惑星Θシータ

ブラックドラゴン

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恐竜保護領

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惑星Θシータの恐竜保護領は、外界から隔離された海域に浮かぶ巨大な孤島で、約800,000平方メートル(オーストラリア程度)まるごと恐竜保護領に指定されています。
ここでは恐竜が自由に生息し、独自の生態系が育まれています。
恐竜保護領から一切、恐竜を持ち出すことが禁止されており、貴重な生態系を守るための厳格なルールが設けられています。
独立した自然の王国には、木々の間から日差しがこぼれ落ち、葉の緑が輝いています。
地上30メートル付近まで伸びた濃い緑のシダや背の高い針葉樹林の足元には被子植物が生育している。
遠くから恐竜の低い鳴き声が聞こえてきて…まるでこの惑星が生命のハーモニーを奏でているように思えてくる。
後々の地球の白亜紀に登場した大型恐竜アルゼンティノサウルス・竜脚類の一団は、辺り一面に地響きを、たてながら、ゆっくり歩いている。
砂漠地帯から、ご馳走のシダを食べに遥々遠征している。
地上8メートルの胴体から長ーく伸びる首、長い尻尾までいれると、全長は35メートルを超えている。
その中の1頭の大きな背中に3人で恐竜ツアーをしている。
上空にはプテラノドン・翼竜が7メートルもの翼を拡げて滑空している。
後頭部のトサカを右へ左へ傾け、空中旋回しながら昆虫を捕食している。
見下ろすと、ずんぐり体型で、体長10メートルのテリジノサウルス・チェロニフォルミス・獣脚類が長さ2メートルの前肢から伸びる70センチの鋭く尖った爪で腐葉土の落ち葉を、かき集めてお食事中だった。
地上には全身がダウンのような羽毛で覆われた体長1.2メートルのシノサウロプテリクス・羽毛恐竜が餌を求めて駆け回っている。
保護スーツはステルス・無臭モードにしているので、恐竜たちは親子ツアーに全く気づいていない様子。
メアリーはアルゼンティノサウルスが“グオォーン”とパイプオルガンのような低音で鳴くたびに、ゴワゴワした背中に伝わる振動に興奮して、心臓を高鳴らせている。
隣にいるロナンは冷静な男の子。
初めて恐竜ツアーに参加したメアリーの様子を見ようと、アマンダは特殊偏光モードの照準機能を少女の顔に合わせた。
メアリーの可愛い顔が、はっきり見えた。
目をまんまるに、見開いている。
隣のロナンは相変わらず落ち着きはらって、すました顔をしている。
逃げる獲物が、アルゼンティノサウルスの巨大な影に隠れた。
トロオドンたちが一斉に飛びかかる。
利口で素早いトロオドンたちの狩りは、見ている人々を釘付けにしている。
足元でドシン…ドシン…と地響きにも彼らは臆することなく、猛然と獲物を追い詰める。
巨体な足元で忙しなく、まるで踊り回るように…トロオドンの青灰色の羽毛が陽の光を受けてキラリと輝いている。
アルゼンティノサウルスは興奮し“ブオォ゙ーン”と、更に超低音の大音量の鳴き声をあげた。
トロオドンの群れに警戒して巨大な岩のような脚で、勢いよく地面をドシン…ドシン…と踏みつけると、背中が大地震のように揺れる。
ゴツゴツした背中から投げ出されそうになる。
メアリーは思わず「怖い!」声を漏らした。
心の中でロナンはメアリーに語りかけた『よせ!声を出すな』
メアリーは慌てて口元に手を当てた。
するとアルゼンティノサウルスの下で声を聞きつけた全長1.7メートル2足歩行のトロオドン・肉食恐竜が一斉に群れで見上げて大きな目を見開き“キョロキョロ”首をかしげている。
群れのボスが“キァーキァー”と声をかけている。
恐竜管理事務局から頭の中に業務連絡が入ってきた。
『アマンダ総長、トロオドン・肉食恐竜が声を聞きつけたようです。これ以上接近されると危険です。』
アマンダ『分かったわ、離脱します』返答した。
ロナン『メアリーも一緒に、ここを離れるよ』
メアリーはうなづいた。
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