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7話 変化する関係
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「んんんっ! はぁっ……あ、ト……マせ……せ……」
噛みつくように激しく唇を奪われる。
「せん……せ……ふ、あっ……はぁ……」
昼間与えられた快感がまだ体の奥に残っていて、簡単に呼び覚まされた。
……あらがう事が……できない。
「や……」
背中をゾクゾクした感覚が何度も駆け上がる。
体がふらふらしてきて私は冬馬先生のシャツの胸元をギュッと握りしめた。
「ん……ち、ひろ……さ……分かりましたね」
先生の拘束が緩んでも私は先生から離れられずにいた。
「はぁ……はぁ……」
一度乱れた呼吸はなかなか戻らない。
「分からないようでしたら、分かるまで教えて差し上げますが……」
そ、そんなのムリだよ。
トーマ先生と私じゃ経験値が違い過ぎる。
先生にかなうわけがない。
……もう、降参だ……。
冬馬先生から与えられる圧倒的な快感にうなずくことしか出来なかった。
でも、私達……偽りの婚約者なのに。
先生はどうしてこんなに激しく私を求めるの……?
そもそも、一年半前、私達はこういう関係じゃなかった。
なのに、なぜ今……?
この偽装婚約は先生にとっては仕事の為に交わしただけのはずなのに……?
先生の気持ちの奥底が知りたい。
私に全て……教えて欲しい……。
沢山の疑問が次から次へと湧いてきたけど……どれも聞くことは出来なかった。
その答えを聞くのが怖かったから……。
「千尋さん……座りましょうか?」
くったりしてしまった私は冬馬先生に支えられさっき片付けたばかりのソファーに倒れ込む様に座った。
先生も私の隣に腰をおろす。
彼の腕は私の腰にまわったままだ。
「さあ、まずはこの『ギソコン』についてのルールを決めましょう」
「ルール……」
その単語にふっと大野君の顔がよぎったけど、すぐに頭の片隅に追いやった。
これ以上の攻撃はくらいたくない。
私、昔から先生の前ではいつも子供同然だ。
とても勝てっこない……。
「ええ、この偽装婚約を成功させるために必要な事を話しあうのです……あなたは御父上から自由を勝ち取るため、私は……事務所を守るために……」
口ではそう言ったのに、冬馬先生はふいに私を抱き寄せると頭に軽く口づけを落とした。
「あれ? トーマ先生……?」
すぐそばにある顔を見上げて唐突に気づいた。
「せ、先生っ? 眼鏡、眼鏡は……?」
冬馬先生は視力が悪くて、いつも眼鏡をかけていた。
昔は黒いフレームの眼鏡、そして一年半前は銀縁の眼鏡をかけていた気がする……。
そっか……今日、ずっと感じていた違和感はこれだったんだ。
先生、眼鏡をかけていない。
綺麗な顔がむき出しだよ……。
「……はあ……」
冬馬先生は大きくため息をついた。
「今頃、そんなことに気が付くなんて……千尋さんが今日、どれだけ私の事を見ていなかったのか、よく分かりました」
「……ごめんなさい……」
なんというか、先生に振り回されっぱなしでそれどころじゃなかったんだもん。
今だって至近距離で見つめられて目をそらしたくて仕方がない。
こんなに甘い視線を向けられると……恥ずかしくて照れてしまう。
「最近、コンタクトに変えたんですよ。邪魔でしょう?……キスするのに」
冬馬先生はそう言うとゆっくり私に顔を寄せた。
「千尋さん、私から目を、そらさないで……」
やわらかい感触が唇に触れる。
さっきとは打って変わってまるで壊れ物を扱うような優しいキスだ。
チュッと小さな音がして先生は離れた。
離れた後も私たちはずっと見つめあっていた。
切れ長の瞳に私が映っている。
冬馬先生はゆっくり瞬きをした。
長いまつげが、少し潤んだ綺麗な瞳を一瞬隠す。
そのあまりに美しく優雅なしぐさに私は目をそらすことが出来ない……。
目をそらしたくてもそらせない。
私、先生の魔力にとらわれてしまった。
この、綺麗な人が私の婚約者……?
たとえ偽りの関係とはいえ、急にそのことが現実味を帯びてきて私はブルっと震えた。
……私、うまくやれるのかな……?
「まず、確認しておきたいことは……私達の婚約が偽装であることは所長はもちろん、奥様や愛美さんにも秘密にする、という事です……」
偽装婚約の事、お母さんに秘密にした方がいいことは私にも分かる。
こんな関係、ばれたらすぐにお父さんに筒抜けだろう。
けど……お姉ちゃんまで?
お姉ちゃんには本当の事を伝えておいた方がトーマ先生にとっても、いいような気がするけど……。
「愛美さんにまで家族に嘘をつかせたいとお思いですか?」
そう言われてハッとした。
確かに……そうだ。
お姉ちゃんをこんな嘘に巻き込んじゃいけない。
「……秘密にします」
「ええ……いいお返事です、千尋さん」
冬馬先生はそう言うと私の頭をポンポンとなでた。
このやりとり……懐かしい……。
昔、トーマ先生にこうやって褒められるのが嬉しかった。
……それは、大人になった今も変わってないんだなぁ……。
なぜか、胸がギューッと締め付けられる気がした。
鼻の奥がツンとして涙が浮かぶ。
どうして、昔のまま、トーマ先生のそばにいられなかったんだろう?
この一年半で先生が眼鏡からコンタクトに変わったように、私も変わってしまった。
それ以上に……変わってしまった……。
「千尋さんからは、何かありますか?」
「……冬馬先生……先生がもしやめたくなったら……いつでもこの婚約は解消してください……」
「千尋さん……」
お父さんの言いなりになりたくなくて、つい受けてしまったこの婚約だけど……先生の将来のためになるとは到底思えない。
勤め先の法律事務所の不肖の次女と婚約するなんて、冬馬先生の評判に傷が付くかもしれない。
そんなことになったら耐えられないよ……!
「では……お互いの同意があればこの婚約は解消出来るようにしましょう。……それで、いいですね」
「……はい……」
「では……後で書面にしておきます……千尋さん……」
冬馬先生はそう言うと私をそっと抱きしめた。
「……随分、引き留めてしまいましたね……奥様がお待ちでしょうから、ご自宅にお送りします」
冬馬先生の車で自宅に向かう。
この時間帯なら十分程で着く距離だ。
「すみません、千尋さん、お腹が空いたでしょう?」
……時刻はもう、九時をまわっている。
でも今日は沢山のことがあり過ぎて全然空腹を感じなかった。
「どこか寄りましょうか?」
先生もお腹が空いているだろうから本当は夕食に付き合ったほうがいいのだろうけど……。
「いえ……早く帰らないといけないので……」
私は誘いを断る。
「そうですね……」
それからしばらく無言で流れる景色を見つめていた。
「……ひろさん……」
「え……?」
「眠そうですね……」
そう問いかけられて気が付いた。
私、眠っていたみたいだ……。
「もう、着きますよ」
「……はい……」
そう返事をしたもののまぶたが重くて私はまた瞳を閉じた……。
「じゃあ、お兄ちゃんとしてひとつ大切なことを教えておくけど……小田桐はもう少し自分を大切にした方がいい、男の部屋なんか簡単に着いて行ったらダメだ。男なんて何を考えているか分からないんだから……少しは警戒しなさい」
大野君は真面目な顔でそう言うけど……。
「ま、今の俺が言うセリフではないよな……。でもさ、実際、妹を持つ兄としては心配なワケよ。今日だってあいつ、カレシの部屋に泊まるらしいし……はぁ……」
とため息をつく。
お兄ちゃんはかわいい妹が心配なんだね……。
大野君がいいお兄さんだから、私も安心して甘えることが出来る。
「じゃ、俺、風呂に入ってくるから、テレビでも見てて」
「うん」
そう返事したものの……気が付いたらウトウトし始めていた。
朝がものすごく早かったんだもん。
まだ九時をまわったばかりなのに……。
私は丸テーブルに突っ伏す。
「おい、小田桐……風呂いいぞ……」
「う……ん……」
お風呂上がりの大野君に肩をゆすられても、もう動くことも出来ない。
「仕方ないな……」
私の体がフワッと浮いてベッドに降ろされたのが感覚で分かった。
温かい布団をかけられる。
「おやすみ……ゆっくりやすめよ……」
大野君の優しい声が遠くに聞こえた……。
噛みつくように激しく唇を奪われる。
「せん……せ……ふ、あっ……はぁ……」
昼間与えられた快感がまだ体の奥に残っていて、簡単に呼び覚まされた。
……あらがう事が……できない。
「や……」
背中をゾクゾクした感覚が何度も駆け上がる。
体がふらふらしてきて私は冬馬先生のシャツの胸元をギュッと握りしめた。
「ん……ち、ひろ……さ……分かりましたね」
先生の拘束が緩んでも私は先生から離れられずにいた。
「はぁ……はぁ……」
一度乱れた呼吸はなかなか戻らない。
「分からないようでしたら、分かるまで教えて差し上げますが……」
そ、そんなのムリだよ。
トーマ先生と私じゃ経験値が違い過ぎる。
先生にかなうわけがない。
……もう、降参だ……。
冬馬先生から与えられる圧倒的な快感にうなずくことしか出来なかった。
でも、私達……偽りの婚約者なのに。
先生はどうしてこんなに激しく私を求めるの……?
そもそも、一年半前、私達はこういう関係じゃなかった。
なのに、なぜ今……?
この偽装婚約は先生にとっては仕事の為に交わしただけのはずなのに……?
先生の気持ちの奥底が知りたい。
私に全て……教えて欲しい……。
沢山の疑問が次から次へと湧いてきたけど……どれも聞くことは出来なかった。
その答えを聞くのが怖かったから……。
「千尋さん……座りましょうか?」
くったりしてしまった私は冬馬先生に支えられさっき片付けたばかりのソファーに倒れ込む様に座った。
先生も私の隣に腰をおろす。
彼の腕は私の腰にまわったままだ。
「さあ、まずはこの『ギソコン』についてのルールを決めましょう」
「ルール……」
その単語にふっと大野君の顔がよぎったけど、すぐに頭の片隅に追いやった。
これ以上の攻撃はくらいたくない。
私、昔から先生の前ではいつも子供同然だ。
とても勝てっこない……。
「ええ、この偽装婚約を成功させるために必要な事を話しあうのです……あなたは御父上から自由を勝ち取るため、私は……事務所を守るために……」
口ではそう言ったのに、冬馬先生はふいに私を抱き寄せると頭に軽く口づけを落とした。
「あれ? トーマ先生……?」
すぐそばにある顔を見上げて唐突に気づいた。
「せ、先生っ? 眼鏡、眼鏡は……?」
冬馬先生は視力が悪くて、いつも眼鏡をかけていた。
昔は黒いフレームの眼鏡、そして一年半前は銀縁の眼鏡をかけていた気がする……。
そっか……今日、ずっと感じていた違和感はこれだったんだ。
先生、眼鏡をかけていない。
綺麗な顔がむき出しだよ……。
「……はあ……」
冬馬先生は大きくため息をついた。
「今頃、そんなことに気が付くなんて……千尋さんが今日、どれだけ私の事を見ていなかったのか、よく分かりました」
「……ごめんなさい……」
なんというか、先生に振り回されっぱなしでそれどころじゃなかったんだもん。
今だって至近距離で見つめられて目をそらしたくて仕方がない。
こんなに甘い視線を向けられると……恥ずかしくて照れてしまう。
「最近、コンタクトに変えたんですよ。邪魔でしょう?……キスするのに」
冬馬先生はそう言うとゆっくり私に顔を寄せた。
「千尋さん、私から目を、そらさないで……」
やわらかい感触が唇に触れる。
さっきとは打って変わってまるで壊れ物を扱うような優しいキスだ。
チュッと小さな音がして先生は離れた。
離れた後も私たちはずっと見つめあっていた。
切れ長の瞳に私が映っている。
冬馬先生はゆっくり瞬きをした。
長いまつげが、少し潤んだ綺麗な瞳を一瞬隠す。
そのあまりに美しく優雅なしぐさに私は目をそらすことが出来ない……。
目をそらしたくてもそらせない。
私、先生の魔力にとらわれてしまった。
この、綺麗な人が私の婚約者……?
たとえ偽りの関係とはいえ、急にそのことが現実味を帯びてきて私はブルっと震えた。
……私、うまくやれるのかな……?
「まず、確認しておきたいことは……私達の婚約が偽装であることは所長はもちろん、奥様や愛美さんにも秘密にする、という事です……」
偽装婚約の事、お母さんに秘密にした方がいいことは私にも分かる。
こんな関係、ばれたらすぐにお父さんに筒抜けだろう。
けど……お姉ちゃんまで?
お姉ちゃんには本当の事を伝えておいた方がトーマ先生にとっても、いいような気がするけど……。
「愛美さんにまで家族に嘘をつかせたいとお思いですか?」
そう言われてハッとした。
確かに……そうだ。
お姉ちゃんをこんな嘘に巻き込んじゃいけない。
「……秘密にします」
「ええ……いいお返事です、千尋さん」
冬馬先生はそう言うと私の頭をポンポンとなでた。
このやりとり……懐かしい……。
昔、トーマ先生にこうやって褒められるのが嬉しかった。
……それは、大人になった今も変わってないんだなぁ……。
なぜか、胸がギューッと締め付けられる気がした。
鼻の奥がツンとして涙が浮かぶ。
どうして、昔のまま、トーマ先生のそばにいられなかったんだろう?
この一年半で先生が眼鏡からコンタクトに変わったように、私も変わってしまった。
それ以上に……変わってしまった……。
「千尋さんからは、何かありますか?」
「……冬馬先生……先生がもしやめたくなったら……いつでもこの婚約は解消してください……」
「千尋さん……」
お父さんの言いなりになりたくなくて、つい受けてしまったこの婚約だけど……先生の将来のためになるとは到底思えない。
勤め先の法律事務所の不肖の次女と婚約するなんて、冬馬先生の評判に傷が付くかもしれない。
そんなことになったら耐えられないよ……!
「では……お互いの同意があればこの婚約は解消出来るようにしましょう。……それで、いいですね」
「……はい……」
「では……後で書面にしておきます……千尋さん……」
冬馬先生はそう言うと私をそっと抱きしめた。
「……随分、引き留めてしまいましたね……奥様がお待ちでしょうから、ご自宅にお送りします」
冬馬先生の車で自宅に向かう。
この時間帯なら十分程で着く距離だ。
「すみません、千尋さん、お腹が空いたでしょう?」
……時刻はもう、九時をまわっている。
でも今日は沢山のことがあり過ぎて全然空腹を感じなかった。
「どこか寄りましょうか?」
先生もお腹が空いているだろうから本当は夕食に付き合ったほうがいいのだろうけど……。
「いえ……早く帰らないといけないので……」
私は誘いを断る。
「そうですね……」
それからしばらく無言で流れる景色を見つめていた。
「……ひろさん……」
「え……?」
「眠そうですね……」
そう問いかけられて気が付いた。
私、眠っていたみたいだ……。
「もう、着きますよ」
「……はい……」
そう返事をしたもののまぶたが重くて私はまた瞳を閉じた……。
「じゃあ、お兄ちゃんとしてひとつ大切なことを教えておくけど……小田桐はもう少し自分を大切にした方がいい、男の部屋なんか簡単に着いて行ったらダメだ。男なんて何を考えているか分からないんだから……少しは警戒しなさい」
大野君は真面目な顔でそう言うけど……。
「ま、今の俺が言うセリフではないよな……。でもさ、実際、妹を持つ兄としては心配なワケよ。今日だってあいつ、カレシの部屋に泊まるらしいし……はぁ……」
とため息をつく。
お兄ちゃんはかわいい妹が心配なんだね……。
大野君がいいお兄さんだから、私も安心して甘えることが出来る。
「じゃ、俺、風呂に入ってくるから、テレビでも見てて」
「うん」
そう返事したものの……気が付いたらウトウトし始めていた。
朝がものすごく早かったんだもん。
まだ九時をまわったばかりなのに……。
私は丸テーブルに突っ伏す。
「おい、小田桐……風呂いいぞ……」
「う……ん……」
お風呂上がりの大野君に肩をゆすられても、もう動くことも出来ない。
「仕方ないな……」
私の体がフワッと浮いてベッドに降ろされたのが感覚で分かった。
温かい布団をかけられる。
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大野君の優しい声が遠くに聞こえた……。
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