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一章~新入生親睦会~
※変態と姫君と
しおりを挟む園原 美景。 春宮千里の親衛隊を束ねる親衛隊隊長である。親衛隊を厳しく管理し、一般生徒だろうと千里に近付く者を徹底的に線引きをしている。
例えば、千里自ら親しくする資産家の息子で美少年の恵は合格。直久は千里にアプローチしているが、冬宮家嫡男で絶世の美形。千里も嫌がっていないので合格。
Sクラスでも、厳しく園原のチェックが入っている。
そんな園原は、日本有数の外資系の園原グループ次期社長。
天使や妖精と比喩される、桜川 恵の美貌とはまた違う愛らしさを持つ。彼の呼び名は姫君。 肩までの銀の髪は枝毛など知らず、二重瞼に 長い睫毛。160センチと小柄で華奢で、思わず守ってあげたい雰囲気を持つ。
しかし、それは外見だけの話だ。経営学と帝王学を学んだ彼は、根っからの人の上に立つ気質を持ち、空手、合気道、剣道は段を持つ達人である。
中学まで、園原美景は氷の女王と渾名されていた。しかし、高等部にあがり彼の人生は変わったのだ。
灰色の視界で、園原の目に鮮やかに映る存在。揺れる艶やかな漆黒の髪に、中性的な麗しさを持つその人は、窓から少し侵入した桜の小枝を手折る。知らず見とれていた園原に気付き、ふと微笑みを浮かべてそれを園原の髪に差し込む。
「…驚いた。凄く似合うね?気を付けてお帰り…見つかったら桜の精霊に連れて行かれちゃうよ、華の姫君。」
恋というのは、本当に唐突だ。
そこから園原の全ては変わった。人生を春宮 千里という人に捧げよう。 何故なら、つまらない自分の世界に色をくれた存在なのだから。
この日、親衛隊の情報で会議室に千里と風紀委員が共に入ったと聞き、その俊敏さで飛んで来た。もしも、千里様に指一つたりとて触れたら、 生きているのを後悔させよう。
「…千里様!」
「美景。」
扉が開く瞬間千里が指を離した為、篠村が指をしゃぶる姿は見ずに済んでいた。しかし美景の顔からは、一瞬で色が無くなる。
「…千里様!お怪我は?!」
この変態が!汚ならしい体を、よくも美しい千里様の前に晒して!
素っ裸で逸物を固くする篠村を目にし、慌てて千里に駆け寄る。麗しの君は、変わらず天上の微笑みを浮かべ た。
「…大丈夫。心配して来てくれたんだね?あ りがとう、可愛い人。」
「っい、いえ!当然です。ご無事で良かった…千里様。」
急激に顔の温度を上げて、美景は千里を見上げる。
嬉しそうに笑みを向ける千里は、少し複雑な思いを抱いていた。
(まさか、園原グループの神童を味方に出来るとは思って無かったな。…父様に、敵に回さない様に言われた三人の一人だし。)
相手の胸中など知らず、美景は椅子に座った千里の隣に正座をして控える。
「…千里様、お戻りになりますか?よろしければ、私が篠村君の対処をしますが。」
小首を傾げる可憐な仕草は、全く本質を見せない。
どうしようか?
一生消えない傷を作るのも良いな。
いや、それとも3年間飼い殺しにしようか?
結構役に立ちそうだし。
清純な雰囲気だが、千里は勿論彼の本質を見抜いている。
だからこそ、利用しているのだ。3年間誰にもバレずに過ごすのだ。味方は多ければ多い方が良い。
美景に任せても良いけれど…。そういえば、僕は男同士のやり方を知らなかったなあ?
これからの為にも少し覚えておきたいかも。
笑みを浮かべたまま、美景の頭を撫でてみたりする。
「…千里様?」
頬を薔薇色に染め、うっとりと自分を見つめる相手に、まるで談笑しているかと思う口調で囁く。
「彼は、お仕置きをして欲しいらしいんだけど…どうしたら良い?」
一瞬固まる美景だが、直ぐその瞳に支配者の色が覗く。
「…それでは、お待ちください。」
愛らしく頷くと、戸惑う篠村の腕を掴むと両手を頭の上で一つに纏める。抵抗しようとした篠村だが、武道の達人である美景には何の支障も無いらしい。
更にハンカチを猿轡にして声を奪い、彼の足を開脚させ椅子に固定してしまう。
わー。何か犯罪的。
床に尻をつけM字開脚で足を椅子に固定され腕は纏められ、恐怖で涙を溢すガッチリしたイケメン。
うん。引かない自分が恐い。
その間、世間話をしながら淡々と作業していた美景にも恐怖を感じる。更に美景は、震える篠村の男根の根元を髪ゴムでキツく縛った。
うん。絶対に美景は、絶対敵に回さないと誓おう。というか、篠村ももっと抵抗すれば良いのに。やはり、春宮家に逆らいたくないから?
そう思った時、篠村の逸物が元気を取り戻していた。同時に、美景の愛らしい表情がガラリと変貌する。
「…気持ち悪い。」
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