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第8章 国立学校編
国王の決断 2
しおりを挟むセインと第2王妃のほんわかした空気の中で口を開いたのは、リーシェさんだった。
「ロイ、あなたはこれから国王としてミラー騎士団長と第1王妃の事について処罰を決めてもらわなければなりません。」
リーシェさんは真剣なまなざしで国王にそう言った。
「……そうだな。第1王妃が目を覚ますまでの間にしっかりと考えておかなければな。」
国王もリーシェさんの目をしっかりと見据えて1つ頷く。
「ところで話は変わるが……今、王都で発生している火事などの話なのだが、そっちは沈静化したのだろうか?お前たちが来る少し前にはこの城の外が一瞬真っ白になるほど強烈に光ったのだ。一体、この王都で何が起こっているのか説明できるか?」
国王はどうやら街の様子を報告されていたようで、気になっているようだ。
リーシェさんはそんな国王に『この王都に巣食っていた神聖法国の残党は一掃された』と伝えた。
国王には第1王妃とミラー騎士団長のことしか伝えてなかったもんね。
「何だと!?あの神聖法国の残党がこの王都にいたのか!一体いつの間に入り込んでいたのか……?」
「ロイ、残念ながら今回の騒ぎの首謀者は王城の隣に建てられていた教会にいました。私もまさか教会の神父が高位の魔物であるなど思いもしていませんでしたよ。せいぜい洗脳された人、という程度の認識でした。」
「……それはどういう事だ?神聖法国の残党ならば人ではないのか?なぜ魔物なのだ?」
国王は訝しそうな顔でリーシェさんを見る。
そんな国王に、リーシェさんは『神聖法国の実態と現状』を伝える。
「そうか……壊滅したとは聞いていたが、そもそもが『魔物が人を洗脳して興した国』だとは思わなんだ。あの国は神聖魔法を使える者を強制的に自国へ連れて帰って『洗脳』することは知っていた。もしやその『洗脳』とは、『隷属の魔法』の事であったのかもしれぬな。ところで……そこまでは分かったのだが、先ほどの光は一体何だったのだ?」
「先ほどの光は創造神様の放ったものらしいです。その光によって隣接していた教会は跡形もなく消え去っていました。さすが創造神様、この王城には傷もつけずに目的の物だけ消されたようです。」
「なんと!?隣の教会が『無くなった』だと!?あのたった一瞬の光だけで?振動も何もなかったのだぞ?たったそれだけで無くなったのか!?」
リーシェさんの返事を聞いて、ひどく驚いた国王。
思わず立ち上がってしまったようだ。
……まぁ、あれを実際に目の前で見た俺たちからすれば、まるで手品のような感覚だよね。
あれは、話で聞いても信じてもらえない類いだ。
「まぁ、実際に無くなったのはその目で見てもらえば信じてもらえるでしょう。ただ、『あれ』を見た王都民はかなりいると思います。ですので、国王自ら民衆に説明しないと駄目かもしれませんね。」
リーシェさんからそう言われた国王は、1つため息をついて「それは仕方があるまい。」と言った。
「説明をする代わりに、一体教会で何があったのかは話して聞かせてもらわねばならんな。して、どうだったのだ、リーシェ?」
国王はそう言ってリーシェさんに問いかけたが、実際その場にいなかったのでわからず、俺の方を振り向いた。
「現場にいたのはスノーホワイトのメンバーだけですので私は分かりません。誰か説明してやってもらえますか?」
「了解です。俺から説明しますよ!」
リーシェさんからそう言われると、リッキーが快く手を挙げた。
そしてとりあえずみんなが揃っていた時の話を国王にする。
それを国王は唸りながら聞いていた。
「……なるほど。だが今の説明だとその後にあったであろう光の柱の出現に繋がらないではないか。それは一体どんな経緯でなったのだ?」
「それに関してはその場にいたシエルから説明してもららいます。お願いできるか?」
「わかったよ、リッキー。その後、どうなったらあんな事になったのかを話しますね。」
それから俺は改めて教会に戻ってきてからの出来事を話す。
神父をミラー騎士団長がとどめを刺したこと、そのせいで神聖法国の女神テネブルがその場に復活したこと、そして女神は復活を願ってはいなかったこと、そして……その女神が創造神の元へ行くために教会やその場にいた魔物もろとも光によって消え去ったこと。
それらを順を追って話した。
それを聞いていた皆は、俺の話にため息をついてみたり、驚いてみたりと大忙しだ。
「まさかそんな事がすぐ隣の建物で起こっておったとは思わなかった。それにしてもミラーは余程クイーナの事を想っておったのだな……。」
国王は全てを聞き終わると、深いため息をついてそう言った。
そうだろうね、先ほどのミラー騎士団長の様子を見ると、本当に心から愛しているんだなって思ったよ。
それから俺達は第2王妃の居室をお暇させてもらった。
帰り際リーシェさんから再度、国王にミラー騎士団長たちの処分を考えるよう話があった。
そうだね、できれば国王には2人……いや3人の未来を考えて、より良い方に進んでいけるようにして欲しいな……。
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