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2 ユリシーズ家
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翌日、ナユタが目覚めたのは昼前のことだった。
外は、嵐が過ぎ去って、雲一つない晴天だった。昨日まで荒れ狂っていた空が嘘のように朗らかである。
起き上がったナユタは、寝間着姿のまま、手持ち無沙汰になり、部屋をぐるぐる回ってから、窓を開けて空を見た。身を乗り出して外を眺めていると、屋根を伝って嵐の名残の雨粒が落ちてきて、うなじに直撃した。
「ひゃあ」
ナユタは素っ頓狂な声を上げて、部屋の中へと引っ込んだ。
そこへ、
「あら。お目覚めですか? よく眠っておられたので、起こしませんでしたけど」
昨夜と同じ侍女が入室してきた。手にはこれからナユタが着るであろう衣服を抱えて持っている。
「あの、あなたの名前は…?」
甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる女性に、母の面影を見たナユタは、思わず尋ねていた。
「私はナンシーと申します。おぼっちゃんの身の回りを世話する役目を、ユリアンさまから仰せつかっております」
ナンシーはそう挨拶がてらナユタに向かってお辞儀をした。
「僕はおぼっちゃんじゃなくって、ナユタだよ」
「おぼっちゃんと呼ぶのはいけませんか?」
「なんだかくすぐったいよ」
「では、ナユタさまとお呼びしましょうか」
「え、ええ…! それは、それでやりにくいなぁ」
「でしたら、やはり、おぼっちゃんと」
「う、うん…」
返答に困ったナユタは、ナンシーの案を採用することになってしまった。
ナンシーは恰幅の良い、アラ還くらいの女性だった。年の割に髪に白いものが目立たないのは、白髪染めをしているからだと思われる。にこにこと愛想のいい、言えばなんでも言うことを聞いてくれそうな懐の深さが感じられる。
「さあ、お着替えをして、朝食を食べに参りましょう」
ナンシーに手伝われながら、ナユタは用意された真新しい子供服に袖を通した。まるで採寸したかのように、ナユタの身体にその服はフィットした。こんな高価で立派な洋服を着た経験はかつてない。ナユタはピンと背筋を伸ばして、ほんのちょっとの緊張感に見舞われながら、ナンシーに食堂へと案内された。
食堂では一足先に、やはり昨夜のことが影響して起きるのが遅くなったのだろう、ユーリが食事をとっている最中だった。
長いテーブルの先端部分の、ユーリの目の前の席にナユタは腰を落ち着けた。
「よく眠れたか?」
遅めの朝食なので、昼食も兼ねていると思われるが、ユーリは切り分けた鳥の胸肉のママレード照り焼きをフォークで突き刺し、ナイフでソースをまぶしながら、ナユタに睡眠状況を確認した。
「うん。熟睡した。嵐の過ぎ去った今日の空のように晴れやかだよ」
ナユタの前にも、ユーリと同じメニューの食事が運ばれてくる。
「ねぇ、ユーリ。僕をこのお屋敷に置いてくれるの?」
保護者も行く当てもないナユタは、先の見通しが立てたくて、そんな疑問を口にした。
「ああ。これからは私の元にいるといい」
それはユーリが庇護してくれると言うことだろうか。ナユタは椅子から飛び上がらんばかりに気分が高揚した。
「屋敷内は自由に歩き回って構わない。敷地内であれば、外に出ることも許そう」
「このお屋敷に書庫はある?」
前の屋敷では一日の大半を書庫で過ごしていた。これだけの屋敷構えだ、さぞかし蔵書の豊富な書庫を備えているに違いない。
「ああ、ある」
「古文書とかある?」
「古文書…? おまえ、古代語が読めるのか」
ユーリが手を止めて、ナユタを見つめた。
「うん。ラーケ語とレムリア語なら読めるよ」
「だったら、大方の古文書は読めるな」
現存している古文書はだいたいがラーケ語かレムリア語で綴られている。その二つさえ習得していれば、粗方の古文書は読み解けるだろう。残念ながら、その他の古代語については解読がされていないので、今後の研究に期待したい所である。
「埃を被っているだろうが、古文書の類いもあるだろう」
「ホント? 良かったぁ」
ナユタはうきうきしながら、鶏肉にナイフを入れた。
「それにしても、あんな嵐の中、真夜中にユーリはどうして僕を迎えに来てくれたの?」
「すべてはある方の遺した計画の通りだ。前もっておまえという人物が事件を起こし、行き場を失うことは予言されていたことだ」
「ある方って?」
「それについても、今後時が来たら話そう」
「ふーん」
自分の出自と言い、ある方の計画の一端だとか、ナユタの与り知らぬ所で、秘密が存在するようだ。それはそれで面白い。不明瞭な過去についても明らかにされるだろうか。
朝食兼昼食が終わると、ナンシーの案内で書庫に連れて行ってもらった。
「御夕飯の時間になったら、またお迎えに上がりますね」
そして一旦はそこを離れようとしたナンシーだったが、思い出したかのように戻ってきて、
「おやつはどうしましょう」
と、ナユタに尋ねた。
「うん、出来れば持ってきて」
「かしこまりました」
ナンシーは小さくお辞儀をすると、今度こそ書庫を出て行った。
「さぁて」
書庫は広く、図書館のような造りをしていた。本棚が何列も整列し、収まりきれなかった本が方々に山積みされている。読破するのには一体何十年かかるだろうか。ナユタは興味を惹かれた本を棚から引っ張り出して、一枚板のデスクに並べると、社長が座りそうなチェアに腰掛けて、回転させながら遊んだ。チェアはふかふかで、ナユタの身体を包み込んで、埋もれさせそうだった。そのチェアに抱かれながら、ナユタは本を読み耽った。
途中、ナンシーが運んで来たハイティースタンドに乗ったサンドウィッチや、マカロン、スコーンなどを紅茶と一緒に頂きつつ、本に目を落とした。
読書に夢中になっていると、一日なんてあっという間だった。
そうして何日も書庫に籠もる生活を送っていると、不意に外の空気が吸いたくなる。
その日、ナユタは庭に出て、色とりどりの花を愛でながら歩いて、森の中へと足を踏み入れた。その森は裏山にも通じていて、この辺り一帯の山はユリシーズ家の所有する土地だというから驚きだ。
ナユタは大地に転がった様々な木の実を拾っては、ポケットに入れていった。見知らぬ種については後で図鑑と照らし合わせてみよう、などと、稚気に富んだ考えを巡らせた。
探検気分で森を歩き、木苺なんかを摘まみ取って食べてみる。それは酸味がきつくて、思わず顔をしかめる羽目になった。
しばらく歩いていると、開けた場所に出た。丁度いい、とナユタは腰を下ろして、持参したとある本を開いた。
それは、『言の葉』について記された書物だった。
言の葉とは、魔術、魔法とも称される術の一つで、合い言葉を唱えて心の目を開き、実現したい現象を思い浮かべて、心に浮かんできた言葉を繰って発動させる技能である。と、本にはある。ナユタは繰り返しそれを読み込んで、実際に行動に移すことにした。
精神を集中して、合い言葉を唱える。
「ひとひらの言の葉を」
ナユタの身体から、薄い緑色のオーラが放たれ、波動となって周囲に広がっていく。ナユタは心の内に浮かんだ言葉をすくい上げて声にした。
「枝葉を切り裂く刃となれ。『疾風』」
すると、どうだろう。見えない風の刃が目の前の木の枝を切り裂いて、丸坊主にしてしまったではないか。バサバサと音を立てながら、落とされた枝葉が地面に降ってくる。ナユタはそれを踊るようにして避けた。
「やった、やったぁ!」
一人、成功を喜ぶ。
それから、火事を起こしてはいけないので、火属性以外の属性の言の葉を一通り試し、ナユタは一定の手応えを得た。
言の葉は誰しもが扱える術ではない。才なき者には心の声が浮かんでこないし、そもそも心の目を開くことも難しい。簡単なように見えて、その実、高度な技術なのである。
夕食の席でユーリにそれを報告した。
「言の葉を、その歳で?」
案の定、ユーリは食事の手を止めて、目を丸くした。
「うん、すごくない? 僕、まだ九歳だよ?」
「しかも、独学でだろう」
末恐ろしいな、とユーリは感嘆した。
「この分だと『同胞』を顕現させる日も、そう遠くないだろうな」
「僕にもいると思う? 『同胞』」
「おそらくは」
『同胞』とは、一種の守護霊のようなものだ。人の形をしていたり、獣であったり、個人によってその形態は様々ではあるが、やはり使うにはそれ相応の才と血筋が必要になってくる。使い魔のように使ったり、敵と戦わせたりと用途は多岐に渡る。人智を越えた知識を有するものが多く、良き相談相手にもなり得る。
「ねぇ。ユーリのお父さんとか、お母さんは? 一緒にご飯食べないの?」
前々から不思議に思っていたことだが、食事はいつもユーリと二人きりだ。他の家族と顔を合わした機会もない。
「父母は帰りが遅いからな。朝も時間が合わない。別におまえを避けている訳ではない。父母にもおまえを養っている旨は伝えてある」
「他に兄弟はいないの?」
「姉が三人いる。二人は嫁に行って家を出ているが、一人は出戻りでこの家に住んでいる」
「会ったことないや」
「不用意に出歩かないでくれ。顔を合わすとろくなことがない」
と、ユーリが渋い顔をしたそばから、部屋に戻る廊下で、ユーリの姉とばったり出くわした。
「ユーリじゃない。同じ屋敷に住んでても会わないもんねぇ」
それはユーリが避けているからだと、ナユタは推測する。
「あら。なに、そのちびっ子。あんた、息子作ってたの?」
「彼はナユタ。ルキ様の落胤です」
「あの、あんたがご執心だった爺さんの?」
「ええ」
ナユタはユーリの服の裾を引っ張って、彼女が誰かを明かすように催促した。
「このひとは、私の姉のシールカ」
「三女でぇす」
シールカは、ユーリと同じ髪と目の色をした、ユーリをより女性的にしたような容姿をしていた。まだ、二十代半ばに見えるが、結婚に失敗して出戻っているというのは彼女だろう。
「ユーリは四女なの? 長男なの?」
「それは聞かぬが花ってもんよ。野暮な子ねぇ」
ケタケタとシールカは笑った。開けっ広げな性格らしい。わしゃわしゃとナユタの頭を引っかき回すように雑に撫でつけてくる。それを、ナユタは鬱陶しいと感じた。
「それより、ユーリ。あんた、またバルコニーでタバコ吸ったでしょう。吸い殻が散乱してたわよ」
「そうですか。侍女に掃除するように言っておきます」
「そういう問題じゃなくって、あんたが吸わなきゃ済む話よ」
「私は部屋で吸うと、壁紙にヤニがつくからと遠慮して外で吸ってるんです。これでも譲歩しているんですから、許して下さい」
何やら兄弟は倦怠期の夫婦のような会話をしている。しばらく不毛な言い合いをした後、夕食をとりにシールカは食堂へと入っていった。
それを見送ったユーリが、大きく溜息をついた。
「はぁ。出戻りのあのひとに趣味嗜好をとやかく言われたくはないな」
「あんなお姉さんがあと二人もいるの?」
「ああ。長女がクリースカ、次女がイーラカと言う」
「ユーリも大変だね」
そんなこんなでユリシーズ家の暮らしにも慣れ、読書に没頭したり、図鑑を持ち出して森の植物について調べたりすることに熱中したりと、生活のリズムが出来上がった頃だった。
「そろそろ、ここでの生活にも慣れただろう。今から、おまえの出自と存在理由についての話をしようかと思う。少々長くなるので、心して聞くように」
ユーリがナユタを自室に招いて、そう切り出したのだった。
ユーリの部屋はだだっ広かった。二十畳ほどの空間に、本棚と幾つかの家具と、積み上げられた本の山と、散らかった書類など、決して整理整頓されているとは言い難い、雑多な雰囲気の空間だった。侍女の片付けの手も入らない、ユーリだけの秘密基地である。
ユーリはソファとローテーブルの上の書類や書籍をどかしてから、ナユタを座らせ、自分も向かい合わせに腰を下ろした。
ナユタは侍女がいれていった紅茶にも口をつけずに、そわそわと両手を股の間に挟んで、ユーリの紡ぐ言葉を待った。
「始まりはルキさま…ルキフェン・ゼラ・リンドウという魔導師だ。『ゼラ』というのは国家に認められた、国専属の魔導師に与えられる称号だ。『ゼラ』を名乗れるのはごく僅かで、遡れば五十年前に一人、ルキさま以降はただの一人もいない。ルキ様は私の師であり、私はルキさまのたった一人の弟子である」
「僕はそのルキさまって人の落胤なの?」
「いいや。正確に言えば落胤という表現は語弊がある」
「そのルキさまはどこに?」
ナユタは紅茶をすすっているユーリを見た。
「残念ながら、三ヶ月程前にみまかられた…」
ユーリは目を伏せた。
「それから、ルキさまの遺言を守り、おまえの監視を始めた。そしてあの嵐の夜におまえを迎えに行くに至った」
「それが、ルキさまの計画の一部なの?」
ユーリは頷いて、カップをソーサーに戻した。
「これから私はとある計画を実行に移そうと思う。それがルキさまの意思を継ぐ事だと信じて。それにはまず、おまえ自身が自分が何者であるかを知る必要がある」
ユーリは語り始めた。
ナユタ自身も知らない、出自にまつわる話を。ナユタが何のために生まれ、どうしてこのような運命をたどったのかと言うこと。存在意義について。それはナユタにとっても衝撃的な事実だった。ちらとも考えたこともない真実の連続だった。ナユタは唖然としながらユーリの話を聞いていたが、聞き終わると同時に、荒唐無稽とも言えるその話に妙な納得を覚えた。ああ、そうなのか、と。どかかで泰然として受け入れている自分がいた。
「…以上がおまえの出自に関する話だ」
ユーリが語り終えた時、紅茶はもうとっくに冷めていた。その冷めた紅茶を、ナユタは一気に飲み干した。緊張の緩和である。
「何か疑問や質問は?」
「特にないよ」
「ショックではないのか」
それはナユタを思いやっての言葉ではなく、たったの九歳児に受け入れられる話であったかどうか確認するような問いかけだった。
「別に…言われてみれば、そうなのかなって」
「そうか。もっと泣くか、ルキさまに対して恨み節を唱えるかと思ったが」
「死人に口なしじゃない。幾ら文句をぶつけても、なしのつぶてだよ」
「おまえは…達観しているというか、何というか…厭世的にでもなりそうなものだがな」
ユーリはナユタが真実を受け入れたことを、驚きを持って受け止めているようだ。
「そうだなぁ。あえて何かを言えと言われれば、言の葉を使えるようにしてくれてありがとうって所かな」
後は、とナユタは続けた。
「お母さんが、本当のお母さんじゃなかったっていうのは、ちょっと残念だったかな」
母だと信じていた女性は、母ではなかった。その事実は、口に乗せてみると、意外と重かった。
「母には愛されていたのか」
「うん。お母さんはキレイで優しいひとだったよ」
「人を念じるだけで呪い殺せたと聞いているが」
「うん。そんな忌まわしい力を持ってるとは思えない、静かで穏やかな、争いを好まないひとだった。なのに、周りの人に忌み嫌われて、火あぶりになっちゃった」
このときばかりは、ナユタの口調にも恨み辛みが滲み出した。そういえば、泣いたのはそれが最後だ。それ以降は一粒も涙を流していない。あの屋敷で、どんな無体で不当な扱いを受けても、泣かなかった。
なのに、今、こうしてユーリの話を聞いて、話題が母の事に触れると、涙が出てくるのは何故だろう。
ナユタのまなじりには今、涙の山が盛り上がって、縁から流れ落ちようとしていた。ぽろぽろと宝石のような涙の粒が頬を伝って落ちる。
「あ、あれ…? なんで、だろ…う」
ナユタが自分でも戸惑っていると、ユーリがそっとハンカチを取り出して、ナユタに手渡した。しっかりとアイロンのかかった、清潔な青いハンカチだった。ナユタはそれを受け取って、涙を拭った。
「どうやらおまえの心の琴線に触れてしまったようだ。不用意に、すまない」
ユーリは、泣く児童をどう扱っていいか分からず、困っている。そんなユーリに、
「ごめん、ごめんなさい…」
と謝りながら、ナユタは涙を止めることが出来なかった。
外は、嵐が過ぎ去って、雲一つない晴天だった。昨日まで荒れ狂っていた空が嘘のように朗らかである。
起き上がったナユタは、寝間着姿のまま、手持ち無沙汰になり、部屋をぐるぐる回ってから、窓を開けて空を見た。身を乗り出して外を眺めていると、屋根を伝って嵐の名残の雨粒が落ちてきて、うなじに直撃した。
「ひゃあ」
ナユタは素っ頓狂な声を上げて、部屋の中へと引っ込んだ。
そこへ、
「あら。お目覚めですか? よく眠っておられたので、起こしませんでしたけど」
昨夜と同じ侍女が入室してきた。手にはこれからナユタが着るであろう衣服を抱えて持っている。
「あの、あなたの名前は…?」
甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる女性に、母の面影を見たナユタは、思わず尋ねていた。
「私はナンシーと申します。おぼっちゃんの身の回りを世話する役目を、ユリアンさまから仰せつかっております」
ナンシーはそう挨拶がてらナユタに向かってお辞儀をした。
「僕はおぼっちゃんじゃなくって、ナユタだよ」
「おぼっちゃんと呼ぶのはいけませんか?」
「なんだかくすぐったいよ」
「では、ナユタさまとお呼びしましょうか」
「え、ええ…! それは、それでやりにくいなぁ」
「でしたら、やはり、おぼっちゃんと」
「う、うん…」
返答に困ったナユタは、ナンシーの案を採用することになってしまった。
ナンシーは恰幅の良い、アラ還くらいの女性だった。年の割に髪に白いものが目立たないのは、白髪染めをしているからだと思われる。にこにこと愛想のいい、言えばなんでも言うことを聞いてくれそうな懐の深さが感じられる。
「さあ、お着替えをして、朝食を食べに参りましょう」
ナンシーに手伝われながら、ナユタは用意された真新しい子供服に袖を通した。まるで採寸したかのように、ナユタの身体にその服はフィットした。こんな高価で立派な洋服を着た経験はかつてない。ナユタはピンと背筋を伸ばして、ほんのちょっとの緊張感に見舞われながら、ナンシーに食堂へと案内された。
食堂では一足先に、やはり昨夜のことが影響して起きるのが遅くなったのだろう、ユーリが食事をとっている最中だった。
長いテーブルの先端部分の、ユーリの目の前の席にナユタは腰を落ち着けた。
「よく眠れたか?」
遅めの朝食なので、昼食も兼ねていると思われるが、ユーリは切り分けた鳥の胸肉のママレード照り焼きをフォークで突き刺し、ナイフでソースをまぶしながら、ナユタに睡眠状況を確認した。
「うん。熟睡した。嵐の過ぎ去った今日の空のように晴れやかだよ」
ナユタの前にも、ユーリと同じメニューの食事が運ばれてくる。
「ねぇ、ユーリ。僕をこのお屋敷に置いてくれるの?」
保護者も行く当てもないナユタは、先の見通しが立てたくて、そんな疑問を口にした。
「ああ。これからは私の元にいるといい」
それはユーリが庇護してくれると言うことだろうか。ナユタは椅子から飛び上がらんばかりに気分が高揚した。
「屋敷内は自由に歩き回って構わない。敷地内であれば、外に出ることも許そう」
「このお屋敷に書庫はある?」
前の屋敷では一日の大半を書庫で過ごしていた。これだけの屋敷構えだ、さぞかし蔵書の豊富な書庫を備えているに違いない。
「ああ、ある」
「古文書とかある?」
「古文書…? おまえ、古代語が読めるのか」
ユーリが手を止めて、ナユタを見つめた。
「うん。ラーケ語とレムリア語なら読めるよ」
「だったら、大方の古文書は読めるな」
現存している古文書はだいたいがラーケ語かレムリア語で綴られている。その二つさえ習得していれば、粗方の古文書は読み解けるだろう。残念ながら、その他の古代語については解読がされていないので、今後の研究に期待したい所である。
「埃を被っているだろうが、古文書の類いもあるだろう」
「ホント? 良かったぁ」
ナユタはうきうきしながら、鶏肉にナイフを入れた。
「それにしても、あんな嵐の中、真夜中にユーリはどうして僕を迎えに来てくれたの?」
「すべてはある方の遺した計画の通りだ。前もっておまえという人物が事件を起こし、行き場を失うことは予言されていたことだ」
「ある方って?」
「それについても、今後時が来たら話そう」
「ふーん」
自分の出自と言い、ある方の計画の一端だとか、ナユタの与り知らぬ所で、秘密が存在するようだ。それはそれで面白い。不明瞭な過去についても明らかにされるだろうか。
朝食兼昼食が終わると、ナンシーの案内で書庫に連れて行ってもらった。
「御夕飯の時間になったら、またお迎えに上がりますね」
そして一旦はそこを離れようとしたナンシーだったが、思い出したかのように戻ってきて、
「おやつはどうしましょう」
と、ナユタに尋ねた。
「うん、出来れば持ってきて」
「かしこまりました」
ナンシーは小さくお辞儀をすると、今度こそ書庫を出て行った。
「さぁて」
書庫は広く、図書館のような造りをしていた。本棚が何列も整列し、収まりきれなかった本が方々に山積みされている。読破するのには一体何十年かかるだろうか。ナユタは興味を惹かれた本を棚から引っ張り出して、一枚板のデスクに並べると、社長が座りそうなチェアに腰掛けて、回転させながら遊んだ。チェアはふかふかで、ナユタの身体を包み込んで、埋もれさせそうだった。そのチェアに抱かれながら、ナユタは本を読み耽った。
途中、ナンシーが運んで来たハイティースタンドに乗ったサンドウィッチや、マカロン、スコーンなどを紅茶と一緒に頂きつつ、本に目を落とした。
読書に夢中になっていると、一日なんてあっという間だった。
そうして何日も書庫に籠もる生活を送っていると、不意に外の空気が吸いたくなる。
その日、ナユタは庭に出て、色とりどりの花を愛でながら歩いて、森の中へと足を踏み入れた。その森は裏山にも通じていて、この辺り一帯の山はユリシーズ家の所有する土地だというから驚きだ。
ナユタは大地に転がった様々な木の実を拾っては、ポケットに入れていった。見知らぬ種については後で図鑑と照らし合わせてみよう、などと、稚気に富んだ考えを巡らせた。
探検気分で森を歩き、木苺なんかを摘まみ取って食べてみる。それは酸味がきつくて、思わず顔をしかめる羽目になった。
しばらく歩いていると、開けた場所に出た。丁度いい、とナユタは腰を下ろして、持参したとある本を開いた。
それは、『言の葉』について記された書物だった。
言の葉とは、魔術、魔法とも称される術の一つで、合い言葉を唱えて心の目を開き、実現したい現象を思い浮かべて、心に浮かんできた言葉を繰って発動させる技能である。と、本にはある。ナユタは繰り返しそれを読み込んで、実際に行動に移すことにした。
精神を集中して、合い言葉を唱える。
「ひとひらの言の葉を」
ナユタの身体から、薄い緑色のオーラが放たれ、波動となって周囲に広がっていく。ナユタは心の内に浮かんだ言葉をすくい上げて声にした。
「枝葉を切り裂く刃となれ。『疾風』」
すると、どうだろう。見えない風の刃が目の前の木の枝を切り裂いて、丸坊主にしてしまったではないか。バサバサと音を立てながら、落とされた枝葉が地面に降ってくる。ナユタはそれを踊るようにして避けた。
「やった、やったぁ!」
一人、成功を喜ぶ。
それから、火事を起こしてはいけないので、火属性以外の属性の言の葉を一通り試し、ナユタは一定の手応えを得た。
言の葉は誰しもが扱える術ではない。才なき者には心の声が浮かんでこないし、そもそも心の目を開くことも難しい。簡単なように見えて、その実、高度な技術なのである。
夕食の席でユーリにそれを報告した。
「言の葉を、その歳で?」
案の定、ユーリは食事の手を止めて、目を丸くした。
「うん、すごくない? 僕、まだ九歳だよ?」
「しかも、独学でだろう」
末恐ろしいな、とユーリは感嘆した。
「この分だと『同胞』を顕現させる日も、そう遠くないだろうな」
「僕にもいると思う? 『同胞』」
「おそらくは」
『同胞』とは、一種の守護霊のようなものだ。人の形をしていたり、獣であったり、個人によってその形態は様々ではあるが、やはり使うにはそれ相応の才と血筋が必要になってくる。使い魔のように使ったり、敵と戦わせたりと用途は多岐に渡る。人智を越えた知識を有するものが多く、良き相談相手にもなり得る。
「ねぇ。ユーリのお父さんとか、お母さんは? 一緒にご飯食べないの?」
前々から不思議に思っていたことだが、食事はいつもユーリと二人きりだ。他の家族と顔を合わした機会もない。
「父母は帰りが遅いからな。朝も時間が合わない。別におまえを避けている訳ではない。父母にもおまえを養っている旨は伝えてある」
「他に兄弟はいないの?」
「姉が三人いる。二人は嫁に行って家を出ているが、一人は出戻りでこの家に住んでいる」
「会ったことないや」
「不用意に出歩かないでくれ。顔を合わすとろくなことがない」
と、ユーリが渋い顔をしたそばから、部屋に戻る廊下で、ユーリの姉とばったり出くわした。
「ユーリじゃない。同じ屋敷に住んでても会わないもんねぇ」
それはユーリが避けているからだと、ナユタは推測する。
「あら。なに、そのちびっ子。あんた、息子作ってたの?」
「彼はナユタ。ルキ様の落胤です」
「あの、あんたがご執心だった爺さんの?」
「ええ」
ナユタはユーリの服の裾を引っ張って、彼女が誰かを明かすように催促した。
「このひとは、私の姉のシールカ」
「三女でぇす」
シールカは、ユーリと同じ髪と目の色をした、ユーリをより女性的にしたような容姿をしていた。まだ、二十代半ばに見えるが、結婚に失敗して出戻っているというのは彼女だろう。
「ユーリは四女なの? 長男なの?」
「それは聞かぬが花ってもんよ。野暮な子ねぇ」
ケタケタとシールカは笑った。開けっ広げな性格らしい。わしゃわしゃとナユタの頭を引っかき回すように雑に撫でつけてくる。それを、ナユタは鬱陶しいと感じた。
「それより、ユーリ。あんた、またバルコニーでタバコ吸ったでしょう。吸い殻が散乱してたわよ」
「そうですか。侍女に掃除するように言っておきます」
「そういう問題じゃなくって、あんたが吸わなきゃ済む話よ」
「私は部屋で吸うと、壁紙にヤニがつくからと遠慮して外で吸ってるんです。これでも譲歩しているんですから、許して下さい」
何やら兄弟は倦怠期の夫婦のような会話をしている。しばらく不毛な言い合いをした後、夕食をとりにシールカは食堂へと入っていった。
それを見送ったユーリが、大きく溜息をついた。
「はぁ。出戻りのあのひとに趣味嗜好をとやかく言われたくはないな」
「あんなお姉さんがあと二人もいるの?」
「ああ。長女がクリースカ、次女がイーラカと言う」
「ユーリも大変だね」
そんなこんなでユリシーズ家の暮らしにも慣れ、読書に没頭したり、図鑑を持ち出して森の植物について調べたりすることに熱中したりと、生活のリズムが出来上がった頃だった。
「そろそろ、ここでの生活にも慣れただろう。今から、おまえの出自と存在理由についての話をしようかと思う。少々長くなるので、心して聞くように」
ユーリがナユタを自室に招いて、そう切り出したのだった。
ユーリの部屋はだだっ広かった。二十畳ほどの空間に、本棚と幾つかの家具と、積み上げられた本の山と、散らかった書類など、決して整理整頓されているとは言い難い、雑多な雰囲気の空間だった。侍女の片付けの手も入らない、ユーリだけの秘密基地である。
ユーリはソファとローテーブルの上の書類や書籍をどかしてから、ナユタを座らせ、自分も向かい合わせに腰を下ろした。
ナユタは侍女がいれていった紅茶にも口をつけずに、そわそわと両手を股の間に挟んで、ユーリの紡ぐ言葉を待った。
「始まりはルキさま…ルキフェン・ゼラ・リンドウという魔導師だ。『ゼラ』というのは国家に認められた、国専属の魔導師に与えられる称号だ。『ゼラ』を名乗れるのはごく僅かで、遡れば五十年前に一人、ルキさま以降はただの一人もいない。ルキ様は私の師であり、私はルキさまのたった一人の弟子である」
「僕はそのルキさまって人の落胤なの?」
「いいや。正確に言えば落胤という表現は語弊がある」
「そのルキさまはどこに?」
ナユタは紅茶をすすっているユーリを見た。
「残念ながら、三ヶ月程前にみまかられた…」
ユーリは目を伏せた。
「それから、ルキさまの遺言を守り、おまえの監視を始めた。そしてあの嵐の夜におまえを迎えに行くに至った」
「それが、ルキさまの計画の一部なの?」
ユーリは頷いて、カップをソーサーに戻した。
「これから私はとある計画を実行に移そうと思う。それがルキさまの意思を継ぐ事だと信じて。それにはまず、おまえ自身が自分が何者であるかを知る必要がある」
ユーリは語り始めた。
ナユタ自身も知らない、出自にまつわる話を。ナユタが何のために生まれ、どうしてこのような運命をたどったのかと言うこと。存在意義について。それはナユタにとっても衝撃的な事実だった。ちらとも考えたこともない真実の連続だった。ナユタは唖然としながらユーリの話を聞いていたが、聞き終わると同時に、荒唐無稽とも言えるその話に妙な納得を覚えた。ああ、そうなのか、と。どかかで泰然として受け入れている自分がいた。
「…以上がおまえの出自に関する話だ」
ユーリが語り終えた時、紅茶はもうとっくに冷めていた。その冷めた紅茶を、ナユタは一気に飲み干した。緊張の緩和である。
「何か疑問や質問は?」
「特にないよ」
「ショックではないのか」
それはナユタを思いやっての言葉ではなく、たったの九歳児に受け入れられる話であったかどうか確認するような問いかけだった。
「別に…言われてみれば、そうなのかなって」
「そうか。もっと泣くか、ルキさまに対して恨み節を唱えるかと思ったが」
「死人に口なしじゃない。幾ら文句をぶつけても、なしのつぶてだよ」
「おまえは…達観しているというか、何というか…厭世的にでもなりそうなものだがな」
ユーリはナユタが真実を受け入れたことを、驚きを持って受け止めているようだ。
「そうだなぁ。あえて何かを言えと言われれば、言の葉を使えるようにしてくれてありがとうって所かな」
後は、とナユタは続けた。
「お母さんが、本当のお母さんじゃなかったっていうのは、ちょっと残念だったかな」
母だと信じていた女性は、母ではなかった。その事実は、口に乗せてみると、意外と重かった。
「母には愛されていたのか」
「うん。お母さんはキレイで優しいひとだったよ」
「人を念じるだけで呪い殺せたと聞いているが」
「うん。そんな忌まわしい力を持ってるとは思えない、静かで穏やかな、争いを好まないひとだった。なのに、周りの人に忌み嫌われて、火あぶりになっちゃった」
このときばかりは、ナユタの口調にも恨み辛みが滲み出した。そういえば、泣いたのはそれが最後だ。それ以降は一粒も涙を流していない。あの屋敷で、どんな無体で不当な扱いを受けても、泣かなかった。
なのに、今、こうしてユーリの話を聞いて、話題が母の事に触れると、涙が出てくるのは何故だろう。
ナユタのまなじりには今、涙の山が盛り上がって、縁から流れ落ちようとしていた。ぽろぽろと宝石のような涙の粒が頬を伝って落ちる。
「あ、あれ…? なんで、だろ…う」
ナユタが自分でも戸惑っていると、ユーリがそっとハンカチを取り出して、ナユタに手渡した。しっかりとアイロンのかかった、清潔な青いハンカチだった。ナユタはそれを受け取って、涙を拭った。
「どうやらおまえの心の琴線に触れてしまったようだ。不用意に、すまない」
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と謝りながら、ナユタは涙を止めることが出来なかった。
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