異世界には男しかいないカッコワライ

由紀

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さて囚われ日和2

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汚い!臭い!気持ち悪い…等相変わらず騒ぎ立てるフレデリク。そんな喧しい声をBGM代わりに周囲を観察していると、目の前の人物がまた此方の下半身を弄ろうとしてくる。

「え?いや、何をしているんだ?!」
「あ、の、せいしょり、です。」

セイショリ…性処理?
混乱しながら一旦止めさせて理由を尋ねてみる。
どうやら意識の無いタチは抑制剤が飲めない為、世話をする彼らが性欲の処理を行うようだ。

「あー、うん。抑制剤があるなら、自分で飲めるよ。」
「!はい、わか、りまし…た。」

時間も経たずに何処からか持って来たらしい、見慣れた錠剤を手にした相手から口元に運ばれ嚥下する。
それと共に水の注がれたコップも用意してくれていた。此方が手を使えない為、口につけてからゆっくり傾けてくれる。

どうやら喉が渇いていたようで、あっさり飲み干してしまった。正直思っていたよりも冷たく清潔な水に感じた。

そう思ってしまうのも、世話役の彼らの姿のせいでもある。学園で初めて出会ったチコの姿など比では無い容貌。

見るからに栄養の足りていない、痩せぎすの身体。
方法不明の傷跡、膿んだ傷やケロイドの様な跡もある臭く薄汚れた肌、悪臭の漂う短く切り刻まれた髪。手足の指先は爪の無い場所の方が多い。
傷は剥き出しで、治す予定はどう見ても無さそうだ。

「ありがとう。知っているかもしれないけど、俺はアルフレッド・シュタルト。…君を何て呼べば良いかな?」

驚愕に見開かれる瞳。
相当驚いたのか、手にしていたコップを取り落としそうになっていた。

「……フェム、です。ある$€∂⊥≠〻~~さま。」

うん?名前が発音しづらいか?全部言おうとしてくれてるっぽいな。

「言いづらいか?なら、言いやすい所だけでも良いよ。」
「…っはい。………………アル、さま。」
「うん、それで良い。」

にこりと笑顔を向けてみる。
アルフレッドにとっては、相手の境遇や姿に対して感じる憐憫からの優しさであった。自分自身これからの恐怖も不安もあったし、情報収集の為にも好意を向けさせようと無意識の意図もあったかもしれない。
それが、相手にとってどんな残酷な事だとしても。

鈍い反応で俯き小さく頷いてくるが、コップを片づけてくると踵を返して行った。

…触るなー!離れろと言っているだろ!…

…うるっせえなあ。
相変わらず騒ぐフレデリクを思い出し、抑制剤を飲めば止めてくれるぞーと大きめの声で言って置く。

「っはあ?!お前正気か!こんな所で、何を飲まされるか分かったものでは無い!本当に抑制剤である保証なんて無いだろ!」
「まあ、確かに。」

思わず同意してしまった。見た目に違和感が無かったから深く考えずに飲んでみたが、毒か別の薬の可能性も有りえる。

「だけど俺たちは人質っぽいし?死なせないようにはするだろ。」
「お前、危機感無さすぎるんじゃないか!?」

顔を顰めて引き気味に此方に顔を向けるフレデリクに「失礼な」とは思うが、生まれながらの王族とは危機管理能力が違うかもしれない。
でもなあ。

「うるせーな。どっちにしろ何も出来ねーんだから、黙るか寝るか抑制剤飲んどけ。」
「何だと!この、僕に命令するな!」
「じゃあ、そのままで居ろよ。」

動かせない下半身に奉仕を続けられているフレデリクだが、この状況と相手の姿への嫌悪感に眉を顰めている状態だ。
しばらく葛藤しているのか百面相を見せていたが、最後には嫌々相手へ抑制剤を持ってこさせていた。ひとしきり騒ぎ立てていたが、抑制剤を飲んだ後は諦めたのか大人しくなった。
フレデリクの衣服や周辺の汚れを掃除し終えた者は、一度頭を下げてその場から離れて行った。

奉仕をしていた者が移動に使うのは、重そうな扉一箇所のみ。この場所に窓や通気口などの隙間は無い。

意識の無いユミル王子は奉仕をされ続け、奥に見えるギー公爵はイビキが聞こえるので寝ながら奉仕されている。

先ほど特にフレデリクとの会話は禁止されなかった為、此方の動きは監視されてそうだが多少の自由はききそうだ。
何処まで監視されているかにもよるが。





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