『婚約破棄された公爵令嬢ですが、王国を救ったので新しい王太子に求婚されました

しおしお

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第十九話 新たな婚約

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第十九話 新たな婚約

王城、大広間。

国王グレゴリウスの言葉が響いた。

「辺境伯ローデリック」

「あなたはルシエラの婚約者なのか」

広間の空気が張りつめる。

廷臣たちの視線が一斉にローデリックへ向いた。

ローデリックは一歩前へ出る。

落ち着いた声で答えた。

「はい」

ざわめきが広間に広がる。

「本当か……」

「いつの間に……」

エドガルドの顔が歪む。

「ふざけるな!」

彼は怒鳴った。

「そんな話は聞いていない!」

ローデリックは淡々と言う。

「聞く必要があるのか?」

エドガルドの拳が震える。

「ルシエラは……」

「私の婚約者だった!」

その言葉に、ローデリックは静かに答えた。

「だった」

広間が静まり返る。

ローデリックは続けた。

「あなたが捨てた」

エドガルドの顔が赤くなる。

その時。

ルシエラが一歩前へ出た。

「陛下」

国王が彼女を見る。

「私は」

「ローデリック辺境伯と婚約しております」

広間がざわめく。

王妃マルグリットは静かに頷いた。

「いつ決まったのです」

ルシエラは答えた。

「アルヴァーン領に到着した日です」

リーゼが小声で言った。

「即決でしたよね」

グラハムが咳払いする。

王妃は微笑んだ。

「早いですね」

ローデリックは言った。

「決断は早い方がいい」

広間の廷臣たちがざわめく。

「辺境伯と公爵令嬢……」

「強い結びつきだ」

その時。

エドガルドが怒鳴った。

「認めない!」

広間が凍りつく。

「ルシエラは私のものだ!」

その瞬間。

ローデリックの目が冷たくなった。

「言葉に気をつけろ」

エドガルドは叫ぶ。

「黙れ!」

「辺境の野蛮人が!」

広間がざわめく。

ローデリックは一歩前へ出た。

その威圧感に空気が重くなる。

「もう一度言ってみろ」

エドガルドが言葉に詰まる。

その時。

国王の声が響いた。

「そこまでだ」

二人が止まる。

国王はゆっくり言った。

「王太子エドガルド」

「お前はすでに婚約を破棄している」

「今さら口を出す権利はない」

エドガルドの顔が歪む。

王妃が静かに言った。

「それに」

「ルシエラは自由です」

広間が静まり返る。

王妃は続ける。

「あなたが失っただけです」

エドガルドの拳が震える。

ヴィオレッタは青い顔で立っていた。

その時。

ローデリックが静かに言った。

「陛下」

国王が頷く。

「何だ」

ローデリックは言った。

「婚約の承認を願います」

広間がざわめく。

王妃がルシエラを見る。

ルシエラは静かに頷いた。

国王は二人を見た。

そして言った。

「良いだろう」

その言葉が落ちた瞬間。

広間が大きく揺れた。

「正式に認める」

「ルシエラ・ノクティスと」

「ローデリック・アルヴァーンの婚約を」

廷臣たちがざわめく。

「辺境伯家と公爵家の同盟だ……」

「王国でも最大級だ」

エドガルドは呆然としていた。

信じられない顔。

その時。

ローデリックが静かに言った。

「殿下」

エドガルドが睨む。

ローデリックは続けた。

「感謝します」

広間が静まり返る。

「あなたが婚約を破棄してくれたおかげで」

そして。

静かに言った。

「私は彼女に出会えた」

エドガルドの顔が歪む。

ヴィオレッタの手が震えていた。

その瞬間。

廷臣の一人が駆け込んできた。

「陛下!」

国王が振り向く。

「何だ」

廷臣は青い顔で言った。

「大変です」

「王都の銀行が――」

広間が凍りつく。

「資金不足で閉鎖しました!」

その報告は――

王国をさらに揺るがすことになる。
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