『婚約破棄された公爵令嬢ですが、王国を救ったので新しい王太子に求婚されました

しおしお

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第二十四話 王太子の処分

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第二十四話 王太子の処分

王城、執務室。

重い沈黙が部屋を包んでいた。

国王グレゴリウスが机の前に立っている。

王妃マルグリットは窓のそばにいた。

扉が開く。

「王太子殿下、お連れしました」

近衛兵の声。

エドガルドが入ってくる。

顔は青く、疲れ切っていた。

窓の外から民衆の怒声が聞こえる。

「王太子を出せ!」

「責任取れ!」

エドガルドはそれを聞きながら言った。

「……父上」

国王は息子を見つめる。

冷たい目だった。

「座れ」

エドガルドは椅子に座る。

沈黙。

やがて国王が言った。

「今回の件」

「お前の判断が原因だ」

エドガルドは俯いた。

「……はい」

国王は続ける。

「調査もせず」

「証拠も確認せず」

「公爵令嬢を公開で断罪」

机を叩く。

「王太子として最悪の判断だ」

エドガルドは拳を握る。

何も言えない。

王妃が静かに言う。

「結果」

「王家の信用は崩壊」

「銀行は閉鎖」

「商人は逃げた」

エドガルドの肩が震える。

「……そこまで」

国王は言った。

「まだある」

机の上の書類を見せる。

「ノクティス公爵家の資金撤退」

「交易停止」

「融資停止」

エドガルドの顔がさらに青くなる。

国王は低く言った。

「王国の経済に大打撃だ」

沈黙。

エドガルドは小さく言った。

「……申し訳ありません」

だが。

国王は首を振る。

「謝罪では済まない」

エドガルドの胸が締め付けられる。

王妃が言った。

「責任を取らなければなりません」

エドガルドはゆっくり顔を上げた。

「責任……」

国王がはっきり言う。

「王太子を解任する」

部屋が凍りつく。

エドガルドの顔が固まる。

「……え?」

国王は続ける。

「お前は今日から」

「王太子ではない」

エドガルドは立ち上がった。

「待ってください!」

声が震えている。

「私は王太子です!」

国王は冷たく言った。

「だった」

エドガルドは言葉を失う。

王妃が静かに続ける。

「王位継承権」

「第二位へ降格」

エドガルドの足が震える。

「そんな……」

国王は言った。

「お前には王を継ぐ資格がない」

沈黙。

エドガルドの手が震えている。

窓の外から歓声が聞こえる。

「ルシエラ様!」

「万歳!」

その声が胸に刺さる。

国王が最後に言った。

「処分は以上だ」

エドガルドは立ち尽くしていた。

何も言えない。

その時。

王妃が言った。

「もう一つ」

エドガルドが顔を上げる。

王妃の視線は冷たかった。

「ヴィオレッタ・アルディス」

「虚偽の証言」

「王家への重大な損害」

エドガルドの心臓が跳ねる。

「彼女の処分も決めます」

エドガルドが叫んだ。

「待ってください!」

国王が言う。

「何だ」

エドガルドは必死だった。

「ヴィオレッタは……」

言葉が止まる。

国王が冷たく言う。

「共犯だ」

エドガルドの顔が歪む。

その瞬間。

近衛兵が入ってきた。

「陛下」

国王が振り向く。

「何だ」

近衛兵は言った。

「ヴィオレッタ・アルディスを」

「拘束しました」

部屋の空気が凍りつく。

エドガルドの顔が真っ白になる。

「……え?」

近衛兵は続けた。

「現在、地下牢です」

その言葉は――

エドガルドの世界を完全に崩した。
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