傍若無人の悪役令嬢 ―幸せになりたいなら黙って私に従いなさい―

しおしお

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第27話 国王の要請――悪役令嬢、国政入りを即拒絶す

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王城・謁見の間。

金と大理石で飾られた広大な空間に、
ヴァイオレット、セドリック、ミーナ、エマの一行が招かれていた。

「ヴァイオレット・ラングレー伯爵令嬢よ。前へ。」

国王の声が響く。

ヴァイオレットは優雅に一礼し、進み出る。

国王は細かな視線で彼女を上から下まで眺めた後、
満足げに頷いた。

「そなたの領地改革――見事であった。」

その言葉に、廷臣たちがざわめいた。

「王が褒めたぞ……!」
「彼女、もはや悪役ではなく英雄では……?」

国王は続ける。

「そこで、そなたに頼みがある。
――王国の国政改革に、正式に参画してほしい。」

大広間が静まり返る。

ミーナは目を輝かせ、
エマは淡々と書類を構える。

セドリックは腕を組み、
(まぁ、こうなるわな)という顔をしている。

ヴァイオレットは――扇子をゆっくりと閉じた。

「……嫌ですわ。」

国王「…………はい?」

大臣「…………はい?」

セドリック「おい。」

廷臣たち「えぇぇぇぇ!!?」


---

◆国王、二度聞きする

国王「……い、いま何と言った?」

ヴァイオレット
「嫌ですわ。
面倒くさい。」

扇子カチン(読者全員:知ってた)

国王「め、面倒……くさい……?」

ヴァイオレット
「私、毎朝早起きが嫌いですし、
会議で長話をされるのも嫌いですし、
何より――
国政という非合理の塊を相手にする気はありませんの。」

廷臣たちが一斉に頭を抱える。


---

◆国王、説得を試みる

「しかしヴァイオレットよ、
そなたの改革は国の未来そのもの……」

「だからこそ嫌ですわ。」

国王「なぜだ!?」

「私は私の領地だけで十分なのです。
国全体を背負うなんて――
そんな重労働、絶対にお断りしますわ。」

セドリックが額を押さえる。

「……お前なぁ……」


---

◆第二王子の推薦

国王は、頼みの綱としてセドリックを見る。

「セドリック。
そなたからも何か言え。」

「あぁ。
父上、正直に言わせてもらう。」

ヴァイオレット「?」

セドリック
「国政に必要なのは……アンタだ。
あの街をここまで変えた人間なんて、他にいない。」

廷臣たち「第二王子が推薦を!?」

だが、ヴァイオレットは即答した。

「嫌ですわ。」

セドリック「いい加減にしろ!!」


---

◆廷臣たちの反応

「断る速度が光の速さ……!」
「国政が嫌すぎて草……」
「さすが悪役令嬢……王に勝った……」


---

◆国王、最後の手段

国王「そなたに断られても、国としては見過ごせぬ。
それほどの改革者だ。」

ヴァイオレットは冷ややかな目を向ける。

「お言葉ですが陛下。
改革には“合理”が必要。
ですが国政には“感情”が多すぎます。」

国王「…………」

「私は、私の領地だけを完璧にする。
それが最も効率的なのですわ。」

その言葉に、国王はついに息をついた。

「……そなたは本当に、息子より手ごわい。」

セドリック「俺を巻き込むな!」


---

◆撤退戦

国王は最後に苦笑を漏らした。

「わかった。
国政への参画は、いったん保留としよう。」

ヴァイオレットは満足そうに微笑む。

「ご理解いただければ、幸いですわ。」

その顔は、ひどく晴れやかだった。

しかし――
この拒絶が“さらに大きな波”を呼ぶとは、
まだ誰も知らなかった。


---
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