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にい
しおりを挟むルミナス隊に囲われたのも全て婚約者のせいだ
壁代わりになる婚約者が居ないから面倒な相手が寄って来るのだ
シャーロットは伯爵家のご令嬢
爵位は中の中
上位の者も下位の者からしても連れ歩くにはちょうど良く絡みやすい
人付き合いが面倒臭いシャーロットからしたら迷惑この上ない
そこでシャーロットは考えた
寄って来る人間を黙れせる方法を
話術は少し苦手だ。ならば物理でいけばよいではないかと、だからといって絡んで来た者を殴るのは世間的に良くない
第一シャーロットは非力だ
家で筋トレなんぞしようものなら周りに全力で止められる。実際にマッスル運動を始めたらメイド長と両親に怒られたのは3年前。仕方なく今はこっそり体幹を鍛えるプランクだけに留めている。プランクはベッドの上でも出来る為、誤魔化しやすいのも利点だ
後は人の急所を知り尽くすのは欠かせない
手っ取り早く医学を学ぶことにした
シャーロットは興味のあるものに努力を惜しまないタイプだ
だからといって独学では時間がかかってしまう
ここは貴族らしく金と権力を使うことにした
それには親の説得が必要だ
聖女の様に人を癒したいと上目遣いで可愛く小動物を真似てお願いしたらあっさり教師を雇ってくれた
ちょろい親だ
急所を狙うのは時々隙をみて試すようにしている
特に婚約者に
攻撃の手はこれで大丈夫
後は壁が必要性だと考えた
毎度シャーロットに近づいた者が体調を壊しては疑われては困るので
壁は大事だ
どのような壁が必要かと考え、親に言葉を選んで婚約者の要望を伝えてみた
見た目は騎士様のように逞しく、わたくしのする事を許してくれるお父様のような紳士な方が良いですわ
そして女性に生まれた限りはお家の為に少しでも地位のある家に嫁ぎたいと思っております
直訳(物理的にも壁が必要です。心身共にしっかりしたものじゃないと困ります。わたくしのする事に口を出さず、見守りの精神を持てる方。何事にも黙らせるには地位は不可決です)
お父様は表の言葉を聞いて喜んだ
そしてお強請りをした一週間後、父は王家の次に権力があるサンジェルモ公爵の親子をお土産に連れ帰って来た
サンジェルモ家の嫡男クルスは高身長で騎士の訓練も受けており盾として申し分ない上、地位もこれ以上なく
理想の壁を目にしてシャーロットは興奮した
「素敵な方」と言葉にして
「盾と矛がそろったわ!」と心で歓喜した
頬を染め恥じらいながらもクルスを見上げるシャーロットはとても可愛いかった
見た目だけならシャーロットは可憐なそこそこの美少女と言える
フツメンのクルスはシャーロットのそんな姿に簡単に陥落された
将来が心配だ
頬を染め見つめ合う2人を見た両家は婚約を決めたのであった
お父様素敵と2日間褒め称えシャーロットはとても上質な壁を手に入れたのが4年前
婚約者が今日は居ないことをいいことに寄って来る害虫達、駆除が大変だ。
一匹目は早々お帰りいただいた
「やぁシャーロット嬢。今日も美しいね」
2匹目の登場だ
立っているだけなら問題ない程々の美少女は狙われやすかった
絶世の美少女だと輝き過ぎて近寄り難いが程々だと相手も、もしかしてと寄ってくる
そして2匹目の害虫は毎度懲りずに隙を狙ってシャーロットにちょっかいをかけることを辞めない
「気安く名前を呼ぶのは止めて下さる。コンソール伯爵様」
「フフッ…ツンな君も又いいね。それとウォルターって呼んでっていつも言ってるだろ」
いつでもツンの筈ですが。
金髪ワカメをかき上げウォルターはニヤリと笑う
シャーロットの腕に鳥肌が立つ
それはイケメンだけがやっていい仕草だ
ウザメンは死を持って償わせるしかないとは思ってはいないが、気持ち悪いんで早々に退場してもらおうと心から思うシャーロットだった
ウォルターが都合良くシャーロットの肩に手を置こうとする
「あら?ゴミが」
その手を流れる動作で払い退け、肘にそっと触れる
「え……?」
ウォルターの腕は肘から下が力無くぶら下げる
「ウァァ!?」
力を入れれば激痛が走りうめき声を上がる
「どうかなさいましたの?」
シャーロットは心配する振りをして肩にそっと手を添えて又関節を外してあげる
顔を青褪め項垂れるウォルター
「見事だシャーロット嬢。そんな君も素敵だが今日はこの位で帰るとしよう」
「少しは懲りて下さると嬉しいですわ」
仕方がないので治して上げましょう
魔法みたいに外れた関節に手を触ればはい元通り
慣れたものだ
「ありがとう」
害虫その2は頬を染め帰って行った
変態は取り扱いが要注意だ
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