見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ

しおしお

文字の大きさ
108 / 108

最終章 26-4 黄金時代の到来

しおりを挟む
最終章 26-4 黄金時代の到来

レクサス王国とリュミエール王国が正式な同盟を結んだ翌朝――
王都の空には雲ひとつなく、東の空で金色の光がまぶしく輝いていた。

「これは……吉兆ですね」

宰相のひとりがつぶやく。

だが、誰よりもその光を眩しそうに見つめていたのは、
王宮のバルコニーに立つ少女――新たな女王セリカだった。

同盟締結により、国の基盤は安定し、
政治・軍事・経済の全てで国はかつてない強さを手にした。

そして――
彼女が誰よりも待ち望んでいた者たちを、ようやく呼び戻すことができた。

◆ドライドとサエの帰還

王宮の大門がゆっくりと開かれる。

その向こうに立っていたのは――

「女王陛下、お久しゅうございます」

かつての腹心、ドライド。
変わらぬ沈着さと鋭い観察眼を宿した瞳。
わずかな仕草でも忠誠と敬意を示す男。

そして隣にはもうひとり。

「セリカ様……!」

サエは涙をこぼしながら走り寄り、
思わず膝をついて頭を垂れた。

二人の姿を見た瞬間、
セリカの胸があたたかくなり、微笑みがこぼれた。

「ドライド、サエ。……本当に、会いたかったわ」

五歳の少女の言葉とは思えないほどの凛とした声。
しかし、そこには確かな“再会の喜び”があった。

ドライドが片膝をつき、深く頭を下げる。

「この身、この命。すべて陛下のために」

サエも涙の中で力強くうなずいた。

「セリカ様を、もう二度とひとりにしません!」

セリカは小さな手で、二人の頭にそっと触れた。

「ありがとう……。これからは、また一緒に歩んでいきましょう」

王宮の大理石の広間に、
温かな空気が満ちていった。


---

◆新体制、本格始動

セリカは即座に、二人へ政務のすべてを共有した。

レクサスⅧ世の無気力な統治で滞っていた仕事も、
セリカが実権を握ってからは驚くほどの速度で整理されていた。

だが、彼女が一人で抱えるにはあまりにも多かった。

その改革の山を、
ドライドは冷静に、
サエはきめ細やかに、
次々と処理していく。

「陛下、この改革案に合わせて税制の見直しを行えば、
 民の負担も軽減されます」

「セリカ様!こちら、民衆からの嘆願です。
 生活が安定したと喜ぶ声が増えています!」

セリカは二人の働きを見て、
胸がいっぱいになるほどの喜びを感じた。

「……やっぱり、あなたたちがいてくれると心強いわ」

ドライドは淡く微笑んだ。

「陛下こそ、この国の光です。
 我々はその光が曇らぬように支えるのみ」

サエも元気よく言った。

「これからは三人で、この国をもっともっと素敵にしましょう!」

広間に集まった貴族たちも、
自然と拍手を送っていた。


---

◆国民と貴族の心を掴む女王

セリカが即位してから半年。
王国は目に見えて変わっていった。

・税制改革が成功し、民衆の生活が安定
・貴族同士の対立が沈静化
・産業が復活し、新たな雇用が増加
・治安も改善し、犯罪率が大幅に減少
・外交ではリュミエール王国との強固な同盟により安全保障が強化

人々は口々にこう言った。

「なんて素晴らしい女王様だろう!」
「まだ五歳とは信じられない……」
「陛下がいる限り、この国は安泰だ!」

王国全体に“黄金の風”が吹き始めていた。


---

◆エリシオン王子との婚約

同盟を象徴するように、
リュミエール王国第二王子・エリシオンが正式に来訪した。

白いマントをなびかせ、静かに跪くその姿は、
どこか王子様らしからぬ優しさを感じさせた。

「女王陛下。久しぶりだね」

セリカは少し照れながら言った。

「エリシオン様……あの頃より背が伸びました?」

「君も、ずいぶん女王らしくなったよ」

エリシオンの笑みは、
セリカを包み込むような穏やかさがあった。

そして彼は静かに告げる。

「婚約は国のために必要だが、
 結婚は君自身の意思を尊重したい。
 十年後……その時もお互いの気持ちが変わらないなら、
 正式に夫婦になろう」

セリカは胸の鼓動をおさえながら答えた。

「……ありがとうございます。
 あなたは本当に、私の“自由”を大切にしてくださるのですね」

「君は世界を照らす光だ。
 その光を縛りたくないだけさ」

彼の言葉に、セリカは自然と微笑んでいた。


---

◆黄金時代の幕開け

そして――

セリカ、ドライド、サエ。
この三人を中心とした新体制は、
わずか一年で王国を大きく変えた。

教育制度の整備
医療改革
軍の再編
農業支援
都市のインフラ改善

あらゆる分野で奇跡が起き、
人々は活力に満ち溢れていった。

「セリカ陛下の治世は“黄金時代”だ!」

貴族も民衆も、皆がそう讃えた。

セリカは、バルコニーから豊かになった国を見渡しながら、
静かに呟いた。

「私は……この国の未来を守り続ける。
 皆と共に歩き、輝く時代を築き上げるの……」

その言葉に、
ドライドとサエは深く一礼した。

「陛下の黄金時代は、まだ始まったばかりです」

王国は光に満ちていた。
少女女王の元で、未来へ続く長い繁栄の道が開かれていた。


---

✨エピローグ ――小さな女王は大きな伝説となる

それから数年後。

レクサス王国とリュミエール王国は、
世界でもっとも平和で豊かな地域となっていた。

他国の歴史書にはこう記される。

> “わずか五歳で王に即位し、
二つの国を救った少女。
その名はセリカ。
彼女の治世は黄金の如く輝き、
未来永劫語り継がれる伝説となった”



そしてセリカは、今日もバルコニーから国を見つめている。

隣には、いつものようにドライドとサエ。
そして――未来の夫となるエリシオンの姿も。

「さあ、新しい時代を始めましょう」

セリカの声は、
どこまでも澄んで、強く、美しかった。

少女女王の物語は、未来へ続く。


しおりを挟む
感想 3

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

月姫
2025.11.30 月姫

お話自体は面白いのに時間軸があっちこっち行ってて読みにくい。
内容がダブってるし何処とつながってるのかグルグルしててとても残念。
ifなのか同じ時間軸なのかもう少し整理されてたら読みやすいと思います。
お話は面白かったです
最後まで一気読みしました。
次回作楽しみに待ってます。

解除
四葩(よひら)

5-1まで読了。

人物が車の名前で嬉しくなりました。
あと、先生がマリア……トラップファミリーですね✨
どちらも好きなので嬉しくなりました☺

解除
きらさび
2025.11.16 きらさび

ちょ、主要登場人物の名前~!全部が古の車の名前じゃないですかぁ(笑)読み始めたばかりですが、そこでハマって笑ってしまいました。ワクワク

2025.11.17 しおしお

ネーミングに困ってやってしまいました(笑)

解除

あなたにおすすめの小説

多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】 23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも! そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。 お願いですから、私に構わないで下さい! ※ 他サイトでも投稿中

辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~

紫月 由良
恋愛
 辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。  魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。   ※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

婚約破棄されたので辺境伯令嬢は自由に生きます~冷酷公爵の過保護が過ぎて困ります!~

sika
恋愛
「君のような女と婚約していたなど、恥だ!」 公爵嫡男に突然婚約を破棄された辺境伯令嬢リーゼは、すべてを捨てて故郷の領地へ戻る決意をした。 誰にも期待せず、ひっそりと生きようとするリーゼの前に現れたのは、冷酷と噂される隣国の公爵・アルヴィン。 彼はなぜかリーゼにだけ穏やかで優しく、彼女を守ることに執着していて――。 「君はもう誰にも踏みにじられない。俺が保証しよう」 呪いのような過去を断ち切り、真実の愛を掴むざまぁ×溺愛ラブストーリー!

【連載版】婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
短編では、なろうの方で異世界転生・恋愛【1位】ありがとうございます! 読者様の方からの連載の要望があったので連載を開始しました。 シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます! ※連載のためタイトル回収は結構後ろの後半からになります。

編み物好き地味令嬢はお荷物として幼女化されましたが、えっ?これ魔法陣なんですか?

灯息めてら
恋愛
編み物しか芸がないと言われた地味令嬢ニニィアネは、家族から冷遇された挙句、幼女化されて魔族の公爵に売り飛ばされてしまう。 しかし、彼女の編み物が複雑な魔法陣だと発見した公爵によって、ニニィアネの生活は一変する。しかもなんだか……溺愛されてる!?

[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫
恋愛
 シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。  だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎  本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎ 〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜 夕方6時に毎日予約更新です。 1話あたり超短いです。 毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。

婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~

ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。 そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。 シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。 ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。 それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。 それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。 なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた―― ☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆ ☆全文字はだいたい14万文字になっています☆ ☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。