私は悪女らしいので、婚約者のうつけ王子を操り──私を売った父と母国に復讐します

しおしお

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第24話 「ベルリッタ王国、ついに“侵略返し”を決断する」

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第24話 「ベルリッタ王国、ついに“侵略返し”を決断する」

エリフィン公爵軍の補給線壊滅から半日後。
ベルリッタ王城の作戦室には、緊張が漂っていた。

大きな地図の前にはレオン王子、重臣、将軍たちが集まり、
その中心に――アクノ・マジョリーカが立つ。

重臣A
「……補給隊が全滅とは。公爵軍の進軍速度は著しく落ちるはずだ」

将軍B
「しかし敵は強大。いずれ再編を整え襲ってくるでしょう」

重い空気が漂う中、
レオンは静かに口を開いた。

「皆、よく聞いてくれ。
ベルリッタは……“侵略される側”で終わるつもりはない」

その言葉に、場がざわつく。

将軍B
「まさか……殿下、反撃を?」

重臣A
「無謀にございます! エリフィン公爵軍は国境付近に四万、
王都方面に二万、予備兵力も含めれば十万の兵力!」

レオン
「……だからこそだ。
動けなくなった今こそ、一気に叩く必要がある」

重臣たちが揺れる。

だが――
ある一人だけ、即答した女がいた。

マジョリーカ
「賛成ですわ。
やられる前にやる……我が家の家訓でもありますもの」

レオン
「家訓……?」

マジョリーカ
「ええ。“先手必勝、後手は敗北”ですわ。
正しいと思いません?」

将軍B
「いや、正しいというか……怖いというか……」

彼らは気づいていなかった。
この悪女令嬢の“侵略哲学”が、今後ベルリッタを変えることを。


---

1 悪女令嬢、ベルリッタ軍の弱点を指摘する

マジョリーカは地図を指し示しながら、淡々と語る。

「エリフィン公爵軍は強力ですが、欠点だらけですわ」

重臣A
「け、欠点……?」

マジョリーカ
「まずひとつ。
父・エリフィン公爵は、権力に溺れた“脳筋”ですの。
正面突破こそ正義と信じておられる」

将軍B
「確かに、敵は常に正面から圧力をかけてくる戦術……」

マジョリーカ
「二つめ。
補給と連絡の軽視。
兵站がなければ十万の軍など、ただの飢えた集団ですわ」

重臣A
「お、おお……確かに……」

マジョリーカ
「三つめ。
父は“身内の裏切り”をまったく想定しない。
味方は味方だと思い込んでいる」

レオン
(……それ、誰のことを言っている?)

マジョリーカ
「だから今。
もっとも警備が薄い“本陣”を、
たった今、落とす絶好の機会ですわ」

将軍たちは驚愕しつつ、徐々に納得していった。

将軍B
「殿下……この令嬢、恐ろしく有能だぞ……?」

レオン
「あ、ああ……俺も薄々……」


---

2 作戦名『逆侵略(カウンター・インヴェージョン)』

作戦室に沈黙が落ちる。

静寂を破ったのはマジョリーカの声だった。

「殿下。ご決断を。
やられる前に――こちらが侵略するのです」

レオンは深く息を吸い、ゆっくりとうなずいた。

「……わかった。
ベルリッタ王国は、ここに宣言する。
エリフィン公爵領へ反撃を開始する!」

その瞬間、重臣・将軍たちは一斉に立ち上がった。

「「「殿下のご決断、支持いたします!!」」」

場の空気が一気に変わった。

今までは守るため。
これからは勝つための戦いへ。

マジョリーカは静かに微笑んだ。

(父よ。
あなたの娘は、もはやあなたの陣営ではありませんわ。
――私は、私を“捨て石にしなかった国”のために戦うのみ)


---

3 悪女令嬢、作戦の核心を語る

レオンが尋ねる。

「マジョリーカ、具体的にはどう攻めるのだ?」

彼女は指先を地図の一点へ向けた。

「ここですわ。
公爵軍の指揮所となっている“黒鉄の城塞”。
補給が途絶えた今、
あそこを落とせば、公爵軍は瓦解しますわ」

レオン
「なるほど……指揮官の陣を潰す、と?」

マジョリーカ
「ええ。
ほかを落としても無意味です。
父は中央が落ちた瞬間、全軍撤退を命じるタイプですから」

将軍B
「敵の弱点を把握しすぎている……!
これが血の繋がりというやつか……」

アクノ・マジョリーカは冷然と語る。

「父は……いつもわたくしを“邪魔者”として扱ってきました。
だからこそ、父の癖も弱点も、すべて理解しておりますわ。
――その上で潰すだけです」

レオン
「……辛くは、ないのか?」

マジョリーカ
「殿下。
私はベルリッタの婚約者、つまり“あなたの陣営”ですわ。
……父より、殿下の方が大事に決まっているでしょう?」

レオンの顔が一気に赤くなった。

将軍たち(聞こえてます殿下……反応が乙女です……)


---

4 出撃準備

王都の兵士たちは大きな声を上げた。

「ベルリッタ軍、出陣準備!!」
「武具の確認急げ!」
「夜明けとともに、出陣だ!!」

その様子を見ながら、マジョリーカは静かに呟く。

「侵略を仕掛けてきたのは父……
ならば迎え撃つのは当然の権利。
殿下の国に手を出した罪――
誰よりも、わたくしが粛清して差し上げますわ」

レオン
「マジョリーカ……頼もしいにも程がある……」

ベルリッタ王国は遂に、
“侵略される側”から“侵略する側”へ。

次の舞台は――
エリフィン公爵領・黒鉄の城塞。

悪女令嬢の反逆劇は、さらに激しさを増していく。

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