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177 対抗戦、閉幕!
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「はーい、と言うわけでー、今回のギルド対抗ダンジョン合戦は……なんと! 史上初となる引き分けになりましたー!」
「これは次回の対抗戦が、さらに楽しみになりましたね」
シロにゃんとみけ美が、シメに入った。
「では今回の総評を、まずはキジマスからお願いしまーす!」
シロにゃんが、さ、とマイクを向けたが……。
「えー、それでは総評を……とにかくキジメ──」
「はい! ありがとうございましたー!!」
一瞬で自分の口もとへ戻し、にこやかにキジマスの頭に一発ごいん、とかました。
「続きまして、ギルマス……あれ?」
みけ美の視線が、恰幅の良い白猫を探してさまよう。
「はい、見あたらないので、ネコサンにお願いしましょう」
が、すぐに諦めたみけ美は拡声器を、す、とネコサンに手渡した。
『あー、こほん……今回初めて拝見させていただきましたが、両ギルドの代表となった選手は、どちらも大変お見事でした。ワタシが用意した最凶の障害……ん?』
気持ちよく口を動かすロボ猫の肩が、とんとん、と叩かれる。
『失敬……ワタシが用意した……』
とんとん。
『ワタシ……』
とんとん。
『ワ……』
べしべし!
『痛いって! もう、なんだよ!? せっかく気持ちよく……って、ひっ!?』
振り返るとそこには、すっかり能面になったねこさんの姿が!
『なな、なんだ、ご主人か……どうした、感情が消えたような目をしているぞ?』
「……」
『ご主人?』
「……」
ここでネコサンはようやく気付いた。
普段ほとんど怒らないのでそんな事はない、と決め込んでいたのかもしれない。
『……お、怒ってます?』
「……」
『ご、ご主人?』
「とりあえず、正座」
地の底から響いてくるような声に、たまらずロボは正座した。
(ここ、怖ー!? エンシェントドラゴンより、怖ーっ!?)
心の声が、駄々洩れになりそうなのをこらえる。その額には、大粒の脂汗が滲んでいた、ように思えた。
「本格的な説教は帰ってからにするけど」
えー? とネコサンは表情だけで抗議する。
「なに?」
『な、何でもありません!』
鋭い眼に震えが止まらない。
「じゃ、キジメロさんに、謝罪して」
『へ?』
「今はそれだけでいいから……ほら」
『ひぇ……ごご、ごめんなさい』
訳も分からず額を地面にこすりつけた。
「キジメロさん、今回はこれで、お許し願います」
ねこさんも言いながら、土下座する。
「やや、やめてよね……あたしは別に、怒ってないし……」
「寛大なお心、感謝します」
『かか、感謝します?』
異様な空気にギルドメンバーたちも、息をのんでいた。
「……は、はい! と言うわけで!」
我に返ったみけ美が、シロにゃんのわきをつつく。
「はっ!? はい! 今回の対抗戦はこれにて終了でーす!」
受付嬢たちの機転で、それ以上おかしな雰囲気になる前にお開きとなったのだった。
そんな中。
「いや、完全に出ていくタイミングを逸したんだけど……」
仮設トイレのドアを少しだけ開き、ギルマスが情けなくつぶやいていた……。
「これは次回の対抗戦が、さらに楽しみになりましたね」
シロにゃんとみけ美が、シメに入った。
「では今回の総評を、まずはキジマスからお願いしまーす!」
シロにゃんが、さ、とマイクを向けたが……。
「えー、それでは総評を……とにかくキジメ──」
「はい! ありがとうございましたー!!」
一瞬で自分の口もとへ戻し、にこやかにキジマスの頭に一発ごいん、とかました。
「続きまして、ギルマス……あれ?」
みけ美の視線が、恰幅の良い白猫を探してさまよう。
「はい、見あたらないので、ネコサンにお願いしましょう」
が、すぐに諦めたみけ美は拡声器を、す、とネコサンに手渡した。
『あー、こほん……今回初めて拝見させていただきましたが、両ギルドの代表となった選手は、どちらも大変お見事でした。ワタシが用意した最凶の障害……ん?』
気持ちよく口を動かすロボ猫の肩が、とんとん、と叩かれる。
『失敬……ワタシが用意した……』
とんとん。
『ワタシ……』
とんとん。
『ワ……』
べしべし!
『痛いって! もう、なんだよ!? せっかく気持ちよく……って、ひっ!?』
振り返るとそこには、すっかり能面になったねこさんの姿が!
『なな、なんだ、ご主人か……どうした、感情が消えたような目をしているぞ?』
「……」
『ご主人?』
「……」
ここでネコサンはようやく気付いた。
普段ほとんど怒らないのでそんな事はない、と決め込んでいたのかもしれない。
『……お、怒ってます?』
「……」
『ご、ご主人?』
「とりあえず、正座」
地の底から響いてくるような声に、たまらずロボは正座した。
(ここ、怖ー!? エンシェントドラゴンより、怖ーっ!?)
心の声が、駄々洩れになりそうなのをこらえる。その額には、大粒の脂汗が滲んでいた、ように思えた。
「本格的な説教は帰ってからにするけど」
えー? とネコサンは表情だけで抗議する。
「なに?」
『な、何でもありません!』
鋭い眼に震えが止まらない。
「じゃ、キジメロさんに、謝罪して」
『へ?』
「今はそれだけでいいから……ほら」
『ひぇ……ごご、ごめんなさい』
訳も分からず額を地面にこすりつけた。
「キジメロさん、今回はこれで、お許し願います」
ねこさんも言いながら、土下座する。
「やや、やめてよね……あたしは別に、怒ってないし……」
「寛大なお心、感謝します」
『かか、感謝します?』
異様な空気にギルドメンバーたちも、息をのんでいた。
「……は、はい! と言うわけで!」
我に返ったみけ美が、シロにゃんのわきをつつく。
「はっ!? はい! 今回の対抗戦はこれにて終了でーす!」
受付嬢たちの機転で、それ以上おかしな雰囲気になる前にお開きとなったのだった。
そんな中。
「いや、完全に出ていくタイミングを逸したんだけど……」
仮設トイレのドアを少しだけ開き、ギルマスが情けなくつぶやいていた……。
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