一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお

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第14話魔術と料理は仲良くない!

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 黄金スープ事件の翌日。
 王宮中がざわついていた。

「昨日のスープ、まるで神の食事……!」 「いや、ありゃ完全に魔術と料理の融合だな」 「ナターシャ様って料理魔法の天才なのでは……?」

ナターシャ
「――違うわぁぁぁぁ!!」

 朝から全力で否定しながら、彼女は王宮廊下を歩き回っていた。

(なんで爆発が料理扱いなのよ!?
 私は魔法使い!!
 一級よ!?
 料理なんて専門外なのよ!?)

 怒りで髪の毛まで逆立ちそうな勢いだ。


---

■研究室にて抗議タイム

 シャーリーは、いつもの笑顔で研究室にいた。

シャーリー
「あ、ナターシャ。昨日のスープ、評判すごいわよ~。
 陛下なんて三杯もおかわりして――」

ナターシャ
「やめてッ!!
 その話題、本気で封印したい!!」

シャーリー
「どうして?」

ナターシャ
「どうして、じゃない!!
 私は純粋な魔法使い!
 なのに昨日の爆発のせいで、料理魔法の天才みたいに言われてるのよ!!」

シャーリー
「だって美味しかったし」

ナターシャ
「味の話じゃないの!!!」

 勢いよく机を叩くナターシャ。


---

■シャーリーが天然で追撃

シャーリー
「でも、魔術を料理に転用できるなんてすごいわ。
 才能よね~♪」

ナターシャ
「才能じゃない!!
 事故よ事故!!
 たまたま魔力がスープに混ざって……
 その……すごい味になっただけ!!」

シャーリー
「そういうのを“才能”って呼ぶんじゃない?」

ナターシャ
「やめてぇぇぇぇぇええ!!
 そんな優しい目で見ないで!!」

 シャーリーの“悪気ゼロの褒め殺し”は、今日も健在である。


---

■王宮料理長が土下座してくる

突然、研究室の扉が開いた。

料理長
「ナターシャ様ぁぁぁぁぁ!!」

ナターシャ
「ひっ!?」

料理長
「どうか! どうかあの黄金スープをもう一度!!
 再現を!! 弟子たちにも教えてはいただけませんか!!」

ナターシャ
「なんで私が教える前提になってるのよ!!?」

料理長
「ナターシャ様の魔術料理は、もはや芸術の域……!」

ナターシャ
「料理じゃないって言ってるでしょうがぁぁぁ!!!」

シャーリー
「料理長さん、ナターシャ本気で嫌がってるからやめてあげて?」

料理長
「そ、そんな……!
 では、まずはあの爆発からレシピを――」

ナターシャ
「爆発で料理しないの!!!
 なんで爆発前提なのよ!!」


---

■シャーリーの一言がトドメ

シャーリー
「でもナターシャ、昨日の爆発、すっごく綺麗だったわ♪
 黄金色に光って……
 もう“料理魔法師”って感じで――」

ナターシャ
「料理魔法師じゃないわよぉぉぉぉ!!!?」

 椅子の上で縮こまり、膝を抱えて叫ぶ。

ナターシャ
「私は魔法使い……正統派の魔法使い……
 料理とは無縁の人生を送る予定だったのに……
 どうしてこんな道へ……」

シャーリー
「ナターシャって、魔術も料理も両方できるなんてすごいわよ」

ナターシャ
「だからその褒め方やめてぇぇ!!
 トドメ刺されるの!!」


---

■そこへ、国王が乱入

国王
「ナターシャ!!」

ナターシャ
「ひ、陛下!? 昨日はどうも……」

国王
「昨日のスープだが――」

ナターシャ
(やめて、もうその話題は……!)

国王
「今日の夕食にも欲しい」

ナターシャ
「だから料理人扱いやめてぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

シャーリー
「陛下、ナターシャ忙しいから無理ですよ?」

国王
「シャーリーが言うなら仕方ないか……」

ナターシャ
「どうしてあなたの言葉で全部決まっちゃうのよ!!?」


---

■ナターシャの心の叫び

ナターシャ
「私は魔法使い!!
 料理なんてしない!!
 爆発だって好きで起こしてるわけじゃないの!!
 お願いだから“料理魔法”とか広めないでぇぇぇ!!」

シャーリー
「でも広まってるわよ?」

ナターシャ
「なんでぇぇええええ!!!?」


---
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