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125 新たなねこ魔法
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早朝から慌ただしいアパートの一室。そう、ねこさんの部屋だ。
「久し振りで、ちょっぴり緊張なのねー」
すっかりまたたびの毒素が抜けて完全復活したために、今日からバイトにも復活するのだ。
(ねこさん、何やらその職場には剛の者がいるそうですね?)
「う‥‥‥」
その言葉に、胸が締めつけられる。喉元までさっき食べたご飯が、込み上げてくるみたいだった。
『ああ、みけ子というヤバイ奴だ』
見ればネコサンが顔をしかめていた。
(みけ子ちゃん‥‥‥)
名前から何かが流れ込んでくるのか、リースは武者震いするかのように明滅を繰り返した。
(ねこさん、頭の中で自分の事を守りたいと強く思ってみて)
「‥‥‥なのねー」
ぎゅぎゅっ、と目をつむると、祈るように両手を合わせて握りしめた。
と、リースの中の魔法石の一つが強く輝きだす。
(目を開けてこれに触れて!)
「はいなのね!」
震える指先が、それに触れた。どっしりとした包み込むような魔力がねこさんの全身に流れ込んでくる。
「‥‥‥ふう」
憑き物が落ちたような表情のねこさん。すっかり緊張はほぐれていた。
(さあ、呪文を唱えてみて)
こくりと頷き、頭の中に現れたそれを口にする。
「ねこバリア」
ぽわん、とねこさんの体が瞬いた。あたたかい優しい光に包み込まれていた。
(ねこバリア。物理、魔法、全状態異常‥‥‥とにかくあらゆる干渉を無効にする鉄壁の障壁よ!)
「おお!」
『これならダンジョンまたたびにすぐにでもリベンジできるな!』
「‥‥‥おお?」
ネコサンの喜色ばんだ声と同時に、ねこさんが、どたーん! と倒れこんだ。
『ご、ご主人、どうした!?』
その問いかけには答えない。いや、答えられない。ねこさんは、白目を剥いて気絶していたのだ。
(魔力消費が激しいのが、欠点ね!)
『‥‥‥』
からからと笑うリースと、ずーん、と表情を曇らせるチャト。
やはり、ダンジョンまたたびへの道は、遠く険しい‥‥‥。
「久し振りで、ちょっぴり緊張なのねー」
すっかりまたたびの毒素が抜けて完全復活したために、今日からバイトにも復活するのだ。
(ねこさん、何やらその職場には剛の者がいるそうですね?)
「う‥‥‥」
その言葉に、胸が締めつけられる。喉元までさっき食べたご飯が、込み上げてくるみたいだった。
『ああ、みけ子というヤバイ奴だ』
見ればネコサンが顔をしかめていた。
(みけ子ちゃん‥‥‥)
名前から何かが流れ込んでくるのか、リースは武者震いするかのように明滅を繰り返した。
(ねこさん、頭の中で自分の事を守りたいと強く思ってみて)
「‥‥‥なのねー」
ぎゅぎゅっ、と目をつむると、祈るように両手を合わせて握りしめた。
と、リースの中の魔法石の一つが強く輝きだす。
(目を開けてこれに触れて!)
「はいなのね!」
震える指先が、それに触れた。どっしりとした包み込むような魔力がねこさんの全身に流れ込んでくる。
「‥‥‥ふう」
憑き物が落ちたような表情のねこさん。すっかり緊張はほぐれていた。
(さあ、呪文を唱えてみて)
こくりと頷き、頭の中に現れたそれを口にする。
「ねこバリア」
ぽわん、とねこさんの体が瞬いた。あたたかい優しい光に包み込まれていた。
(ねこバリア。物理、魔法、全状態異常‥‥‥とにかくあらゆる干渉を無効にする鉄壁の障壁よ!)
「おお!」
『これならダンジョンまたたびにすぐにでもリベンジできるな!』
「‥‥‥おお?」
ネコサンの喜色ばんだ声と同時に、ねこさんが、どたーん! と倒れこんだ。
『ご、ご主人、どうした!?』
その問いかけには答えない。いや、答えられない。ねこさんは、白目を剥いて気絶していたのだ。
(魔力消費が激しいのが、欠点ね!)
『‥‥‥』
からからと笑うリースと、ずーん、と表情を曇らせるチャト。
やはり、ダンジョンまたたびへの道は、遠く険しい‥‥‥。
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