白い結婚だと思っていたのに、旦那様が溺愛してきて困りますわ!

しおしお

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第1章 白い結婚契約書にサインしましたわ

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◆1-1:家のために嫁ぐ覚悟を決めましたわ

侯爵家の庭先には、春霞をまとった白い桜が満開を迎えていた。その淡い花びらが風に舞い散る様子は、まるでこの家の運命を象徴しているかのようだった。アルテッツァ・フォン・ライヒ家の一人娘である私は、屋敷の書斎で父と向かい合って座っていた。卓上には、古びた財政帳簿と、緊張した息遣いだけがあった。

「アルテッツァ。家の財政がこれ以上持ちこたえられぬところまで来ている」
父の声は、かつてよりもどこか弱々しく、しかし決意に満ちていた。彼が目を伏せずに私を見つめるのは、久しぶりのことだった。

「――はい。父上のおっしゃる通りです。私で何かお役に立てるなら、いくらでも」
私は静かに答えた。侯爵家の令嬢として育てられた身ながら、誰よりも家の没落を恐れていた。幼い頃から学んだ礼儀作法や社交術、薬草学や詩歌の心得も、すべてはこの家を守るための糧になるはずだった。

父はしばし、沈黙したまま帳簿に目を落としていたが、やがて深いため息を吐くと、古い木製の引き出しを開け、小さな文書を取り出した。それは、王都の大公府――アレクセイ・ヴォルティア大公との政略結婚に関する書付だった。

「これをご覧いただきたい。大公は、君の年齢と家柄に見合う、もっとも有利な相手である。彼もまた、政略結婚を望んでいると聞く」
私の視線は震えた。大公――アレクセイ・ヴォルティア。冷酷無比、容赦なき策士として名を轟かせる人物。貴族の間では、その厳格さを恐れられ、同時に一目置かれている存在だった。その大公と私が結婚するなど、想像もしていなかった。

「――なぜ、私が?」
問いかけの声は、自分でも驚くほどに細く、脆いものだった。家の財政再建のためとはいえ、この相手はあまりにも大きすぎる。

父はゆっくりと頷き、慎重に言葉を選んだ。
「君――アルテッツァは、学問に秀で、薬草学の知識を持つ。王都でも評判だと聞く。その知識を大公は重用し、側近としてでも迎え入れたかったのだが、それには家柄の釣り合いが必要だった。そこで、貴家と大公家の婚姻を提案された次第である」

胸の奥で、何かがぐっと締めつけられた。薬草学への情熱は、幼い頃に母から教わったもの。人の病を癒す喜びを知り、その知識を究めたいと願っていたはずだった。それが大公の政略の駒に過ぎないのかと思うと、胸が痛んだ。

「ですが……私は大公に仕えて、研究を続けることができるでしょうか?」
涙がにじむのを堪えながら、問い返した。

父は少し微笑み、優しく手を差し伸べた。
「アルテッツァ。君は強い娘だ。どんな環境に置かれても、自らの信念を曲げず、人を癒す力を持っている。大公府での生活は決して楽ではないだろう。しかし、君の手で家の礎を立て直し、未来へとつなぐことができる。家のために、覚悟を決めてほしい」

その言葉に、迷いは消えた。白い結婚――愛情などいらない。ただ、干渉されず、自由に研究を続けられるなら、それでよかった。

「父上。私は、この結婚をお受けいたします。幸せなど求めません。自由と家の再建こそ、私の望みですわ」

桜の花びらが、一枚、窓の隙間から書斎に舞い込んできた。淡い光の中で、それは儚くも美しく輝いていた。私は深く息を吸い込み、決意を胸に刻んだ。この儚い桜のように、家の未来が散らぬよう、自らを強く保ち続けようと――。

こうして、侯爵令嬢アルテッツァの“白い結婚”が動き出したのだった。

◆1-2:冷徹な旦那様との初顔合わせ

王都の薄曇りの朝――大公邸の重厚な扉の前に立つと、その威圧感に一瞬息をのみかけた。石造りの外壁には幾何学紋様が彫り込まれ、扉の鋳鉄製ノブには大公家の紋章が刻まれている。侍女のクレアがそっと背中を押し、私アルテッツァは足を踏み出した。

「旦那様がお待ちかねです、お嬢様」
クレアの声は抑えられていたが、その震えは隠しきれない。私自身も、胸の奥で小さな鼓動が早鐘を打っているのを感じていた。

邸内は想像以上に静謐で、足音は大理石の廊下に吸い込まれるように消えた。両壁には月桂樹や薔薇を描いた油彩画が並び、調度品の色味も深紅と金に統一されている。重厚なカーペットの絨毯はまるで遠慮なく歩みを察知し、微かに軋む音を立てた。

やがて広間の扉が開かれ、奥から冷たい声が響いた。

「来たか、アルテッツァ・フォン・ライヒ」

その声には温度がなく、まるで石の壁に反響する風のようだった。私は深呼吸し、声の主――大公アレクセイ・ヴォルティアが座する玉座のほうを見た。

玉座に腰かける彼は、長身で均整の取れた体躯をしている。その姿勢は背筋が凛と伸び、まるで戦場の指揮官が鎧をまとったまま王座に座っているかのようだった。黒い燕尾服の襟元には銀糸の飾りがあしらわれ、袖口からは細い金の刺繍が覗いている。髪は濃墨のような黒で光沢を放ち、眉間にはわずかに皺が寄っている。その奥に宿る漆黒の瞳は、私を見るためにこちらを向いただけで、心の裡を見透かされるような冷徹さを感じさせた。

「あなたが侯爵家の令嬢アルテッツァか。実に──予想以上に落ち着いているな」
椅子の肘掛に片手を置き、あえて足を組んだまま私を見下ろす。声のボリュームは抑えられているものの、その一語一語は刃のように鋭く、周囲の空気までも切り裂くようだった。

「は、はい。お目にかかれて光栄でございます、大公様」
私は声を震わせずに答えようと努めた。だが心臓の鼓動は速く、手のひらにうっすらと汗がにじんでいた。

アレクセイはわずかに笑みを浮かべた──しかしそれは慈しみを帯びたものではなく、その冷酷さを際立たせるための演出のようにも見えた。

「この場を借りて、君と私の結婚条件を再確認しておこう」
彼は書斎の机の上に置かれた厚手の羊皮紙を指先で弾くと、重要部分をかざす。そこには明確にこう書かれている。

――「愛情は不要」
――「お互いの生活に一切干渉せず」
――「月に一度、書面による婚姻報告を行うこと」

「この三項目を遵守する限り、互いの自由は保障されている。君は私の側にとどまる義務はないし、私も同様だ。理解しているな?」

その質問に、私は深く頷いた。

「はい。お互いの生活に干渉せず、必要最低限の連絡のみで結構ですわ」

契約書に取り決められた文言を、口に出して再確認することで、自分の心を落ち着かせようとした。いつもならば緊張しがちな場面だが、私はむしろ心の底からほっとした──これで私の時間を大切にできる、と。

「いいだろう」
アレクセイは満足げに首を傾げると、執事らしき中年の男を呼びつけた。

「ドレイク、婚姻契約書を取り出せ」
「かしこまりました、大公様」

執事が慎重に巻物を持ってくると、大公はそこにサインを入れ、続いて私のほうへペン先を差し出した。インクの匂いが鼻腔をくすぐる。私は震える指でペンを取り、牢固たる決意を込めて自分の名前を書き記す。

「これで正式に、大公府と侯爵家の白い結婚が成立したわけですね」
書面を再び大公に差し戻すと、彼は軽く頷いた。そのまま立ち上がり、私は慌てて一礼する。

「本日はこれにて解散だ。食事会などは行わない。君はそこの小部屋へ案内しろ」
アレクセイは冷たく告げると、私を見つめ返した。まるでまな板の上の魚を眺めるように。

私は侍女に導かれ、重厚な扉の先の小部屋へと足を運んだ。そこには控えめな応接セットと、窓辺に小さな花瓶が置かれているだけだった。自由と引き換えに与えられたこの“白い結婚”の空間に身を沈めると、初めて重い現実が胸にのしかかってきた。

「本当に、これでいいのですわね……?」
私は小声で呟く。大公の冷徹な微笑と、あの約束の重みが交錯し、胸の奥で小さな揺らぎを生んでいた。

窓の外では、先ほどの薄曇りが徐々に晴れ間を覗かせ、柔らかな日差しが差し込んできている。まるで、私が新たな生活へと踏み出すことを祝福しているかのようだった。

だがその光景に惑わされてはいけない──私が選んだのは、幸せではなく自由。愛情のない白い結婚。自分自身を忘れず、研究と家の再建に尽くすのだと、改めて胸に誓った。

こうして、侯爵令嬢アルテッツァの政略結婚生活は静かに、しかし確実に動き出したのだった。

◆1-3:平穏な生活が始まる……はずでしたのに?

窓辺に置かれた白いカップとソーサーが、朝の柔らかな光に淡く輝いている。私は大公邸の小部屋に運び込まれたまま、まずは自分の居場所を確認することにした。この部屋には机と椅子、そして薬草学の書物を置くための本棚が用意されている。壁には、控えめながらも高価そうなタペストリーが掛かっていたが、あくまで「形式的な居室」であることを強調しているように感じられた。

「これで、日中はここを拠点に研究できるわ」
私は胸の内で小さく呟き、手持ちの薬草図鑑を本棚に並べ直す。侯爵家から持参した書物は、いずれも希少価値の高いものばかり。大公府で同様の研究が認められれば、知識をさらに深められるはずだ。私は心の中で未来の展望を描きながら、まずは身軽になった部屋のすみずみを確かめた。

――しかし、静寂は長く続かなかった。

控えの扉が静かに開く音がし、侍女のクレアが顔を覗かせた。その手には、真新しい小箱と、繊細に折りたたまれた手紙が載っている。

「お嬢様、旦那様からお届け物ですわ」
クレアの声はか細いが、確実に私の胸へ届いた。まさか、何かの間違いだろうか。私は顔を上げ、小箱と手紙に目を留めた。

箱は銀細工が施された小ぶりのもので、魔法薬の試験管を入れるのに使われていそうなクッションが内側に見える。手紙は、封蝋を使わずとも丁寧に折り畳まれ、滑らかな羊皮紙にアレクセイ大公の筆跡が映えている。

――「朝食後、私と共に書斎にて書面確認を」

その一文には、明確に「私の許可があれば自由を約束する」という契約を、彼自身が頻繁に見直したいという意志が滲んでいた。白い結婚を望んだはずの私が、早くも「必要最低限の連絡」の範疇を超える活動に巻き込まれようとしている。

「……干渉しないはずでは?」
心の中で抗議しつつも、私は箱を抱えて書斎へ向かった。大公府の深い廊下は、先ほどの重厚な応接間よりもさらに静かで、まるで私の歩行を見定めるかのように足音を吸い込んでいく。

書斎に入ると、大公アレクセイはすでに机に背を向けて待っていた。背中越しに、彼が足元に置いたもう一つの箱も見えた。どうやら、夫婦間の「週報」のように、日々の連絡文書や差し入れをここで受け渡す作法が定められているらしい。

「開けてみよ」
低く響く声に促され、私は小箱をそっと手渡す。同時に、彼は自分の箱を私の前に差し出した。その蓋を開けると、中には私の好物である蜂蜜漬けの薬草蜜と、温かいマグカップが二つ入っていた。うっすらと甘い香りが書斎に広がり、手が止まりそうになる。

「君の体調を考え、朝食にはこれが最適だと判断した」
振り向かずに告げる彼の声は、変わらず冷静だった。しかし、その気遣いは明白に「私のため」であり、白い結婚の枠を超えている。

「ありがとうございます……けれど、これは本当に干渉ではなく、お気遣い、ですよね?」
私は震える声で確認を求めた。彼はそのまま微かに頷き、初めて私の顔を正面から見つめた。

「必要最低限の干渉だ。君が健康に過ごせば、私も安心するからな」
その言葉に、胸の中で何かが熱くなる。白い結婚を望んでいたはずが、なぜか心が揺れている自分に気づいた。

「そう……ですわね」
思わず笑みが漏れ、咄嗟に手のひらを払いのけたくなるほど恥ずかしかった。でも、心の奥底で感じる温もりは消せない。私は深呼吸し、再び書斎の窓へと視線を移した。

外の庭園では、先ほどまでとは違い、従者が花壇の手入れをしている。光と影が入り混じる春の景色は、まるで私の心模様を映し出しているかのようだ。

――白く、静かな結婚生活のはずが、すでに淡い色合いを帯び始めているのだと。

私は固く唇を噛みしめ、薬草蜜の小瓶をそっと本棚に戻した。研究に没頭する日々はまだ始まったばかりだが、その一歩目から、私の“白い結婚”は想像していたよりもずっと賑やかな色を帯びていたのである。

◆1-4:「これは“白”ではなく“淡ピンク”ですわ!」

翌朝の朝食は、大公邸の広間で執り行われることになっていた。私は控えめに飾り付けられたダイニングルームに案内され、一枚一枚切り揃えられた銀のトレイに乗せられた食器を前に腰を下ろした。シャンパンのように淡い桃色をたたえた葡萄酒がグラスに注がれ、柔らかな朝霧のような光を受けてきらきらと輝いている。

――やはり、これも“形式的な共同食事”の範疇なのだろうか。

心を落ち着けようと深呼吸しながら、私はテーブルの上に並ぶ品々を眺めた。御膳には、侯爵家でもときおり用意されたハチミツ漬けの薬草蜜が小さな瓶に美しく詰められ、色とりどりのハーブパンケーキが重ねられている。見覚えのある薬草学の知識によれば、これらは疲労回復と体温維持に優れた組み合わせのはずだ。

――しかし、手をつけるのはまだ待とう。

私がそう決めた瞬間、アレクセイ大公が静かに椅子から立ち上がり、私の隣席にゆっくりと腰掛けた。燕尾服の襟元には僅かな波打ちがあり、彼が動くたびに金糸の刺繍が光を受けて揺らめく。

「アルテッツァ」

その呼びかけは、私の背筋を凍るほどの緊張で震わせた。だが、彼は即座に柔らかな口調へとトーンを落とす。

「君の体質に合わせて、今日の朝食メニューを特別に調整した」

言いながら、彼は背後に控えていた執事に合図を送り、さらにひとつ小さなプレートを取り寄せるよう指示した。執事が差し出したものは、透明な蓋に包まれた湯気立つおかゆ――ただの白粥ではない。そこには、すりおろした人参とディルの葉がそっと混ぜ込まれ、繊細な香りを漂わせている。

「これは……体を温め、消化に優れ、なおかつビタミンを補えるよう配慮してあります」
アレクセイは淡々と説明する。その声は冷静そのものだが、配膳のすべてに心を込めたような微細な気遣いが感じられた。

――契約書には「お互い干渉しない」と記されているはずなのに……。

私は目を伏せ、唇を引き結んだまま、深く息を吐いた。一歩間違えれば“干渉”と捉えられてもおかしくないこの行為に、契約違反の不安さえ覚える。しかし同時に、どこかほっとする自分もいる。

「大公様……」
思わず呟いたその声に、アレクセイは真っ直ぐに視線を向けてくる。黒曜石のような瞳が、私の内心を見透かしているかのようだ。

「遠慮は無用だ。君が不自由なく過ごせることを、私は望んでいる」

その言葉には、契約書の冷たい文字では綴られない温もりが宿っていた。私は慌てて別の皿に視線をそらし、顔を赤らめる。

――これではもう、“白”どころか淡い桜色、いえ、淡ピンクである。

私が強くそう感じた瞬間、背後からクレアがそっと近づき、小声で囁く。

「……旦那様は、お嬢様の健康を最優先に考えていらっしゃいます。干渉ではなく、むしろ敬意の表れなのだとか」

クレアの言葉を聞いて、私はうなずくしかなかった。だが、自分の胸の奥で小さな波紋が広がっているのを抑えられない。

「ありがとうございます、大公様」
改めて私は深く礼を言い、スプーンを手に取った。熱々のおかゆを口に運ぶと、にんじんのほのかな甘みとハーブの清涼感が舌先に触れ、身体の芯までじんわりと温まる。

――これが大公の“最低限度の干渉”なのだろうか。

意識していたはずの“自由”と“白い結婚”が、ひと匙の粥で簡単に色を変えてしまうことに、私は思わず微笑んでしまった。だがすぐに己の愚かさに気づき、口元を手で覆う。

「――あの、お粥だけでも十分ですのに……」

私は小声で抗議した。しかしアレクセイは、「君が嫌ならいつでも言ってほしい」とだけ答え、代わりに膝掛けをそっと私の膝に掛けてくれた。その優しさに、私は驚きと共に胸が締めつけられるのを感じた。

ふとテーブルの向こう側を見ると、侍女や執事たちが遠慮がちに作業を続けている。誰もが私たち夫婦の関係を探りながらも、彼らの顔には静かな祝福の色が浮かんでいるようだった。

――これで本当に“白い”ままで終われるはずがない。

私は深く息を吸い込み、才媛令嬢としての誇りを呼び覚ます。大公に依存するのではなく、自分自身の力でこの新しい生活を彩らなければならない。

「大公様、私もお手伝いしますわ」
思い切って私は口に出した。アレクセイはその言葉に小さく微笑み、そっと頷いた。

「頼もしいな、アルテッツァ」

その一言に、私は胸の奥がきらりと光るのを感じた。これからの“白い結婚”は、私の手でも色を添えていくのだと――淡ピンクから、やがて真紅へと変わる一歩を、心の中でしっかりと刻みながら。


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