止まる日常

チリヒゲ

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歩く事

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今日は歩こう。

愛犬がそんな目で私を見ていたので、それを言い訳にして。


一時間を目標に。


いつものビーチサンダルを履いて。


どこへ行こうか。


少し開けた方向へ。



愛犬は時々、止まる。

匂いを嗅ぎたくて、グッと止まる。


何の前触れもなく止まるけど、犬と一緒だから不審がられない。


少しその場を嗅ぎ回るとまた歩き出す。



自分のペースだけでなく、こやつがいると「合わせる」というタスクがつく。


少しゆっくり歩くといつも気がつかない花を見つけたり、表札で難読ネームを見つけたり。




幼少期に歩いていた通学路。

古びれた団地はなくなっていて、綺麗なマンションに。


友だちの家は綺麗になり、表札はそのままだけど今は縁がない友だち。



周囲の変化を見て感じていたら、
次は自分の変化に方向が向く。


ビーチサンダルの鼻緒が当たる箇所が両足共に刺激が入る。

歩いている時のビーチサンダルが地面に擦れる音、
足裏の痛い場所で自分の重心位置のズレを感じる。

もう少し太ももを上げて歩くと楽か、
足を引き上げる時の鼻緒に引っかかる部分への負荷を、もう少し軽くするには足指の引っ掛かりをもっと早くする方がよいか、など。


自分の身体との会話。
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