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第一章 死に損ないの覚醒から〜
第一話 絶望の夜と赤紫色の実
しおりを挟むピピッ
ここはどこだ? 病院か?
ピピッ
「状態維持失敗です!プロセス3に不具合あり!研究主任!指示をお願いします!」
人がいる。…状態?…失敗?どう言うことだ?
ピピッ
「手の余ってるものは今すぐ鎮静剤を投与しよ!急げ!暴走するぞ!この時間がもはや命取りだ!」
意識が朦朧としてうまく考えれない。それにまぶたが異常に重い。
ピピッ
「それが!っ…今鎮静剤を打ち込んでますが一向に治まりません!もうラボは捨てて逃げた方が良いかと…」
「しかたない!全員サンプル持ってラボから出ろ!実験隊コード0519は捨てろ!今はその場から離れることだけ考えろ!」
白い服を着た人たちが次々に扉から出ていくのが見えた。
でも、そろそろ俺もまぶたが上がらなくなって…また静かな眠りに陥った…
ピピッ
その日。日本列島西部の小さな島で大規模な爆発が起こった。
その爆発によりその小さな島がなくなった事は、その少年は知る由もなかった。
◯●◯●◯●◯●◯●
とある小さな島の海岸にその少年はいた。
若年齢は13歳くらいだろうか。いや、もっとあるはずだ。なんせ少年の身体は見事に痩せ細っており、生身というより死体、ミイラという感じなので年齢は詳しく把握できない。
「う…………」
少年が目を覚ます。しかし身体は動かないだろう。なんせ生きていることが奇跡と言える程だ。しかし、その少年は動いて見せた。
「う……….…あ…………」
醜い声を上げながら少年は地面を這いつくばるようにして進んでいく。少年が行く方向の先に目を向けるとそこには建物があった。
実にこの世のものとは思えない様な建物が…
◯●◯●◯●◯●◯●
「うぅ………あぁぁ……」
視界がぼやける。頭が痛い。それに空腹と喉の渇きで気が狂いそうだ。
それにしてもいったいここはどこだ?何で俺がこんな所に…
それより今はあの建物を目指さないと…一瞬、一瞬だけ見えたんだ。あの建物に赤紫に光る…美味しそうな果実が…
もう少し…もう少しなんだ…っ!そう考えながら俺はその建物の敷地らしい場所に足を踏み入れてしまった。
その横に書いてある…立ち入り禁止の文字にも目を向けず……
「うぅぅ…うガァァァア!!」
赤紫の果実を完全に目にした時にはもう、自我なんてなかった。
只目の前にある美味しそうな果物を食べること以外、何も考えれなかった。
その果実はとても美味だった。実は食べた時にブルンッと揺れ歯応えが非常に俺好みで、味もブドウみたいな感じでそこらへんの果物より普通に美味かった。
もっと欲しい!この果物がもっと欲しい!
その果物はスイカ並みのかなりの大きさではあったが空腹で餓死寸前な俺はその大きさをもろともせずがむしゃらに食べまくる。
「グチャッ…グッチャグッチャグッチャ」
汚い咀嚼音、まるで化け物みたいに荒々しい食べ方。これじゃあまるで怪物の食事だな。
いよいよ3つを食べ終わり、4つ目の果実に手を出そうとしたその時、異変は起こった。
突然背中に何かが刺さったかの様な痛みを感じたかと思ったら急に全身の力が抜け、眠気が全身に回った。
「ほう。コレを受けて尚まだ意識があるか。本来コレは即効性なのだがな。」
後ろから聞こえたのは若い女の声。
後ろを振り向こうとするが既にそんな力は残っておらず。そのまま地面に伏し、意識を失った。
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