動が北澤課長の逆鱗に触れたけど、でもこれで諦める訳ではないでしょう?
そんなに簡単に諦める想いだったの、貴女は……」
馬鹿にする二人に二神の頬に朱が走る。
心の底で、流石に年長者は繊細な自分とは図太さが違うと思いながら。
「そ、そんな訳、無いでしょう!
簡単に諦めきれる想いでは無いわ!」
「また、作戦を練り直さないていけないわね。
あの女の粗探しをして、正体を暴いて北澤課長の前に証拠を突き詰めるのよ。
あの女がどれ程計算高くて性悪か……。
北澤課長も気持ちが冷めるでしょう、きっと」
「優秀な探偵をリサーチして調査させるのよ、あの女の身辺を。
絶対に別れさせてやる。
今日、あの女の態度を見て決心が固まったわ。
絶対に許すものですか!
北澤課長の心を奪った報い、思い知らせてやる……」
メラメラと茉理に対して復讐の炎を燃やす3人を止める術は無い。
全く持って理不尽で身勝手な3人の考えを抱き、憎しみの炎を燃え滾らしている事を、茉理は知る由も無かった……。
***
「少しは落ち着いた?」
要のマンションに着き、食事を終えた後、要が珈琲を入れたカップを茉理の手に握らす。
熱い湯気は茉理の心を少しずつ解していく。
「……、大丈夫だから、要さん」
横に座る要が茉理の肩を抱き、自分の胸に寄せる。
「そう、悩まないで」
「解っていますから。
本当に大丈夫だから……」
「茉理」
そっと茉理の手に握られたカップを奪い、テーブルの上に置く。
茉理の頤を掴み唇を寄せ、労わるように茉理の唇に触れる。
優しく羽の様に軽く何度も触れる要に、惚けた茉理の唇が自然と薄く開く。
茉理の唇を優しく喰み歯列を舌でなぞり茉理の舌を絡めとる。
「ふ、う…ん」
甘い声が茉理の口から零れる。
何度も角度と変えながら深い口付けを与える要が茉理の背中に腕を回し、ソファに押し倒す。
「か、かなめさ……」
「茉理を愛させて」
茉理の顔をじっと見つめながら要がまた唇を奪う。
執拗に茉理の唇を奪いながらカーディガンを剥ぎ取り、ワンピースのファスナーを下ろす。
腰までワンピース脱がされキャミソール姿になった茉理が要の動きを遮ろうと抵抗をし始める。
「だ、駄目。
こんな明るい所では、い、や……」
口付けの合間に紡がれる茉理の言葉にくっと口角を上げる。
「ここでは無かったらいいんだね?」
唇を解いた要が茉理を抱き上げ妖艶に笑う。
寝室へと向かう要に茉理は、慌てふためきと下ろす様に伝えるが、要は一向に聞く気配が無い。
「か、要さん?」
そっと茉理をベットに横たえ耳元で囁く。
「最初に茉理に言っておく。
済まない、明日は仕事を休ませるようになる……」
ぞっとするような要の言葉に、茉理の身体が一瞬、硬直する。
「そ、それって、その……」
唇がぷるぷると震える。
茉理の愛らしい唇に要は指でゆっくりとなぞる。
「今日は帰さない。
俺の愛を体中に感じて」
もう充分に感じています……と叫ぼうとする唇を強引に奪われる。
反論する言葉を奪われ、いつの間にか茉理の口から甘い吐息が零れだす。
体中の熱が要によって高ぶられていく。
熱い夜が要の愛撫によって始まろうとしていた……。
茉理が急に泣き出し、要の口調に憤りを察した3人は、呆然と事の顛末の余韻に浸っていた。
周りが自分たちを好奇な目で見つめている。
中には自分の会社の女性社員までいる。
課が違うが見た事のある顔に3人は顔を歪める。
明日、自分たちの奇行が会社中に知れ渡るのは時間の問題だ。
あの女が泣いた所為で、自分たちは完全に悪者になっている。
タイミングよく泣きやがって……と心の中で3人が舌打ちする。
全てあの女の計算ずくの行いかと思い、3人は茉理に対して憎しみの感情を強めていく。
「本当に忌々しい。
あんな平凡な女が北澤課長に溺愛されて。
あの課長の冷ややかな口調、初めて聞いたわ。
本当に恐かった……」
「ひ、一ツ橋さんの所為よ。
協定を結んで彼女を追い詰める予定を狂わしたのは!
き、北澤課長に嫌われたら、私、私はこれからどうしたら……」
オロオロしだす二神に三田がせせら笑う。
「あら、そんな事でうろたえるどうするの?二神さんは。
そんなに簡単に課長の事を諦める訳?」
「そうよ、二神さん!
今回はあの女の姑息な行動が北澤課長の逆鱗に触れたけど、でもこれで諦める訳ではないでしょう?
そんなに簡単に諦める想いだったの、貴女は……」
馬鹿にする二人に二神の頬に朱が走る。
心の底で、流石に年長者は繊細な自分とは図太さが違うと思いながら。
「そ、そんな訳、無いでしょう!
簡単に諦めきれる想いでは無いわ!」
「また、作戦を練り直さないていけないわね。
あの女の粗探しをして、正体を暴いて北澤課長の前に証拠を突き詰めるのよ。
あの女がどれ程計算高くて性悪か……。
北澤課長も気持ちが冷めるでしょう、きっと」
「優秀な探偵をリサーチして調査させるのよ、あの女の身辺を。
絶対に別れさせてやる。
今日、あの女の態度を見て決心が固まったわ。
絶対に許すものですか!
北澤課長の心を奪った報い、思い知らせてやる……」
メラメラと茉理に対して復讐の炎を燃やす3人を止める術は無い。
全く持って理不尽で身勝手な3人の考えを抱き、憎しみの炎を燃え滾らしている事を、茉理は知る由も無かった……。
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「少しは落ち着いた?」
要のマンションに着き、食事を終えた後、要が珈琲を入れたカップを茉理の手に握らす。
熱い湯気は茉理の心を少しずつ解していく。
「……、大丈夫だから、要さん」
横に座る要が茉理の肩を抱き、自分の胸に寄せる。
「そう、悩まないで」
「解っていますから。
本当に大丈夫だから……」
「茉理」
そっと茉理の手に握られたカップを奪い、テーブルの上に置く。
茉理の頤を掴み唇を寄せ、労わるように茉理の唇に触れる。
優しく羽の様に軽く何度も触れる要に、惚けた茉理の唇が自然と薄く開く。
茉理の唇を優しく喰み歯列を舌でなぞり茉理の舌を絡めとる。
「ふ、う…ん」
甘い声が茉理の口から零れる。
何度も角度と変えながら深い口付けを与える要が茉理の背中に腕を回し、ソファに押し倒す。
「か、かなめさ……」
「茉理を愛させて」
茉理の顔をじっと見つめながら要がまた唇を奪う。
執拗に茉理の唇を奪いながらカーディガンを剥ぎ取り、ワンピースのファスナーを下ろす。
腰までワンピース脱がされキャミソール姿になった茉理が要の動きを遮ろうと抵抗をし始める。
「だ、駄目。
こんな明るい所では、い、や……」
口付けの合間に紡がれる茉理の言葉にくっと口角を上げる。
「ここでは無かったらいいんだね?」
唇を解いた要が茉理を抱き上げ妖艶に笑う。
寝室へと向かう要に茉理は、慌てふためきと下ろす様に伝えるが、要は一向に聞く気配が無い。
「か、要さん?」
そっと茉理をベットに横たえ耳元で囁く。
「最初に茉理に言っておく。
済まない、明日は仕事を休ませるようになる……」
ぞっとするような要の言葉に、茉理の身体が一瞬、硬直する。
「そ、それって、その……」
唇がぷるぷると震える。
茉理の愛らしい唇に要は指でゆっくりとなぞる。
「今日は帰さない。
俺の愛を体中に感じて」
もう充分に感じています……と叫ぼうとする唇を強引に奪われる。
反論する言葉を奪われ、いつの間にか茉理の口から甘い吐息が零れだす。
体中の熱が要によって高ぶられていく。
熱い夜が要の愛撫によって始まろうとしていた……。
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