異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第10章 国立学校 (後期)

総当たり戦の闘技大会 5

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『総当たり戦の闘技大会』4日目。

登校して修練場に到着すると早速昨日の試合結果を確認する。

昨日の『1年生対4年生』は俺達1年生の勝ち、『2年生対3年生』は2年生の勝ち、『4年生対5年生』は5年生の勝ちとなっている。


実は俺達1年生代表は、4年生対5年生の試合を観戦してない。

「それをするくらいなら特訓をしよう!」ということになったのだ。

5年生はかなりの強豪らしいので、今のままでは最初の2人に負担がかかり過ぎる。

それに最後の試合ぐらい、アンドリューや俺の出番もあってもいいだろう。

そこでマール先生に「どうせ試合観戦の後は帰るだけなのだから、帰って特訓をしていいですか?」と聞くとOKを貰えたので、王宮の騎士団が使用する場所を借りることになったのだ。


そして昨日しっかりと特訓はしてきた。

特訓してはきたが……流石に1日ではセインはそこまで強くなれず、クロードも結界魔法を習得できなかったのだ。

だから全力で頑張るが、負けたら次の奴が頑張る!ということで話し合いはついている。

「それに、お前がいればまず負けることないと思うんだ!」

セインは俺が席に着くとすかさず肩を組んできてそんな事を言う。……それにって、何を話してたんだよ?

「……我もいるぞ?」

ちょっぴり拗ねたように言うのはアンドリューだ。

ドラゴンの血を引いている事もあって、自分も頼って欲しいのだろう。

……だからそんなに睨まないでよ、アンドリュー。



俺がため息をついた時、マール先生のアナウンスがあった。

「今日は最終戦として1年生と5年生の試合があります。両者とも全勝なので、今日が決勝戦となります。両学年とも頑張ってください。では、出場選手は試合場の中央へと集合してください。」

そのアナウンスに従い、俺たちは移動する。

今日使う試合場は昨日までの2面を1つにして、広々とした場所で戦うことになっている。

その中央、AチームとBチームを仕切るように引かれている白線の所に整列した。

「今回は試合場が広いため、審判は3人になります。Aチーム側はリッキー、Bチーム側はスコット、中央付近では私が審判を担当します。」

マール先生のアナウンスで名前を呼ばれると、リッキーもスコットさんも片手を上げてアピールした。

「それでは早速試合を開始したいと思いますので、1人目の代表は残り、他は下がっていてください。」

俺たちは言われた通りにセインを残し、試合場のギリギリ外へと出る。

するとすぐに試合開始の合図が出た。


どうやらセインの対戦相手は同じく肉体派の選手だが、今までと違うのは片手剣よりも長い槍のような武器を扱う選手だ。

あれではなかなか懐へ入り込むことは難しいかもしれないが、でも中に入ってしまえば今度は相手が不利になる。

さて、セインはどうやって攻略するつもりなのか……。


とりあえず初めて槍と対戦したのか、セインは戸惑いながら槍で突いてくる相手を避けて様子を見ている。

……そういえば1つ思うんだけど、槍って柄を掴まれたら終わりじゃない?

案の定、それに気づいたセインは槍を突いてきたタイミングでその槍を脇の下に挟み込んで引き抜けなくし、そのままの状態で槍を振り回す。

すると対戦相手は軽く吹っ飛び、転んでしまった。

……あれ?もしかして1人目は弱かった……?

そのままセインは武器を両方持って一気に近づき、槍を相手に突きつけて終了。

なんだが呆気ない終わり方になってしまった……。


俺が呆然と見ていると、隣のクロードが「あんな事できるの、相当な力持ちじゃないと無理だな」と苦笑いをしている。

あ、そうなの?他の選手はそこまでできなかったの?

俺はなんとなく消化不良な思いをしながら、次の試合を観戦する。


セインの次の対戦相手は魔法師で、昨日と同じやり方をするのかと思っていたら、相手がまさかの魔法剣の使い手だった。

そう、自分の魔力で木刀を強化し、そこに炎の魔法を剣に纏わせてきたのだ。

一応はセインも自分の武器に魔力コーティングを施したようだが、そこは魔力の強さの違いのせいか、あっさりと武器を燃やされてしまった。

これではセインも戦えず、ここで敗退。

戻ってきたセインに「魔力も鍛えないと駄目かもね?」とアドバイスをしてやると、頭を掻きながら苦笑いをして頷いた。



その間にクロードは中央へと向かっていて、すぐに構える。

相手も魔法師、自分も魔法師ということで、互いに魔法剣同士の戦いになった。

相手が炎を纏った木刀なら、クロードは水を纏った木刀で挑む。

2人が打ち合う度に水蒸気が上がり、その内に周りが霧だらけになってしまった。

その霧の中でクロードがどこかに移動したらしく、対戦相手は炎を纏った木刀を持ちながら周りをキョロキョロと見回しているようだ。

すると急に強い風が吹き、辺りに漂っていた濃い霧を吹き飛ばす。

「これで決着がついたかな?」

霧が晴れると、対戦相手の背中にクロードの木刀が添えられていて勝敗は決していた。

なるほど、姿を隠すためにわざわざ濃い霧を発生させたんだね。

リッキーはすぐに勝敗を告げ、次の試合の準備をさせる。

クロードと次に対戦するのは……どうやら剣士のようで、片手剣用の木刀を構えている。

クロードはどちらかというと剣術よりは魔術の方が得意なのだが……今回はさっきまで所持していた木刀を片付けたので、どうやら魔法で戦うようだ。

中央にいるマール先生の試合開始の合図によって、クロードと対戦者との試合が始まった。


まず動いたのはクロードで、彼は小さな魔力弾を相手に向かって大量に撃ち出した。

対する相手は猛スピードで突き進みながら、飛んでくる小さな魔力弾を最小限の動きで防御しながらクロードに迫る。

……凄いね、自分に当たる位置の魔力弾を剣さばきだけで防いでいるよ。

対戦相手がかなりのスピードで近づいてきているので、焦ったクロードは撃ち出す数を減らしながら自分も移動する。

だが対戦相手はそれを好機と取り、さらに移動スピードを上げた。


とうとう追いつかれる所まで来たクロードは、魔法を諦めて武器を取り出す。

相手の初撃を防いだが、そのあまりにも重い一撃に耐えられなかったようで膝をつく。

そうなるともう、相手の思うままだ。

相手は打ちつけた木刀を素早く振り、まだ膝を付けているクロードの首筋にピタリと当てた。

それを見たスコットさんは「そこまで!」と言って、相手の勝利を告げる。


ここまでで2勝2敗。

ここからは相手より2勝しなければチームの勝利はない。

まぁ大将同士による戦いまで進めば、俺が頑張らなきゃならないが……そこまで来るのかな?

とにかく、次のミストさんの試合は頑張ってもらわなければ。

……頑張れ、ミストさん!
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