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忘れものにはご注意を4
しおりを挟む「どうですか?殿下の様子は」
ハンスが浴槽を覗き込みながら様子を伺う
あられもない姿で凍結して動かない変態にハンスはため息を漏らした
フォルスト家に使える者でなければ顔を赤面させて失神ものだ
「お嬢様さえからまなきゃ……麗しき王弟殿下なのにな……」
「フォルスト家ではとても優秀な異常者ですよ……残念すぎますが………」
ハンスが持って来た氷をルビィナはビオルヘンの上に容赦無く全部流し入れる
「仕方ないですよ。殿下はお嬢様の嘔吐物すら愛おしい気持ち悪い人種ですから。お嬢様は常に被害者で加害者ですけどね」
「そうだな………」
氷漬けにされた残念王弟に二人は視線を合わせる
「お嬢様は強くなられた」
「ええとても!とても………令嬢としては残念で跡取りとしては逞しくなりました」
アメリアは一人娘でビオルヘンは婿として来る予定だ
液体窒素を笑顔で変態にかけてさらなるとどめをさすアメリアに二人は大きな溜息を吐いた
分厚い氷の中で腰にタオルを巻いただけの変態が浴槽内で仮死状態でいる
通常の人なら凍死して死んでる
その前に茹られて死んでるがそこは変態確実に生きている
「地下の貯蔵庫にこのまま保存しましよう」
蘇る前に万全を気して季節関係なく白い息が出る地下送りにするつもりだ
「超絶技巧な錠前ってあったかな?」
「この間突破されました」
2日前アメリアの部屋に付けられた物だ
今朝も変態はアメリアのベッドに居た
「ではゴリラがひっぱっても潰れない錠前に粘度を詰めてはどうかしら?」
「ではハンスに確かめさせます」
「えっオレ?」
「そうね。貴方が壊せなかった鍵を持ってきてね」
ポンとハンスの肩をアメリアが叩く
「オレ人間なんですけど………」
「そんなに変わらない」
顔を左右にゆっくり振るアメリア
「ゴリラの中では男前ですよ」
ホローにならないホローにハンスは涙を流す
「行って……きます…………」
ハンスは木枯らしを背負って風呂場を後にする
アメリアはニヤニヤしながら変態を横目に思う
我がフォルスト家の七不思議の一つに加えよう
その場合『地下に眠る変態麗人』と名付けてもいいな
このまま永遠に眠ってたらいい
悪い顔のアメリアの肩を顔色を無くしたルビィナが叩く
「おっおっお嬢様ぁぁ氷に響が………」
氷にヒビが一本2本と入ってゆく
「うそ?!………早過ぎる…………」
驚愕する二人が見ている前でどんどんヒビは広ろがり氷が割れていった
「お嬢様液体窒素を早く!!」
「そっそそそうねってもうないわよ!」
やがて浴槽から手が出て足を生やしウゴウゴ動く
「いやぁ気持ち悪いぃぃ手足が出て来ましたよ!」
1種のホラーだ
まるでゾンビが蘇るかのように変態は一歩一歩着実に復活に向けて動き出す
「……寒い…………」
浴槽から声がする
「おおお嬢様ガスバーナです」
「氷が溶けるから無理よ!」
混乱する二人の前で浴槽からビオルヘンが美麗な顔を出す
「あれ?凍ったまま??」
顔は氷漬けのままだった
口元には筒が咥えられていたので声はそこからだ
滑稽だ
そして浴槽からゆっくり変態が立ち上がり全貌が明らかになった
目が点になる二人
変態は浴槽の形をそのままの氷に手足を生やして浴槽に立っていた
お腹だけ氷が砕けてない
シュール過ぎる絵面だ
やばい
あいつやばいっていうかキモイ
油が切れたロボにみたいに横を向き二人は顔を見合わせる
「復活したんですよ…ね?」
「多分」
「でも一応氷漬けのままですよ」
「気にしたら負けよ。変態だし」
「そうですね変態ですから」
二人共考えるのを放棄した
「私用事を思い出したので帰ります」
「わたしも用事を思い出したから後はハンスに任せましょう」
バキッバキバキッ
ビオルヘンか纏っていた氷が割れて崩れ落ちる
氷像が割れ変態が完成復活した
「アメリアアアアアアアア!!私を温めてぇぇぇぇ」
変態のご帰還だ
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