17 / 18
罪過の炎が身を焦がす 【3】※R18
しおりを挟む
薬剤の効果が切れる前に、侍従に頼んで自室へ運んでもらった。
せめて、ヒースの最期がロベルトの視界に入らないように。
胸の中には、後悔が渦巻いている。
なぜ、否と突き放さなかったのか。突き放せなかったのか。突き放してさえいれば、ヒースが命を晒すことなどなかったのに。
「っはは・・・、ヒースのことになると、初めての感情ばかりで戸惑うな・・・」
論理的でなくても肯定してあげたくなり、合理的でなくても実現してあげたくなる。すべてが論理的に、合理的に、正しく通してきた道程が、ヒースとの出会いで歪んでいく。
「そんな歪みが心地いいなんて、恋愛というのは非合理的、だな。」
そんなことを動かない身体で考えていると、ドアが軽くノックされる。ああ、もうこの時が来てしまったのか。
「イアン様、ヒースにございます。失礼してもよろしいでしょうか?」
・・・ここでダメだと言えば、ヒースは引き下がるだろうか?
「・・・イアン様?」
「あ、ああ。入っていいぞ。」
そうだとしても、もう突き放すのは無理だろう。
それに一度受け入れてしまった手前、無かったことにするのは気が引ける。貴族であるならば、二言は無きように、と母上から教わった。その教えを破ることなどできない。
「は、はい!失礼いたします!!」
ベッドから身体を動かすことができないため、出迎えることも、もてなすことも出来ない。
「ろくなもてなしもできなくて悪いな。」
顔を動かすこともできないため、ヒースの様子をうかがい知ることも出来ない。動けないことがもどかしいが、動けるようにならなければ、ヒースを襲う心配もない。もどかしくて仕方がないが、この状態が今の最適解だ。
「い、イアン様、・・・繋がれてらっしゃるのですか?」
ヒースが触れたのだろうか、じゃら、と耳元で鎖が鳴る。
「ああ、これか?気休めにもならないが、少しでも抑えることが出来ないかと思ってな。」
魔族の膂力のまえでは、魔力回路の通っていない拘束具など玩具同然だが、それでもないよりはましだと言って、両手両足、そして首元につけてもらっている。
ヒースの、息をのむ音が聞こえる。
ギシっ、とベッドが軋む。ヒースの体重がベッドに乗ったのだろうか。
「イアン様、私、きっとお役に立って見せます・・・・・・!」
そう言うと、ヒースは俺に馬乗りになった。ヒースの全身が、ようやく視界に入る。
「なっ、!?ヒース、おま、!な、なんて恰好をしているんだ!!」
ヒースの肌が透けて見えるほど薄い生地、レースの付いた裾。下半身を覆うはずの布は、隠す気があるのか分からないほどの、きわどい布面積をしている。
雄を興奮させるために作られたと言える下着を身につけ、顔を真っ赤にしたヒースが、俺の上に居る。
「こ、これは!・・・えっと、私の趣味、というわけでは、なくてですね・・・事情を説明したら、アンさんに押し付けられたといいますか・・・押し切られたと言いますか・・・」
わたわたと説明するヒースだが、説明していくにつれ、だんだんと声が小さくなっていく。
そんなヒースがとても愛しく感じるが、違う。聞きたいことはそれじゃない。
「ヒース、・・・なにがどうなったら、その・・・そんな、きわどい格好に至るんだ?」
どんどんと顔に血が昇っていく。何故だか、こちらまで気まずくなってしまった。
気まずい沈黙の後、ヒースがゆっくりと口を開く。
「ダンダリオン様に、『生命エネルギーを得るのに最も効率的なものは捕食だが、性行為でも生命エネルギーを得ることが可能だ』と、教えていただいたので・・・、その、お役にたてるかと思ったのですが、・・・ご迷惑でしたか?」
いじらしく潤んだ瞳で見つめられて、どうして迷惑などと言えるのだろう。
「考えた結果がそれ、なのだな?
否定したりなどしないさ。おまえが死なずに済むのなら、それに越したことはないんだから。」
胸の奥から、じわり、じわりと安堵がわいてくる。
ヒースが、死ぬことはないのだ。
いや、まだ安心はできない。薬剤が切れた瞬間、俺の行動は、最も効率のいい“捕食”に変わってしまうかもしれないのだから、ヒースの身は危険に晒されたままだ。
「嬉しい、です。」
するり、とヒースの手が服の中へ入ってくる。
「イアン様が、私を拒まずにいてくれる・・・受け入れてくださる・・・」
恍惚とした笑みを浮かべ、俺の肌に手を這わせる。
その手つきは、経験したことがない感覚を俺に湧きあがらせた。
「っ、ヒース・・・何を・・・・・・?」
ヒースの瞳は妖しげに揺れていて、何の感情がそこにあるのか読み取りづらい。
「もしかして、イアン様はこういったご経験はないのですか?」
恍惚の中に、期待がともる。心臓が、ドクドクと早鐘を打つ。この感情の正体が分からない。
「性行為のことを指すなら、・・・誰とも身体を重ねたことはない。
必要が・・・なかったものだから。」
期待が、歓喜へと染まっていく。恍惚と歓喜が入り混じる、熱っぽいその瞳から、目を逸らすことが出来ない。
「私が、イアン様の初めてなんですね。・・・分からないことばかりでしょうから、私に任せてくださいね。」
精一杯、務めさせていただきます。
そういいながら、ヒースは慣れた手つきで俺の服をずらしていく。
リップ音を立てながら、ヒースの唇が俺に触れていく。ぞわぞわとした感覚が、背筋に走る。
腹部から、胸へ。胸から鎖骨へと、ヒースの唇が順番に触れていく。
ゆっくりと、舌が肌の上を這う。ぬるり、とした感覚はくすぐったさとは別の、経験したことのない感覚を呼び起こす。
「キス、させていただいてもよろしいですか・・・?」
恍惚に染まる瞳は、返事など求めていなかった。許可を求めども、何と答えようとも、することは変わらない。そういう目をしていた。
返事を待たずに、唇が重ねられる。触れられた部分から、ぞくぞくと、なにかが湧きあがってくる。
言いようのないほどの歓喜。秘めがたいほどの恍惚。
ああ、俺は今、ヒースと触れ合っている。
肉体だけではなく、魂にさえも、触れ合っている。
昔、ダンダリオンに聞いたことがある。子を成せぬ魔族にとって、性行為とはどんな意味を持つのか、と。
『魂に触れ合う、ということだ。愛しいものと身体を重ねることは、何にも代えがたい幸福をもたらしてくれる。』
そう、ダンダリオンは答えた。
俺は、今、その言葉を正しく理解した。
「不快だったら、言ってくださいね。」
ヒースの声に、脳がクラクラと揺れる。
こんな感覚は、知らない。理解が及ばない。
けれど、不快ではない。
ヒースの手が、男根に触れる。優しく、優しく触れられている。
ヒースの手が触れていくたびに、男根は存在を主張していく。
「よかった・・・興奮してくれているんですね。」
いつの間にかヒースの顔は俺の下半身に移動しており、熱っぽい息が男根に触れる。
「ふっ・・・、く、・・・・・・ヒー、ス。」
「大丈夫ですよ。そのまま・・・私に身を任せていてください。悪いようには、いたしませんから。」
怖がる子供をあやすかのように、ヒースは俺に声をかける。
その声が、どうしようもなく劣情を煽った。
ヒースの唇が、男根に触れる。
「な、っヒース・・・・・・!そんなところ、汚い・・・だろう!」
「ん、・・・イアン様の、ですから、・・・気にならないですよ。」
声の振動が、男根を刺激する。背筋に、快楽が走っていく。
ヒースの舌が、根元から先端に刺激を与えていく。恍惚とした表情が快楽を増幅し、押し上げる。
受け入れられているという事実が、どうしようもない幸福をもたらす。
「イアン様の、私の中に・・・招かせていただきますね。」
どこに持っていたのか、小瓶から潤滑油を手に取り、男根に塗り広げる。
そして、男根を自らの窄まりに押しあてると、ゆっくりと体重をかけていく。
ヒースの中を押し広げていく感覚が、背骨を抜けていく。温かくうねる体内が、欲を吐きだすように促している。
「っは、あっ・・・イ、アン様の・・・全部、入りましたよ・・・ほら、根元まで、私のなかに、おいでです。」
うっとりとした表情が、ヒースに苦痛はないのだと教えてくれる。
「ヒース、・・・っは、あ、・・・もう、欲を、吐きだしたい・・・!」
耐えきれぬ快楽に、ヒースに懇願する。
「お前の中に、欲を、吐きだしてしまいたい・・・・・・!」
「はい・・・!受け止めますから・・・!わたしのなかにっ!吐きだしてしまってください・・・・・・!」
ヒースの了承と共に、俺は欲を吐きだした。魂と触れ合った快楽と幸福が背骨を抜け、脳を揺らす。
ああ、もっと触れ合っていたい。
一度だけではなく、もっと、何度でも。
いつの間にか動くようになった身体は、さらにヒースを求めていた。
もっと、もっと貪りたい。
身体を起こすと、鎖の砕ける音が聞こえた。
驚くヒースを組敷き、乱暴に唇を奪う。
たりない。
もっと、もっと、もっと欲しい。
「ヒース、俺はまだ、お前が欲しい。」
「は、んむ!?んー!」
返事など待っていられずに、貪りつく。乱暴に口内を犯し、食らいつく。
苦しげに息継ぎをする舌をからめ捕る。軽く舌に噛みつけば、組伏せた細い身体が小さく跳ねる。
身体が小刻みに痙攣し始めたのを感じ、はっとして身体を起こす。
荒い息を整えながら、ヒースは俺の目を見る。ヒースの瞳には、獣のように高ぶっている俺が映っていた。
「っはあ、は・・・逃げたりなど、・・・いたしません。
この身体は、あなたに捧げると決めた瞬間から、イアン様のものです。」
好きなようになさってください、と涙を浮かべた瞳を細めてヒースが微笑んだ。
「いい、のだな?
薬剤も切れ、もう、歯止めが効かない。やめてくれと懇願されても、聞いてやることはできない。」
「構いません。」
するり、と拘束から抜け出し、その腕を俺の首にまわす。
「どうぞ私を、もらってくださいませ。」
優しく、口づけられる。
どちらからともなく、求めあうように舌をからめ合う。独りよがりではない、お互いを求めあう口付けは、独りよがりのものよりも、はるかに大きな充足感と幸福と快楽をもたらした。
指をからめ合い、ヒースの嬌声を奪うように口付け、その欲を打ちつけた。
幾度となく繰り返し、何度も欲を吐きだし、何度も互いを貪った。
日が落ち、また日が昇り、もう一度日が暮れた暮れた頃、永遠に続くとも思えたその交わりは、来訪者と共に終わりを告げた。
「お楽しみ中申し訳ないのですが、治療のため落ち着いていただきますね。」
首筋に軽い痛みが走り、全身の力が抜ける。
「急いできましたが、もう少し遅くても大丈夫そうでしたね。」
全身を黒で覆った、男とも女ともつかぬ中性的な面立ちの者が立っている。
「あ、そこのエルフさんはシャワー浴びられそうですか?あ、大丈夫そう。魔族とそれだけまぐわって平気なんて、随分丈夫ですね。」
「えっと、あなたが・・・?」
ヒースが疑問を投げれば、その黒ずくめは頷く。
「あ、はい。私がサリエルというものです。」
せめて、ヒースの最期がロベルトの視界に入らないように。
胸の中には、後悔が渦巻いている。
なぜ、否と突き放さなかったのか。突き放せなかったのか。突き放してさえいれば、ヒースが命を晒すことなどなかったのに。
「っはは・・・、ヒースのことになると、初めての感情ばかりで戸惑うな・・・」
論理的でなくても肯定してあげたくなり、合理的でなくても実現してあげたくなる。すべてが論理的に、合理的に、正しく通してきた道程が、ヒースとの出会いで歪んでいく。
「そんな歪みが心地いいなんて、恋愛というのは非合理的、だな。」
そんなことを動かない身体で考えていると、ドアが軽くノックされる。ああ、もうこの時が来てしまったのか。
「イアン様、ヒースにございます。失礼してもよろしいでしょうか?」
・・・ここでダメだと言えば、ヒースは引き下がるだろうか?
「・・・イアン様?」
「あ、ああ。入っていいぞ。」
そうだとしても、もう突き放すのは無理だろう。
それに一度受け入れてしまった手前、無かったことにするのは気が引ける。貴族であるならば、二言は無きように、と母上から教わった。その教えを破ることなどできない。
「は、はい!失礼いたします!!」
ベッドから身体を動かすことができないため、出迎えることも、もてなすことも出来ない。
「ろくなもてなしもできなくて悪いな。」
顔を動かすこともできないため、ヒースの様子をうかがい知ることも出来ない。動けないことがもどかしいが、動けるようにならなければ、ヒースを襲う心配もない。もどかしくて仕方がないが、この状態が今の最適解だ。
「い、イアン様、・・・繋がれてらっしゃるのですか?」
ヒースが触れたのだろうか、じゃら、と耳元で鎖が鳴る。
「ああ、これか?気休めにもならないが、少しでも抑えることが出来ないかと思ってな。」
魔族の膂力のまえでは、魔力回路の通っていない拘束具など玩具同然だが、それでもないよりはましだと言って、両手両足、そして首元につけてもらっている。
ヒースの、息をのむ音が聞こえる。
ギシっ、とベッドが軋む。ヒースの体重がベッドに乗ったのだろうか。
「イアン様、私、きっとお役に立って見せます・・・・・・!」
そう言うと、ヒースは俺に馬乗りになった。ヒースの全身が、ようやく視界に入る。
「なっ、!?ヒース、おま、!な、なんて恰好をしているんだ!!」
ヒースの肌が透けて見えるほど薄い生地、レースの付いた裾。下半身を覆うはずの布は、隠す気があるのか分からないほどの、きわどい布面積をしている。
雄を興奮させるために作られたと言える下着を身につけ、顔を真っ赤にしたヒースが、俺の上に居る。
「こ、これは!・・・えっと、私の趣味、というわけでは、なくてですね・・・事情を説明したら、アンさんに押し付けられたといいますか・・・押し切られたと言いますか・・・」
わたわたと説明するヒースだが、説明していくにつれ、だんだんと声が小さくなっていく。
そんなヒースがとても愛しく感じるが、違う。聞きたいことはそれじゃない。
「ヒース、・・・なにがどうなったら、その・・・そんな、きわどい格好に至るんだ?」
どんどんと顔に血が昇っていく。何故だか、こちらまで気まずくなってしまった。
気まずい沈黙の後、ヒースがゆっくりと口を開く。
「ダンダリオン様に、『生命エネルギーを得るのに最も効率的なものは捕食だが、性行為でも生命エネルギーを得ることが可能だ』と、教えていただいたので・・・、その、お役にたてるかと思ったのですが、・・・ご迷惑でしたか?」
いじらしく潤んだ瞳で見つめられて、どうして迷惑などと言えるのだろう。
「考えた結果がそれ、なのだな?
否定したりなどしないさ。おまえが死なずに済むのなら、それに越したことはないんだから。」
胸の奥から、じわり、じわりと安堵がわいてくる。
ヒースが、死ぬことはないのだ。
いや、まだ安心はできない。薬剤が切れた瞬間、俺の行動は、最も効率のいい“捕食”に変わってしまうかもしれないのだから、ヒースの身は危険に晒されたままだ。
「嬉しい、です。」
するり、とヒースの手が服の中へ入ってくる。
「イアン様が、私を拒まずにいてくれる・・・受け入れてくださる・・・」
恍惚とした笑みを浮かべ、俺の肌に手を這わせる。
その手つきは、経験したことがない感覚を俺に湧きあがらせた。
「っ、ヒース・・・何を・・・・・・?」
ヒースの瞳は妖しげに揺れていて、何の感情がそこにあるのか読み取りづらい。
「もしかして、イアン様はこういったご経験はないのですか?」
恍惚の中に、期待がともる。心臓が、ドクドクと早鐘を打つ。この感情の正体が分からない。
「性行為のことを指すなら、・・・誰とも身体を重ねたことはない。
必要が・・・なかったものだから。」
期待が、歓喜へと染まっていく。恍惚と歓喜が入り混じる、熱っぽいその瞳から、目を逸らすことが出来ない。
「私が、イアン様の初めてなんですね。・・・分からないことばかりでしょうから、私に任せてくださいね。」
精一杯、務めさせていただきます。
そういいながら、ヒースは慣れた手つきで俺の服をずらしていく。
リップ音を立てながら、ヒースの唇が俺に触れていく。ぞわぞわとした感覚が、背筋に走る。
腹部から、胸へ。胸から鎖骨へと、ヒースの唇が順番に触れていく。
ゆっくりと、舌が肌の上を這う。ぬるり、とした感覚はくすぐったさとは別の、経験したことのない感覚を呼び起こす。
「キス、させていただいてもよろしいですか・・・?」
恍惚に染まる瞳は、返事など求めていなかった。許可を求めども、何と答えようとも、することは変わらない。そういう目をしていた。
返事を待たずに、唇が重ねられる。触れられた部分から、ぞくぞくと、なにかが湧きあがってくる。
言いようのないほどの歓喜。秘めがたいほどの恍惚。
ああ、俺は今、ヒースと触れ合っている。
肉体だけではなく、魂にさえも、触れ合っている。
昔、ダンダリオンに聞いたことがある。子を成せぬ魔族にとって、性行為とはどんな意味を持つのか、と。
『魂に触れ合う、ということだ。愛しいものと身体を重ねることは、何にも代えがたい幸福をもたらしてくれる。』
そう、ダンダリオンは答えた。
俺は、今、その言葉を正しく理解した。
「不快だったら、言ってくださいね。」
ヒースの声に、脳がクラクラと揺れる。
こんな感覚は、知らない。理解が及ばない。
けれど、不快ではない。
ヒースの手が、男根に触れる。優しく、優しく触れられている。
ヒースの手が触れていくたびに、男根は存在を主張していく。
「よかった・・・興奮してくれているんですね。」
いつの間にかヒースの顔は俺の下半身に移動しており、熱っぽい息が男根に触れる。
「ふっ・・・、く、・・・・・・ヒー、ス。」
「大丈夫ですよ。そのまま・・・私に身を任せていてください。悪いようには、いたしませんから。」
怖がる子供をあやすかのように、ヒースは俺に声をかける。
その声が、どうしようもなく劣情を煽った。
ヒースの唇が、男根に触れる。
「な、っヒース・・・・・・!そんなところ、汚い・・・だろう!」
「ん、・・・イアン様の、ですから、・・・気にならないですよ。」
声の振動が、男根を刺激する。背筋に、快楽が走っていく。
ヒースの舌が、根元から先端に刺激を与えていく。恍惚とした表情が快楽を増幅し、押し上げる。
受け入れられているという事実が、どうしようもない幸福をもたらす。
「イアン様の、私の中に・・・招かせていただきますね。」
どこに持っていたのか、小瓶から潤滑油を手に取り、男根に塗り広げる。
そして、男根を自らの窄まりに押しあてると、ゆっくりと体重をかけていく。
ヒースの中を押し広げていく感覚が、背骨を抜けていく。温かくうねる体内が、欲を吐きだすように促している。
「っは、あっ・・・イ、アン様の・・・全部、入りましたよ・・・ほら、根元まで、私のなかに、おいでです。」
うっとりとした表情が、ヒースに苦痛はないのだと教えてくれる。
「ヒース、・・・っは、あ、・・・もう、欲を、吐きだしたい・・・!」
耐えきれぬ快楽に、ヒースに懇願する。
「お前の中に、欲を、吐きだしてしまいたい・・・・・・!」
「はい・・・!受け止めますから・・・!わたしのなかにっ!吐きだしてしまってください・・・・・・!」
ヒースの了承と共に、俺は欲を吐きだした。魂と触れ合った快楽と幸福が背骨を抜け、脳を揺らす。
ああ、もっと触れ合っていたい。
一度だけではなく、もっと、何度でも。
いつの間にか動くようになった身体は、さらにヒースを求めていた。
もっと、もっと貪りたい。
身体を起こすと、鎖の砕ける音が聞こえた。
驚くヒースを組敷き、乱暴に唇を奪う。
たりない。
もっと、もっと、もっと欲しい。
「ヒース、俺はまだ、お前が欲しい。」
「は、んむ!?んー!」
返事など待っていられずに、貪りつく。乱暴に口内を犯し、食らいつく。
苦しげに息継ぎをする舌をからめ捕る。軽く舌に噛みつけば、組伏せた細い身体が小さく跳ねる。
身体が小刻みに痙攣し始めたのを感じ、はっとして身体を起こす。
荒い息を整えながら、ヒースは俺の目を見る。ヒースの瞳には、獣のように高ぶっている俺が映っていた。
「っはあ、は・・・逃げたりなど、・・・いたしません。
この身体は、あなたに捧げると決めた瞬間から、イアン様のものです。」
好きなようになさってください、と涙を浮かべた瞳を細めてヒースが微笑んだ。
「いい、のだな?
薬剤も切れ、もう、歯止めが効かない。やめてくれと懇願されても、聞いてやることはできない。」
「構いません。」
するり、と拘束から抜け出し、その腕を俺の首にまわす。
「どうぞ私を、もらってくださいませ。」
優しく、口づけられる。
どちらからともなく、求めあうように舌をからめ合う。独りよがりではない、お互いを求めあう口付けは、独りよがりのものよりも、はるかに大きな充足感と幸福と快楽をもたらした。
指をからめ合い、ヒースの嬌声を奪うように口付け、その欲を打ちつけた。
幾度となく繰り返し、何度も欲を吐きだし、何度も互いを貪った。
日が落ち、また日が昇り、もう一度日が暮れた暮れた頃、永遠に続くとも思えたその交わりは、来訪者と共に終わりを告げた。
「お楽しみ中申し訳ないのですが、治療のため落ち着いていただきますね。」
首筋に軽い痛みが走り、全身の力が抜ける。
「急いできましたが、もう少し遅くても大丈夫そうでしたね。」
全身を黒で覆った、男とも女ともつかぬ中性的な面立ちの者が立っている。
「あ、そこのエルフさんはシャワー浴びられそうですか?あ、大丈夫そう。魔族とそれだけまぐわって平気なんて、随分丈夫ですね。」
「えっと、あなたが・・・?」
ヒースが疑問を投げれば、その黒ずくめは頷く。
「あ、はい。私がサリエルというものです。」
1
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
BLゲームの悪役に転生したら攻略対象者が全員ヒロインに洗脳されてた
さ
BL
主人公のレオンは、幼少期に前世の記憶を思い出し、この世界がBLゲームで、自身は断罪される悪役だと気づく。
断罪を回避するため、極力攻略対象者たちと関わらないように生きてきた。
ーーそれなのに。
婚約者に婚約は破棄され、
気づけば断罪寸前の立場に。
しかも理由もわからないまま、
何もしていないはずの攻略対象者達に嫌悪を向けられてーー。
※最終的にハッピーエンド
※愛され悪役令息
『定時後の偶然が多すぎる』
こさ
BL
定時後に残業をするたび、
なぜか必ず同じ上司が、同じフロアに残っている。
仕事ができて、無口で、社内でも一目置かれている存在。
必要以上に踏み込まず、距離を保つ人――
それが、彼の上司だった。
ただの偶然。
そう思っていたはずなのに、
声をかけられる回数が増え、
視線が重なる時間が長くなっていく。
「無理はするな」
それだけの言葉に、胸がざわつく理由を、
彼自身はまだ知らない。
これは、
気づかないふりをする上司と、
勘違いだと思い込もうとする部下が、
少しずつ“偶然”を積み重ねていく話。
静かで、逃げ場のない溺愛が、
定時後から始まる。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
僕の恋人は、超イケメン!!
八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる