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第4話 反逆罪として拘束、冷酷な裁定
しおりを挟む「無資格魔法行使は国家反逆罪――」
側近ヴァルドの宣言で広場は静寂に沈んだ。
昨日まで英雄と讃えていた人々の表情が、一瞬で恐怖と嫌悪に変わる。
「ま、魔法免許なしであの魔法を……?」
「そんなの、危険すぎる!」
「処罰されて当然だ……!」
(本当に、手のひら返しの風が早い国ね……)
ルーチェは心の中で苦く微笑んだ。
王太子ラルグレイは、昨夜まで“救国の手柄”を誇っていた顔とは違い、
今や、ルーチェを平然と犯罪者を見る目で見下している。
「無資格者の勝手な魔法行使は、王国を揺るがす大罪……
余に恥をかかせた罪も大きいぞ」
(あ、結局そこ……)
その瞬間、騎士たちが取り囲み、ルーチェは拘束された。
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■簡易法廷
連行されたのは、王都中央の簡易法廷。
魔法関連の違反者を“迅速に裁く”ためだけの、形式的な場所だ。
裁判官は表情ひとつ変えず、淡々と読み上げる。
「被告、ルーチェ・フェリシア。
無資格で危険魔法を行使し、王都を混乱に陥れた罪。
弁明はあるか?」
ルーチェは、わずかに首をかしげて答えた。
「……いえ。特には」
説明が通じる空気ではなかった。
王太子がすぐに前へ出て、裁定を告げる。
「無資格の魔法使いは王国の恥!
その行為は反逆に等しいもの!
よって――」
声が響き渡る。
「国外追放とする!」
続いて官僚が書類をめくり、さらに読み上げる。
「これに加え、
王国法第87条・資格危険行使違反に基づき──」
群衆が息をのみ、静まり返る。
官僚は冷酷な声で宣言した。
「被告に“国内での魔法行使禁止魔法”を付与する。」
ルーチェは淡々と目を伏せる。
だが処罰はまだ終わらなかった。
「そして……本件は極めて危険と判断されるため、
今後いかなる手段をもってしても、
魔法免許の取得を認めない。」
ルーチェは目を瞬かせた。
「無期限の免許取得禁止措置を科す!」
広場が揺れた。
「永久に……?」
「資格取得禁止なんて……人生終わりじゃないか……」
「魔法の才があっても一生使えない……!」
王太子は最後の一撃とばかりに言い放つ。
「そなたは二度と我が国において
“魔法使い”を名乗ることはできぬ!」
(名乗る気、最初からありませんけど……)
ルーチェの心の声は、当然誰にも聞こえない。
裁定はそのまま即日施行となり、
彼女の身体に魔力封鎖の刻印が刻まれた。
王太子は勝ち誇った表情で言い放つ。
「早くこの国から去れ。
無資格の犯罪者よ!」
ルーチェは静かに、ほんのわずか微笑んで答えた。
(……はいはい。やっと自由になれるわね)
そう思っていることを、誰も知らないまま。
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