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お待たせしました。 第14話 を記号なしで、そのまま続きとしてお届けします。 第14話 悪女令嬢、うつけ王子を“使える王子”に育てはじめる
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第14話 悪女令嬢、うつけ王子を“使える王子”に育てはじめる
ベルリッタ軍改革の中心人物となったアクノマジョリーカは、次の標的を静かに見据えていた。
それは――ドンファム王子その人だった。
軍議室での会議が終わったあと、アクノマジョリーカは王子を呼び止めた。
「ドンファム殿下。少しお時間よろしいかしら?」
「えっ、な、なに? また叱られる?」
王子はすでに条件反射で背筋を伸ばしていた。
だが彼女はため息を一つ漏らし、首を横に振る。
「叱りませんわ。今日は、“お勉強”です」
「べ、勉強……」
その言葉だけで、ドンファムの顔色が青ざめる。
「逃げても無駄ですわよ。殿下にはベルリッタを守る力をつけてもらわなくては困るのですから」
「こ、困るって……その、マジョリーカのために?」
「当然ですわ。私が使う“国王候補”なのですもの」
「使う……」
単語の意味を理解した瞬間、王子の心に複雑な感情が広がった。
だが、それは嫌なものではなかった。
マジョリーカは机に書類を並べはじめた。
戦略書、地図、税収記録、そしてベルリッタ各地の領主一覧。
「まずはこちらを見なさい。これは主要街道と軍屯所の位置を示した図です。今のベルリッタは、地理的に見ても“守る気がない配置”になっておりますわ」
「な、なるほど……全然わからない……」
「安心なさい。理解するまで教えますわ」
そこからの三時間は、王子にとって地獄だった。
地図の読み方から始まり、兵站の基本、国境線の弱点、各貴族の性格まで叩き込まれる。
途中で王子の目が何度も死んだ魚のようになった。
だが、アクノマジョリーカは容赦しない。
「これは大事なことですわ、殿下。国を守るためには、まず自分が“国のどこが弱く、どこが強いか”を知らねばならないのです」
「う……うん……」
「侵略されたくないでしょう?」
「そ、それは……嫌だ」
「では努力しなさいませ」
マジョリーカの言葉に、王子の胸にゆっくりと火が灯りはじめていた。
彼女はさらに続けた。
「殿下。私はあなたを責めているわけではありませんわ。うつけと呼ばれるのも、学ぶ機会を与えられなかったから。
ならば、これから覚えればいいだけです」
「……マジョリーカ」
「私のためにもね」
その一言が、王子の背筋をピンと伸ばす。
「分かった。がんばるよ。俺は……国を守る王子になる」
「よろしい。では次に行きましょう。こちらは税収の推移です」
「え? まだ続くの……?」
「当然ですわ。今日中に“王子としての最低限”は身につけていただきます」
王子の小さな悲鳴が軍議室にこだました。
だが、その日を境に、誰もが気づくことになる。
うつけと言われた王子の目つきが変わったことに。
マジョリーカの隣で、彼の姿勢が自然と正されていたことに。
そして――
アクノマジョリーカは密かに満足していた。
(まずは王子を“国を動かす器”に育てる。
ベルリッタを強くし、父の侵略計画を逆手に取るためにも……
ここからが本番ですわ)
悪女令嬢の逆襲は、着実に進んでいた。
---
ベルリッタ軍改革の中心人物となったアクノマジョリーカは、次の標的を静かに見据えていた。
それは――ドンファム王子その人だった。
軍議室での会議が終わったあと、アクノマジョリーカは王子を呼び止めた。
「ドンファム殿下。少しお時間よろしいかしら?」
「えっ、な、なに? また叱られる?」
王子はすでに条件反射で背筋を伸ばしていた。
だが彼女はため息を一つ漏らし、首を横に振る。
「叱りませんわ。今日は、“お勉強”です」
「べ、勉強……」
その言葉だけで、ドンファムの顔色が青ざめる。
「逃げても無駄ですわよ。殿下にはベルリッタを守る力をつけてもらわなくては困るのですから」
「こ、困るって……その、マジョリーカのために?」
「当然ですわ。私が使う“国王候補”なのですもの」
「使う……」
単語の意味を理解した瞬間、王子の心に複雑な感情が広がった。
だが、それは嫌なものではなかった。
マジョリーカは机に書類を並べはじめた。
戦略書、地図、税収記録、そしてベルリッタ各地の領主一覧。
「まずはこちらを見なさい。これは主要街道と軍屯所の位置を示した図です。今のベルリッタは、地理的に見ても“守る気がない配置”になっておりますわ」
「な、なるほど……全然わからない……」
「安心なさい。理解するまで教えますわ」
そこからの三時間は、王子にとって地獄だった。
地図の読み方から始まり、兵站の基本、国境線の弱点、各貴族の性格まで叩き込まれる。
途中で王子の目が何度も死んだ魚のようになった。
だが、アクノマジョリーカは容赦しない。
「これは大事なことですわ、殿下。国を守るためには、まず自分が“国のどこが弱く、どこが強いか”を知らねばならないのです」
「う……うん……」
「侵略されたくないでしょう?」
「そ、それは……嫌だ」
「では努力しなさいませ」
マジョリーカの言葉に、王子の胸にゆっくりと火が灯りはじめていた。
彼女はさらに続けた。
「殿下。私はあなたを責めているわけではありませんわ。うつけと呼ばれるのも、学ぶ機会を与えられなかったから。
ならば、これから覚えればいいだけです」
「……マジョリーカ」
「私のためにもね」
その一言が、王子の背筋をピンと伸ばす。
「分かった。がんばるよ。俺は……国を守る王子になる」
「よろしい。では次に行きましょう。こちらは税収の推移です」
「え? まだ続くの……?」
「当然ですわ。今日中に“王子としての最低限”は身につけていただきます」
王子の小さな悲鳴が軍議室にこだました。
だが、その日を境に、誰もが気づくことになる。
うつけと言われた王子の目つきが変わったことに。
マジョリーカの隣で、彼の姿勢が自然と正されていたことに。
そして――
アクノマジョリーカは密かに満足していた。
(まずは王子を“国を動かす器”に育てる。
ベルリッタを強くし、父の侵略計画を逆手に取るためにも……
ここからが本番ですわ)
悪女令嬢の逆襲は、着実に進んでいた。
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