伯爵令嬢の婚約者は執事で王弟で変態です

SEKISUI

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忘れものにはご注意を3

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 きっと氷漬けにしたら仮死状態のまま永遠の眠りにつくわけもないがせめて一週間位もてばいいな
 変態の生命力はゴキブリを上回る
 氷漬けにする前に風呂の栓を抜く
 「ねぇルビィナ」
 「どうなさいました?」
 お湯が減ってビオルヘンが沈んでいくのを見ながらアメリアは不思議に思う
 「どうして靴下は溶けてビオルヘンは溶けなかったの?」
 「変態レベルが高いからです!」
 「変態ってある意味凄いのね」
 「王弟殿下程極めると特殊スキルがあるはずです。変態ですから」
 「そうね変態だからスキルも変態なのね。残念だわ溶ければ栓を抜くだけで済んだのに」
 「お嬢様恐ろしいことを言わないで下さい。お嬢様が蛇口を捻れば変態が出てきたり。洗濯したお嬢様の服に変態が染み込んでいたり。入った湯舟は全て変態液だったりするかもしれないじゃないですか。全ての被害はお嬢様が受けるだけですからいいですが。その後流れた変態を回収するのは私達侍女の仕事になって大変なんですよ。何て面倒臭い!」
 ルビィナが酷い
 アメリアはただ後始末が簡単で済むかもと思っただけなのに

 湯が半分程に減った時浴室の扉が開かれた
 「頼まれた物を持ってきました」
 山と積まれた氷をカートに乗せ、右手に透明な液体が入った瓶を持ったハンスが扉から顔を出す
 ハンスは靴下を奪われるのと同時に持ってくるようにお願いされたのだ
 因みにハンスを動かす呪文は『ビンテージワイン』だ
 この呪文は大概のオヤジをちょろく思いのままに操れる
 「靴下は何に使ったんです」
 ハンスはサンダルに裸足だ
 「変態を殺る為にいい仕事したわ」
 アメリアが指差す先に変態が湯舟で漂っている
 ハンスはとても悲しくなった
 涙が溢れそうだ
 ハンスは中年真っ只中のお年頃
 加齢臭が気になるお年頃でもあった
 この間娘にお父さん臭いって言われたことを思い出し心の涙が止まらない
 哀愁を背に又ハンスは氷を取りに戻る
 
 氷が来たなら急がねばならない
 今は靴下攻撃が効いている
 花畑からもう直ぐ帰ってくる
 あの世も変態はお断りかもしれないが
 茹で上がった変態が復活するまでに氷に閉じ込めなければ
 時間との勝負だ
 お湯が全部抜け切るのを待たずに氷を適当に投入する
 熱湯なので直ぐに氷は溶けてしまう
 だから今度は大胆にカートをひっくり返し氷漬けにしてしまう
 お湯は水に変わる
 湯そうの中は冷蔵庫位の温度に変わっていた
 ここで瓶に入った液体を変態に勢いよくかける
 変態の濡れた体は霜が被ったように白くなる
 凍らせるの成功したみたいだ
 液体の正体は液体窒素だ
 触れただけで凍傷を負う取り扱い注意の品だ
 
 ハンスが息を切らせて氷を山積み持って再び戻ってきた
 
 
 
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