堕とされた悪役令息

５

　

　「あっ？！」
　何てことだ！
　取り巻きの１人が俺をすれ違いざま突き飛ばしてきた
　あの人が居なかったから視界に入って居なかった
　失態だ
　それも階段を登っている途中
　困るんだけど
　「うわっ！何をするっ！！」
　だからお前が落ちろ！
　俺は押した相手を掴んで反動を付けて位置を入れ替える
　計画を台無しにされては困るんだよね
　王子が来るのはここじゃない
　「ウッ……痛たたた……ウゥ…」
　残念……打ち身程度か
　足の一本でも折れてればいいのに
　立ち去ろうとする俺を後からゴミが呼び止める
　「おいっ！貴様っ！こんなことして只ではすまないぞ！！」
　うるさい
　蛆虫が…………黙れよ
　「ぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」
　股関を思い切り蹴り上げてやった
　「殺すぞ」
　そう耳元で囁けぱ取り巻きは股関を押えて青い顔して逃げさった
　さて……東階段に行かないと
　
　あの後無事に階段イベントは成功した
　俺を受け止めた王子がキモかった
　更にベトベトされてウザくて殴りたくなった
　それにしても階段上から姫抱っこされる俺を睨み付けるあの人は良かった
　嫉妬で燃えたあのルビーの瞳
　ああ……………ゾクゾクする
　屈服させて、泣かせて犯したくなる
　嫉妬は恋のスパイスとはよくいったものだ

　もう直ぐあの人が手に入る
　
　
　裏での仕込みも済んだし
　さて、次はフィナーレだ