一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお

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第19話 国を救ったのは、まさかのスープだった件

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 真魔王復活から数日。
 国中に、静かに、しかし確実に広がる“異変”があった。

農民
「体が……だるい……」
「畑に立っていられん……」

兵士
「熱が下がらない……」
「水を飲んでも吐いてしまう……」

 原因はすぐに判明した。

宮廷医師
「これは……真魔王の“瘴気(しょうき)”です。
 空気とともに、国中へ広がっています……!」

文官
「い、医療では対処できないのか!?」

宮廷医師
「薬も魔法も、まったく効果が……!」


「どうすれば……国が滅んでしまう……」


---

■そんな中、料理していた女が一人

 王宮厨房。

シャーリー
「うーん……なんだか皆さん元気ないわねぇ」

料理人A
「それどころじゃ……死人が出るレベルですよ……」

シャーリー
「えっ、そうなの?」

料理人B
「……シャーリー様の世界、温度が違う……」

 そこへ、倒れかけた兵士が運び込まれた。

兵士
「はぁ……はぁ……もう……動け……」

シャーリー
「えっ!? ちょっと待って!」

 シャーリーは慌ててスープ鍋をかき混ぜた。

シャーリー
「とりあえず飲んで!
 今日は、新作“身体スッキリ野菜スープ”よ!」

部下
「そんなもんで治るはず――」

兵士
「……っ!? 身体が……軽い……!
 熱が……引いていく……」

部下
「治ったあああああ!!!???」

シャーリー
「良かったぁ♪ 野菜は元気の源ね!」

宮廷医師
「ま、待ちなさい!
 そのスープ、分析させてくれ!」

 スープを調べた医師たちは蒼白になった。

宮廷医師
「これは……
 魔王瘴気を中和し、体内から排出する“解毒効果”がある……!
 しかも、その効能は……」

文官
「き、薬より上……?」

宮廷医師
「薬など比較にもならん!
 これは……神の料理だ!!」


---

■国王、震える


「シャーリー……
 このスープを国中に配ってほしい……!!」

シャーリー
「もちろんです♪
 私、皆さんに美味しいもの食べてもらうの大好きですから!」

文官
「では、直ちに“救国食堂”を設置します!」


---

■救国食堂、爆誕

 翌日。
 王都の広場に巨大な鍋が設置された。

行列市民
「シャーリー様のスープだ……!」
「昨日、病が治ったと噂が……!」

シャーリー
「はーい、おかわりもあるからね!」

市民たち
「「「女神だ……!!!」」」


---

■そして遠くで震えている魔術師が一名

ナターシャ
「……もう無理よ……」

部下
「また何かあったんですか?」

ナターシャ
「魔術で治せない呪いを……シャーリーは“料理で”治したのよ!?
 もう比較の土俵にすら立ってないじゃない……!!」

部下
(でも元気スープのせいであなた昨日魔力爆増してましたよね?)


---

■シャーリーの一言で世界がひっくり返る

シャーリー
「ナターシャ、手伝ってくれる?
 あなたが隣にいてくれると安心するの♪」

ナターシャ
「…………は?」

部下
(出た。シャーリー砲)

ナターシャ
「な、なんで……!?
 なんで私なんか……役に立って……?」

シャーリー
「うん。あなたが頑張ってくれてるからよ。
 一人じゃ国なんて救えないわ」

ナターシャ
「……っ」

 その言葉は、
 ナターシャの胸の奥にずっとあった“黒い塊”を少し溶かした。


---

■こうして国は救われた

 魔術でも薬でも治らなかった“魔王の毒”を消し去ったのは――
一人の特級厨師のスープだった。

国王
「……シャーリー。やはり儂は確信した。
 お主は、この国の宝だ……!」

ナターシャ
(半分以上、料理で世界が動いてるじゃない……!
 どうなってるのこの国……!!)


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