温室育ちの靴下

朱雀院やさぐれ男

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温室育ちの靴下

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ぼくは温室育ちの靴下。


タンスの中でいつも眠っている。


主人はいつも家の中。


主人の顔は、ぼくと同じくらい白い。


ある日、主人が外に出かけた。


真っ暗な夜のことだった。


街灯はついていたけれども、薄暗かった。


道端には草が生えていた。


道端には石が転がっていた。


道端には花が咲いていた。


道にはでこぼこがあった。


川には水が流れていた。


家にはあかりがついていた。


犬にはほえられた。


帰ってきて思った。少し汚れたけど嬉しかった。
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