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第4章 幼女の奇跡と新しい約束
4−2 奇跡の幼女、リリアナ
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第4章 幼女の奇跡と新しい約束
4-2 奇跡の幼女、リリアナですの!
次の日の朝、リリアナは窓辺でお花に水をあげながら、
昨日の晩のことを思い出していました。
おいしい料理。
たくさんの人の笑顔。
そして――おうじさまが、ほんとうに優しい顔で笑ってくれたこと。
「おうじさま、もう泣かないって言ってましたの。
よかったですの。」
リリアナは小さくうなずいて、
花びらを指先でなでた。
「ねぇ、おはなさん。リリアナ、いましあわせですの。
だから、きょうもがんばりますの!」
小鳥がピチチと鳴いて、返事をするように羽ばたいた。
***
その日の昼、ルフェール邸に国王からの正式な親書が届いた。
宰相付きの使者が深々と頭を下げる。
「陛下より、感謝と謝罪の意を込めての書状をお預かりしました。」
公爵は手紙を受け取り、封を切る。
厳かな筆跡で、こう綴られていた。
> 『かつて我が国が犯した過ちを、ここに正式に謝罪する。
幼き令嬢リリアナの勇気と慈しみが、
失われかけた国の心を取り戻してくれた。
彼女の名を、永く“光の象徴”として刻むことを約束する。』
イザベラ夫人は読みながら、静かに目頭を押さえた。
「……あの子の“がんばり”が、ついに届いたのですね。」
「ええ。彼女の生き方が、国を変えたのです。」
公爵も穏やかに微笑んだ。
リリアナはテーブルの端で、その文字を見上げながら首をかしげた。
「しょうちょう? ってなんですの?」
「それはね、リリアナの生き方が“光”みたいに、
みんなを照らしてるって意味ですの。」
イザベラ夫人が優しく答えた。
「え……リリアナ、ぴかぴかですの!?」
「ええ、ぴかぴかですわ。」
「じゃあ、もっとピカピカになるですの!」
リリアナは両手を広げてくるくると回った。
スカートの裾がふわりと広がって、まるで小さな天使の羽のよう。
公爵と夫人は顔を見合わせ、思わず笑みをこぼした。
***
数日後、王国から正式な使節が再び訪れた。
彼らは、王城の広場で“リリアナへの感謝祭”を開きたいと申し出たのだ。
「ひゃくにんも人がくるですの!?」
「ええ、王都じゅうの人があなたを見たいのです。」
「えぇぇ! はずかしいですの!」
イザベラ夫人が笑ってリリアナの肩を抱いた。
「大丈夫よ。いつものあなたでいればいいの。」
「……がんばりすぎませんの。」
「ふふ、そう。それでいいのよ。」
***
王都ルヴィアンの中央広場。
青空の下に白い幕が張られ、花々で飾られた舞台が設えられていた。
市民が集まり、ざわざわと期待の声が広がる。
> 「あの子が、“森から生きて帰った幼女”なんだって!」
「しかも隣国の公爵家の娘に! 本当の話なの?」
「奇跡の子だよ。あの笑顔で、王子さまを変えたって!」
そんな噂の中、馬車が広場に入った。
金色の装飾が光を反射し、扉が開く。
そこから、ちょこんと姿を現したのは――
小さな少女。
白いドレスに花の飾り、胸にはルフェール家の紋章。
そしてその顔には、まぶしいほどの笑顔。
「こんにちはですのー!」
広場が一瞬、静まり返った。
次の瞬間、拍手がどっと広がる。
リリアナは少し驚いたが、
すぐに胸を張って言った。
「リリアナ、がんばって生きましたの!
さばいばるしましたの!
でも、もう“ひとりでがんばる”のはおしまいですの!
いまは、おかあさまと、おとうさまと、みんながいますの!」
観客の中から涙をぬぐう人の姿が見えた。
王子エリアスも舞台の端からその様子を見守っていた。
彼の表情は穏やかで、どこか誇らしげでもあった。
「リリアナ嬢。」
王国の宰相が壇上に立ち、手を差し伸べる。
「あなたの勇気と優しさに敬意を表し、
この国の友愛の象徴として、金の勲章を授与いたします。」
小さな手で勲章を受け取ったリリアナは、
それを胸にそっと押し当てた。
「ありがとうですの。
でも、リリアナだけじゃないですの。
森の木さんも、鳥さんも、そして――
たすけてくれた人たち、みんなでがんばったですの!」
その言葉に、広場じゅうから拍手が鳴り響いた。
子どもたちが「リリアナさまー!」と叫び、
花びらが風に舞う。
リリアナは笑顔で手を振った。
「リリアナ、もう泣きませんの!
でも――だれかが泣いてたら、となりで笑ってあげますの!」
その一言が、風に乗って王都中に響いた。
“奇跡の幼女”――その名が、この日、正式に人々の心に刻まれた。
***
式が終わると、リリアナは王子のもとへ駆け寄った。
「おうじさま、見てましたの?」
「ええ、見ていたよ。とても立派だった。」
「リリアナ、がんばりましたの!」
「うん。だけど、無理はしなくていい。
君の“がんばらない強さ”が、一番素敵だから。」
「……おうじさま、うまいこと言いましたの。」
「ははは、ありがとう。」
二人は笑い合った。
その背後で、公爵と夫人が静かに見守っていた。
イザベラ夫人は小声でつぶやく。
「――この子こそ、神さまが本当にこの世に贈った“光”ですわね。」
公爵もうなずく。
「人の心を変えるのは、剣でも魔法でもない。
この小さな手と、笑顔だ。」
夕暮れの風が広場を吹き抜けた。
リリアナの金の髪がきらきらと光り、
彼女は両手を広げて空を見上げた。
> 「おかあさま、リリアナ、ほんとうにしあわせですの!」
その声は澄み渡る空に吸い込まれていった。
――そしてその瞬間、
王国と隣国を隔てていた見えない壁が、
ひとりの幼女の笑顔によって完全に消え去ったのだった。
---
4-2 奇跡の幼女、リリアナですの!
次の日の朝、リリアナは窓辺でお花に水をあげながら、
昨日の晩のことを思い出していました。
おいしい料理。
たくさんの人の笑顔。
そして――おうじさまが、ほんとうに優しい顔で笑ってくれたこと。
「おうじさま、もう泣かないって言ってましたの。
よかったですの。」
リリアナは小さくうなずいて、
花びらを指先でなでた。
「ねぇ、おはなさん。リリアナ、いましあわせですの。
だから、きょうもがんばりますの!」
小鳥がピチチと鳴いて、返事をするように羽ばたいた。
***
その日の昼、ルフェール邸に国王からの正式な親書が届いた。
宰相付きの使者が深々と頭を下げる。
「陛下より、感謝と謝罪の意を込めての書状をお預かりしました。」
公爵は手紙を受け取り、封を切る。
厳かな筆跡で、こう綴られていた。
> 『かつて我が国が犯した過ちを、ここに正式に謝罪する。
幼き令嬢リリアナの勇気と慈しみが、
失われかけた国の心を取り戻してくれた。
彼女の名を、永く“光の象徴”として刻むことを約束する。』
イザベラ夫人は読みながら、静かに目頭を押さえた。
「……あの子の“がんばり”が、ついに届いたのですね。」
「ええ。彼女の生き方が、国を変えたのです。」
公爵も穏やかに微笑んだ。
リリアナはテーブルの端で、その文字を見上げながら首をかしげた。
「しょうちょう? ってなんですの?」
「それはね、リリアナの生き方が“光”みたいに、
みんなを照らしてるって意味ですの。」
イザベラ夫人が優しく答えた。
「え……リリアナ、ぴかぴかですの!?」
「ええ、ぴかぴかですわ。」
「じゃあ、もっとピカピカになるですの!」
リリアナは両手を広げてくるくると回った。
スカートの裾がふわりと広がって、まるで小さな天使の羽のよう。
公爵と夫人は顔を見合わせ、思わず笑みをこぼした。
***
数日後、王国から正式な使節が再び訪れた。
彼らは、王城の広場で“リリアナへの感謝祭”を開きたいと申し出たのだ。
「ひゃくにんも人がくるですの!?」
「ええ、王都じゅうの人があなたを見たいのです。」
「えぇぇ! はずかしいですの!」
イザベラ夫人が笑ってリリアナの肩を抱いた。
「大丈夫よ。いつものあなたでいればいいの。」
「……がんばりすぎませんの。」
「ふふ、そう。それでいいのよ。」
***
王都ルヴィアンの中央広場。
青空の下に白い幕が張られ、花々で飾られた舞台が設えられていた。
市民が集まり、ざわざわと期待の声が広がる。
> 「あの子が、“森から生きて帰った幼女”なんだって!」
「しかも隣国の公爵家の娘に! 本当の話なの?」
「奇跡の子だよ。あの笑顔で、王子さまを変えたって!」
そんな噂の中、馬車が広場に入った。
金色の装飾が光を反射し、扉が開く。
そこから、ちょこんと姿を現したのは――
小さな少女。
白いドレスに花の飾り、胸にはルフェール家の紋章。
そしてその顔には、まぶしいほどの笑顔。
「こんにちはですのー!」
広場が一瞬、静まり返った。
次の瞬間、拍手がどっと広がる。
リリアナは少し驚いたが、
すぐに胸を張って言った。
「リリアナ、がんばって生きましたの!
さばいばるしましたの!
でも、もう“ひとりでがんばる”のはおしまいですの!
いまは、おかあさまと、おとうさまと、みんながいますの!」
観客の中から涙をぬぐう人の姿が見えた。
王子エリアスも舞台の端からその様子を見守っていた。
彼の表情は穏やかで、どこか誇らしげでもあった。
「リリアナ嬢。」
王国の宰相が壇上に立ち、手を差し伸べる。
「あなたの勇気と優しさに敬意を表し、
この国の友愛の象徴として、金の勲章を授与いたします。」
小さな手で勲章を受け取ったリリアナは、
それを胸にそっと押し当てた。
「ありがとうですの。
でも、リリアナだけじゃないですの。
森の木さんも、鳥さんも、そして――
たすけてくれた人たち、みんなでがんばったですの!」
その言葉に、広場じゅうから拍手が鳴り響いた。
子どもたちが「リリアナさまー!」と叫び、
花びらが風に舞う。
リリアナは笑顔で手を振った。
「リリアナ、もう泣きませんの!
でも――だれかが泣いてたら、となりで笑ってあげますの!」
その一言が、風に乗って王都中に響いた。
“奇跡の幼女”――その名が、この日、正式に人々の心に刻まれた。
***
式が終わると、リリアナは王子のもとへ駆け寄った。
「おうじさま、見てましたの?」
「ええ、見ていたよ。とても立派だった。」
「リリアナ、がんばりましたの!」
「うん。だけど、無理はしなくていい。
君の“がんばらない強さ”が、一番素敵だから。」
「……おうじさま、うまいこと言いましたの。」
「ははは、ありがとう。」
二人は笑い合った。
その背後で、公爵と夫人が静かに見守っていた。
イザベラ夫人は小声でつぶやく。
「――この子こそ、神さまが本当にこの世に贈った“光”ですわね。」
公爵もうなずく。
「人の心を変えるのは、剣でも魔法でもない。
この小さな手と、笑顔だ。」
夕暮れの風が広場を吹き抜けた。
リリアナの金の髪がきらきらと光り、
彼女は両手を広げて空を見上げた。
> 「おかあさま、リリアナ、ほんとうにしあわせですの!」
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