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第22話 —“二度と我が妻を利用するな” 公開断罪の刻—
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第22話 —“二度と我が妻を利用するな” 公開断罪の刻—
エルデ城・大講堂。
冬の日差しが高窓から差し込み、
雪国の冷たい空気をすこしだけ和らげていた。
だが──
その空間の中心には、まったく別の“冷たさ”があった。
王都からの使者三名が、
妙に尊大な姿勢で立っている。
その態度に、領民や家臣たちはピリピリした表情を隠さない。
ミレイユは、
“にこやかに距離を置く貴族スマイル”を浮かべていた。
(あの態度……昨日、散々お願いしてきた人たちじゃないの?
どうして人前だと、毎回こう“偉そうモード”になるのかしら……
習性? 病気? 王都の流行?)
ロヴェルは一歩前へ進む。
その歩みだけで、空気が変わった。
氷の大地に立つ、黒き公爵。
「用件を述べよ」
使者は胸を張った。
「エルデ辺境公爵ロヴェル殿。
王太子アレクシオン殿下より伝言である!」
(また王太子の伝言……イヤな予感しかしないわ……)
使者は、やたら高圧的に声を張り上げた。
「ミレイユ殿──
いや、“元婚約者”殿を、
王都に戻していただきたい!!
殿下の政務を補佐し、国政に奉仕してもらう!!」
講堂がざわつく。
ミレイユも「は?」と思わず瞬きをする。
(あの方……まだ自分が勝手に破棄したことを
理解していませんの……?)
使者は続ける。
「殿下は仰っておられる!
“あれは感情的な失言であった、戻ってきてほしい”と!!
辺境での活躍も聞いている!
これは王国のためなのだ!」
領民たちは「帰すわけがない!」と怒りを露にし、
家臣たちの表情は硬くなる。
だが──
一番冷たくなったのは、ロヴェルだった。
彼はゆっくりと視線だけを使者へ向けた。
「……言いたいことは、以上か?」
「い、以上だ!
これは王太子殿下の“命令”である!」
次の瞬間。
ロヴェルは、氷のように透き通った声で言い放った。
◆“二度と我が妻を利用するな”
「ならば──こちらの返答も明確にしよう。」
一歩踏み込む。
「二度と我が妻を利用するな。
ミレイユは、二度と王都へは戻らない。
我が領の者だ。」
講堂が静まり返る。
空気が凍りついたようだった。
ミレイユは思わず息を飲む。
(“我が妻”……
ロヴェル様……そんな……まっすぐに……
皆の前で……言うなんて……)
使者は顔を真っ赤にした。
「な、なんという暴言を……!
これは王太子殿下への反逆──!」
ロヴェルは冷笑した。
「反逆?
あの男は自ら婚約を破棄した。
その時点でミレイユに命じる権利は、一片も残っていない。」
「だが、王国のため──!」
「王国のためと言うなら、まず自らの無能を恥じろ。」
使者「──っ!?」
ロヴェルは見下ろすように言い放つ。
「我が妻の功績を奪おうと近づくな。
ミレイユは王都の道具ではない。
エルデの誇りだ。」
その瞬間、領民たちが一斉に歓声を上げた。
「おおおおおお!!」
「公爵様、よく言った!!」
「奥様を守れ!!」
使者たちは完全に顔色を失い、
震えながら言葉を失った。
ミレイユは胸の奥が、
熱く、熱く満たされていた。
(ロヴェル様……
そんな風に……皆の前で……
わたくしを“妻”と呼んで……守って……)
知らず、胸に手を当てる。
心臓の鼓動が、ドクン……ドクン……と強く跳ねていた。
◆使者たち、屈辱の退散
ロヴェルは最後に静かに告げた。
「王都に伝えろ。
ミレイユはエルデ公爵夫人だ。
返すつもりは、二度とない。」
使者は悔しげに唇を噛みしめ──
ついに声を上げられないまま、講堂を後にした。
扉が閉まると同時に、
領民の喝采が再び沸き起こる。
ミレイユは頬を赤らめ、
ロヴェルを見つめた。
視線がふと重なり──
ロヴェルは、わずかに目をそらして耳を赤くした。
(……ロヴェル様……?
もしかして……照れてますの……?
わたくしのために、あれほど強く言ってくださって……)
胸がまた熱くなる。
この日──
ロヴェルは、ミレイユを公爵夫人として
“世界の前で”守ると宣言した。
そしてミレイユは、
その強さと優しさに心が揺れはじめていた。
エルデ城・大講堂。
冬の日差しが高窓から差し込み、
雪国の冷たい空気をすこしだけ和らげていた。
だが──
その空間の中心には、まったく別の“冷たさ”があった。
王都からの使者三名が、
妙に尊大な姿勢で立っている。
その態度に、領民や家臣たちはピリピリした表情を隠さない。
ミレイユは、
“にこやかに距離を置く貴族スマイル”を浮かべていた。
(あの態度……昨日、散々お願いしてきた人たちじゃないの?
どうして人前だと、毎回こう“偉そうモード”になるのかしら……
習性? 病気? 王都の流行?)
ロヴェルは一歩前へ進む。
その歩みだけで、空気が変わった。
氷の大地に立つ、黒き公爵。
「用件を述べよ」
使者は胸を張った。
「エルデ辺境公爵ロヴェル殿。
王太子アレクシオン殿下より伝言である!」
(また王太子の伝言……イヤな予感しかしないわ……)
使者は、やたら高圧的に声を張り上げた。
「ミレイユ殿──
いや、“元婚約者”殿を、
王都に戻していただきたい!!
殿下の政務を補佐し、国政に奉仕してもらう!!」
講堂がざわつく。
ミレイユも「は?」と思わず瞬きをする。
(あの方……まだ自分が勝手に破棄したことを
理解していませんの……?)
使者は続ける。
「殿下は仰っておられる!
“あれは感情的な失言であった、戻ってきてほしい”と!!
辺境での活躍も聞いている!
これは王国のためなのだ!」
領民たちは「帰すわけがない!」と怒りを露にし、
家臣たちの表情は硬くなる。
だが──
一番冷たくなったのは、ロヴェルだった。
彼はゆっくりと視線だけを使者へ向けた。
「……言いたいことは、以上か?」
「い、以上だ!
これは王太子殿下の“命令”である!」
次の瞬間。
ロヴェルは、氷のように透き通った声で言い放った。
◆“二度と我が妻を利用するな”
「ならば──こちらの返答も明確にしよう。」
一歩踏み込む。
「二度と我が妻を利用するな。
ミレイユは、二度と王都へは戻らない。
我が領の者だ。」
講堂が静まり返る。
空気が凍りついたようだった。
ミレイユは思わず息を飲む。
(“我が妻”……
ロヴェル様……そんな……まっすぐに……
皆の前で……言うなんて……)
使者は顔を真っ赤にした。
「な、なんという暴言を……!
これは王太子殿下への反逆──!」
ロヴェルは冷笑した。
「反逆?
あの男は自ら婚約を破棄した。
その時点でミレイユに命じる権利は、一片も残っていない。」
「だが、王国のため──!」
「王国のためと言うなら、まず自らの無能を恥じろ。」
使者「──っ!?」
ロヴェルは見下ろすように言い放つ。
「我が妻の功績を奪おうと近づくな。
ミレイユは王都の道具ではない。
エルデの誇りだ。」
その瞬間、領民たちが一斉に歓声を上げた。
「おおおおおお!!」
「公爵様、よく言った!!」
「奥様を守れ!!」
使者たちは完全に顔色を失い、
震えながら言葉を失った。
ミレイユは胸の奥が、
熱く、熱く満たされていた。
(ロヴェル様……
そんな風に……皆の前で……
わたくしを“妻”と呼んで……守って……)
知らず、胸に手を当てる。
心臓の鼓動が、ドクン……ドクン……と強く跳ねていた。
◆使者たち、屈辱の退散
ロヴェルは最後に静かに告げた。
「王都に伝えろ。
ミレイユはエルデ公爵夫人だ。
返すつもりは、二度とない。」
使者は悔しげに唇を噛みしめ──
ついに声を上げられないまま、講堂を後にした。
扉が閉まると同時に、
領民の喝采が再び沸き起こる。
ミレイユは頬を赤らめ、
ロヴェルを見つめた。
視線がふと重なり──
ロヴェルは、わずかに目をそらして耳を赤くした。
(……ロヴェル様……?
もしかして……照れてますの……?
わたくしのために、あれほど強く言ってくださって……)
胸がまた熱くなる。
この日──
ロヴェルは、ミレイユを公爵夫人として
“世界の前で”守ると宣言した。
そしてミレイユは、
その強さと優しさに心が揺れはじめていた。
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