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第8章 国立学校編
模擬試合 5
しおりを挟む「さあそこの皆さん、その話はやめにしませんか?他の皆さんが教室に帰れなくて困ってますよ?」
両手を打ち鳴らして王族3人組を止めてくれたリーシェさん。ありがとう!
「……チッ!しょうがねぇなぁ。確かに試合は終わったんだから他の学年は戻らなければならないもんな。」
そう言ってため息をつくセイン。
それを見てリーシェさんは『良くできました』的な顔でニコニコしている。
ローラは頬を膨らませて憤っているが、口には出さない。
そんな2人を見て、クロードはため息をついた。
……大変だね、君も。
とりあえずリーシェさんの号令で他の学年や先生方は修練場を出ていく。
彼らはみんな口々に「良いものを見せてもらった」、「すごい楽しかったよ!」、「君、すごい能力持っているんだね!」などを俺の横を通る時に声をかけていく。
楽しんでもらえたなら良かったね!
その場に残った俺のクラスは、残りの時間をそれぞれ適当な相手を見つけて模擬試合をしている。
……おや?クロードはセインとやるんだね?
俺は先ほどまでやっていたので他の生徒を見て回る側だが……なるほど、貴族の能力ってこんな感じなんだね?
そりゃあ俺とはやらせられないわけだ。
多分あまり剣を振るったことがない生徒が多いのか、剣の重さに振り回されている生徒が大半だ。
その中でも割としっかりとした模擬試合になっているのはセインとクロードの組だ。
ローラは2人の見学にまわっている。……君はやらないのかい?
俺が3人に近づくとローラがそれに気づき近寄ってきたが、俺がヒョイッと身を躱すとたたらを踏んでしまった。……その勢いで良く転ばなかったね?
「なんで避けるのよぅ!あんたは私のものなのよ!?」
かなりのお怒りモードだが、俺は君のものではない。
やはり一度はしっかりと俺の口から言わないと駄目なんだろうな。
「……悪いけど、俺は『君のもの』になる気はこれっぽっちも無いから。さっさと諦めてよ。」
ローラは俺の言葉に軽くショックを受けつつも、次の瞬間真っ赤な顔をして憤怒の表情になった。……その顔、酷い顔だよ?
「あんたの意思は関係ないわ!わ、た、し、が自分の物だって思ったら私の物なのよ!それがどうしてわからないの!?」
「……あんた、馬鹿だろ?」
そう言って俺たちの間に割り込んできたのはリッキーだ。
「何度も言うが、俺たち『スノーホワイト』は国王ですら『不可侵』だと認めるチームだぞ?あんまり酷いとどうなるのかは分かっていないのか?」
リッキーが真剣な顔でローラにそう言った。
「そんなの、俺が『例の事』をバラせば俺たち王族のものになるんだよ、そいつは。これは動かしようのない事実、だからな。諦めるのはお前達の方だ。フフッ、今ここで叫んだって良いんだぜ?それを我慢しているのは俺達の方なんだからな。感謝しろよ?」
そう言って近寄ってきたのはセインだ。
クロードはそんな2人を見てまたもや深いため息をつく。
……これは早急に、リーシェさんに話を聞かなければならないね。
眉を下げてため息をついた俺の横をクロードが通っていく時、小声で「すまないな、できるだけ俺の方でも頑張ってみるよ」と言った。……頼むよ?
「シエル、ちょっと良いか?」
スコットさんがその場を離脱するために声をかけてくれた。
俺が近寄っていくと、真剣な顔で「授業後にリーシェさんに頼んで早めに事を進めてもらうことにする。」と伝えてきた。俺もそれがいいと思うよ……。
それからほどなくして授業は問題なく終了する。
みんな先ほどの試合がいい刺激になったのか、とても頑張って動いていたようだ。……筋肉痛になりそうだね?
俺はこっそりと、みんなに体力回復の魔法をかけてみた。これで筋肉痛にはならないかな?
「さて、今日はいい授業になったようだね!最初にものすごいものを見せられたからみんな萎縮しちゃうかと思ったけど、案外良い刺激になっていたようで良かったよ!」
マール先生はニコニコしながらそう言った。
それを聞いてみんなも笑顔で頷いたりしている。
そんな彼らを見て、俺はなんだか嬉しくなった。
意外と俺のクラスは素直な子が多そうだね!
それから俺達もみんな揃って教室へと戻る。
この後は昼食をとった後、午後の授業が2つあるだけなので、その後にリーシェさんと話をする時間はあるはずだ。
教室に帰る途中、お昼は一緒に食べるとはいえ、スコットさん達とは一旦お別れをする。
「また後でな?」
スコットさんはそう言うと、俺の頭に手をポンと乗せた。うん、また後でね!
教室に戻るとすぐにお昼の時間になったので先生の話を適当に聞き、一斉に食堂へと向かう。
実は昨日食堂でご飯を食べていて気づいたのだが、メニューが何種類かあり、人気のメニューからどんどん無くなるのでみんなダッシュで向かうのだ。
初めてだらけの1年生は昨日1日戸惑いばかりだったのだが、今日は昨日の教訓でめっちゃ急いで向かうひと続出だった。
俺は別に何でも良い派なので急いでは向かわないのだが……実はどうしてもこだわる人が1名いるので、彼女は走って向かうのだ。
彼女のおかげで席が確保されているので、落ち着いて先にメニューを頼めるのでとても楽なんだよね!
……あリがとう、姉さん!
そうやってのんびりお昼をみんなと食べ、午後からの授業に備える。
お昼の間にみんなに「放課後にリーシェさんと話す」事を約束してもらい、俺は一安心だ。
さすがに今日の王族2人には精神的に疲れた。
その事の対策を話し合わないと、今後が思いやられるよ。。。
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