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25話 蓮の父親
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木曜日の夜、私は久しぶりに萌ちゃんと会う事になった。
佐々木萌ちゃん、大学の同級生で一緒に成人式に出席した友人だ。
仕事から帰って蓮をお風呂に入れてから、バイト終わりの萌ちゃんと待ち合わせをしている駅前のカフェに急いだ。
「あ、千尋ちゃん! こっちこっち!」
カフェの前で大きく手を振っている懐かしい笑顔。
少しだけ大人びた気もするけど、優しい雰囲気はあの頃と変わらない。
「萌ちゃん……!!」
会いたかったよー!
私は思わず萌ちゃんに抱き着いた。
「千尋ちゃーん、久しぶり!」
萌ちゃんも私を抱き返してくれる。
「千尋ちゃん元気だった?」
「うん」
私たちは連れ立ってカフェに入った。
「このカフェ最近オープンしたんだけど、スイーツも充実してて、プリンがすっごく美味しいんだよ。絶対千尋ちゃん、気に入ると思って!」
ん? プリンが美味しいお店って……?
あっ、そうだ! 冬馬先生が言ってたあの店だ!
それぞれコーヒーを注文して椅子に座ると早速、萌ちゃんに今までどうしていたのか根掘り葉掘り聞かれることになった。
私は、あの成人式の日に会ったタツキ君と家を出た事や、足場屋で事務員をしていたことをかいつまんで話す。
「もうっ、千尋ちゃん……私、心配したんだからね……」
「ごめんね、萌ちゃん。それで、あの、実は……」
おまけに今、六ヶ月の息子を育てている事を話したら萌ちゃんはびっくりして固まってしまった。
「あの……萌ちゃん?」
「えっと……じゃあ、千尋ちゃんはお母さんって事……?」
「う、うん……そう、あ、息子の写真……見る?」
私はスマホで蓮の写真を見せる。
「うわぁ……かわいい……千尋ちゃん! かわいいね! ねえ、この子のお名前は?」
「ん、と……」
無邪気な笑顔でそう聞かれて返答に困る。
「実は……蓮っていうの……」
「れんくん……? って千尋ちゃん! まんまじゃん!!」
やっぱり、萌ちゃんにはそう突っ込まれると思った。
だって私が大好きなアイドル『聖・パイレーツ』のレンと同じ名前なんだから……。
「で? れん君のお父さんは誰なの? 成人式で会ったあのイケメン?」
「……うん、そうだよ……」
私はうなずく。
そう、父親は……タツキ君だ。
「あ、でも、萌ちゃん。この事は誰にも言わないって約束してくれる? 私、今は彼と離れて蓮を育てているの。両親にも蓮の父親については話してないんだ」
「……千尋ちゃんが言わないでって言うのなら言わないけど……そういえば、あの日、あの成人式の日に恐ろしくカッコイイ人が私に話を聞きに来たよ。えーっと、確か……四宮さん?」
冬馬先生からも萌ちゃんに会いに行った事は聞いていた。
その時に、私がタツキ君と成人式で出会ったことを聞いたと言っていたっけ。
他にも……。
「ゴメン千尋ちゃん……私、四宮さんに色々話しちゃった……!」
それって、私が中学の頃からずっと好きな人がいるって事だよね。
冬馬先生はその相手がタツキ君じゃないかって誤解したみたいだけど。
「勝手にごめんね、千尋ちゃん。でも四宮さんがあんまり心配そうにしていたから……。私ね、四宮さんと会った瞬間にピンと来たんだよね。千尋ちゃんの初恋の人はこの人だって」
「え……?」
「違った?」
「違……わない。え? 萌ちゃん、なんで分かったの?」
「ん? それは……秘密」
萌ちゃんはいたずらっ子の様にフフフと笑った。
そっか、萌ちゃんが冬馬先生に私の初恋について話したのはそういうわけだったのか。
「ねえ、萌ちゃん。私ね、今その四宮……さんと婚約してるんだ」
偽装だけど……一緒にいられるならそれでもいいと思ってる。
「そうなの? そっか……良かった。なんか安心したよ。私さ千尋ちゃんが突然大学を休学したり、久しぶりに会ったら赤ちゃんを育ててるって言うから、少し心配だったの……でも、今の千尋ちゃん、とっても幸せそうなんだもん。きっと、四宮さんにスゴク愛されてるんだね?」
あ、愛されてる……?
そ、それはどうか分からないけど、母は昔から冬馬先生は私の事を甘やかしてたって言っていた。
それは、私も最近強く自覚してる。
「う、うん……大切にしてくれてる……と思う……よ」
会うたびに翻弄されちゃうのは、とても話せない。
私はへへへっと笑ってごまかした。
「じゃあ、千尋ちゃん。今度、れん君に会わせてね!」
明日、萌ちゃんは一限から講義があるそうで今夜は早めにお開きにすることにした。
私も明日はフォレストの最終日だしね。
「あ、萌ちゃん! ちょっと待ってて!」
私はカウンターで五個入りのプリンを二箱注文して、一箱萌ちゃんに差し出した。
「はい、どうぞ」
……噂のプリン。
冬馬先生は絶品だって言っていた。
「ありがと、千尋ちゃん! じゃ、また」
「うん、またね」
私達はカフェの前で手を振って別れた。
駅に向かおうとしてふと気が付く。
ここ……冬馬先生の家にかなり近い。
先生、もう帰っているかな?
せっかく美味しいプリンを入手したのだ。
……一緒に、食べたいな……。
もし、忙しくて時間がなくても、せめてこのプリンだけでも渡せたら嬉しいんだけど……。
気が付いたら先生の家に向かっていた。
電話をかけながら歩く。
「千尋さん?」
先生の低い声がすぐに聞こえた。
「先生、今家ですか?」
「ええ……やっと仕事が落ち着いて、さっき帰宅しました。ちょうど千尋さんと話したいと思っていたところですよ。でも千尋さん? 今夜はご友人と会っているんじゃ……?」
「もう、解散したんです。それで……今、先生の家の近くにいるので……」
電話の向こうでガタガタッと大きな音がした。
「先生? 大丈夫ですか?」
「ええっ、気にしないで下さい。千尋さん、それで!?」
「えっと、それで……美味しいプリンも買えたので先生に渡せたらって思って……」
話しながら角を曲がる。
薄暗い駐車場の横を過ぎたらもう先生のマンションだ。
もうすぐ……会える。
浮かれていたせいで駐車場から出てきた男の人とぶつかってしまった。
「きゃぁっ……!」
「千尋さんっ!?」
私の手からスマホが滑り落ちる。
私はその場にしゃがみこんだ。
「すみません……大丈夫ですか?」
さっきぶつかった若くて大柄な男性にそう声をかけられる。
「だ、大丈夫です……ごめんなさい……」
どうしよう……怖い。
怖い。
手がブルブルと震えるのを止められない。
私はしゃがんだまま震える手を口元に持って行く。
「だ、大丈夫ですから……」
「千尋さんっ!!」
その時、冬馬先生が走って来るのが見えた。
「ト……マ先、生……」
「何があったんですっ!?」
先生は私に駆け寄ると自分もしゃがんで私の肩を抱いてくれる。
私は先生の胸に飛び込んだ。
「いや、あのオレ……軽くぶつかっただけなんですけど……」
かわいそうに若い男性はしどろもどろでそう言った。
本当に私の不注意でぶつかってスマホを落としただけだとなんとか先生に説明する。
「そうですか……それは申し訳ありませんでした」
男性がその場を離れた後も私は恐怖で先生にしがみ付いていた。
「大丈夫ですか?」
私はなんとかうなずく。
「とりあえず私の家に……」
先生に抱えられるようにしてマンションまで歩く。
先生が来てくれて良かった。
きっと私の電話を受けてすでに迎えに出てくれていたんだろう。
「先生……ありがとうございます……」
「いいんです……いいんですよ」
先生にもたれるようにしてエレベーターに乗り込み、最上階の部屋に着くころには少し落ち着きを取り戻していた。
「お茶でも淹れましょうか?」
先生はそう言ってくれたけど、私は首を横に振った。
今はただそばにいて欲しい。
私はソファーで隣に座る先生の顔を見上げる。
「千尋さんっ、無事で良かった……! さっき、電話越しに悲鳴を聞いた時は心臓が止まるかと思いました」
「先生……」
私は先生の広い胸に頬をうずめる。
先生の腕の中がこんなに安心できるのはどうしてだろう?
先生は私をそっと抱きしめるとこう言った。
「そういえば千尋さん、先日、エレベーターで怯えていた時も若い男性がいましたよね……? そして今夜も……。もしかして、怖いのですか? 若くて……体格のいい男性が」
私はその問いにビクッと反応する。
先生の的を射た質問に血の気が引いてゆくのが分かった。
「先週、千尋さんが車の中で言った言葉がずっと胸に引っかかっていました。『ギソ……カケ』……『偽装婚約』を『ギソコン』だと言ったあなたなら、その意味は……『偽装駆け落ち』大野さんとの駆け落ちは偽装だったのではないですか? それに私の口づけにあんなに体を固くして初心な反応をみせるなんて……。とてもあなたが愛されることに慣れているとは思えない。もしかして蓮さんが産まれたのは……大野に……無理やりっ……!?」
それ以上話を聞きたくなくて私は叫んだ。
「違う! そうじゃない!」
そうじゃ……ないの……。
佐々木萌ちゃん、大学の同級生で一緒に成人式に出席した友人だ。
仕事から帰って蓮をお風呂に入れてから、バイト終わりの萌ちゃんと待ち合わせをしている駅前のカフェに急いだ。
「あ、千尋ちゃん! こっちこっち!」
カフェの前で大きく手を振っている懐かしい笑顔。
少しだけ大人びた気もするけど、優しい雰囲気はあの頃と変わらない。
「萌ちゃん……!!」
会いたかったよー!
私は思わず萌ちゃんに抱き着いた。
「千尋ちゃーん、久しぶり!」
萌ちゃんも私を抱き返してくれる。
「千尋ちゃん元気だった?」
「うん」
私たちは連れ立ってカフェに入った。
「このカフェ最近オープンしたんだけど、スイーツも充実してて、プリンがすっごく美味しいんだよ。絶対千尋ちゃん、気に入ると思って!」
ん? プリンが美味しいお店って……?
あっ、そうだ! 冬馬先生が言ってたあの店だ!
それぞれコーヒーを注文して椅子に座ると早速、萌ちゃんに今までどうしていたのか根掘り葉掘り聞かれることになった。
私は、あの成人式の日に会ったタツキ君と家を出た事や、足場屋で事務員をしていたことをかいつまんで話す。
「もうっ、千尋ちゃん……私、心配したんだからね……」
「ごめんね、萌ちゃん。それで、あの、実は……」
おまけに今、六ヶ月の息子を育てている事を話したら萌ちゃんはびっくりして固まってしまった。
「あの……萌ちゃん?」
「えっと……じゃあ、千尋ちゃんはお母さんって事……?」
「う、うん……そう、あ、息子の写真……見る?」
私はスマホで蓮の写真を見せる。
「うわぁ……かわいい……千尋ちゃん! かわいいね! ねえ、この子のお名前は?」
「ん、と……」
無邪気な笑顔でそう聞かれて返答に困る。
「実は……蓮っていうの……」
「れんくん……? って千尋ちゃん! まんまじゃん!!」
やっぱり、萌ちゃんにはそう突っ込まれると思った。
だって私が大好きなアイドル『聖・パイレーツ』のレンと同じ名前なんだから……。
「で? れん君のお父さんは誰なの? 成人式で会ったあのイケメン?」
「……うん、そうだよ……」
私はうなずく。
そう、父親は……タツキ君だ。
「あ、でも、萌ちゃん。この事は誰にも言わないって約束してくれる? 私、今は彼と離れて蓮を育てているの。両親にも蓮の父親については話してないんだ」
「……千尋ちゃんが言わないでって言うのなら言わないけど……そういえば、あの日、あの成人式の日に恐ろしくカッコイイ人が私に話を聞きに来たよ。えーっと、確か……四宮さん?」
冬馬先生からも萌ちゃんに会いに行った事は聞いていた。
その時に、私がタツキ君と成人式で出会ったことを聞いたと言っていたっけ。
他にも……。
「ゴメン千尋ちゃん……私、四宮さんに色々話しちゃった……!」
それって、私が中学の頃からずっと好きな人がいるって事だよね。
冬馬先生はその相手がタツキ君じゃないかって誤解したみたいだけど。
「勝手にごめんね、千尋ちゃん。でも四宮さんがあんまり心配そうにしていたから……。私ね、四宮さんと会った瞬間にピンと来たんだよね。千尋ちゃんの初恋の人はこの人だって」
「え……?」
「違った?」
「違……わない。え? 萌ちゃん、なんで分かったの?」
「ん? それは……秘密」
萌ちゃんはいたずらっ子の様にフフフと笑った。
そっか、萌ちゃんが冬馬先生に私の初恋について話したのはそういうわけだったのか。
「ねえ、萌ちゃん。私ね、今その四宮……さんと婚約してるんだ」
偽装だけど……一緒にいられるならそれでもいいと思ってる。
「そうなの? そっか……良かった。なんか安心したよ。私さ千尋ちゃんが突然大学を休学したり、久しぶりに会ったら赤ちゃんを育ててるって言うから、少し心配だったの……でも、今の千尋ちゃん、とっても幸せそうなんだもん。きっと、四宮さんにスゴク愛されてるんだね?」
あ、愛されてる……?
そ、それはどうか分からないけど、母は昔から冬馬先生は私の事を甘やかしてたって言っていた。
それは、私も最近強く自覚してる。
「う、うん……大切にしてくれてる……と思う……よ」
会うたびに翻弄されちゃうのは、とても話せない。
私はへへへっと笑ってごまかした。
「じゃあ、千尋ちゃん。今度、れん君に会わせてね!」
明日、萌ちゃんは一限から講義があるそうで今夜は早めにお開きにすることにした。
私も明日はフォレストの最終日だしね。
「あ、萌ちゃん! ちょっと待ってて!」
私はカウンターで五個入りのプリンを二箱注文して、一箱萌ちゃんに差し出した。
「はい、どうぞ」
……噂のプリン。
冬馬先生は絶品だって言っていた。
「ありがと、千尋ちゃん! じゃ、また」
「うん、またね」
私達はカフェの前で手を振って別れた。
駅に向かおうとしてふと気が付く。
ここ……冬馬先生の家にかなり近い。
先生、もう帰っているかな?
せっかく美味しいプリンを入手したのだ。
……一緒に、食べたいな……。
もし、忙しくて時間がなくても、せめてこのプリンだけでも渡せたら嬉しいんだけど……。
気が付いたら先生の家に向かっていた。
電話をかけながら歩く。
「千尋さん?」
先生の低い声がすぐに聞こえた。
「先生、今家ですか?」
「ええ……やっと仕事が落ち着いて、さっき帰宅しました。ちょうど千尋さんと話したいと思っていたところですよ。でも千尋さん? 今夜はご友人と会っているんじゃ……?」
「もう、解散したんです。それで……今、先生の家の近くにいるので……」
電話の向こうでガタガタッと大きな音がした。
「先生? 大丈夫ですか?」
「ええっ、気にしないで下さい。千尋さん、それで!?」
「えっと、それで……美味しいプリンも買えたので先生に渡せたらって思って……」
話しながら角を曲がる。
薄暗い駐車場の横を過ぎたらもう先生のマンションだ。
もうすぐ……会える。
浮かれていたせいで駐車場から出てきた男の人とぶつかってしまった。
「きゃぁっ……!」
「千尋さんっ!?」
私の手からスマホが滑り落ちる。
私はその場にしゃがみこんだ。
「すみません……大丈夫ですか?」
さっきぶつかった若くて大柄な男性にそう声をかけられる。
「だ、大丈夫です……ごめんなさい……」
どうしよう……怖い。
怖い。
手がブルブルと震えるのを止められない。
私はしゃがんだまま震える手を口元に持って行く。
「だ、大丈夫ですから……」
「千尋さんっ!!」
その時、冬馬先生が走って来るのが見えた。
「ト……マ先、生……」
「何があったんですっ!?」
先生は私に駆け寄ると自分もしゃがんで私の肩を抱いてくれる。
私は先生の胸に飛び込んだ。
「いや、あのオレ……軽くぶつかっただけなんですけど……」
かわいそうに若い男性はしどろもどろでそう言った。
本当に私の不注意でぶつかってスマホを落としただけだとなんとか先生に説明する。
「そうですか……それは申し訳ありませんでした」
男性がその場を離れた後も私は恐怖で先生にしがみ付いていた。
「大丈夫ですか?」
私はなんとかうなずく。
「とりあえず私の家に……」
先生に抱えられるようにしてマンションまで歩く。
先生が来てくれて良かった。
きっと私の電話を受けてすでに迎えに出てくれていたんだろう。
「先生……ありがとうございます……」
「いいんです……いいんですよ」
先生にもたれるようにしてエレベーターに乗り込み、最上階の部屋に着くころには少し落ち着きを取り戻していた。
「お茶でも淹れましょうか?」
先生はそう言ってくれたけど、私は首を横に振った。
今はただそばにいて欲しい。
私はソファーで隣に座る先生の顔を見上げる。
「千尋さんっ、無事で良かった……! さっき、電話越しに悲鳴を聞いた時は心臓が止まるかと思いました」
「先生……」
私は先生の広い胸に頬をうずめる。
先生の腕の中がこんなに安心できるのはどうしてだろう?
先生は私をそっと抱きしめるとこう言った。
「そういえば千尋さん、先日、エレベーターで怯えていた時も若い男性がいましたよね……? そして今夜も……。もしかして、怖いのですか? 若くて……体格のいい男性が」
私はその問いにビクッと反応する。
先生の的を射た質問に血の気が引いてゆくのが分かった。
「先週、千尋さんが車の中で言った言葉がずっと胸に引っかかっていました。『ギソ……カケ』……『偽装婚約』を『ギソコン』だと言ったあなたなら、その意味は……『偽装駆け落ち』大野さんとの駆け落ちは偽装だったのではないですか? それに私の口づけにあんなに体を固くして初心な反応をみせるなんて……。とてもあなたが愛されることに慣れているとは思えない。もしかして蓮さんが産まれたのは……大野に……無理やりっ……!?」
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