さくらんぼ

もふ

文字の大きさ
32 / 60

〜episode20〜

しおりを挟む
かずside
僕は今、ずっと好きだったヒナと二人きりでクレープを食べてる。
ずっと好きだったからこそ分かることがあった。
ヒナが相馬を好きだってこと。
でも、今は岡本さんが相馬を連れてどこかへ行ってしまった。
この時間しか、ヒナと一緒にはいられないような気がしていたから、正直僕は嬉しい。
そんなことを考えながら横目でふとヒナを見てみるとクレープを美味しそうに頬張っている。
「ヒナ、生クリームついてるよ」
「えぇ!?ど、どこ!?」
「ここ」
と言って僕はヒナの口の端に付いている生クリームを指ですくってペロッと舐めた。
正直、僕の学校での王子のような振る舞いは役を作っているだけであって、実際はこうゆうことに免疫はない。
ものすごく恥ずかしい…。
ヒナは、というと僕以上に顔を真っ赤にして照れている。
なんというか、すごく
「可愛い」
「へ!?」

ちゅっ

僕は今さっきよりも真っ赤な、ゆでダコのような顔色になっているだろう。
なにせ、ヒナの後頭部をぐいっとこちらへ寄せキスをしたのだから。
もちろん、唇に。
「かかかかず…!/////」
「うん?」
「な、なにして…」
「キス、だね」
にっこりと微笑みながらヒナを見る。
僕もこんなこと初めてで余裕が無いのを悟られたくないからね。
僕との会話でさらに顔が赤くなるヒナ。
「な、なんで…」
「ヒナ。聞いて欲しいことがあるんだ」
「なに?」
僕はベンチに座っているヒナの前へ行き、片膝をついてヒナの片手を自分の手の上へのせる。
まるで、忠誠を誓う騎士とお姫様のように。
「ヒナ、僕は君がずっと前から好きだよ。それは今もこれから先も変わらないと思う。だから、ね。僕と付き合ってほしい」
「かず、ほんと…?」
「好きな子に嘘なんてつかないよ」
「でも私は、」
「知ってる、相馬のことが好きなんだよね?」
相馬のことが好き、ということをヒナの口から聞きたくなくて僕は話をさえぎった。
「…うん」
「でも、このままだとヒナが辛いままだよ」
「それは…すごく実感してる」
「僕にしなよ。僕だったら相馬みたいにヒナを悲しませることは絶対しない」
「でも、それはかずのことを利用するってことで、私は良くても真剣に私のことを思ってくれてるかずに悪いよ…」
「僕は大丈夫だよ。好きな子といられるんだから。それに、付き合うことで僕のことを好きになってもらえれば問題ないよ」
「私がかずを好きにならなかったら…?」
「大丈夫!絶対僕のことを好きにさせるから!」
「どこまでかずは優しいの…」
ヒナは泣きながらそう言った。
でもね、僕は優しくなんてないよ。
好きな子の弱ってる所につけこんでる時点で僕は自分のことしから考えてないんだ。
そう、卑怯者。
でも僕は…
卑怯者になってでもヒナと一緒にいたいんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺の可愛い幼馴染

SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。 ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。 連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。 感想もご自由にどうぞ。 ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。

疎遠だった幼馴染が彼女と別れて私に会いに来るようになったのだけど

くじら
恋愛
図書館の定位置には、いつも黒縁メガネの女生徒がいる。 貴族同士の見栄の張り合いや出世争いから距離を置いて穏やかに過ごしていたのに、女生徒の幼馴染が絡んでくるようになって…。

たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―

佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。 19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。 しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。 突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。 「焦らず、お前のペースで進もう」 そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。 けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。 学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。 外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。 「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」 余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。 理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。 「ゆっくり」なんて、ただの建前。 一度火がついた熱は、誰にも止められない。 兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

【完結】たぶん私本物の聖女じゃないと思うので王子もこの座もお任せしますね聖女様!

貝瀬汀
恋愛
ここ最近。教会に毎日のようにやってくる公爵令嬢に、いちゃもんをつけられて参っている聖女、フレイ・シャハレル。ついに彼女の我慢は限界に達し、それならばと一計を案じる……。ショートショート。※題名を少し変更いたしました。

お兄様「ねえ、イケナイ事をしよっか♡」

小野
恋愛
父が再婚して新しく出来たお兄様と『イケナイ事』をする義妹の話。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

【完結】小さなマリーは僕の物

miniko
恋愛
マリーは小柄で胸元も寂しい自分の容姿にコンプレックスを抱いていた。 彼女の子供の頃からの婚約者は、容姿端麗、性格も良く、とても大事にしてくれる完璧な人。 しかし、周囲からの圧力もあり、自分は彼に不釣り合いだと感じて、婚約解消を目指す。 ※マリー視点とアラン視点、同じ内容を交互に書く予定です。(最終話はマリー視点のみ)

処理中です...