異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第11章 冬休み編

アンドリューの誕生日会

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日が暮れてきた頃、俺はセバスに起こされた。

どうやらお昼頃に1度セイン達が声をかけてくれたらしいのだが、俺の眠りが深かったのか起きなかったらしい。

それはアンドリューも同様だったそうだ。

なのでみんなは普通にお昼を食べ、アンドリューや俺が起きるのを待っていたそうだ。

でもそのうち夕方になって誕生日会に呼ばれたので、また誘いに来たのだ。



ユーリと2人、支度をして部屋の外に出る。

するとそこにはセインたちの他に、アンドリューもいた。

「お前なぁ、少し寝るだけだったのに何がっつり寝てんだよ。」

セインが笑いながらそう言った。

……返す言葉がない。

「まぁアンドリューも同じだった訳だし、余程疲れが溜まっていたんじゃないかな?」

「そうよ。昨日はリッキーさんとリリーさんの結婚式もあったわけだし、いろいろ疲れたわよね。」

クロードとローラはそう言って俺を擁護する。

するとセインは「そりゃそうか!」と言って大笑いをした。



それから6人でアンドリューの先導のもと、誕生日会の会場へとやってきた。

中に入ると、もうすでに国王夫妻は席についていた。

「すみません、遅れてしまったようですね!」

俺は慌ててそう言うと、2人は「よいよい。2人とも疲れていたのだろうから。」と言って微笑んだ。

それから皆が席に着くと、さっそく料理が運ばれてくる。


「さあ、今夜は我が息子アンドリューの誕生日。美味しいものを食べて、食後もゆっくりと過ごしていってくれたまえ。」

国王のそう言うとグラスを掲げ、皆もグラスを掲げて乾杯をする。

その場はアンドリューの学校での生活の話や、ついこの前のタンジャン遠征の話になり、大いに国王夫妻は驚いたようだ。

特に自国の副将軍が、まさかの神聖法国の回し者だったことには信じられないという顔をしていたが、アンドリューもその場にいて実際に大量の魔物と戦った話になると、結界を張った俺に感謝の言葉をくれた。

「それにしても……まさか自国の副将軍が『あの国』の者だったとは思いもせなんだ。こちらの調査ではクーデターの話は聞こえていたのだが、それの扇動者がその者で、他の者はそれに騙されていたということなのだな?……まぁ、それでも我や妻の命を狙ったりしていたのだから、全くの『無罪』というわけではなかろう。そこは追々調べていくことにしますぞ。」

国王はそう言うとため息をつく。

そっか、やはりリーシェさんの話し通りに国王の方でもある程度は情報をつかんでいたんだね。

でも今まで命を狙われていたって言っていたけど、大丈夫だったのかな?


その話をすると、国王からは「大体が毒であったので、わが国の『巫女』が力を貸してくれておったのだ。」と教えてくれた。

そりゃそうだよね、この国で『一番強い』と言われている国王に、普通の兵士達では太刀打ちできないもんな。

「……あれ?そういえば午前中にアンドリューの『成人の儀式』をしましたよね?」

「そうであるな。」

「もしかしてあの儀式をすることによって能力などが高まったりするんですか?」

「それはもちろん高まるのだが、急激に高まると身体に負担がかかるのだ。だからアンドリューはあんなに苦しんだのだよ。簡単に言うと、あの儀式は受けた者の潜在能力を引き出し、一気に能力を上げるものなのだ。多分今はまだ能力は定着しておらず、高まっている途中。体を休めることによって定着が早まるので、明日の朝には落ち着いているであろう。」

国王はそう言ってアンドリューを見て、「しっかり休むのだぞ?」と念押しをした。

「と、いうことは……『巫女』の力を分け与えられるわけではないのですね?」

俺はアンドリューから聞いていた話をする。

すると国王は緩く首を横に振った。

「確かに力は分け与えられるのだが、それは単に潜在能力を引き出す為のきっかけに過ぎないのだ。高まった能力が全て『巫女』の力であるわけではないぞ。もしかしてアンドリューはそう言ってそなた達に教えたのだろうか?」

国王の言葉に、俺達5人は苦笑いをする。

……アンドリュー、間違ってるってさ!

そんな中、ユーリだけは分かっていたようで、全く気にしてもいないようだ。


「……そういえば父上。母上は何だか食欲がないのですか?」

「……どうしてそう思う?」

アンドリューがふと気づいたといった感じで国王に問いかける。

それを聞いた国王は少し緊張気味で答えた。

それを見てアンドリューは少し首を傾げ、「食べている量と内容がかなり偏っているからですよ」と答えた。……よく見ていたね?

そう言われて王妃の皿を見る。

もうほとんど無くなってはいたが、サラダなどのあっさりしたものが中心に出されているようだ。

これって……もしかして、もしかする?

俺が国王の方を見ると、国王は俺と目線を合わせて苦笑いをした。

なるほど……「まだ知らせるには早い」って事なんだね。

「まぁ……アンドリューよ。お前の母は今は少し体調を崩してはいるが、そのうち必ず良くなる。だから安心してクレイン国で勉学に励むのだぞ?」

国王のその言葉に、アンドリューは訝しげな顔はしたが、素直に「はい」と頷く。

そっかぁ……来年の夏休み頃には新しい家族ができるね、アンドリュー!
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