私は悪女らしいので、婚約者のうつけ王子を操り──私を売った父と母国に復讐します

しおしお

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第22話 「悪女令嬢、侵略作戦の裏を全て暴く」

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第22話 「悪女令嬢、侵略作戦の裏を全て暴く」

ベルリッタ王国・作戦室。

アクノ・マジョリーカは地図の上に細い指を走らせ、
エリフィン公爵軍の進軍ルートを正確に読み取っていく。

「殿下。父の軍は、おそらく二日以内にアーネル伯爵領を制圧。
その後、補給線を無視して一気に王都を目指すでしょう」

重臣たちは驚きの声を上げた。

「補給もなしで!? 無茶では?」
「無茶ではありませんわ。父には“別の狙い”があります」

レオンが眉をひそめる。

「……別の狙い?」

マジョリーカは静かに頷いた。


---

1 エリフィン公爵の“本当の侵略計画”

「殿下。父は、ベルリッタを長期侵略する気などありません」

「何……?」

マジョリーカの言葉に室内はざわつく。

「父の真の目的は、 “短期間で王都を制圧し、国王陛下と殿下を拘束すること” です」

「拘束……!」

「そして即日、ベルリッタの王位継承権を奪い、
エリフィン公爵家が王位を簒奪するつもりですわ」

室内に冷たい沈黙が走った。

重臣A
「な、なんと恐ろしい……!」

重臣B
「反逆どころか、完全な王国転覆計画!」

レオン
「……まさか、そこまで考えていたとは」

マジョリーカは薄く笑う。

「父を甘く見てはいけません、殿下。
あの男は、“自分以外は全て道具”と考える人間です」

その言葉には、家族としての情など微塵もない。

むしろ、裏切られ続けた娘の淡々とした結論だった。


---

2 婚約者として送り込まれた理由

レオンはふと疑問を口にする。

「……では、君を私の婚約者に押しつけた理由も……?」

「もちろん、計略ですわ」

マジョリーカは冷ややかな微笑を浮かべた。

「あの男にとって、私は邪魔な存在。
しかし完全に排除すれば、公爵家の体裁が悪い。
だから――」

一拍置いて、静かに告げた。

「“ベルリッタ王国に押しつけて、利用しつつ巻き込んで殺す”
……その程度の発想ですわ」

重臣たちは息をのむ。

「な、なんという非道……!」

「だが……マジョリーカがいなければ、王都の防衛すら危うかった」

レオンは拳を握りしめる。

(あの男は……自分の娘を道具どころか、
 生贄として使うつもりだったのか)

胸に熱い怒りがこみ上げる。


---

3 マジョリーカの逆襲計画

その横で、マジョリーカは淡々と話を進めていた。

「殿下。エリフィン公爵軍が王都に向かう最短ルートは三つ。
そのうち二つには伏兵が配置され、
もう一つには大型兵器が待機しています」

重臣A「どうしてそこまで……」

「わたくしが配置しましたので」

室内が再び固まる。

レオン「えっ……?」

マジョリーカは飄々と紅茶を啜る。

「わたくしをベルリッタに押しつけた時点で、
父の侵略計画は完全に見えていましたからね。
殿下に利用価値があると判断した瞬間から、
対策を練っておきましたの」

レオン
「利用価値……」

マジョリーカ
「ええ。“わたくしのコマとして”ですわ」

レオン
「……そこは、やっぱり変わらないんだね」

重臣たちは震えて囁く。

「策士……」
「恐ろしい……いや頼もしすぎる……」


---

4 レオン王子の決意

レオンはマジョリーカの横顔を見つめた。

真っ直ぐで、強く、冷静で――
しかしどこか、孤独な少女。

父から愛されず、道具として扱われた娘。

レオンは静かに言った。

「マジョリーカ。
君がどう言おうと……私は君を“コマ”だとは思わない」

マジョリーカは一瞬だけ視線を揺らした。

「……殿下。今はそういう話ではありませんわ」

「いや、大事な話だ。
君はベルリッタを守るために来てくれた。
その事実が全てだ」

マジョリーカは視線を逸らす。

(……この男……本当に、扱いづらい)

しかし、その口元は、
いつもよりわずかに柔らかい。


---

5 反逆公爵討伐へ

マジョリーカは地図を指し、きっぱりと言った。

「殿下。
そろそろ参りましょう。
エリフィン公爵軍を撃退し、
ベルリッタ王国に“侵略者の末路”を見せつける時ですわ」

レオンは大きく頷いた。

「……ああ。一緒に行こう、マジョリーカ」

その瞬間――
彼女はわずかに微笑んだ。

「仕方ありませんわね。
わたくしがいなければ、殿下は一日で死にますから」

「言いすぎじゃない!?」

重臣たちの笑いが漏れ、
王都の空気が少しだけ軽くなる。

だが――

悪女令嬢アクノ・マジョリーカの反撃は、
まだ始まったばかりであった。

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