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第10章 国立学校 (後期)
『ブレイズ』へのダンジョン遠征 12
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11階層へと降りてくると、やはりそこは予想通りに壁に太い蔦がびっしりとあるフロアだった。
床は地面になってはいるが、以前と違って本当に歩きやすい。
……どうせならこの蔦も無くなって、地面じゃなければ良いのに。
「……なんか急に植物だらけになったな。」
セインが辺りをキョロキョロしながらそんな事を言った。
「……ねぇ、このフロアってどんな魔物が出る……の?」
ローラが引き攣った顔で俺を見て、こわごわ聞いてくる。
そりゃあ、そうだよね。
ローラは生粋の『お姫様』だ。
昆虫なんて苦手だろうな。
俺は苦笑いをしながら「昆虫が出てくるよ」と答えると、ローラだけじゃなくてすぐ近くで話を聞いてしまった女生徒も悲鳴をあげる。
「嫌よっ!私、無理っ!!その腕輪の中に入れてくれないかしらっ!?」
ローラはそう訴えて、俺の襟をつかむとブンブンと前後に揺らす。
それと同時に近くの女生徒も激しく頷いている。
それを見て、俺は最前列付近を歩いていたマール先生に大きな声で声をかけた。
すると一旦列は止まり、マール先生が走ってこっちへとやってくる。
「どうしたんだい、シエルくん?」
「どうしたもこうしたもないですっ!先生、このフロア、虫の魔物が出るんですって!私、無理なんですけどっ!」
マール先生の言葉に、ローラは食い気味で訴える。
それを聞いてマール先生は苦笑いだ。
そりゃあそうだろうな、それも含めての『遠征』なんだろうしね。
でも周りの女生徒も悲壮そうな顔で先生を見るもんだから、先生も折れるしかない。
「しょうがないなぁ。じゃあ昆虫ゾーンが終了したらまた復帰することにして、一時的にシエルくんの腕輪に入ることにするか?」
「もちろんそうして欲しいですっ!」
「じゃあ、他にも腕輪の中に一時避難したい生徒がいないか聞いてみることにするか。」
マール先生はそう言うと、先頭に向いながらみんなに声をかけていった。
そしてこちらへ帰ってくる時に、腕輪の中に入れて欲しいという人を一緒に連れてきた。
なるほど、女生徒はほとんどが入りたいと訴えたんだね。
とりあえず再度出発する前に腕輪の中に収納した。
「なぁ、そんなに昆虫って怖いもんか?」
セインは不思議そうな顔で隣を歩く俺を見た。
「ん~……俺も中には苦手な奴もいたなぁ。怖いっていうより、気持ち悪くて、だな。」
「そんなもんか?あとは?」
「あとは……普通の昆虫と違ってかなりでかいぞ。……ほら、あんな風に。」
俺はセインの問いに、前方で戦闘している一団を指差す。
そこにはラグビーボール並みのバッタや、人並みの大きさのカマキリの魔物がいる。
「……はぁっ!?なんだ、あの大きさっ!特にあの腕に鎌のあるあいつなんて、そこで剣を受け止めてるじゃないかっ!」
その戦闘を見たセインは思わずそう叫ぶ。
……そう、このフロアのカマキリは案外殻が硬いようで、鎌の部分で受け止め、薙ぎ払ってくるのだ。
顔も人並みにでかいので、近くで対峙しするとめちゃくちゃ怖い。……特にあれ、肉食だからね。
「あれはできれば火魔法で焼き払うのが楽なんだけど、こうやって狭い通路だとあまり使わないほうが良いんだよね。」
俺はすぐ脇の通路から突然でてきたカマキリを、魔力コーティングを施した刀で一刀両断しながらそう答える。
そのカマキリを間近で見たセインたちは、驚愕の顔でドロップ品へと変わったカマキリを凝視している。
「……。」
「大丈夫か?」
すっかり言葉を失っているセインとクロードに声をかけてみたが、呆然としたまま歩くだけだった。
……こりゃあこの2人も戦闘不能が確定だな?
俺は1つため息をつくと腕輪に収納しようとした……のだが、それに気づいたセインが待ったをかけた。
「……大丈夫、大丈夫だ。もう少し慣れたら、戦闘復帰できる、はずだ。」
セインはまだ呆然とした顔でそんな事を言う。
まぁ……期待しないでおこう。
それから俺たちは何階層もの間、いろいろな種類の魔物と戦い、いろんな戦利品をゲットした。
先ほどのカマキリなんて例の鎌がドロップ品の場合もあるから、騎士が少し嬉しそうに回収していた。
そうやってとうとう15階層へと向かおうかというところで、『それ』は出現した。
前回来た時にはこのフロアにはいなかった、『例のアレ』が。
みんなは最初見た時に何なのかよくわからなかったようで、目をパチクリさせている。
だが俺は……俺たち日本人は『アレ』の怖さを知っている。
1人の生徒がウミガメほどもある『例のアレ』に剣で切りかかったのだが、その背中の殻で剣がツルッ!と滑った。
そして転んだ生徒の目の前に、巨大な『例のアレ』の顔が迫って噛みつこうとしている。
俺は思わず火魔法でその『例のアレ』を焼き払ってしまったが……オイリーなのか物凄い燃える。
すぐ近くにいたその生徒も火に当たったが、俺の張った結界で何も問題はなかったようだ。
「……すまない、あの魔物のあまりの気色悪さに思わず火魔法を使っちゃったよ。」
俺は苦笑いをしながら、その呆然としている生徒に手を貸して立たせる。
「いや……助かったよ……。なぁ……俺もその腕輪に入れてもらえないだろうか?」
その生徒は顔をクシャクシャにしながら俺にそう懇願する。
俺はもちろん何も言わずに腕輪に入れた。
……そうだよね、目の前に巨大な昆虫の口があって、自分を食べようとしているなんて悪夢でしかない。
彼にしてみれば多分一瞬で15階層の休憩所へ着くだろうが、そこへ行くまでの時間をさっきの恐怖でいるよりはマシだろう。
それからの俺は、あの巨大な『黒い悪魔』を見かけると躊躇など全くなく火魔法で焼き払って行った。
……だが、あの『黒い悪魔』はオイリーなだけではなく、飛ぶのだ。
あの巨体になったとしても、羽根を広げてバタバタと飛んでくる姿を見て、俺は鳥肌になりながら叫んで火魔法を乱射してしまった……。
……俺も早く休憩所へ着きたいよ~!!
床は地面になってはいるが、以前と違って本当に歩きやすい。
……どうせならこの蔦も無くなって、地面じゃなければ良いのに。
「……なんか急に植物だらけになったな。」
セインが辺りをキョロキョロしながらそんな事を言った。
「……ねぇ、このフロアってどんな魔物が出る……の?」
ローラが引き攣った顔で俺を見て、こわごわ聞いてくる。
そりゃあ、そうだよね。
ローラは生粋の『お姫様』だ。
昆虫なんて苦手だろうな。
俺は苦笑いをしながら「昆虫が出てくるよ」と答えると、ローラだけじゃなくてすぐ近くで話を聞いてしまった女生徒も悲鳴をあげる。
「嫌よっ!私、無理っ!!その腕輪の中に入れてくれないかしらっ!?」
ローラはそう訴えて、俺の襟をつかむとブンブンと前後に揺らす。
それと同時に近くの女生徒も激しく頷いている。
それを見て、俺は最前列付近を歩いていたマール先生に大きな声で声をかけた。
すると一旦列は止まり、マール先生が走ってこっちへとやってくる。
「どうしたんだい、シエルくん?」
「どうしたもこうしたもないですっ!先生、このフロア、虫の魔物が出るんですって!私、無理なんですけどっ!」
マール先生の言葉に、ローラは食い気味で訴える。
それを聞いてマール先生は苦笑いだ。
そりゃあそうだろうな、それも含めての『遠征』なんだろうしね。
でも周りの女生徒も悲壮そうな顔で先生を見るもんだから、先生も折れるしかない。
「しょうがないなぁ。じゃあ昆虫ゾーンが終了したらまた復帰することにして、一時的にシエルくんの腕輪に入ることにするか?」
「もちろんそうして欲しいですっ!」
「じゃあ、他にも腕輪の中に一時避難したい生徒がいないか聞いてみることにするか。」
マール先生はそう言うと、先頭に向いながらみんなに声をかけていった。
そしてこちらへ帰ってくる時に、腕輪の中に入れて欲しいという人を一緒に連れてきた。
なるほど、女生徒はほとんどが入りたいと訴えたんだね。
とりあえず再度出発する前に腕輪の中に収納した。
「なぁ、そんなに昆虫って怖いもんか?」
セインは不思議そうな顔で隣を歩く俺を見た。
「ん~……俺も中には苦手な奴もいたなぁ。怖いっていうより、気持ち悪くて、だな。」
「そんなもんか?あとは?」
「あとは……普通の昆虫と違ってかなりでかいぞ。……ほら、あんな風に。」
俺はセインの問いに、前方で戦闘している一団を指差す。
そこにはラグビーボール並みのバッタや、人並みの大きさのカマキリの魔物がいる。
「……はぁっ!?なんだ、あの大きさっ!特にあの腕に鎌のあるあいつなんて、そこで剣を受け止めてるじゃないかっ!」
その戦闘を見たセインは思わずそう叫ぶ。
……そう、このフロアのカマキリは案外殻が硬いようで、鎌の部分で受け止め、薙ぎ払ってくるのだ。
顔も人並みにでかいので、近くで対峙しするとめちゃくちゃ怖い。……特にあれ、肉食だからね。
「あれはできれば火魔法で焼き払うのが楽なんだけど、こうやって狭い通路だとあまり使わないほうが良いんだよね。」
俺はすぐ脇の通路から突然でてきたカマキリを、魔力コーティングを施した刀で一刀両断しながらそう答える。
そのカマキリを間近で見たセインたちは、驚愕の顔でドロップ品へと変わったカマキリを凝視している。
「……。」
「大丈夫か?」
すっかり言葉を失っているセインとクロードに声をかけてみたが、呆然としたまま歩くだけだった。
……こりゃあこの2人も戦闘不能が確定だな?
俺は1つため息をつくと腕輪に収納しようとした……のだが、それに気づいたセインが待ったをかけた。
「……大丈夫、大丈夫だ。もう少し慣れたら、戦闘復帰できる、はずだ。」
セインはまだ呆然とした顔でそんな事を言う。
まぁ……期待しないでおこう。
それから俺たちは何階層もの間、いろいろな種類の魔物と戦い、いろんな戦利品をゲットした。
先ほどのカマキリなんて例の鎌がドロップ品の場合もあるから、騎士が少し嬉しそうに回収していた。
そうやってとうとう15階層へと向かおうかというところで、『それ』は出現した。
前回来た時にはこのフロアにはいなかった、『例のアレ』が。
みんなは最初見た時に何なのかよくわからなかったようで、目をパチクリさせている。
だが俺は……俺たち日本人は『アレ』の怖さを知っている。
1人の生徒がウミガメほどもある『例のアレ』に剣で切りかかったのだが、その背中の殻で剣がツルッ!と滑った。
そして転んだ生徒の目の前に、巨大な『例のアレ』の顔が迫って噛みつこうとしている。
俺は思わず火魔法でその『例のアレ』を焼き払ってしまったが……オイリーなのか物凄い燃える。
すぐ近くにいたその生徒も火に当たったが、俺の張った結界で何も問題はなかったようだ。
「……すまない、あの魔物のあまりの気色悪さに思わず火魔法を使っちゃったよ。」
俺は苦笑いをしながら、その呆然としている生徒に手を貸して立たせる。
「いや……助かったよ……。なぁ……俺もその腕輪に入れてもらえないだろうか?」
その生徒は顔をクシャクシャにしながら俺にそう懇願する。
俺はもちろん何も言わずに腕輪に入れた。
……そうだよね、目の前に巨大な昆虫の口があって、自分を食べようとしているなんて悪夢でしかない。
彼にしてみれば多分一瞬で15階層の休憩所へ着くだろうが、そこへ行くまでの時間をさっきの恐怖でいるよりはマシだろう。
それからの俺は、あの巨大な『黒い悪魔』を見かけると躊躇など全くなく火魔法で焼き払って行った。
……だが、あの『黒い悪魔』はオイリーなだけではなく、飛ぶのだ。
あの巨体になったとしても、羽根を広げてバタバタと飛んでくる姿を見て、俺は鳥肌になりながら叫んで火魔法を乱射してしまった……。
……俺も早く休憩所へ着きたいよ~!!
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